これまでの歌詞ページに簡単なあらすじを書き加えました。
スタートはここから
2024年の初演時に、公式から出された情報を訳もわからず訳しては見たものの、分かったような、分からないような。
今回ようやく全貌が見えてきたら、私が納得できなかったポイントの、奴婢があそこまで生意気な態度を取った理由とか、疑問点の答えはストーリーの中で説明されていたので、真面目に涙を流す観客がいても不思議ではないのかな、という気がしてきた。
つまり、なかなか面白い。
以下、自分がスッキリするための背景知識まとめ。
先先代、先代の王や後継者たちが次々と亡くなったので、叔父である明宗の養子となっていた河城君(ハソングン)は、運命のいたずらのごとく王位につき宣祖となる。
宣祖 (在位期間1567〜1608)の時代
北の女真族は反乱を起こすし、日本はしきりに従属を迫る。官僚は対応策や国政を巡り対立し、西と東、更には南北に分裂して権力争い。内外とも不穏な時代。
1587年 日本から秀吉の日本統一祝賀の要請
(外交的対応に失敗し、後に文禄・慶長の役を招く)
1589〜1591 キチュクサファ(己丑士禍)
(チョン・ヨリプが反乱を企んでいるという報告から始まり、彼と関わった千人余りの東人たちが粛清され、その後西人が権力を握る。)
1592年 秀吉出兵
(日本軍が都に迫ると、宣祖は国民を捨てて我先に逃げ出す。)
宣祖の命を受け、
キチュクサファを推し進めた西人(とその息子)
右議政 チョン・チョル(チョン・ジンミョン)
左議政 チェ・ギチョム(チェ・ユン)
領議政 イ・チャン(イ・ギョンシン)
ついでに言うと
礼曹判書 キム・オンシンの息子が(キム・ヨンウン)
心優しいジンミョンは父が大勢の西人を殺した事実に苦しんでいる。大義のためだったと信じたいが、密書の内容を知り崩れ落ちる。
父により追放され死んだ奴婢の母を持つチェ・ユンは社会の在り方に疑問を持ちつつも、ただ虚しく生きている。ヨンウンとチョを知ることにより変化が生じる。
ユンのせいで常に2番手に甘んじてきたギョンシンは、体制側に付き、立身出世の道を選ぶ。ジンミョンに格別の友情を抱いている。
キム・ヨンウンの家は西人だが、民衆のための社会を目指す大同契(デドンゲ)に賛同し、彼自身は革命を推進する。
チョは粛清で家族を失った東人。ヨンウンの奴婢としてユンの家に潜入し、東人を嫌った宣祖が西人の3人に送った「東人を反逆者に仕立て上げて粛清せよ」という密書を探し出す。
そもそもヨンウンが登登会を作ったり、時調比べを言い出すのは、チョをユンの奴婢にする機会を作るためかもしれない。詩を作ればユンが一番になるのは確実だから。(個人的考え)
声だけで出演するのは、宣祖の実の兄、
河原君(ハウォン君)
ヨンウンは彼を新王に押し立て、平等な社会を作ろうとするが、尻込みしたハウォン君は手を引いてしまう。
以上、昨年はほとんど分かっておらず、結果初演の感想は、超薄っぺらいものになっている。