抑鬱亭日乗 -6ページ目

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 明日、衆議院選挙の投票日を迎える。

 どのような結果になるのか予想がつかない。

 

 小生は今回の選挙で物価の高騰に対し、どのような策を講じるのかを一つの重点として位置付けている。

 この数年で急に物価が上昇し始めた。今後も上昇する傾向にあると考えている。

 物価高騰の要因の一つとして人件費の上昇を挙げることができる。

 

 現在、京都府の最低賃金は1,058円である。他の都道府県では1,100円を超えている地域もある。

 数年前まで900円代だったが、いつの間にかじりじりと最低賃金の金額が上昇してきた。

 企業は製品の値段を上げ、人件費その他のコストを回収する。

 利潤を求める企業としては当然の行為であるが、小生を含む消費者には頭痛の種となる。

 

 各党は「給料を上げる、生活を守る」等を全面的に主張し、票の確保を図ろうとしている。

 「物価上昇を上回る所得向上を」という主張に小生は疑問を呈する。

 人々の給料を増やすという目論見らしいが、経済はこれほど単純なものではない。

 そして、このような政策を推進し続ける限り、物価の高騰を抑えることはできない。

 人件費は上昇の一途をたどり、さらなる物価高騰の要因となりかねない。

 

 多くの人が望む政策を実行する政党に投票し、その政党が与党となっても、想定とは逆に思わぬ結果を招きかねない。

 経済学で「合成の誤謬」という考え方があるが、この衆議院選でそれが実現しそうで恐ろしい。

 郵送料が値上がりした。

 職務上の事情により、定形郵便で相手先に郵送するのだが、一通につき110円もかかる。

 84円から110円という大幅な値上げである。

 消費税率の引上げにより、郵送料が高くなるのは納得できる。

 しかし、今回の郵送料値上げに怒りを隠せない。

 

 事象の発端は小泉政権の「郵政民営化」である。

 市場原理主義を崇拝する小泉や竹中等が競争原理により、よりよいサービスを行う組織が生き残り、それができない者は淘汰されることとなる。市場原理主義で生き残った組織が効率的に質の良い良いサービスを提供でき、人々はそれを享受できるというのが市場原理主義者の主張である。

 郵政民営化後、大手運送業者と日本郵便は郵便物の配送をめぐり、しのぎを削っていた。

 勤務先の代表者は当初は安価で委託できる日本郵政を利用していたが、今は大手運送業者に依頼している。

 理由は単純明白である。「安いから」である。

 

 郵政民営化後、よいサービスを受けられると考えていたが、郵便事情は劣化し続けている。

 郵送料の値上げ。

 土曜日の配達廃止。

 近距離の郵送に数日を有する等。

 

 その背景に燃料の高騰や人件費の上昇を挙げることができる。

 郵送料を上げなければ、日本郵政の運営が厳しくなるのだろう。

 だが、郵送料を値上げし、土曜の配達を停止し、近距離でも到着に数日を要することとなった発端は郵政民営化ではなかろうか。

 

 どうやら市場原理主義の効果を疑う時期が来たのかもしれない。

 小生は憤怒している。

 このような制度を導入した役人、政治家に怒りを抱いている。

 頭脳明晰で優秀でエリートな役人の睾丸を強く蹴り上げたい。

 

 大半の御仁はこの制度を評価するだろう。

 しかし、小生はこれを酷評する。

 その制度とは「定額減税」である。

 定額減税とは一人あたり3万円を減税するという、間接的なバラマキ政策である。

 組織の従業員の家族構成を把握し、そこから定額減税を行う限度額を弾き出して源泉所得税を計算する。

 

 同業者及び大勢の他人の給料計算、管理をしたことがある御仁はこの苦しみを理解してくれるに違いない。

 計算自体は簡単ではあるが、その管理に手を焼く。

 毎月、徴収すべき源泉所得税額が定額減税の限度額に達するまで管理せねばならない。

 この管理がすこぶる面倒なのである。

 

 この制度を考え出した御仁は、他人の給料の計算・管理をしたことがないに違いない。

 徴収する源泉所得税を徴収しなければ手取りが増え、国民から支持を得られるだろうと目論んだのだろう。

 この金額の管理をせねばならぬ人間がいることにまで考えが及んでいない。

 中小企業の全従業員の給与計算を一人でせねばならぬ御仁が疲労困憊している。その御仁は一人で100名以上の給与計算と定額減税の管理をやらせれている。年末調整で清算されるが、ミスは許されない。

 小生も複数の中小企業の経理に関与し、毎月会社側が計算した定額減税の金額と源泉所得税額の確認や管理をやらされている。給与の支払い時期が来ると憂鬱になる。

 

 官僚諸君に告ぐ。

 国民の手取りを増やしたいなら、国民にカネを配れ。

 それから諸君の睾丸を小生に蹴らせろ。

 

 この苦悩は12月まで続く。

 

 職務上の事情により、会社又は個人の払うべき税金を計算している。

 

 考えるまでもないが、業績が好調な企業は払うべき税金が高額になりやすい。

 繰越欠損金のある会社なら法人税は抑えられるが、消費税はどうにもできない。

 毎年、業績が好調であれば、法人税、消費税の納税額は高額になる。

 こちらとしても最大限、税額を軽くする努力をするものの、劇的に税額を下げることはできない。

 それでも税額を抑えろと主張されると、法に触れる行為をすることとなろう。

 

 業績が好調な会社の経営者は税金を払いたがらない傾向にある。

 最終的な税額を計算した後に追加の資料を持参する御仁が後を絶たない。

 これが一度や二度なら仕方がないが、それ以上になると堪忍袋の緒が切れそうになる。

 追加した資料を加味して、再度税額を計算せねばならない。至極面倒である。

 経営者は高い税額であるが、払える資金は十分にある。

 どうしても支払うを税金を低く抑えたいのである。

 カネモチは税金を嫌う。

 

 小生の職業は他人にどう見えるのか。

 パソコンに金額を打ち込むだけの作業に見えるのだろうか。

 後から資料を追加しても、パソコンに金額を入力すると終わるとでも考えているのだろうか。

 そう思われているのなら、とんでもない勘違いである。

 詳細は割愛するが、神経をすり減らして税額を再計算する。間違えがあってはならないのである。

 

 そうして顧客から何とか了承を得て納税してもらう。

 このような御仁に一度、仕事の舞台裏を見学してもらいたい。

 繁忙期により、1ヵ月以上、新聞を読むことができなかった。

 夜に放送されるニュース番組も視聴できない日も多かった。

 だが、ラジオで聞いたのか、3月上旬に日経平均株価が40,000円を超えたことは覚えている。

 バブル期に記録された最高価格を飛び越えた。

 

 なぜ、今頃になって日経平均株価が高騰したのか疑念を抱く。

 近年の物価の高騰に小生の安月給は到底、追いつくことはない。

 「景気が良い」と実感することはない。

 岩波新書や中公新書を1冊、千円で買えなくなってしまった。

 中小企業の業績も堅調とは言えない。苦しい経営を強いられる状態は未だ続いている。

 

 なぜ株価が高騰するのか。

 上場している大企業の業績が好調であることは一つの要因であろう。

 大きな組織が利益を生み出す状態になりつつある。

 モノを可能な限り安価で仕入れ、製造し、高価で売却すると儲かる。

 非正規雇用を最大限に活用すると、人件費を最小限に抑えることができる。

 その生産物を国内のみならず、海外へ販売する。

 現在、1ドルを円に換算するとおよそ150円である。

 海外向けに販売を強化すると、円安であるためモノが高価に売ることができる。

 おそらく、このようにして大企業は収益を確保していると思われる。

 

 株式市場が賭博の場になっていることも考えれれる。

 理論上、株式市場と企業の純利益は相関関係にある。

 しかし、現実はそのようにはならない。

 割安の株式を購入し、その価格が高価になると売却するのは投資家の鉄則である。

 株式市場はこのようなマネーゲームの温床となってしまった。

 

 いつの間にか日経平均株価は40,000円を下回った。

 株価は経済の体温のようなもので、高すぎることも問題である。

 理由はよくわからないが、株価が高騰する状態を「バブル」と呼ぶのであろう。

 株価はいつまでも上がり続けない。上がった後は下がるのみである。

 

 小生は1980年代後半のバブル景気に憧れている。