「出家」という選択肢 | おてらさん

おてらさん

大分にある臨済宗のお寺さんです。

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Twitterを眺めていたら、FFさんのつぶやきの中に「俺の人生、アイツとほぼ同じなんだよな」みたいな言葉があり、それに賛同するつぶやきもいくつか見られました。

 

ここでの「アイツ」というのは、先日ニュ-スで話題になった「小田急線刺傷事件」の犯人のこと。

本人の供述によると

「大学時代にサークル活動で、女性から見下された。出会い系サイトで知り合った人ともうまくいかなかった。勝ち組の女性を殺したいと思うようになった」という。

学生時代は充実しているように見えたが、大学を中退した頃から非モテに転落、アルバイトも長続きせず、鬱屈した日々を送っていたらしい。

そういう人生を、自らの人生と重ねて、どこか似通っているように思っている人が多いみたい。

 

30過ぎても独身で彼女ナシ、仕事も正社員にもなれず、バイトを転々とする生活、出会い系で女性と知り合っても相手にされない。

そんな日々を鬱々と過ごしている人、多いのでしょうか。

 

「アイツと似てる」とつぶやいたFFさんも「まあ、俺は人を傷付けるようなことはしないけど」と言っていましたが、どんなに不遇でも、社会からはじかれても、それで誰かを傷つけても良い理由にはなりません。

もちろん、自分の命も粗末にしてはいけません。

ほとんどの人は、ちゃんとそれを解っていらっしゃる。・・・はず。

 

そういう行動に出てしまうまでには、誰だってそれなりの葛藤はあったはず。

ただ、心の中で恨み言をくり返し、くり返し、くり返してゆくうちに、いつのまにか良心というものが枯れてゆくのでしょうか?

恨み、つらみ、怒りなど負の感情に負けてしまって、自分の中の良心を踏みつけにしないでほしいのです。

グダグダと悪ぶったような理屈をこねて、自分をごまかさないでほしいのです。

 

社会の波を上手に乗りこなせなくても、非モテでも、ちゃんと生きて行く道はあります。

だからあきらめないでほしい、やけにならないで誠実に生きる道を探してほしい。

 

そこで自分は「出家」という選択肢もあるとお知らせしたい。

お寺さんといえば、家族経営で寺の息子が後を継ぐものだと思われがちですが、決して世襲制ではありません。

来る者は拒まず、去る者は追わず、お寺はこれまでも多くの人々を受け入れてきました。

様々な理由で社会からはみ出してしまって、行き場を失ったような人でも、出家していいんです。

もちろん出家するためには、ちゃんと師僧をみつけて弟子となることが必要ですが。

 

瀬戸内寂聴さんとかも、出家するまでは凄い人生を歩んでたらしいですよww

 

因みにうちの本山ではこんなプロジェクトもやってます。

第二の人生プロジェクト | 妙心寺 (myoshinji.or.jp)

 

こちらは本山での得度式の様子。

最初は白衣で、はれて僧侶としての名前を頂いたら法衣を着ます。

若い子はだいたい寺の子ですが、それらに混じって社会人から一念発起した方も必ず何割かおられます。

妙心寺Twitterからお借りしました。

 

 

お坊さんになるのは、恥ずかしいですか?

世の中のぼんさん達は、金と欲にまみれたクソみたいな奴らだと思ってますか?

坊さんになるくらいなら、殺人犯になりますか?

取り返しのつかないことをしでかす前に、こういう人生の選択肢もあるんだと知っていて下さい。

 

 

 

 

世の中のつまらないあれこれからちょっと距離を置いて、

こころ静かに生きる道です。

 

 

 

 

 


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