約90分ぐらいで終わるフレンチコメディは大好物なのだが、本作は元フランス大統領のジャック・シラクの妻のベルナデット夫人を主人公にしている。
ベルナデット夫人は日本ではほとんど無名に等しいが、フランスでは人気があり、実は自身も地方議員(県議会議員)を務めていた。貴族令嬢と劇中に出てくるが、実際、公務に従事する歴史ある貴族家系の出身で、ナポレオン三世によって一族は世襲男爵に列せられているそうだ。
ベルナデット夫人と旦那のジャックや娘さんとの家族関係がどこまで真実でどこからが創作なのか判断がつかないが、自由に脚色していることが聖歌隊によって最初にアナウンスされているので、あくまでフィクションとして観るべきだろう。ちなみに、愛犬のマルチーズの名前「スモウ」は事実である(ちなみに、劇中に描かれているわけではないが、スモウはその後ジャックに何度も噛みついて牧場送りになっている)。政治をテーマにしているもののコミカルなタッチで普通に笑えるシーンが随所にある。
ベルナデット夫人を演じるのはカトリーヌ・ドヌーヴだが、実際のベルナデット夫人よりもパワフルでエレガントで、さすがカトリーヌ・ドヌーヴだ。劇中にカール・ラガーフェルドが出てきたが、結構再現度が高い。一方で、サルコジの再現度が低くて笑った。
当時の女性のおかれた立場等に胸を痛めるシーンもあるが、逆境にもめげないベルナデット夫人の力強さにパワーを貰える名フレンチコメディだった。フランスのウィットの効いたユーモアが好きならおすすめしたい。
★ 4.2 / 5.0









