『日本経済のミステリーは心理学で解ける』・その1 | くらえもんの気ままに独り言

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 今回は先日発売されたばかりの廣宮孝信氏の最新刊『日本経済のミステリーは心理学で解ける(徳間書店)を取り上げたいと思います。


 いやぁ、本書はなんといっても素晴らしい!!!の一言です。


 これだけ、私のニーズにドンピシャリな本を書くとはさすが廣宮氏です(°∀°)b


 お気づきの方も多いかもしれませんが、実は私の経済知識は廣宮孝信氏に多大な影響を受けております。(あとは青木泰樹氏と島倉原氏。)


 本書のコンセプトとしては「国の借金は大丈夫だ」って論理的に説明しても感情の部分で納得できないという人へのアプローチが主目的なのだろうと思われますが、それに限らず人間が人間として生きていくうえで必要な処世術をも学ぶことができます。


 何と言いましても経済学と心理学・脳科学を融合させることによって理解を深めるというところがユニークでございます。経済学からのみのアプローチでは見えてこないものが見えてくるのではないでしょうか。


 私のブログの一つのテーマであります経済学と医学・生理学の融合に通じるところがあるというのも本書を高評価している理由の一つでございます。


 さて、気になる内容の方ですが、廣宮氏のブログに目次一覧が掲載されておりますので是非ご参照ください。↓

http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-612.html


 今回は第一章の部分の感想を書きたいと思いますが、ネタバレにならないように配慮しつつ、私独自の考察を交えながら書いていこうと思います。(上記リンクにもありますように「はじめに」の部分も必見ですが、そこはあえて飛ばします。)


第1章「成長と繁栄を運命づけられた世界経済―“限界”は常に突破されてきた!!」


 まずは第1章のタイトルから意味深ですね。そういえば人間とは真理を追い求め続けるようにできているという話がありました。そして、それに必要なのが平衡感覚という話なのですが、平衡感覚があれば成長・繁栄を果たせる(または成長・繁栄が平衡感覚をもたらす面もあるかとは思います)と考えれば、成長と繁栄は人間の運命と呼ぶことも可能かもしれません。そして限界を設定してしまうということは生きることを放棄するのと同義なのかもしれませんね。


(参考)『知性の構造』・真理への渇望

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11855187261.html


 さて、目次にもあります通り、大恐慌が成長を加速させるという話がありますが、廣宮氏のデータが示す通り、戦後は戦前と比べて急成長を遂げております。トマ・ピケティ氏が『21世紀の資本論』で述べているように大恐慌の教訓から市場経済を規制したり、累進課税の強化により格差是正を行ったりしたことが、この間の経済成長加速を呼び起こしたのだろうと思われます。体の仕組みで言うと「食べ過ぎ・運動不足の生活を送っていたら体重が100キロ超えてしまったので、ヤバいと思ってダイエットに励んだ」って感じでしょうか。


(参考)『21世紀の資本論』・その4

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11894820263.html


 次に「超回復、つまり運動して筋肉が一部断裂しても、それが再生した暁には以前よりも強い筋肉が作られるというわけです。私はよく筋トレと公共事業を結びつけて述べますが、筋力アップさせようと思ったらある程度負荷をかけないといけないわけです。言い換えると、土建産業の供給力をアップさせようと思ったら、現状の供給力を上回る需要が必要なのです。よく、土建産業は供給制約があるから公共事業を増やすべきではないと言う人がいますが、逆です。供給制約があるからこそ公共事業を増やして供給力をアップさせなければならないのです。


①「体がひ弱だから運動して体力つけよう」

②「体がひ弱だから運動などするべきではない」


 どっちが好ましいか・・・。成長・繁栄の追及が人間の性質であることを考えるとぜひとも①を選びたいところですね。しかし、②の意見も無視してはいけません。運動も自分の能力をはるかに超えてやりすぎると体を壊すので、やり過ぎに気をつけながら運動を増やしていくべきでしょうね。


 また、お金はエネルギーだという廣宮氏の主張も私の主張と通じるところがあります。ただ、私が言う体の仕組みの場合、エネルギーはブドウ糖や脂肪ということになるので、使ったら体の外に出て体内からは消えてしまいますが(;^_^A

 あ、もちろん閉鎖系ではお金もエネルギーも使ってもなくなりません。


 当ブログの読者であれば自国通貨建ての借金は問題ないことはご存じだとは思いますが、これを体の仕組みで表現するのって結構難しいんですよね。実は体の仕組みにおいて「税金」を表現できるシステムはないんです。(あるかもしれませんが、思いつきません。)

 話を戻しますが、自国通貨建て借金を体の仕組みで表すとこういうことになります。

「筋肉が運動するためのエネルギーを得るために脂肪組織からエネルギー源を調達した。」

 もちろん、これは借りたのではなくもらったものなので返す必要はありません。が、これは厳密には自国通貨建てではありません。なぜなら、その原資は体外から摂取した食物なので正確には外貨建て借金になります。つまり、脂肪にエネルギー源をため込んでいる状態というのは外貨建て借金をしているということになります。運動などしてエネルギーを外に放出することで借金返済というわけですね。


 じゃあ、デフォルトは?


 デフォルトというのは債務不履行のことですが、本質的には資金調達ができなくなった状態のことを言います。ということは、あれだ。太りまくって動けなくなった状態(海外のびっくり人間とかで出てくるような状態です)がデフォルトですね。介助がなけりゃご飯も食べれないし、運動で借金返済もできないですから。(‐^皿^‐)


 話がかなりずれてしまいましたが、本書の内容に戻ります(;^_^A


 まぁ、あれです、国の借金とやらは問題ないってわけです。


(参考)国の借金って?

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11822751320.html


 肝心なのはお金じゃなくてモノなのです。モノを生み出す力なのです。お金がなくても物々交換でやっていけないこともないとのことですし(確かに)。

 このモノにあたるのが体の仕組みの話ではATPということになりましょうか。ATPを生み出す力の低下がいわゆる老化の本質であり、これが決定的に不足していると細胞は壊死を起こして死んでしまいます。まぁ、人間の体はお金を自分で作れないので、食物を食べるという行為も必要ですが(;^_^A


(参考)久々の更新

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11734798505.html


 最後に本書では新自由主義と社会主義の両極端な合理主義ではなく、バランスのとれた第三の道を目指すべきであるとされています。格差拡大でもなく悪平等でもなく、努力が報われるような公正な経済が望ましいというわけですね。バランスを取ろうという考え方は中野剛志氏らの言うところの保守主義になりましょうか。


(参考)『国家のツジツマ』・その2

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11803853072.html


 新自由主義を体の仕組みで言うと政府は余計なことをせずに市場に任せろってことなので、「運動は無駄だからずっと横になって寝とけ。基礎代謝に任せておけば効率的だ。」ってことでしょうか。もちろん、運動しなければ基礎代謝も落ちますが。逆に社会主義は「基礎代謝も意識でコントロールすべし。」ってことですか?そんなムチャクチャな( ̄Д ̄;;

 やはり極端なのはいけません。バランスのとれたところに答えがきっとあるのではないでしょうかね。


(参考)GDPって何?

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11854895145.html


 バランスと言えば葛藤の処理方法ですね。どちらかに傾かず平衡を保つことが適切な表現につながるという奴です。


(参考)『知性の構造』・意味表現における葛藤と平衡

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11904741294.html


 というわけで、第一章の感想でした。

 え?本書の内容?目次を見ればだいたいの要約になっていますし、ネタバレはよくないですから(;^_^A

 当ブログの過去エントリーのリンクを大量に貼る結果となりましたが、それだけ本書の内容は応用のきく内容であることの表れなのかもしれません。


 それでは、次回は第二章の感想(?)をお送りします。


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本書はコチラ

日本経済のミステリーは心理学で解ける (徳間書店) 廣宮孝信 著

http://www.amazon.co.jp/dp/4198638446/



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