NOTE/大野輝之&レイコ・ハベ・エバンス著「都市開発を考える」・・・(3) | ゆるポタで心リセット“おれ野_お散歩日記”by_✡CAMMIYA…ちょいマニアックで開運

NOTE/大野輝之&レイコ・ハベ・エバンス著「都市開発を考える」・・・(3)

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■昼間人口116人/ha、夜間人口69人/haの春日部駅前(埼玉県春日部市)




★書誌情報・・・

大野輝之、レイコ・ハベ・エバンス著「都市開発を考える-アメリカと日本」

(1992年、岩波書店/岩波新書・新赤版215)

林立する高層オフィスビル、遠くのマイホーム、破壊される景観・自然・・・。

日本の都市開発は、なぜ生活の質の向上に結びつかないのだろうか。

サンフランシスコなどアメリカ各地の具体例を通して、

徹底した市民参加の手法、

「成長管理」という新しい発想を紹介し、人間の暮らす場を目指した

都市づくりへの指針を明らかにする。。。。。(表紙カバーより引用)





★4大都市における人口密度比較【p.115】

夜間人口密度と昼間就業人口密度の合計数値

東京23区の面積(617K㎡)と近くなるように各都市を適切な範囲に区切り比較

東京=240人/ha

ニューヨーク=138人/ha

ロンドン=105人/ha

パリ=126人/ha

たとえば、ニューヨークは、、、

マンハッタンこそ密度が高いものの、

周辺の他の4区(ブロンクス、ブルックリン、クイーンズ、リッチモンド)は

夜間人口も就業人口も密度が極めて低い

これに対し、東京は、、、

都心部だけでなく周辺部も就業人口密度が高い。

夜間人口は、都心部こそ低いものの、周辺部はパリ都心部ほどの密度があり、

全体では東京の方が密度が高くなる。

広い範囲で密度が高い=東京の最大の特徴

(参考図書)

宮脇 檀 「日曜日の住居学」1995年(講談社+α文庫)p.28における表現…

ヨーロッパの街が一歩外へ出たとたんに森と畑の緑一色に変わるのに対して、

日本の都会ではどこまでも住居が続く

やがて、この住宅はすべての緑を埋め尽くし、

住宅地として可能な土地のすべては住宅地化してしまうだろう。

100人/ha以下というような非効率な土地使用形態

非効率だからでなく、

そのために宅地が細分化され、

道路や公園、遊び場、緑といった公共施設がとれないことが問題

がまだ許されるのかと言う問いが、そろそろ当事者である市民たちの中から

発せられるべきころではないだろうか・・・・・。

(本ブログ管理者=日本を代表する地方都市出身の埼玉都民による注記)

日本の地方都市においては、

都心~周辺部にかけて、

連続的に(公共交通が維持できるに若干足りない程度に)

ダラダラと広い範囲に散らばって低くなっていくような感じ。。。

(都心部においても低未利用地が目立つ状態)

 ↓

コレに対して、欧州の場合には

周辺部はゼロに近いくらいに低く、都心部はそれなりに高い・・・という

メリハリの効いたイメージ

(イタリア・ボローニャ市における中層の歴史的建築街区とか、、、)

 ↑

残念ながら、本ブログ管理者は写真でしか見たことが無いが・・・・・

■本ブログ内関連記事「密度論」  参照




★4大都市における道路率とオープンスペース率の比較【p.118】

東京=(道路率20.7%+オープンスペース率6.2%=合計26.9%)

ニューヨーク=(道路37.6%+オープンスペース14.2%=合計51.8%)

ロンドン=(道路率20.3%+オープンスペース率14.2%=合計34.5%)

パリ=(道路率24.6%+オープンスペース率23.6%=合計48.2%)

欧米における

平均7階建てという中層の街並みは

こうしたオープンスペースの広さによって支えられている

確かに、建物の高さを比較すれば、

東京の平均2.7階が、欧米の都市より低いことは事実・・・

(パリは平均7階、NYマンハッタンの住宅は平均10階程度)

しかしながら、このような建築(都市)密度論の比較に際しては、

道路や公園などのオープンスペースの大きさも一緒に比較する必要がある

(林立する超高層オフィスの足元には強固な道路基盤が存在)





警「美」報 告 書 ☆彡 ........................ 街と電車と時々グルメ  ▼CAMMIYA-容積率と地価

東京都千代田区の商業地における指定容積率と実際の地価との関係

容積率が高いほど地価も高いというきれいな比例関係…p.124)

かりに容積率が緩和されて従来の2倍になれば、

収益も2倍になり収益還元地価も2倍になる

(容積率緩和が収益還元地価の上昇を招くのは、こういう原理…)

一方で、

規制緩和とバブル地価の関係は、理論的には不明確…

バブル地価=値上がり期待という心理的要因

しかしながら、

民活の開始と狂乱地価の開始が近接していることは、

規制緩和政策が投機的心理をあおる効果を持つ、という説の状況証拠になる。。。

【p.124】

ただし、、、

東京の中心部のように経済的ポテンシャルが高いところで用途規制を緩和すれば、

住宅に代わって、より収益性の高い事務所などの立地が進む可能性が高い

実際に、

山手線内側の第2種住居専用地域では、住宅は全体の5割強に留まっており、

業務商業系の施設が約2割を占めている

第1種住居専用地域から第2種住居専用地域への指定替えは、

「住宅供給の促進」という大儀名文とは反対に

住宅以外のものの立地を促進する可能性の高い政策なのである。。。。。

第1種住居専用地域では、

住宅と学校・図書館などの公共施設だけしか建設することができないが

第2種住居専用地域では、

2階までなら(かつ1500㎡までなら)店舗や飲食店、

さらに事務所などを建設することが可能・・・・・。




★中高層化による容積率の上限【p.128】

中高層化を進めたとしても

日照時間の確保など良好な住環境の維持を前提とすれば、

実現できる容積率の上限は、せいぜい200%・・・

冬至の日に2時間日照を確保が条件/4時間ならば150%程度)

例/高島平団地(東京都板橋区)の容積率=190%

「欧米では都心に日当たりは望まない」の誤解【p.130】

アメリカの都市には確かに住宅の日照を守るための特別の規制は無いが、

これは、

そもそもゾーニングで住居系地域と商業業務地域が分けられるとともに、

住居系地域のなかでも

戸建て住宅地と中層、高層住宅地が区分されており、

低層住宅の隣に突然高いビルが建つようなことはない・・・・・

(ニューヨークやサンフランシスコの都市計画の中では、

 道路や公園への日当たりの確保に大変な注意が払われている)

サンフランシスコでは、

都心部にある公園やオープンスペースに影を落とす建物は厳しく規制される。

各公園ごとに年間を通じて許される影の量の最大値が設定されており、

これを基準に建物の高度制限がなされる。

(この規制のために25階建ての計画が15階に変更された例も在る)

同様に都心部の主要街路についても、

両側に建つ建物の高さが規制され街路面への日照を確保

ニューヨークでも、1982年のミッドタウンゾーニングのなかで

街路への日照が確保されるよう、建物の形をコントロールしている。

都心の住宅に日照が十分に確保されていない場合でも、

公園や道路という公共スペースについては、

「都心での日当たり」に十分な注意が払われている。。。

ロンドンでは

都心部でも、新たな建物の建築が行われる時に、

既存の建物の日照が確保されるように配慮がなされている。

イギリス政府環境省の『日照―計画基準と建築デザイン』というガイドラインは、

その序論で「都市を住みやすくする努力のなかで、太陽の光を取り入れ、

視界を確保するほど基本的なことはない。・・・・・

冬に太陽が高く上がらないようなときにも、日照権を確保すべきである。そして

今後計画されるいかなる開発においても、日照権を守らなければならない」と明記

ロンドン各区の都市計画局は、このガイドラインよって開発許可を運用

確かに

都市に一定の密度がなければ、

経済や文化など

さまざまなジャンルでの人的な交流が行われず

新しいものが生まれないことは事実・・・・・

(しかし、、ものには限度がある。。。【p.142】)
警「美」報 告 書 ☆彡 ........................ 街と電車と時々グルメ  ▼CAMMIYA-ネズミの限界密度
密度の限界と過剰な刺激の弊害に関する実験結果より、、、(1986年・アメリカ)

こうした混乱(異常な高密度)のなかで新たに生まれるネズミは、

最初から母親や他の成熟したネズミに拒絶され、ネズミ社会の秩序は崩壊。。。

適切な密度を超えた高密化は

刺激を高めすぎ

ストレスを増すことによって

社会システムの崩壊に至る

【p.145】

(本ブログ管理者注記)

どこかの職場で似たようなことが起きているような気もするが・・・・・





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