Stellaでのティータイム終了後、バスで一気に麒麟路の伝統文化館近くまで移動。
そこから全州韓屋村散策の後編を始めました。
まずは、 ⑧旧 全羅線のトンネル跡 へ。
①の梧木台(オモクテ)でも説明があった通り、現在の幹線道路である麒麟路には、昔鉄道が走っていて、当時ここにはトンネルがありました。
「って、ゲタさん!
その説明は、ここでしなきゃダメですよ」と突っ込む私(苦笑)
ゲタさん「えっ?そうなの?」
はい、改めまして説明(笑)
そして、全州韓屋村の中で私が最も好きなスポットである⑨寒碧堂
。
ここから見渡せる山や下を流れる全州川が、いつも心を穏やかにしてくれるんです。
その全州川に釣糸を垂らす方が。
この水の透明度も、全州が誇るもののひとつなのではないでしょうか?
寒碧堂の傍に並ぶオモガリタン の店先。
昔は全州川で取れたナマズやパガなどの淡水魚を使っていましたが、今は仕入れた魚を使用しているようです。
オフ会に参加してくださった全州出身のキムさんは、子供の頃この全州川でよく魚を捕まえて遊んだそうです。
伝統文化館前にある全州韓屋村の地図を利用して、改めて韓屋村について説明するゲタさん。
孔子や孟子などの位牌が安置してある大成殿の前で、伝統結婚式が開かれている~!とぬか喜びしたら、模擬結婚式でした。
私たちのグループからも一組体験するチャンスがあったんですが、奥ゆかしい皆さんからは名乗りが上がらず(苦笑)。
ゲタさん「成均館スキャンダルの撮影に使われた銀杏の木ですよ。
この木に誰が登ったかというと、ユチョンですね」
ビョン「ユチョンじゃなくて、ユ・アインですよ」
ゲタさん「えっ?誰?」
ゲタさんは、絶対ドラマを見てないはず(笑)
ここで嬉しい出会いが~。
このブログを読んでくださっていると仰り、翌週に全州郷校で結婚なさるのだと仰る韓国人男性と日本人女性のカップルが、オフ会メンバーのおひとりに「日本の方ですか?」と声を掛けてくださったんです。
全州在住の日友たちは、早速連絡先を交換していました。
私も早速名刺をお渡しし、帰国後カカオやメールで連絡させていただいております。
オフ会の翌週の土曜日、予定通り全州郷校で伝統結婚式を挙げたお二人。
⑪高台から全州川
にかかる南川橋(ナムチョンキョ)を含めた韓屋村を見下ろしました。
個人的には、梧木台(オモクテ)からの景色より、こちらの方が昔ながらの趣が残っていて好きなんです。
全州郷校の付属建物で、朝鮮時代には両班(ヤンバン=貴族)の子息たちが試験の準備をしていた場所だったという民泊養士齋 について、お詳しい全州リピーターのhidakahiさん に説明いただきました。
フェニックスの翼やハートの壁画で有名な행복헌(幸福軒)という民泊の前に差し掛かったところ、突然ゲタさんが「あっ!」と驚きました。
なななんと、ゲタさんの高2・3年時代の担任の先生が、こちらの民泊を経営していることが判明。
庭で洗濯物を干していらした奥様に、「どんな生徒でしたか?良い生徒でした?」と質問してみたところ、「良い生徒でしたよ」ってお返事が。
ホントかな~?
あまりの偶然の再会に、ゲタさんは嬉しやら恥ずかしいやら・・・そんな印象でした。
それにしても、先生お若いなぁ。
16時半からは、芸茶院(イェダウォン)
にて茶道と茶食作りの体験をしました。
これまでにも、キムチ作り 花煎(ファジョン) 天然染色 などいろいろな伝統文化体験を教えていただきました。
まずは、お茶と一緒にいただく5色の茶食(다식)作り体験から。
赤色は五味子(オミジャ)、青色は黒豆(皮のみ黒色で、中は緑色)の粉、黄色は松の花粉&サボテンの粉&もち米顆粒、黒色は黒ゴマ、茶色は麦の粉と、すべて天然素材の5色の粉が用意されていました。
各色の粉にハチミツ&シロップを加え、よく混ぜ合わせます。
黒ゴマだけは、粘りを出すために臼でついてから混ぜるのだそうです。
다식들という茶食の型の両サイドにある脚を立て、材料を埋め込む型の部分に薄く胡麻油を塗り、材料がくっつくのを防ぎます。
棒状にした材料を一切れずつカットし、団子状に丸めて型に押し込み、型の両サイドにある脚をパタンと倒すと、型から浮き上がります。
皆さん、お上手に出来上がりましたね。
保管するときには、乾燥しないように密閉して冷蔵庫へ。
続いて、茶道。
緑茶の作法を教えていただきました。
韓国はお茶を煎るんですが、日本では茶葉を蒸すので日本の緑茶の方が緑色が鮮やかで美しいんですって。
新芽を煎って擦っては乾かし、煎って擦っては乾かし・・・を繰り返すのが韓国の緑茶。
それを日にさらし温度と湿度を合わせて発酵させると、中国の発酵茶になるそうです。
この日いただいたのは、慶尚南道の河東(ハドン)で取れた雀舌茶(작설차。新芽で作ったお茶)です。
夏になると、葉が硬くなりお茶には使えなくなります。
いよいよ、実践編です。
100℃以上に沸騰したやかんのお湯を湯冷ましの器(수구)に、音が聞こえるくらいの高さから注ぎ、音を楽しみます。
この時、蓋が開かないように左手をやかんの蓋に添えます。
布巾を수구に添えて、音を立てるように急須に、少しずつ注ぎます。
お茶は音で楽しみ、色を楽しみ、香りを楽しみ、味を吟味し、手先に残った感覚の5感で楽しむのだそうです。
湯呑を温めるために、そのお湯を湯飲み茶碗に注ぎます。
お茶をいただく為のお湯を、湯冷ましに注ぎます。
70℃~80℃になるまで、冷まします。
1人当たり1~2グラム(2スプーン位)を急須に入れ、湯冷ましのお湯を音を立てながら急須に注ぎます。
先に湯呑に入れたお湯を捨て、5つの湯呑に均等にお茶を注ぎ、茶卓の上に置きます。
主人が「召し上がってください」と目くばせするまでは、お客は茶器に手を付けてはいけません。
また、年上の方が飲み終わるまでは、年少者は湯呑を置いてはいけないそうです。
2杯目以降は、既に急須が温まっているので、急須を温める工程は割愛します。
緑茶は、昔は解毒剤として飲んでいたそうでして、お寿司を食べるときにお茶を飲むのも、そういう理由からだそうです。
急須と茶壺の間にあるのは、急須の蓋を置く台。
美味しいお茶をいただいた後は、お湯を急須に注ぎ、使った茶器をお湯でゆすぎ、布でふき取ります。
茶器は息をしています。
陶器を作る過程で、釜を開けたときに空気が入り込んで亀裂ができる場合があります。
茶器を長く使えば、その亀裂にお茶の色が染みこんで、味のある色合いになります。
その色合いを保つために、茶器は洗剤では洗わず、熱湯でゆすぐだけにするのだそうです。
因みに今回の茶食作り&茶道体験は、材料費込みでおひとり2万ウォンでした。
オンニ・・・いやソネ先生、楽しくタメになる茶食&茶道の体験をありがとうございまいした。
夜の全州フルコース編につづく。