『源氏物語』の女たち☆
こんにちは~☆
あいです
ここでは、『源氏物語』の中で出てくる数多くの女性たちについて、
出てきた順にUPしていきます。
(いちばん上が、最新登場人物です)
vol.15 末摘花(すえつむはな)
常陸宮(ひたちのみや)の娘。
後ろ盾である父親を早くに亡くし生活に困窮していた。
古風な教育を受け、引っ込み思案で、融通のきかない深窓の姫君。
光源氏は彼女の容貌を、「座高が高く、やせ細って顔は青白く、鼻は大きく垂れ下がって赤く、まるで普賢菩薩の乗り物(=象)のようだ」と評している。世間知らずで衣装選びのセンスもなく、和歌の教養も薄い。
vol.14 大輔命婦(だいふのみょうぶ)
光源氏の乳母子(めのとご)の一人。
左衛門の乳母の娘で、命婦として宮中に仕えている。
光源氏のところにも出入りしている人で、末摘花の屋敷を実家代わりにしている。
光源氏が「誰かいい娘はいないか」と所望したので、末摘花のことを彼女が教え、光源氏の手引きをした。
vol.13 若紫(わかむらさき)
父は兵部卿宮(後に式部卿宮、藤壺中宮の兄)、母は、宮の正妻ではない按察使大納言の娘。
母は亡くなり、その後は祖母である北山の尼君に育てられた。
病気療養に来ていた光源氏は彼女を垣間見、藤壺と生き写しの容姿に惹かれ、
さらに藤壺の姪であることを知り、執着するようになる。
祖母の死後、父に引き取られるはずの若紫を略取し、光源氏は自邸の二条院で、彼女を理想の女性に育てあげる。
(※若紫についてはこちら⇒ )
vol.12 夕顔(ゆうがお)
三位中将の娘で、頭中将の側室であったが、本妻の嫉妬を恐れて姿を消した「常夏の女」のこと。
その後市井にまぎれて暮らしていたところ、光源氏の目に止まり、わずかの期間愛人となる。
互いに素性を明かさぬまま、幼い娘を残して、六条御息所の生き霊に呪い殺されてしまう。
(※夕顔の装束はこちら⇒ )
vol.11 右近(うこん)
夕顔に仕えていた女房。
夕顔とは乳姉妹で、同年代だと考えられる。
夕顔亡き後は、光源氏の二条院に引き取られている。
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vol.10 六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)
東宮妃となり、一女をもうけるも、東宮と死別。
東宮の死後、年下の光源氏と恋愛関係に陥る。
光源氏は、気高く気品があり美しい彼女に恋慕するが、
その気位の高さにやがて彼女を持てあますようになる。
光源氏にのめりこんでいく御息所は、彼を独占したいと渇望しつつ、
素直になれず、本心を押し殺し…やがて……
ちなみに、六条御息所の娘は後に斎宮となり、
(※六条御息所の詳細はこちら→ )
vol.9 軒端荻(のきばのおぎ)
伊予介の実子で、空蝉の義理の娘。
光源氏が空蝉を求めて忍び込んだ夜、空蝉の部屋に碁を打ちに来ていた。
光源氏は偶然、その2人の様子を垣間見る。
空蝉のような気品はないが、ふくよかでかわいらしいその魅力に惹かれる。
空蝉との逢瀬のために寝所へ忍び込むも、空蝉はその気配を察して逃げたため、あとに残った軒端荻と、光源氏は契りを結ぶ。
vol.8 空蝉(うつせみ)
元々は上流貴族の娘(父は中納言兼衛門督)として生まれ育ち、宮仕えを希望したこともあった気位高い女性であるが、父の死で後ろ盾を失い、伊予介(いよのすけ)の後妻として嫁ぐ。
義理息子である紀伊守邸に泊まっていた時、興味本位で忍んで来た光源氏と情を交わしてしまう。
小柄で慎み深く、光源氏の求愛に対しても、悩み迷いながらも最後まで貞操を貫く。
空蝉とは、光源氏の訪れを察し、着物一枚を残して逃げ去ったことに由来する。
※空蝉の性質についてはこちらをご参照下さい。
vol.7 木枯(こが)らしの女
左馬頭の2番目の女。
彼女は多少浮気っぽいところがあった。
ある夜、同僚の殿上人が宮中から下がる時、これから通うところがあるので、車に同乗させてくれと言ったので、行くと見慣れたこの女の家の近くで降りる。
殿上人が縁側で笛を吹くと、家の内から和琴が掻き鳴らされ、
やがて二人は直接和歌のやりとりを始めた。
彼女は、「木枯らし」に因んだ和歌を詠んだために、こう呼ばれることが多い。
左馬頭は、これ以来、この女のもとには通わなくなった。
※木枯らしの女の和歌は、こちらをご参照下さい。
vol.6 指を噛(か)む女
左馬頭の話に出てくる最初の妻のこと。
(勝手に名前をつけました;悪しからず;;)
官位が低い時分につき合っていたこの女は、器量はどうということないが、よく世話をしてくれる女ではあったが、反面、嫉妬深いところがあった。
ある時、そのことから喧嘩になり、女に指を噛まれてしまった。
少し懲らしめてやろうと思い、連絡も途絶えがちであったが、
この女こそが生涯の伴侶であろうと、左馬頭は信じて疑わなかった。
しかし、まだ仲が直らないうちに、女は病気になって死んでしまった。
左馬頭は、彼女を織姫にたとえて、思い出に浸るのだった。
※この女が指を噛む場面は、こちらをご覧下さい。
vol.5 葵上(あおいのうえ)
主人公光源氏の最初の正妻。
左大臣の娘で、頭中将の妹。
光源氏の元服と同時に、政略結婚として妻となるが、
お互いにうち解けられず、冷ややかな関係であった。
しかし10年後にようやく懐妊。源氏との間に夕霧をもうけるものの、六条御息所の生き霊に取り憑かれて出産後に死去する。
彼女が主役級の扱いを受ける「葵」の帖からこの名がつく。
vol.4 藤壺宮(ふじつぼのみや)
桐壺更衣の死後、桐壺帝から最も寵愛された妃。
主人公光源氏の初恋の女性。
先帝の后腹の第四皇女で、14歳で入内。
亡き桐壺更衣にそっくりの美貌で、身分も申し分なく、桐壺帝から絶大なご寵愛を受けたため、飛香舎(藤壺)という局を与えられたことから藤壺宮と称する。
藤壺が病のため里下がりした折に、5歳年下の光源氏と関係を持ち、その結果藤壺は、光源氏に生き写しの男御子を生む。
何も知らない桐壺帝は、藤壺が産んだこの皇子を、「瑕なき玉」と溺愛し、藤壺宮は中宮となる。
藤壺宮は、生涯、罪の意識にさいなまれることになる。
※藤壺宮の詳細記事は、こちらをご参照ください。
vol.3 母北の方
桐壺更衣の母君で、按察大納言の妻。
由緒正しい家柄の出身であり、父の遺言を受けて桐壺更衣の入内に尽力する。
桐壺亡き後、悲しみに暮れる日々を送る。
光源氏を手元に置いておきたかったが、帝の強い要請により、光源氏は宮中へ帰される。
その翌年の春、北の方の願いも叶わず春宮が定まる。
気持ちの晴れないまま沈みこんでいた北の方は、ついに娘を追うように死去する。
※母北の方の死について、詳しくはこちらをご参照下さい。
vol.2 弘徽殿女御(きこでんのにょうご)
右大臣家の娘で、桐壺帝の第一妃として入内。
第一皇子である春宮(のちの朱雀帝)と皇女2人に恵まれる。
後宮で最も格の高い弘徽殿に住まうため、「弘徽殿女御」と称する。
権門出身で気性が激しく、絶大な権力と重々しい存在感を示す女性。
桐壺帝の寵愛を奪われたことから、桐壺更衣や光源氏、藤壺宮に強い敵意を抱く。
とりわけ源氏を苦しめる政敵の中心人物。
vol.1 桐壺更衣(きりつぼのこうい)
源氏物語の主人公「光源氏」の母君。
按察大納言と母北の方との一人娘で、桐壺帝の「更衣(妃の1人)」として宮中に出仕。
清涼殿から最も離れた淑景舎(桐壺)という局を与えられたことから「桐壺更衣」と称する。
桐壺帝に絶大な寵愛を受けた妃。
しかし、特別身分が高いわけでもなく、早くに父親を亡くした彼女には後ろ盾がなかったため、弘徽殿をはじめとする他の妃たちから有形無形の嫌がらせを受けた。
その心労からか、幼い光源氏を残して早逝した。
『源氏物語』全体に影を落とす存在である。