天国からの１週間バックナンバー
誕生死 当日 2012.9.12
あの日のこと①～運命の１日～
あの日のこと②～陣痛室での告知～
あの日のこと③～出産～
あの日のこと④～非現実と現実の堺～
あの日のこと⑤～原因追究～
あの日のこと⑥～初めての夜～
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2012.09.12 初めての夜
両親たちが帰った。
家族３人の部屋。今日は初めて３人で夜を過ごすんだね。
病院とはいえ、なんかお泊り会のような感じ。
本当なら家族３人で温泉旅館とかにお泊りに行きたかったなと感じたり。
すやすや気持ちよさそうに寝てる天使の彩衣里（あいり）を見て、
なんか嬉しい気持ちと愛しい気持ちと、悲しい気持ちが行ったり来たり。
PM19:00 夜ご飯
私は病院食。こんな時でも食欲あることに恥ずかしく感じた。
出産というのは重労働なんだってことを体が感じていた。私も素直にそれに従う。
旦那さんは病院内のコンビニでお赤飯のおにぎりとウィンダーゼリー。
食欲がないよう。そりゃそうだよね。
それでもお祝いだからとお赤飯を選んだパパもえらい！（＾＾）
あとは、私のお願いで小さいケーキも買ってきてくれた。
もちろん彩衣里（あいり）の記念すべき「誕生日おめでとう」を祝うためだ。
「せーの！！
ハッピーバースデー トゥー ユー♪
ハッピーバースデー トゥー ユー♪
ハッピーバースデー DEAR.彩衣里（あいり）～♪
ハッピーバースデー トゥー ユ～～～～～～♪
彩衣里～!!０歳おめでとう～～～～～～～！！！！」
泣きながら、笑顔で歌った。楽しかった。お祝いできて嬉しかった。
きっと彩衣里（あいり）も喜んでるハズ。
あとは、別のバースデーソング。
妊娠中、後期からずっと聞いてた音楽。
【Happy Birthday To You (My Sweet Family Ver.)】（Q；indivi Starring Rin Oikawa）
可愛らしい曲。生まれたら一緒に聞こうと思ってた曲。
iPodのスピーカーを借りて小さく流した。
お腹の中で響いてたかな。知ってるよね。一緒にきいてたもんね。
旦那さんは、ぼそっと言った。
「なんかさ、『誕生日おめでとう』ってスゴイ言葉だよね。」
私もさっき思ってた。
常日頃、みんな簡単に使ってるけど、生きて誕生したことすらスゴイし、軽く使う言葉じゃないよね。
私たちにしたら重みのある言葉。
生きてはこれなかったけど、誕生日おめでとう。出てきてくれてありがとう。
私たちにとっては、
2012年9月12日
【お誕生ありがとう】の日になった。ここから沢山写真を撮り始めた。動画も撮ろう。
彩衣里（あいり）と沢山思い出を作るんだ。作ってあげたい！！
この世に出てこれなかったけど、一緒に居れる少しの時間でも沢山思い出作ってあげて
天国で自慢できるように。
≪パパとママとこんなに楽しい時間を過ごしてきたよ♪いーでしょ♪（＾＾）≫って
天国の友達に自慢できるようにしてあげたい。って思った。
私たちが今できること、それしかない。って思った。
私はいっきに思いつく。
「明日病院退院して、レンタカー借りて、あさって３人の夢だった海に行きたい！！海が綺麗だってこと彩衣里（あいり）に教えてあげたい！！」
旦那さんは泣きながら、そうだね、行こうかと賛成してくれた。
そうと決まれば、時間がない！！明日は昼過ぎにはここを出よう。
決まったら俄然、やる気が出てきた。
と一緒に涙もたくさん出た。
一緒に居る時間が残り少ないってことだけは感じ取れた。
自分の体も心もフラフラなんてことなんかすっかり忘れて。。。
PM21:00
パパは助産師さんが用意してくれた簡易ベットに寝る。
パパとママの間には、すやすや寝てる彩衣里（あいり）。
仲良く川の字。これもなんかいいね。小さな幸せ。
今日は色んなことがあってみんな疲れたね。
おやすみ、彩衣里（あいり）。
パパもお疲れ様。ありがとうね。
そして、初めての夜はふけていく。
………
AM1:00
なんか起きてしまった。暗くなったベットの中でふと気になった。
隣にはパパと天使の彩衣里（あいり）が寝てる。
これ（今起きてる出来事）ってなんだろう。
なんか知りたかった。無知なことを知りたかった。
ずっと見ないようにしてた携帯を取ってみた。
もちろん友達からのメールは見れなかった。
検索するキーワード。
遠まわしに言葉を入れて検索してみるんだけど、何度も出ててくる見慣れない言葉。
どうやら世間ではこれを「死産」というらしい。
そっか。。。私、「死産」を経験したのか。
その関連したページを見ると同じ境遇の方の体験談がびっしり出てきた。
こんなにいるんだ。。。もっと辛い方もいるんだ。。。
「死産」の９０％は原因不明だってことも知った。
解剖を依頼しない親がほとんどだということも。親はみんな思うことは一緒だ。
認めたくない現実、このキーワードを押すこと自体ツライ。
でも、どんどん調べれば調べるほど知らないことだらけだった。
（当日にこんな事を調べる当事者っておかしいかな？神経どーかしてる？？）
と思ってるうちに、さすがに疲れて寝てしまった。。。
そんな長くて、今まで経験したことのない（なさすぎの）１日が終わっていきました。
続く。
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