抑鬱亭日乗 -5ページ目

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 郵便料金の値上げにより、カネと唾液を多く要するようになった。

 郵送料が上がったのでカネがかかることは容易に推測できるであろう。

 問題は「唾液」である。

 

 職務上の事情により、書類を郵送することが頻繁にある。

 重さは100g~150gほどである。

 定形外郵便で130gの書類を送ると、270円の切手を貼らねばなぬ。

 100円切手を2枚、50円切手を1枚、10円切手を2枚要す。

 

 小生は切手をレロレロ舐めてから封筒に貼り付ける。

 130gの書類を郵送するには、5枚の切手をレロレロする。

 100円切手がなく、50円切手を使用する場合には、7枚の切手をレロレロせねばならない。

 配送中に切手がはがれてはならないため、入念にレロレロする。

 入念にレロレロすると、切手は左右の部分が少し反る。

 レロレロした切手を封筒に貼り付ける際に、きれいに貼れるようにに注意を払わねばならない。

 

 郵政民営化は誰のための政策なのか。

 小泉純一郎の手淫と評価せざるを得ない。

 

 嗚呼、また切手をレロレロせねばならぬ。

 

 

 先日の衆議院選挙で自民党は大敗を喫した。

 自民の幇間も議席数を減らす結果となった。代表者が落選する体たらくである。

 一方、野党は大きく躍進し、議席数の過半数を占めることとなった。

 

 そこで、自民党は国民民主党の力を借りようと苦心している。

 国民民主と結託すると、議会運営が円滑になると考えたからであろう。

 自民党からオファーを受けた国民民主党は自らの政策を実現させるためか、前向きに捉えているように思われる。

 

 国民民主党のウェブサイトを覗くと「手取りを増やす」というキャッチフレーズが目に入る。

 ニュースなどを視聴していると、減税を実施することで、個人の手取りを増やそうとしているようだ。

 基礎控除の見直し、年少扶養の復活により、個人の手取りを増やす計画である。

 この「手取りを増やす」という政策に小生は疑問を抱いている。

 

 減税により、個人の手取りを増やすことばかり考えているようだが、この政策には大きな問題点がある。

 国家の税収が減少し、税収の財源調達機能が低下する恐れがある。

 財源調達機能とは、国家が租税により資金を調達し、その資金により、国民に有形・無形をもたらすことを指す。

 社会保障や公共工事といった大きなプロジェクトは徴収された税により実行される。

 しかし、減税は国家収入を減らすこととなるため、これらの大きなプロジェクトの実行に支障をきたす。

 

 個人の手取りを増やすことばかり考えていると、社会全体という観点でみると大きな落とし穴がみえる。

 個人のカネは増えたが、国家全体の収入が減少し、本来国家がなすべき政策の推進に支障をきたしかねない。

 手取りのカネで、社会保障や公共事業等を行うことは困難である。

 減税により手取りは増えるものの、減税はいいことづくめではない。

 減税を全面的に主張する政党が政権を握ると、別の大きな問題が姿を現す。

 為政者には財政学を学んでほしい。

 自らが主張する政策の問題点に気付くために。

 明日、衆議院選挙の投票日を迎える。

 どのような結果になるのか予想がつかない。

 

 小生は今回の選挙で物価の高騰に対し、どのような策を講じるのかを一つの重点として位置付けている。

 この数年で急に物価が上昇し始めた。今後も上昇する傾向にあると考えている。

 物価高騰の要因の一つとして人件費の上昇を挙げることができる。

 

 現在、京都府の最低賃金は1,058円である。他の都道府県では1,100円を超えている地域もある。

 数年前まで900円代だったが、いつの間にかじりじりと最低賃金の金額が上昇してきた。

 企業は製品の値段を上げ、人件費その他のコストを回収する。

 利潤を求める企業としては当然の行為であるが、小生を含む消費者には頭痛の種となる。

 

 各党は「給料を上げる、生活を守る」等を全面的に主張し、票の確保を図ろうとしている。

 「物価上昇を上回る所得向上を」という主張に小生は疑問を呈する。

 人々の給料を増やすという目論見らしいが、経済はこれほど単純なものではない。

 そして、このような政策を推進し続ける限り、物価の高騰を抑えることはできない。

 人件費は上昇の一途をたどり、さらなる物価高騰の要因となりかねない。

 

 多くの人が望む政策を実行する政党に投票し、その政党が与党となっても、想定とは逆に思わぬ結果を招きかねない。

 経済学で「合成の誤謬」という考え方があるが、この衆議院選でそれが実現しそうで恐ろしい。

 郵送料が値上がりした。

 職務上の事情により、定形郵便で相手先に郵送するのだが、一通につき110円もかかる。

 84円から110円という大幅な値上げである。

 消費税率の引上げにより、郵送料が高くなるのは納得できる。

 しかし、今回の郵送料値上げに怒りを隠せない。

 

 事象の発端は小泉政権の「郵政民営化」である。

 市場原理主義を崇拝する小泉や竹中等が競争原理により、よりよいサービスを行う組織が生き残り、それができない者は淘汰されることとなる。市場原理主義で生き残った組織が効率的に質の良い良いサービスを提供でき、人々はそれを享受できるというのが市場原理主義者の主張である。

 郵政民営化後、大手運送業者と日本郵便は郵便物の配送をめぐり、しのぎを削っていた。

 勤務先の代表者は当初は安価で委託できる日本郵政を利用していたが、今は大手運送業者に依頼している。

 理由は単純明白である。「安いから」である。

 

 郵政民営化後、よいサービスを受けられると考えていたが、郵便事情は劣化し続けている。

 郵送料の値上げ。

 土曜日の配達廃止。

 近距離の郵送に数日を有する等。

 

 その背景に燃料の高騰や人件費の上昇を挙げることができる。

 郵送料を上げなければ、日本郵政の運営が厳しくなるのだろう。

 だが、郵送料を値上げし、土曜の配達を停止し、近距離でも到着に数日を要することとなった発端は郵政民営化ではなかろうか。

 

 どうやら市場原理主義の効果を疑う時期が来たのかもしれない。

 小生は憤怒している。

 このような制度を導入した役人、政治家に怒りを抱いている。

 頭脳明晰で優秀でエリートな役人の睾丸を強く蹴り上げたい。

 

 大半の御仁はこの制度を評価するだろう。

 しかし、小生はこれを酷評する。

 その制度とは「定額減税」である。

 定額減税とは一人あたり3万円を減税するという、間接的なバラマキ政策である。

 組織の従業員の家族構成を把握し、そこから定額減税を行う限度額を弾き出して源泉所得税を計算する。

 

 同業者及び大勢の他人の給料計算、管理をしたことがある御仁はこの苦しみを理解してくれるに違いない。

 計算自体は簡単ではあるが、その管理に手を焼く。

 毎月、徴収すべき源泉所得税額が定額減税の限度額に達するまで管理せねばならない。

 この管理がすこぶる面倒なのである。

 

 この制度を考え出した御仁は、他人の給料の計算・管理をしたことがないに違いない。

 徴収する源泉所得税を徴収しなければ手取りが増え、国民から支持を得られるだろうと目論んだのだろう。

 この金額の管理をせねばならぬ人間がいることにまで考えが及んでいない。

 中小企業の全従業員の給与計算を一人でせねばならぬ御仁が疲労困憊している。その御仁は一人で100名以上の給与計算と定額減税の管理をやらせれている。年末調整で清算されるが、ミスは許されない。

 小生も複数の中小企業の経理に関与し、毎月会社側が計算した定額減税の金額と源泉所得税額の確認や管理をやらされている。給与の支払い時期が来ると憂鬱になる。

 

 官僚諸君に告ぐ。

 国民の手取りを増やしたいなら、国民にカネを配れ。

 それから諸君の睾丸を小生に蹴らせろ。

 

 この苦悩は12月まで続く。