◆弘徽殿女御(こきでんのにょうご)◆
■弘徽殿(こきでん)
右大臣家の長女で、桐壺帝の第一妃。
第一皇子である春宮(のちの朱雀帝)の母であり、また皇女2人にも恵まれますが、桐壺更衣や藤壺女御のために、帝の寵愛を一身に受けることはありませんでした。
『源氏物語』の中で、桐壺更衣をいじめ抜く悪役として描かれていますが、平安時代の政略結婚のあり方や後宮女性を示す、典型的人物です。
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誰よりも早く、桐壺帝の妃として入内した弘徽殿女御…
故桐壺更衣の入内により、今まで自分に向けられていた帝の寵愛が薄れ、それを嫉妬し桐壺更衣をいじめ抜きます。
更衣の死後も、忘れ形見である光源氏や、代わって寵愛を受けた藤壺宮をを激しく憎みます。
特に、東宮の妃にと所望していた葵の上や朧月夜の2人を、光源氏に奪われたことに憤慨し、光源氏の政治的失脚をもくろみます。
藤壺宮に皇子(のちの冷泉帝)が生まれ、藤壺が先んじて中宮となったことに対して、ひどく憤慨した弘徽殿女御ですが、息子である春宮が朱雀帝となってからは、皇太后の座を手に入れ、息子に変わって絶大な権力を振るいました。
政治的にも、後宮の妃としても、重々しい存在感を示す女性です。