蟹座と山羊座、ハードの影響どちらが強い? |  ZEPHYR

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<2010年 もっとも大変な星座><今年はMで行け!>の続編です。

もにょもにょさんの今年のトランジットに関するコメント。
出生太陽が蟹座初期度数にあった場合、今年のトランジットの冥王星・土星・天王星との間にグランドクロスが生じるようになるが、山羊座初期度数と比較してどちらが影響大だと思うか?
というご質問でした。
ご指摘の件について、まずお答えしたいと思います(このブログにも、かなり占星術上マニアックな意見が寄せられるようになりましたね~)。
ただし私見です。

グランドクロスは占星術上、もっとも大きな困難や逆境が予測される配置です。十字型に星が配置され、その十字型に配置された星は、すべて90度、180度のハードアスペクトで結びつきます。
凶角の大集合、究極の複合ハードアスペクトなわけで、「もっとも悪い」という見方が短絡的にはできそうです。
今年のハードアスペクトの影響を受けやすい人、受けにくい人については、<今年はMで行け!>の中で触れておきました。このような出生図の条件を無視して、出生太陽の位置だけを問題にして取り上げるならば、私はフィフティ・フィフティだろうなと思っています。
ただし、その質は異なってきます。
冥王星が座す山羊座では、出生太陽と冥王星はコンジャンクション(合)になります。
真反対の蟹座の出生太陽には、オポジション(衝)になります。

経験的にいっても、合はすべてのアスペクトの基本であり、始点だと私は考えています。
合では星々の結合により、化学的反応が起きるように内的な変化が生じてきます。つまり起きる事柄も、自分が原因であったり、自分の内面からの噴き上がってくる何かであったり、あるいは身内の中から起きてくる問題であったりという傾向があるのではないかと。
あくまでもざっくりとした見方としてです。
それに対して、衝では起きる物事は外的傾向に偏るはずです。対人関係、職場や配偶者との関係。あくまでも外側にその核があり、自分がそれに正面から向き合っていくという関係になります。

つまり今年起きる事柄について、根本的な改変をもたらす冥王星が合となる山羊座は前者のような、衝の蟹座は後者のようなおおざっぱな傾向を持つのではないかと予測します。
ただし、個人のチャートによっては逆の性質を感じる場合もあるでしょう。
またそのように画一的にアスペクトは働くものではありません。実際はもっともっと複雑です。

山羊座初期度数の人でも、外側からの被害を実感する人もいるでしょうし、蟹座だからこそ身内に問題が生じる場合もあるでしょう。
山羊座と蟹座は、実際には合わせ鏡のような一面を持ちますから。

ただ。
もっとも本質的な影響を受けるのは、山羊座の方だろうなと私は考えています。
それはこのハードアスペクトの影響を化学反応的な合によって自らの中に取り込むのが、山羊座の方だからです。蟹座は場合によっては対岸の火事、あるいは自分と切り離して考えることすら可能です。
しかし、山羊座のケースでは自分が起こしたアクションであろうが、他人からもたらされたものであろうが、他人事にはなり得ないのです。

最後にいくつか、付け加えておかねばならないことが。
今年のハードアスペクトにしても、土星・天王星の冥王星への関与は、一時的なもの、どんなに騒ぎ立てても一過性のものということです。
つまりこれがあるから、一年間真っ暗とか、そんなことはあり得ない。
一時的現象です。
過ぎ去ります(当然)。
トランジットは効果がはっきり出るので、この連載記事に書いたようなことを実感するカーディナルサイン(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)初期度数の人は多いと思われます。
ですが、嵐は一時的なものです。

もう一つ。
一昨年から、土星・天王星のハードはミュータブルサインで発生していました。
これは単純に「破壊」です。
おかげさまで、私たちの生活はけっこうかき乱されました。現状への破壊が行われたからです。
しかし、これはじょじょに、カーディナルサインへ移ってきます。
これは土星・天王星ハードが、破壊から次なる「創造」の段階へ向けて関与することを示しています。
今年、きっとそういう動きがあるはずです。

そういった大きな流れも、厳しいけれど、もっとも引き寄せやすいのがカーディナルサイン初期度数の人々なのです。
希望を失わず、前を見て歩いてください。

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