2月25日ー例年この日に、大型時刻表(JR時刻表・JTB時刻表)の3月号が発売されます。JRは毎年3月に全国一斉にダイヤを改正しており、3月号の時刻表に改正後の全列車のダイヤが掲載されるので、当局では毎年3月号を購入しています。ということで、年1回”紙の時刻表”を購入しているわけですが、こうしたことを言うと…
「これだけ乗換検索機能が充実しているのに、今どき紙の時刻表を購入してるの!?」
「そもそも紙の時刻表ってなんのためにあるの?」
と思われる方がほとんどだと思います。今回は紙の時刻表についてのお話です。
1.紙の時刻表は不要?
結論から申し上げると、紙の時刻表は殆どの人にとっては不要です。
昔はインターネットがなかったので、どこかへ移動しようとする場合は紙の時刻表で調べるしかありませんでした。そのため、大型時刻表は乗り継ぎを検索する上で重要な資料でした。
しかし今は、インターネットが普及し、乗り換え検索システムも大きく発達しました。二地点間の移動だけを調べるのであれば、はっきり言って乗換検索サイト一択です。それは間違いありません。
2.紙の時刻表の存在意義1 ~職務遂行のため~
紙の時刻表は、JRや旅行会社など旅行・移動に関係する仕事についている人にとっては重要なツールです。理由は2つあります。
1つ目は、紙の時刻表にはJRの全線が網羅されているだけでなく、私鉄の路線や鉄道以外の交通機関(船や飛行機、路線バス)についての情報も掲載されているためです。旅行プランを提案する、考えるといった際には、「こんな交通手段があるのか」ということを時刻表から発見することもできるので、有効です。
2つ目は、JRの運賃や特急料金、指定席料金等の計算や切符の取り扱いに関するルールが書かれているからです。お客様から切符の購入や変更、キャンセルなどの取り扱いをするうえで、紙の時刻表はいわば”教本”であり、ルールブックとなるので、お客様に対して、適切に切符の販売を行う上でとても大切なツールとなります。
3.紙の時刻表の存在意義2 ~調べるより「見つける」?!~
もう一つの側面は、「発見」があることでしょうか。時刻表は原則として、JRの全路線全列車の時刻を掲載しているほか、前述の通りバスや船などの情報も掲載されています。時刻表を眺めていると、「ここ鉄道は通っていないけど、まっすぐ結ぶバスや船があるんだ!」とか、「この区間だけ異様に本数が少ないな、なんでだろう?」とか、「1本だけ異様に速い(遅い)列車がある、なんでだろう?」とか、いろいろ気づきや発見があります。そうしたふとした疑問から、新たな交通手段を知ったり、その路線への理解がより深まっていくことが往々にしてあります。また、「この路線次に乗ってみたい!」という気持ちになることもあります(笑)
また、電車に乗っていていろいろ観察していると、「この駅は追い越しできる構造だけど、実際に追い越したりしているのか?」など、疑問が浮かぶこともあり、そうしたときは時刻表で調べて確認することもあります。どこかへ行くうえで列車の時刻を調べるというよりは、疑問や気づき、発見を得るために使っており、そこから研究が始まったり進むこともあります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。正直に言うと、紙の時刻表は「列車の時刻を調べる」という役割はかなり薄れたように感じます。乗り換え検索サイトが充実しただけでなく、列車の予約もインターネットで列車を検索して行うようになったため、紙媒体で調べる必要はどんどんなくなっているといえます。
そのため、 今の紙の時刻表は、ルールブックとしての利用や、交通を研究する人、交通を利用することを趣味としている人が気づきを得るために活用されているといってもよいでしょう。
それでも、「なら別に紙の時刻表じゃなくても全部電子書籍化してよくね?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。ゆくゆくは紙の時刻表はなくなるかもしれないと当局も思ってはいます。ただ、紙の時刻表のほうが便利で使い勝手がよいなとは思います。紙の時刻表を見ながら、ブログ記事のための資料を作ったりもしているもので…たとえ電子化されたとしても、過去の時刻表がアーカイブとして閲覧できるようにはなっていてほしいなとは思います。
時刻表はその路線の実情を映し出してくれる鏡なので、研究資料としての価値は健在です。時刻表研究の意義についても、また別途記事にできればと思います。