エジプトのカイロ大学は8日、小池百合子東京都知事が「1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する」との声明を発表した。小池氏をめぐっては、一部週刊誌が「学歴詐称疑惑」を報じていた。-- 朝日新聞

 

小池氏が政治的に手をまわしてカイロ大が小池氏を卒業生だと声明を出したようだ。

 

しかし、前都知事の舛添氏は、「カイロ大学が小池都知事が1976年に同大学を卒業したと声明。卒業証書や卒業に至る経過、成績表は公開せず。先進国の大学なら、全ての記録を保管し公表できる。声明など出すこと自体が政治的で胡散臭い。日本からの援助を期待する外国政府まで使う。立候補前の政治工作だろう。」(LINK)、「エジプトという専制国家ならではの腐敗の極みだ。証拠も出さずに○○が卒業生だと声明を出す先進国の大学は絶対にない。」(LINK)と指摘しているが、その通り。

 

小池百合子の学歴詐称を追求しているジャーナリストの黒木氏もエジプトの腐敗を指摘している(LINK)。日本のODAに依存する貧しい専制国家の大学のいうことなど信憑性が低い。実際、小池氏はアラビア語はあいさつ程度でそれすらミスが多く、インタビューにも応じるがカンペを見ながらで途中から日本語になり、おまけに正則アラビア語と口語が入り乱れて滅茶苦茶だと黒木氏は指摘している。アラビア語がデタラメな以上、正規ルートで大学は卒業していないのだろう。元ルームメイトが小池氏は勉強せずに、ずっと遊んでいたというからそうなんだろう。ただ、カイロ大学長が卒業したというからにはこの点はもはや追求しがたい。アホでもバカでも大学が卒業と認めれば卒業なのだ。学長が認めた以上、虚偽事項公表罪の成立は難しい。

 

ただ小池氏が提示していた卒業証明書については怪しい点が多いので、こちらを提示していたことについては文書偽造罪及びその行使罪となる可能性がある(LINK)。これで刑事告発までされたので、正式に捜査が行われれば小池氏は一巻の終わりだ(LINK)。実際、ロゴの異なる証書を提示してしまっているので、卒業証書は1枚しかないので、1枚は偽造であろう。公訴時効もあるので前回の違法行為は追求できないようだが、今回、立候補すれば追加で刑事告発される可能性もあり、告発されたら逃げられないだろう。

 

「政治家に学歴なんて関係ない」という人がいるが、それはそうだ。鳩山元首相は華麗な学歴だったが絵にかいたようなポンコツだった。学歴はただの教育歴に過ぎず、政治家としての能力を証明するものではない。しかし、本件の問題の本質は、学歴詐称してまで選挙に勝とうとするその卑しい人格にある。カイロ大学首席なんて嘘をつかずに(首席がウソなのは認めたが)、関学中退で立候補し堂々と高卒の政治家になればよかったのだ。それをしなかったのは学歴が重要だと小池氏が考えていたからに他ならない。文春が小池氏の経歴を追った本がベストセラーになっているが、ここにきて年貢の納め時という感じだ。

 

そもそも小池都知事は前回の選挙公約の「7つのゼロ」の大半を果たしていないし、途中は「希望の党」をつくって都政をないがしろにし、豊洲の移転問題ではひっかきまわして、豊洲は汚染されていると風評被害を垂れ流して移転を送らせて都民の莫大な税金を浪費した。コロナでは東京の貴重な防護服などを中国に送ってしまった。小池氏は選挙戦略が上手いのは認めるが、政治家ではなくこれでは選挙屋さんである。東京都の行政をひっかきまわしていないで、そろそろ引退するのが賢明だと思う。

 

 

 

 

ワンキャリアというところが東大・京大生の人気企業ランキングを発表している。2022年度卒の人気企業が次の通りである。意外なのはTOP6がコンサルという点だ。トップ20までみても11社と半数がコンサルである。戦略系のBIG3、会計事務所系のBIG4と呼ばれるコンサルが入っている。総合商社も上位にいるが、やはり外資系が目立つ。

出典:LINK

 

ちなみに、自分も上記のTOP 50社のどこかにいるが、たしかに新卒は東大卒が一番多い。その次が早慶で、次いで京大・東工大・一橋がきて、それに次ぐのが海外大学勢。海外大はバラバラだが、米国・英国の大学が多い。あとは、稀にその他の難関国立(地方帝大・横国・筑波)や難関私立(上智・明治・青学・立教・中央・同志社)あたりからの採用が各グループ1名いるかどうかという感じ。

 

なぜこんなにコンサルが人気なのだろう。ざっと次のような感じだろうか。

① コンサルはエリートというイメージが強いので高学歴に好まれやすい。

② オフィスは都心部で綺麗な場合が多い。メガバン・メーカー入って地方に飛ばされるようなリスクはない。

③ 新卒から即戦力で成長スピードが速いし、様々な汎用的な技能を身に着けられる。

④ 給与水準が高い。

⑤ 転職ときもコンサルの経歴は有利。

⑥ 外資系コンサルであればグローバルな感覚が養われる。

というところだろうか。

 

日本企業は、若手の時は、「労働量>>給与」だが、年配になると「給与>>労働量」になり、一生涯働いて労働量と給与が釣り合うようになっている。問題なのは終身雇用の日本企業にいても、会社がつぶれると若手のとき薄給で頑張ってもリターンがなく、労働力分が損になる。最近は大手も倒産するので年功賃金だと損する可能性が従来より高くなっている。おまけに日本企業だと若手は雑務が多くて汎用的なスキルも経験も積めない。それに比べるとコンサルは給与も高く働いた分が評価されるし、様々なプロジェクトに関わるので経験もつめるので魅力的だと思う。一方で生き残りは厳しいし、使えないならプロジェクトからリリースされて干される。生き残れる自信がある人が集まるので、コンサル業界は高学歴層が必然的に多くなる。

 

コンサルといっても、例えば、アクセンチュアはIT色が強くて、新卒で入っても多くはSEとかに回される。友達がアクセンチュアにいるが、文系出身だがSE職で頑張っている - 今はプロジェクト管理が主らしい。院時代の友達もコンサルに入った奴がいるが、彼はSEにまわされて、思っていた仕事と違うといって転職していた。コンサルといっても、会社によってはかなりIT系に回される人が多いのは実態として知っておくべきだと思う。総合ファームといっても、IT系の案件は多いはずなので、とりあえず、コンサルにいけば理想のコンサルの仕事ができると思うのは結構危ないと思う。ただIT系は人材不足なので、ITに強くなるのは結構生き残り戦略としてはいいと思う。あと、外資系は英語できればかなり強い。

 

コロナの影響でコンサルも影響を受けているので、ますます入社難易度は上がるだろう。ただコンサルは転職組も多いので(かくいう私もミドルバックオフィスの転職組)、新卒で入れなくても英語力やスキルを磨いて転職でコンサルを目指すのもありだと思う。

都知事選を前に、小池百合子の学歴詐称問題が再燃している。週刊文春が再度、小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑を追求している(LINK、追及記事:LINK)。一方で、プレジデントは「カイロ大学卒業は本当」(LINK)と、提灯記事を書いている。ちなみに、プレジデントの編集長は、小池百合子の元秘書だ(LINK)。小池陣営が頼んで書かせたんだろう。


さて、勝敗はどちらに上がるだろう。もともとは「カイロ大学首席卒業」としていたが、「首席」が嘘というところまでは小池氏は都議会の答弁で認めている。

 

文春側の主張は、当時同居していた女性の当時の記憶に加えて、小池氏の拙いアラビア語、卒業証明書と主張している書面の不備(印影が不鮮明、文章が男性系で書かれている等)、コロコロ変わる経歴などからカイロ大卒は詐称だろうとしている。

 

一方、プレジデント側は、カイロ大の教授は卒業したと証言していることや、印鑑は変更はあること、卒業証明書はすべて男性系で書かれていると反論し、小池氏の発言と実際のカイロ大の行事との整合性などをあげている。さらに、プレジデント側は、選挙妨害だとか、カイロ大の名誉が傷つけられたという点を強調している。

 

文春側の記事は、かなり緻密だが、プレジデント側の擁護記事はかなりおそまつだ。大学幹部の話として(そもそも大学幹部って誰?)、卒業証明書はすべて男性系で書かれているという話を出しているが、明らかに嘘だろう。なぜなら文春側の記事によると、女性の卒業証明書はちゃんと女性系で書かれているからだ(LINK)。だいたい普通に考えて男性系と女性系を分ける言語で、全部男性系で書くことがあるわけがない。さらに、文春側は、印影が判読できないと指摘しているのに、印鑑は時代によって変わると主張しているが論駁になっていない。その印鑑の印影が見えないのが問題なのだ。小池氏の発言と実際のカイロ大の行事との整合性なんて卒業の有無と関係が無い。カイロ大の教授は卒業したと証言しているらしいが、だったらちゃんとした卒業証明書を公開すればそれで済む話だ。それをしないのはなぜだろう。プレジデント側の主張はかなり苦しい。

 

小池百合子の学歴詐称問題は長引いているが、ちゃんと卒業証明書を提示して、名誉棄損で文春を裁判に持ち込んでもいいはずだ。それをしないのは卒業証明書が出せず、裁判で学歴詐称がバレるからではないだろうか。これは私のただの憶測だが、公に卒業証明書を提示しないから憶測が憶測を呼ぶ。

 

学歴詐称かどうかなんてどうでもいいという人もいるが、虚偽事項を公表したのであれば公職選挙法違反で失職であり、実際に失職している議員も過去にいる。新間正次は虚偽事項公表で有罪判決を受けて失職した。これを許すと、学歴・経歴を盛りまくって当選する輩が出てくるので公平な選挙のために重く罰せられるのだ。政治家とはそれだけの重い職責を持った役職ということだ。

 

ただおそらく小池氏の学歴詐称はこのまま不問に付されるだろう。なぜなら、小池氏が政治力があるのは事実であり、アラブ諸国とのコネクションもあるので外交面への配力もあるだろうし、おまけに閣僚経験者でもあるので、今更失職してもらっては困るという事情もある。そして、学歴詐称で失職をネタにそんな小池氏をコントロールしたいと思っている勢力もいるだろう。もはや卒業の事実の確認などどうでもよくて、かなり政治的な話になっているので、週刊誌ぐらいしか追求できない。

学生団体「高等教育無償化プロジェクト」は30日までに、新型コロナウイルスの影響で退学を検討している学生が20.3%に上るとするアンケート結果を発表した。同団体が22日に公表した中間報告の7.8%から大幅に増加。学生を取り巻く経済的な状況がより深刻化していることが浮き彫りとなった。-- 時事通信

 

法科大学院制度の発足は2004年であるから、すでに法科大学院創立から16年が経過している。当初は法科大学院を修了すれば、アメリカのように8割が司法試験にパスして法曹になれるという詐欺的な宣伝をして受験生を集めたが、蓋を開けてみれば初年度でさえ司法試験合格率は48.3%だった。さらに、その後は低下を続け、30%を割っている。最近は予備試験組が司法試験合格率を押し上げているが、法科大学院修了組の司法試験合格率は3割を下回ったままだ。法科大学院は司法試験合格率の低迷に加えて、弁護士の所得低下も相まって不人気傾向が続いており、2010年に姫路獨協大が募集停止を発表したのを皮切りに、島根大・静岡大・熊本大・新潟大・香川大愛媛大連合など国立大も次々と募集を停止し、74校あった法科大学院は36校に激減している。これと相まって司法試験受験者数も減少傾向であり、2020年司法試験の出願者数はたった4,226人だった。最盛期は4.5万人の出願者がいたから10分の1以下にまで減少していることになる。

 

ただ減少の一途だった法科大学院の入学者数は実は平成31年に14.9%増加した(LINK)。これは、① 適性試験の廃止、② 労働市場の活性化による就職率の改善、③ 受検者数の減少に対して司法試験合格者数はそれほど減っていないことから合格率の上昇への期待、④ 給費制復活による司法修習の経済的負担の軽減、という要素があると思う。何が法科大学院の入学者数増加に正に働いたのか、重回帰分析などの統計分析をすれば分かりそうだが、当方で探したがそれを分析した論文はなかった(日本の法学系の分野で大いに欠けているのがここらへんの「実証分析」だ。法学部でも基礎的な統計分析学は必修にしたらどうか)。

 

教育をゲーリー・ベッカー的に「投資」と考えると、教育投資を行うか否かは、その投資コストを回収できるか否かで決定される(※)。そうすると、やはり影響が大きい要素と思うのはやはり経済的メリットとコストだ(つまり、②就職と④給費制)。このうち④給費制については2017年からスタートしているので、2019年の志願者数増加にそこまで大きく寄与していないと思うし、だいたい給費した額も少な過ぎる。やはり、②就職状況の改善が大きかったのだろう。69期の弁護士未登録者は8.1%で、70期は6.8%、71期は6.5%と、弁護士未登録者の割合は改善しているし、実際、採用人数も増加傾向だった(下図のとおり)。これがコロナなショックで一変する可能性が高い。かくいう私は、法科大学院進学を2012年に諦めたが(LINK)、その後、一部上場企業法務部を経ていまは外資系コンサルに勤務しているが、私の勤めるファームもコロナの影響もあり、緊急性が低い人材募集は次々と停止している - 間接部門(コスト部門)のミドルバックオフィスはなおさらだ。これから数年のうちに大学を卒業する人は「第二就職氷河期世代」となる可能性も高いだろう。

 

(※)教育投資の考え方を簡易に説明すると、例えば大学進学して得られるリターンが、大学進学に要するコストを上回るなら合理的行動といえる。私立文系だと4年間で学費・教材費で500万ほどで(働いてても生活費はかかるから生活費はカウントしない)、さらに高卒で働いた場合の「機会費用」を年収350万×4年で1400万とすると、合計で教育投資は合計1900万円ほどだろう。一方、生涯賃金でみると、労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2018」によると、高卒2億5470万円、大卒・大学院卒2億8980万円だから、大卒が3300万円以上上回る。つまり、大学進学は、1900万の投資コストに対してリターンは3300万円以上だから1600万円以上のリターンが期待できる割りの良い投資なのだ。よく大卒でも就活失敗する人もいるから投資コストは回収できない可能性があるという反論をする人がいるが、「期待値」を学習してほしい。法科大学院進学率による期待所得をみると、司法試験合格率も低いし、新米弁護士の所得はサラリーマンと変わらないので、期待値は絶望的なほど低い。

 

大都市圏(東京三会、大阪、愛知県)と東京三会の新人採用人数割合

 

冒頭のニュースに戻るが(ニュースで引用されている調査自体はネット調査でサンプルバイアスがあるので信憑性に疑問はあるが)、バイトができないので現在の大学生は経済的に苦境におかれているのは事実だろう。おそらくこれからも自粛が続くので経済状況が改善するめどは立っていない。コロナの影響で、学生の親の収入にも打撃を与えている可能性が高い。

 

もとからコストがかかる法科大学院進学は贅沢な進路だったが、コロナショックで経済環境は悪化し、進学しようにも進学費用を捻出できない学生は増える。おまけに進学できたとしても、司法試験は不合格率7割で落ちる可能性が高いときている。おまけに弁護士になっても法律事務所の採用はかなり抑制されるから採用の確率は大幅に下がるだろうし、高待遇も望みにくい(そもそも就職できても新米弁護士は所得の中央値は317万に過ぎない)。弁護士事務所は売上高でみれば中小企業みたいなものなのだ。

 

コロナショック以前は、奨学金を借りて進学して司法試験に不合格しても、売り手市場だったから企業に拾ってもらえる可能性があったが、労働市場が冷え込んでいるので採用されるのはかなり難しいと考えるべきで、もはや奨学金という借金を背負ったまま路頭に迷う確率の方が高い。つまり、法科大学院進学で投資した教育投資は回収することはかなり難しい状況にあると言える。ついでにいえば、今後も弁護士は増加の一途で競争環境はさらに厳しくなり、さらにはAIの進歩により、弁護士の仕事は一部奪われる可能性も高い。

 

さて、こんな悪材料が揃った状態で、合理的に思考できる多くの人は、多額のコストがかかるし、リスクも大きく、リターンも期待できない法科大学院進学を回避すると思う。予備試験の合格者も増加傾向であるから、とりあえず「新卒カード」は捨てずに、企業勤めしながら予備試験から司法試験合格を目指すのが賢い選択だと思う。現在では、オンラインの司法試験予備校も増えたので、低コストで司法試験を目指せる。

 

政府は学部と法科大学院の5年制を導入するなど法科大学院制度に固執しているが、若者からお金を巻き上げて、法科大学院の高齢教員の豊かな老後のために所得移転させる詐欺的なシステムには限界がある。好景気で一時的に法科大学院進学者は増えたが、経済悪化で来年の進学者数は絶望的な人数になると思う。本格的に法科大学院の維持は限界になるだろう。こんな経済状況で法科大学院に進学するのは、とんでもなくハイリスクだからよく考えた方が良いと思う。

国立大でもAO・推薦入試の募集人数が増えている。大学入試改革とコロナ禍のWショックが受験生を襲うなか、狭き門をくぐるための有力な選択肢だ。- AERA (LINK)

 

私立大ではもはや半数以上がAO推薦などの非学力入試で入学するようになっているが、国立大でもAO推薦を活用する大学が増えており、いまや平均で国立大生の3人に1人がAO推薦で入学している。AO推薦率が高いところと主要大学を抜粋すると次の通りだ(上記AERAからの引用)。

筑波技術:58% 鹿屋体育:50% 豊橋技術:44% 室蘭工業:39% 長岡技術:38%

高知大学:34% 京都教育:34% 筑波大学:31% 群馬大学:31% 香川大学:30%

秋田大学:30% 浜松医科:26% 東北大学:25% 静岡大学:21% 名古屋大:17%

大阪大学:11% 一橋大学:05% 京都大学:05% 東京大学:03% 東京芸大:00%

 

平均では3人に1人とはいえ、やはり最難関の東大・京大・一橋などではかなりAO推薦組は限定的なようだ。さらに芸大にいたっては0%というから、かなり温度差がある。やはり地方の田舎の国立大が比率が高い傾向があるが、一般入試では田舎国立大は優先度が低くなるので、あらかじめ「青田買い」しておきたいというのが本音だろう。

 

ただAO推薦といっても学力試験を課す場合もあり、非学力入試とは一概に言えないし、さらに一定程度の学力さえあれば、社会で活躍するには社会性・社交性などのパーソナリティも重要であり、社会で活躍する人材の獲得の観点では、非学力要素以外を斟酌することは非合理的とまではいえない。

 

そもそもドイツ・イタリア・フランスなどの欧州の大陸国では大学に入学試験すら実施していないし、定員すら設けられていないこともある(もちろん、その前に進学コースと実学コースで選抜されているという事情はあるけれども)。アメリカもSATの簡易な選択式のテスト以外は、あとは課外活動の実績や高校の成績・推薦状で判断されている。ちなみに、あの受験大国のイメージの韓国ですら、いまや推薦入試(書類選考)で大学入学するのが平均で7割で、ソウル大にいたっては8割である(LINK)。

 

おそらく日本の大学の問題点は入りやすく、出やすくなっている点である。理系は知らないが、文系の場合、特に文学部や教育学部などは遊ぼうと思えば無勉強でも卒業できる。留学中に韓国人の大学生がいっていたが、彼の通う大学ではTOEIC 700点未満は卒業できないという。アメリカでもGPAが一定水準を下回れば退学である。先に挙げた欧州のイタリア・ドイツなども入学後に選抜があるので、実は卒業は難しい。こうして卒業を難化させることで「学士」の品質を担保しているのだ。日本の場合、入りやすく卒業しやすいので、大卒の価値の希薄化を招いている。

 

一方で、AO推薦だと、書類を改ざんしやすいという問題もある。アメリカでは有名女優などが大学入試の不正で有罪判決を受けている(LINK)。SATの成績改竄や、やってもないスポーツでの実績を捏造するなどやりたい放題だった。韓国でも元法相のチョ・グクの娘の不正入学は問題になっている(LINK)。私の高校時代の同級生も早大教育に推薦で入ったが、高校時代にやってもない活動を申告したり、志望理由書はお金を払って予備校の先生に代筆してもらったり滅茶苦茶だった - ちなみに、彼は日東駒専の推薦には落ちている。AO推薦だと、結局、スポーツや課外活動にお金をかけられる富裕層が有利になるし、さらに書類選考では改竄も容易で盛りたい放題で正直者が馬鹿を見るという問題もある。

 

おそらく広がり始めたAO推薦をまた学力一辺倒の入試には戻せまい。入学定員超過時の補助金不交付の厳格化で、入学数が読めない一般入試より専願で受けてくれるAO推薦の方が大学にとってはありがたいのだ。AO推薦自体は否定しないが、選抜の公平性や、卒業時の学力をどう確保するのかが問題だろう。

 

個人的には最低GPA 2.0未満は退学、英語もTOEFL・IELTS・TOEICなどの試験で一定の点数未満は卒業させないのがいいと思う。ついでに、卒業証明書に、上位何%で卒業したのかを記載するのも一案だ。米国では成績優秀者には称号が与えられる(LINK)。日本の大学は入学したら内部で競争がないのでダラけてしまう。日本の大学の緩い環境で育っても、社会に出たら競争にさらされる。おまけに現在ではグローバルな競争になっている。単純労働はこれからAIやロボットに、専門知識不要の接客業務などは低スキルの移民に取って代わられる。英語も出来ませし、専門知識もありませんという人材の使用期限はすぐそこに迫っているが、日本はそんな危機感すら希薄である。