静岡新聞は19日、静岡県東部の10市町と各地の商工団体が、三島駅の新幹線の停車増を求める要望書をJR東海へ提出したと報じました。今回はこれについて少し考えてみます。
静岡新聞の記事には、「要望書では現在上下線ともに6本のひかり号を15本に増やし、上り42本、下り37本のこだま号をそれぞれ朝夕に2、3本増便するよう求めた。」とあります。
(1)ひかり号の停車増加
日中の東海道新幹線の「ひかり」号は毎時2本走っており、停車駅は原則として以下の通りです。「ひかり」号のみを抜粋した時刻表を下に貼っておきますので、併せてご参照ください。
<タイプ1:静岡停車タイプ>
新大阪ー京都ー名古屋ー浜松ー静岡ー(三島または熱海)ー新横浜ー品川ー東京
<タイプ2:静岡スルータイプ> (上の時刻表中で金色で表示されているもの)
新大阪ー京都ー米原ー岐阜羽島ー名古屋ー(豊橋または小田原)ー新横浜ー品川ー東京
<タイプ3>その他
三島駅に停車する「ひかり」号は、時刻表の通り6往復です。このうち上下各9本を新規停車させるよう要望しています。新規停車を要望したと当局が予想する列車は、上記時刻表の青太字で書かれた列車です。
これらの列車の共通点は、「静岡駅に停車するが、静岡~新横浜をノンストップで走る列車である」ということです。こう考えれば対象列車は上下9本ずつとなるので、要望で挙げられていた本数と一致します。
すべてを三島に停車させることは困難と思われますが、中には静岡~新横浜間をノンストップで走りながらも、所要時間は熱海や三島に停車している便と変わらないものが下り4本、上り5本あります(時刻表中の上に☆がついているもの)
この☆がついている列車については、比較的停車させやすいと思われるため、交渉の余地はあるかと思います。
(2)こだま号の増便
こだま号はすべての駅に停車するので、本数増加を要望したとみられます。純粋な増発となるとなかなか難しいですが、三島には新幹線の車庫もあり、三島~東京間を走る回送列車も存在します。そのため、「回送列車の一部でもを営業運転に変更し、乗客を乗せられるようにできないか」という切り口であれば、要望する価値は十分にあるでしょう。
〇まとめ
いかがでしたでしょうか。こうしてみると、要望の全内容は難しくとも、一部内容であれば実現できるものもあるのではないでしょうか。現実的な要望としては、「ひかり」下り4本、上り5本の停車、回送列車の営業化による増発というところが落としどころになるでしょう。
今回の要望が次回以降のダイヤ改正に反映されるのか、注目です。