TWO TO TANGO 176 翔53 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

1年ぶりの更新です

(そんなに空いてたんだ?とびっくりです。

全く書くのが遅くてすみません)

 

とりあえず途中の説明とこの前の話を上げておきます。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね。櫻井君。

とりあえず乾杯しょうよ。」

 

相葉君は屈託のない笑顔で言う。

以前会ったあの店で

俺は彼と向かい合っていた。

相変わらず

人当たりの良い好青年という感じの男。

 

ビールジョッキを

俺のジョッキとカチンと合わせて

半分ほど一気に飲み干す。

 

「うま!」

 

本当に旨そうな顔で

トンと、ジョッキを置いた。

 

「あっ・・あの」

「智のことでしょ。」

「えっ?う、うん・・」

 

俺がもごもごと言いかけると、

彼はなんでもない口調で

教えてくれた。

 

「怪我も治ってさ、

先週からマンションに戻ってきたよ。

大学にも行ってる。」

「怪我って酷かったの?」

 

「それがわかんないんだよね。

実際に見ていないからね。

ただ、お姉さんから

電話を貰っただけだから」

「沙都子さんから?

なんて?」

「智が怪我をしたから、

しばらくはマンションに戻らないって。

俺が大丈夫なんですかって、

聞いたら、

大丈夫だって。

少し療養するだけだって。

戻ってきた時、

智にも聞いたけど、

大したことなかったよって

同じこと言ってた。

顔色もいいし、

もう何でもないんだと思うよ。

まあね、

服の下はわかんないけどね。」

「えっ・・」

 

たしかに

見えない場所に傷があるかも。

 

「でもさ、

一体どうして怪我をしたんだろうね。

智って見た目と違ってさ、

運動神経抜群なんだよね。」

 

首をかしげながら、

つまみのから揚げに箸を伸ばす彼。

俺が智を怪我させたんだと、

言ってよいものかどうか・・

 

「この店のから揚げさ、すげ~旨いんだよ。

食べてみてよ。

ハア~旨い。」

 

困った顔をした俺に、

ニコニコと

から揚げをすすめてくる相葉君。

だが、俺がから揚げに

箸を伸ばした瞬間だった。

 

「櫻井君、君が怪我をさせたんだね。」

 

いきなりだった。

俺はつまんだから揚げを、

箸から落とした。

 

「ど、どうしてそれを・・」

 

動揺して声が裏返る。

自分から告白しているも同然だった。

 

「そんなこと少し考えればわかるよ。

智の怪我が治ったって言った時、

どうして怪我をしたかじゃなくて、

怪我の程度を聞いた。

櫻井君、

君は自分で智に危害を加えておいて、

助けなかったんだね。

そして、智の怪我の程度が気になって

俺に聞こうとしたんでしょ?」

 

ニコニコと笑っている

彼の本心がわからなくて

俺は、引き攣った顔で、固まった。