火星のサビアンシンボルは今、「公的な建物の前に掲げられた半旗(弔意を示す)」です。
サビアンシンボルは時に、露骨な現実を表すことがあります。
<オリンピック開幕ですね>を参照下さい。
そのため、私はこのシンボルの期間中か、その直前に国家や政府が弔意を示さなければならない事態が発生するだろうとは読んでいたのですが、思いもかけない形で実現してしまいました。残念です。
9日、北京で米男子バレーのコーチの親類が、中国市民によって刺殺されました。
テロリストを弾圧し、射殺したとしても、中国政府が「弔意」を示すことはあり得ません。むしろ正当性を主張するでしょう。
オリンピック期間中、徹底した警戒態勢でテロを阻止することはできるかも知れませんが、今回の事件のようなテロリストでもない(と報じられています)、現状の中国社会に不満を抱く市民による犯行となると、これはもう防ぎようもありません。
しかも、オリンピックのために中国を訪れている外国人が犠牲になるようでは、「弔意」を示すしかなくなります。
ある意味では、今、新疆で起こっている事件よりも、中国政府にとっては面目を潰す事態といえますし、中国が内側に抱えている問題を露呈した事件とも言えるでしょう。
格差。
富の配分の不均等が、かつてなく広がっているのです。
この一人が殺害された北京で起きた一つの事件と、オリンピック開会に符合したかのように起きたグルジア・南オセアニア自治州での戦争は、一見、何も関連がないように見えて、深い部分では通底しています。
今、停戦への働きかけも各国から向けた動きも生じていますが、まだ先には暗雲がたれ込めているように思えます。
これはこの先どうなるのか?
まず<2008年後半期の占星術予測 part.2>で指摘した同時期に地震などの災害や戦火に見舞われやすい地域二つの内、Bゾーンの中にこのグルジアは入っています(黒海東沿岸部)。
それだけでも占星術的な観点からは、楽観できないように思います。
もう一つ、<ベスタは不機嫌>をご参照下さい。
この中で私は、義務を意味するベスタが不調な状態にあるのが、今後の傾向になると述べています。
WTOの会議が決裂したように、この期間中、停戦の合意なども決裂する危険性がありますし、停戦にすら達さない可能性もあります。
そもそもグルジア・南オセチア自治州の情勢の背景には、米・ロの存在があり、根底には黒海沿岸の豊富な石油天然資源の魅力と中東からの石油パイプラインがあります(またEU加盟問題や冷戦時代からのソ連支配に対する国民感情の差違もあります)。
この問題が簡単に決着するとは思われません。もしかすると、グルジアの情勢は2008年後半期を大きく揺るがす中心的な(あるいは象徴的な)出来事となるかも知れません。
11月下旬から来年の2月にかけて、きわめて深刻な星の配置が実現すると<2008年後半期の占星術予測 part.1(全般的傾向と日本)>の中で述べましたが、この舞台、発端となるのがこのグルジアかも。
米・ロは、石油資源問題を焦点に、かつての冷戦時代のような、とまでは行かなくても、この先急速に関係を悪化させてしまう恐れがあります。
土地、資源。
いつの時代も、人が戦争を起こす理由は同じです。
そういう意味では、日本は良い国なのかも知れません。
狙われる、奪われる恐れのある天然資源もさしてなく、極東のこの島国は長い地球の歴史の中では、ほとんど「埒外」の扱いを受けてきました。
「黄金の国」などと呼ばれた時期もありますが、少なくとも今、日本は先端技術やアニメを世に送り出す以外、さして魅力のある国ではないのでしょう。
他の国から見て、あえて奪い取ろうとするほどの、「資源」「市場」という魅力は。
今、世界で起きている戦争、紛争、暴動の多くは、この資源やその配当の問題から生じています。
日本は持たないがゆえの立場で、これから先、クリーン・エネルギーを率先して開発する国であって欲しいです。それが最終的には人類を救うのではないでしょうか。
たとえば無限に等しい太陽光からエネルギーを得られ、それがあまねく世界に供給されれば、ほとんどの紛争は意味を失い、たちどころに消滅するでしょう。
残るのは人種差別問題くらいになるかも。
日本政府は、そのような方向性で、民間企業にも投資や援助を行うべきです。
たしかにそんなエネルギー体制ができてしまったら、現在の石油依存型の社会の中で、崩壊する企業も出てきます。アメリカの石油メジャーは、隠然たる恐るべき影響力を持っていますから、アメリカ政府を通じて妨害を仕掛けてくるかも知れませんし、日本国内でも石油を根本に置く企業の多くは悲鳴を上げるに違いありません。
しかし、より大局的な視点で考えなければ、人類はもうどうにもならないところに来ているように思えます。
石炭資源から石油資源に変遷したときも、やはり職を失う人、消滅した企業が出ました。
この次はそんな比ではない、巨大な変化になります。
そうなったときに現在の石油依存企業が、こぞって倒れるのではなく、別なエネルギー企業へと変質してゆけるように、政府は国内企業への啓蒙と技術開発援助を行うべきです。
私はなんの科学的専門知識もない人間です。
誰かどうぞ、太陽光エネルギーを世界中に供給できるシステムを開発して下さい。
それが世界を救う鍵です。これはもう絶対に間違いありません。
お願いします。
皮肉なことに、今年の騒動の中心、冥王星には「富」という意味があるのです。
そして冥王星と対極に位置するのは、太陽系の中心にある恒星、むろん太陽(=日本)なのです。
人の心に愛が、世界に調和が満たされますように。