JR東海は22日、東海道新幹線で初の夜行列車「東海道ルミエールエクスプレス」を運行することを発表しました。今回はこれについて簡単に考察します。

 

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1.東海道ルミエールエクスプレス概要

 「東海道ルミエールエクスプレス」は、東京発新大阪行き1本が運行されます。運行日は東京発8/8(土)です。運行時刻は以下の通りです(JR東海プレスリリースから引用)

 

 

 停車駅は品川・新横浜・京都で、品川・新横浜は乗車専用、京都は降車専用となります。臨時「のぞみ549号」名古屋行きの運行時刻が東京22:00発、品川22:07発、新横浜22:18発となっているので、名古屋までは「のぞみ549号」のダイヤで運行することになりそうです。

 「のぞみ549号」のダイヤでは名古屋23:33着なので、「ルミエールエクスプレス」は岐阜羽島に23:45前後に到着するとみられます。0時~6時は線路保守の時間帯なので、少なくともその間は岐阜羽島で運転停車し続け、6時過ぎに岐阜羽島を発車して京都、新大阪へと向かいます。

 岐阜羽島では、到着後30分程度及び発車前30分程度、係員の案内のもと自動販売機と喫煙所を利用することができるようです。なお、駅売店と車内販売の営業は行われません。

 

2.販売方法と価格 ~かなりお手頃価格!~

 「東海道ルミエールエクスプレス」は、通常の切符では乗車することができません。団体臨時列車となるため、JR東海ツアーズの団体申し込みサイトから購入する形となります。とはいえ、価格は東京~新大阪(普通車指定席)で税込み15,000円。合計お盆シーズン初日の土曜日出発の夜行列車でありながら、通常期の運賃・料金より数百円高い程度と、かなりお手頃価格になっています。

 

3.夜行バスとの比較 ~バスか新幹線か、悩む…~

 料金は夜行バスと同程度か高い、所要時間は同程度となります。走行中減灯されること、バスによっては簡易個室になるような座席を兼ね備えるものもあるという点では夜行バスのほうに分があります。一人一人の座席が広いことや、トイレに行きやすいという点では新幹線に分があるでしょう。夜に東海道を移動する場合、どちらを選ぶか迷ってしまいそうです。

 

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。団体臨時列車という形で夜行新幹線がついに日の目を見ることになりました。価格もお手頃で、とても画期的な企画といえます。

 JR東海は「東海道ルミエールエクスプレス」という名前を商標登録しようと手続き中なので、今後も夜行新幹線を設定する方針であるとみられます。初の夜行新幹線、どのような利用があるのか、今後の設定はどのようになるのか、引き続き注目です。

 皆様は「新幹線に乗る」といえば、どんな移動をイメージしますか?他の地方へ出張に行く、遊びに行く、コンサートを観に行く… 新幹線に乗るというと、「違う地方へ行く」「遠くの場所へ向かう」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

 しかし、新幹線は遠距離移動するために使うものではありません。むしろ、1,2区間だけ使うという場合もとても使える場合があります。それはなぜなのかについて説明します。

 

1.1区間だととても安い!特定特急料金

 新幹線の特急料金は、乗車距離によって決められています。指定席を利用する場合は、例え数キロの利用であっても、東海道・山陽新幹線では2,290円、東北新幹線では2,400円の特急料金がかかります。

 しかし、自由席利用の場合はがらりと異なり、1区間だけ新幹線の自由席を利用する場合は、特定特急料金という割安な特急料金が適用されます。

 例えば、新横浜~小田原間であれば990円、京都~新大阪間であれば870円であり、自由席利用であれば1,000円未満の課金で新幹線に乗れてしまうのです!!

 

2.ここがお得だ!新幹線のちょい乗り利用

 それでは、特定特急料金が適用される区間で、乗り得と考える区間を4つほど紹介します。

 

(1)東京・品川~新横浜

 まず1つ目は、東京・品川~新横浜間です。同区間の自由席特急料金は870円で、普通列車グリーン車より少し高い程度です。在来線利用の場合、品川~新横浜間は30分程度、東京~新横浜間で40分程度かかりますが、新幹線であれば所要時間はその半分で済むため、とてもコスパが良いです。

 実際、新横浜近辺でサッカーの試合やコンサートが行われた場合、新横浜駅から品川・東京へ新幹線で向かう利用者も少なくありません。

 

(2)三島~静岡、静岡~浜松

 次にあげるのは静岡県内のこの区間。両者とも2区間(三島~新富士~静岡、静岡~掛川~浜松)あるにも関わらず、割安な特定特急料金が設定されており、三島~静岡間、静岡~浜松間の自由席特急料金はいずれも990円と1,000円を切っています。

 三島~静岡間、静岡~浜松間は、東海道本線の普通列車であれば1時間10分ほどかかりますが、新幹線は「こだま」でも25分程度、「ひかり」であれば20分程度と大きな差があるため、非常にコスパが高いです。

 

(3)京都~米原

 京都~米原間は70km弱と比較的1区間が長くなっていますが、自由席特急料金は990円となっています。在来線屈指のスプリンターである新快速でも50分以上かかるところを、新幹線は20分弱で駆け抜けてしまいます。こうして考えると、いかに新幹線利用がコスパが高いかを感じずにはいられません。

 

(4)小倉~博多

 こちらも、1区間が70km弱と長くなっていますが、自由席特急料金は990円となっています。北九州市~福岡市の都市間移動流動は一定の需要があるため、1区間だけ新幹線利用が従前から多い区間となっています。

 同区間は在来線の快速で70分、在来線特急で40~60分、新幹線では15分ほどです。こうして書くと新幹線一択に思えますが、在来線側は「九州ネットきっぷ」を使うことで運賃+380円の価格で特急列車を利用できるため、特急利用も中間選択肢として機能しています。新幹線側と在来線側で運営会社が異なること、利用者が多いことで、新幹線の1区間利用が最も熱く、また高速バスも含めて激しく競合しています。

 

3.今後の展望とまとめ ~いずれ特定特急料金は廃止される??~

 いかがでしたでしょうか。1区間(ところにより2区間)新幹線を自由席で利用する場合、とても割安な特急料金で新幹線に乗れるというのが、この記事のポイントです。実例も4点ほど示しましたが、特急料金と所要時間をみていくとコスパが高いことがお分かりいただけたかと思います。

 しかし、この特定特急料金について、中長期的にみて廃止される可能性もなくはないとみています。というのも、JR東日本が「運賃・料金制度の見直し」を要望しているためです。

 現在のJRの運賃、そして新幹線の特急料金は「認可制」となっており、上限額が決まっています。上限額を変更する場合は国の認可が必要となり、価格設定に縛りがあります。一方で、寝台料金・グリーン料金・在来線特急料金は「届出制」となっており、国へ届け出すればよいこととなっています。

 JR東日本は、柔軟で弾力的な価格設定が行えるようにしたい、インフレにタイムリーに対応できるようにしたいなどの理由から、運賃や新幹線特急料金についても「認可制」から「届出制」にするよう求めていく姿勢を明確にしています。(下記資料4ページ)

 

2025年3月期第2四半期 決算説明資料

 

 運賃・料金制度の見直しについて明確に要望を出しているのはJR東日本ですが、他社も要望として持っていると思われます。

 もし、新幹線の自由席特急料金が届出制になれば、鉄道会社が国の認可なしに特急料金を設定できるようになるため、割安な特定特急料金を廃止し、距離に応じた特急料金を徴収するという方針をとる可能性が高いとみられます。 

 下の例のように、営業キロが倍以上ありながら特急料金は6割程度になっている区間もあり、こうした現象を是正したいと考えていてもおかしくないとみられます。

 

小田原~三島 営業キロ36.8km  自由席特急料金:1,760円

静岡 ~浜松 営業キロ76.9km  自由席特急料金:    990円

 

 近年の物価高などの影響や利用者の減少という課題があり、鉄道事業は厳しい環境にあります。特定特急料金制度は乗客にとっては非常にありがたい制度なので、コスパ良く使っていきたいですが、運賃認可の在り方次第で行方は大きく左右されるでしょう。今後の動きに注目です。

 ロケ中の負傷事故が起こった関係で、現在テレビ東京の「ローカル路線バスの旅」は当分ロケができない状況となっています。そこで今回は、もしバス旅がまた行われるとしたら、この路線が出てきたら面白いんではないか?という路線を7つご紹介したいと思います照れ

 参考までにグーグルマップを張っていますが、おおよその区間を示すものであり、バス路線を忠実になぞっているわけではありませんのでご了承ください。

 

1.関東から楽に東北入り!? 常陸太田(茨城県)~矢祭町東舘(福島県)

 まずご紹介するのは、常陸太田~矢祭町東舘間です。

 

 

 

 このルートは茨城県と福島県にまたがり、関東から東北へ向かうルートの一つです。距離は40km以上に及びますが、茨城県側も福島県側も、県境のごく手前までバス路線が伸びています。

 

 

 バス路線が途切れているのは、茨城・福島県境にある明神峠の部分で、距離は1.2kmです。峠ではありますが、緩やかな坂になっています。県境の部分を少し徒歩で越えるだけで、関東から東北へ楽に入ることができるので、バス旅おあつらえ向けのルートなのですが、出てきそうだったことはあれど今まで1回も出てきたことがありません。

 

 

 ただ、茨城県側では土浦~石岡間や水戸~常陸太田間などでバス路線がなくなっているところがあり、今後出てくる可能性は低くなってしまいました。

 バスのダイヤの設定上、東北から関東へ南下するには使えませんが、関東から東北へ北上する際はバスが繋がります。東館から先も棚倉を経由して白河へバスだけで進むことができるので、出てきたら面白そうなのになぁと思っています。

 ちなみに、2023年に当局で常陸太田から東館までバス乗り継ぎ旅を行っています。より詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

 

 

2.魔法の近道ルート!? 沼田(群馬県)~尾瀬~沼山峠~会津田島(福島県)

 

 続いて紹介するルートも関東~東北を結ぶルートです。

 

 

 群馬県沼田市から福島県の会津田島(南会津町)まで向かう場合、車であれば栃木県か新潟県へ大回りしなければ到達することができません。しかし地図をよく見ると、群馬県と福島県は隣り合っており、「もっと直線的に行くルートがあるのかも?」と思わせられます。

 まず群馬県をみてみると、沼田駅から大清水まで路線バスが通っています。また、大清水からさらに先、一ノ瀬まで登山シーズンはシャトルバスが出ています。

 

 

 一ノ瀬~沼山峠間は、車道が通っておらず、登山道が繋いでいます。

 

 

 ちなみに、同区間を車道で行き来すると…

 

 

 一ノ瀬~沼山峠間は、車道だと200km以上ありますが、登山道だとたったの8kmしかありません。しかも、登山道の割には急坂は比較的少なく、整備もされていて歩きやすい道となっています。

 群馬県と福島県の県境は、陸上の県境で唯一、車で越えることができません。しかし、この道は江戸時代から街道として使われており、会津と上野(群馬県)の間は人や物が行き来している、由緒正しい道です。

 「バス旅なのに登山させるんか」という見方もあるとは思いますが、気温35度の舗装路を歩くよりはラクだと思いますし、尾瀬の絶景を写せるので撮れ高も期待できるでしょう。

 なお、沼山峠からは会津田島までバス路線が繋がっており、朝に沼田駅を出発すれば、その日のうちに会津田島まで到達できます。

 前回のバス旅Wでは、この尾瀬越えに挑まないとゴール成功は限りなく難しい設定になっていました。テレ東としても、この尾瀬越えはいつか出したいと思っているとみられ、将来出てくるのが楽しみです。

 

 

3.出てきそうで出てこない… 下呂~加子母~中津川

 続いてのルートは、岐阜県の下呂と中津川を結ぶバス路線です。

 

 

 岐阜県の下呂温泉と中津川市は、国道257号で直線的に結ばれています。この中間あたりに加子母総合事務所があり、下呂と中津川の双方から路線バスがやってきます。加子母総合事務所でバスを乗り継ぐことで、下呂と中津川の50kmあまりの区間をバスのみで移動することができます。バス旅にはおあつらえ向きのルートで、ここも今まで何度か出てくる可能性があったものの、未だ出てきていません。でも、いつか出てくる可能性が高いと思います。

 

4.一発逆転を狙える!? 名古屋(愛知県)~桑名(三重県)

 次は、名古屋と桑名を結ぶバス路線です。

 

 

 名古屋~桑名間の移動手段は、JR・近鉄・高速バスのいずれかを使うのが一般的です。この間の路線バスはほとんどがコミュニティバスであり、都市間を連絡するようには通っていません。そのうえ、木曽三川(長良川・揖斐川・木曽川)を越える手段がなく、徒歩を強いられる区間です。

 しかし、1日1本だけ、名古屋から桑名へ下道を通っていく路線バスがあります。それが三重バス50系統です。細かな乗り継ぎを強いられる同区間を1本で結ぶ最強のバスで、名鉄バスセンター(名古屋)を22:10に発車し、桑名駅に23:17に到着します。

 夜遅い時間の運行なので、スタッフ泣かせにはなると思いますが、一気に20km以上進めるので、劣勢を一気に挽回する展開となれば熱いですね爆  笑

 

5.中国・近畿~北陸の短絡路? 南丹市(京都府)~小浜(福井県)

 近畿地方と北陸地方で比較的使えそうなルートを探したところ、1つ見つかりました。京都府南丹市と福井県小浜市をバスと徒歩で繋ぐルートです。

 

 国道162号に沿うように進むルートであり、小浜~流星館と鶴ケ岡~南丹市方面へはバス路線が伸びています。県境部分はバスがなく、この間歩く距離が14kmほどあるので、決して楽なルートではありませんが、他のルートよりは比較的楽に京都府と福井県の間を行き来できるルートです。

 南丹市美山の拠点のバス停である宮脇からは、南丹市の中心地である園部方面へバスが繋がっており、京都や篠山方面へ乗り継いでいくこともできます。前回の旅の日のバス旅ではこのルートを使っても面白かったですが、出てきませんでした。京都~福井へのアプローチは、その前の旅の日企画でも出てきているので、このルートが出てくるとしてもしばらく先になりそうです。

 

6.紀伊半島の山間部を東西につなぐ! 紀伊田辺駅~熊野本宮大社

 続いては近畿地方から。紀伊田辺と熊野本宮大社方面を結ぶ「熊野本宮線」です。

 

 

 紀伊半島の西側に位置する田辺市の中心地と、熊野本宮大社がある旧本宮町エリアを、紀伊半島の真ん中の山の中を通って結んでいます。和歌山県を東西に長距離移動できるうえ、本宮大社では「日本一長いバス路線」として知られる八木新宮特急へ乗り継いで新宮方面や奈良県方面へ向かうこともでき、バリエーション豊富です。

 かつてバス旅クラシック21弾では、このバスに乗る選択ができるかどうかが、ゴールの成否を分ける大きなポイントとなりましたが、乗車しない選択をした結果、失敗に終わってしまいました。

 

 

 今後また出てくることはあるのか、注目です。

 

7.バスごと船に乗る! 鹿児島鹿屋直行バス

 最後にご紹介するのは、鹿児島市と鹿屋市を直結する路線バスです。

 

 

 鹿児島と鹿屋を結ぶ直行バスは、1日4往復運行されているのですが、この直行バスは面白い特徴があります。なんとこのバス、鹿児島~垂水港の間はバスがフェリーに乗り、海を渡るのです!!

 

 

 通常は路線バス以外の交通機関を利用することは禁止されていますが、このバスはフェリーに直接乗っかる形をとっている特殊な事例なので、特例でOKにしても良いように思います。話題性は大いにあると思います。

 

 いかがでしたでしょうか?バス旅に出てくると面白そうな路線を、ぱっと思いついたものを挙げてみました。他にも、出てくると面白い路線はたくさんあると思います。皆様はどの路線が出てくると面白いと思いますか??

 

 JR東日本は9日、品川~青森間を走る新たな夜行特急列車の概要について公表しました。今回はこれについて考察します。

 

夜行運転に対応する特急列車により新たな乗車体験を提案します

 

0.まえがき

 JR東日本は、首都圏と青森をつなぐ夜行特急列車を導入することを昨年発表しました。常磐線の特急列車に使用されているE657系1編成を改造し、使用されます。

 

 
1.概要

 新たに導入される特急列車の名称は「ルナ・アズール」に決定しました。スペイン語で「青い月」という意味で、車両は青色や紺色などをベースとしたものになります。

 春・夏・秋は品川と青森を上越線・羽越本線経由で結ぶ夜行特急列車として、週2往復運転されます。週2往復ということで、青森行きは金曜などの休前日、品川行きは土曜日や日曜日発の設定になると思われます。

 青森行きは品川駅を21時ごろ発車し、翌朝9時半ごろに青森に到着します。また品川行きは青森駅を16時ごろに発車し、7時ごろに品川に到着します。かつて同じ経路で走っていた寝台特急「あけぼの」の運行時刻をベースに、少し所要時間を加えた形となりそうです。

 冬は夜行列車としての運行はせず、品川駅~長野原草津口駅間を結ぶ昼行特急列車として、週6往復運行されます。こちらは昼の特急ということや、人気観光地の草津温泉へのアクセス列車となることから、運行頻度を多くするとみられます。

 

2.車両

 車両は10両編成で、プレミアムグリーン個室が2両、グリーン個室が7両、ラウンジが1両となります。昼行特急として運行される際はグリーン個室3両が外され、7両編成となります。扱いは座席夜行列車ですが、イメージ図を見る限り2人用・4人用個室ではフルフラットにできる仕様のようです。

 ラウンジでは座ってくつろぐことができるほか、販売スペースが設けられ、ドリンクやスナックを購入することができます。

 

3.価格

 価格はグリーン個室利用において、東北新幹線グリーン車利用+α程度の料金になるとしています。

 

 参考:東京~新青森(東北新幹線グリーン車利用):24,180円(通常期)

 

 上越線・羽越本線経由での東京~青森間の運賃は11,440円、特急料金は3,300円です。仮にグリーン個室料金が寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」のA寝台と同額(13,980円)だとすると、合計28,720円となります。さすがにA寝台料金よりは安くすると思うので、実際のところは25,000~26,000円程度になると予想しています。

 なお、「ルナ・アズール」への乗車については、旅行商品として発売されるので、通常の運賃・料金体系とは別枠に価格が設定されるとみられます。

 

4.考察とまとめ ~ルナ・アズールと「あけぼの」の違い~

 いかがでしたでしょうか。新たな夜行特急列車について、一つ詳細が明かされました。運行時間は「あけぼの」時代とさほど変わりませんが、東京~青森間の移動は東京発の始発(もしくは新青森最終)の新幹線を利用したほうがより早く到着できるので、夜行列車で移動するメリットは薄いです。そうした点を考慮してか、「あけぼの」と異なり、「ルナ・アズール」は乗車すること自体を目的とする車両となりました。

 寝台特急「あけぼの」は毎日運行でしたが、ルナ・アズールは運行日を絞り、かつ冬季は夜行特急として営業しないこととなりました。冬季は利用が落ちること、1編成しかなく車両のメンテナンスや利用需要を考えた結果とみられます。

 また、寝台車両を設けず座席夜行列車扱いとすることで、多用途に使える車両となりました。JR東日本では、需要があれば「ルナ・アズール」を他の線区でも運行させることを考えているようで、今後は房総方面や仙台、長野方面へ運行がなされるということもあるかもしれません。

 JR西日本では、豪華観光列車「トワイライトエクスプレス瑞風」と、臨時観光特急「WEST EXPRESS銀河」を運行しており、銀河のほうは少しカジュアルな列車となっています。今回の「ルナ・アズール」は、この銀河に近しい役割を持ち、観光列車「四季島」よりはお手頃な価格で、少しリッチな旅を楽しめる、そうした列車になりそうです。

 

 ダイヤや価格などは今後公表されるとのこと。続報があればまた記事化を検討します。

 

5.おまけ

 私は、寝台特急に何度か乗ったことがありますが、一番情緒があると感じたのは、上野~青森を結んでいた寝台特急「あけぼの」でした。

 

 
 通勤帰りの人をたくさん乗せた列車を横目に、夜の街を走っていき、真夜中に山を越えて、目が覚めたら広大な田んぼが広がり、日本海沿いを突き進み、岩木山とリンゴ畑に出迎えられるーこの展開がとても面白くて印象に残っています。
 
 
 
 
 あけぼのが廃止になり、もうこうした体験ができないのか…と思いましたが、またこのような情緒ある旅をするチャンスができたのは嬉しいです。いつか乗ってみたいですね

 

 いすみ鉄道と県、沿線自治体等で、存廃を含めた今後の在り方についての検討会を設置し、5月27日に初会合が行われました。今回は、いすみ鉄道の存廃問題及び今後の展望についても考察したいと思います。

 

 

 

 

1.いすみ鉄道の概要とこれまでの経緯

 いすみ鉄道は、JR外房線の大原駅から大多喜駅を経由し、房総半島内陸部の上総中野駅までを結ぶ第三セクターのローカル線です。菜の花を思わせる黄色と緑の車両が走り、東京から比較的近いローカル線としても親しまれています。

 積極的に観光列車を走らせるなど、利用者向上の施策を打ちつつ維持されてきましたが、2024年10月に国吉~上総中川間で脱線事故が発生し、現在に至るまで全線で運休中となっています。

 脱線事故の原因は、枕木の腐食・ひび割れによりレールの幅を維持できなかったこととされています。線路補修の不十分さが問題となったこともあり、長期間運休する事態となっています。

 このうち、大多喜~大原間については、2027年秋の復旧を目指すことが公表されていますが、上総中野~大多喜間については復旧の見通しは立っていません。

 

2.存廃協議の背景

 いすみ鉄道の輸送密度は、全線でみて300台で推移しているようです。先日廃線が確定的となった名鉄広見線が1,700ほどであると考えると、かなり厳しい数字と言えます。上総中野~大多喜間は全線の中でも利用者が少ないので、さらに輸送密度の数値が小さいとみられます。

 令和6年の脱線事故において、いすみ鉄道では設備の維持更新の在り方に問題があることが分かりました。鉄道として維持していくためには、これまで以上にお金と労力をかけなければいけません。そうした中で、利用者が極めて少ない上総中野~大多喜間を鉄道路線として本当に復旧させるのか?という話になり、協議会を設立して存廃協議へと至りました。

 

3.今後の展望

 存廃協議では、存続や廃止どちらかありきではなく、幅広く議論することとされています。ただ、数値だけでみれば、存続は大変厳しい状況にあるかと思います。維持するための自治体の負担もさらに大きくなるとみられ、名鉄広見線のように存続したくてもできない状況に追い込まれる可能性も十分にあります。

 また、いすみ鉄道の存廃議論が本格化すると、小湊鉄道の路線にも議論が広がることが考えられます。小湊鉄道は五井駅と上総中野駅を結ぶローカル線であり、上総中野駅でいすみ鉄道と乗り継ぐことができます。

 しかし、小湊鉄道も上総牛久~上総中野間は利用者が少なく、本数も1日10往復以下となっており、長い目で見れば存廃は不透明な状況です。特に養老渓谷~上総中野間は地元利用が皆無に等しく、定期列車は1日2往復まで減便されているため、いすみ鉄道の上総中野~大多喜間が廃線となれば、養老渓谷~上総中野間もセットで廃止となる可能性が極めて高いとみられます。

 

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。ここにきていすみ鉄道は、かつてないほど厳しい局面に立たされていることが改めて浮き彫りになりました。

 一時は観光列車を積極的に走らせるなどして利用を取り込んできましたが、地元の利用が少ないと鉄道の存続は難しいこという厳しい現実を映し出しています。

 最終的には、沿線自治体がお金をどこまで出せるかで、存廃の運命が決まると思います。とはいえ、本当に目指すべきことは鉄道の存続ではなく、地域の実情に合った交通体系を作るという点です。鉄道を廃止してバスなどに転換したほうが地域の移動需要を取り込める、より持続していけるということであれば、廃線にして次の交通体系づくりを考える方が得策でしょう。今後のゆくえに注目です。