12/27~28に、「テレ東旅の日 ローカル路線バス乗り継ぎの旅9時間SP」が二夜にわたって放送されます。今回はこれについて、出演者やルートの概況についてみていきたいと思います照れ

 

 

 昨年に引き続き、今年も年末にローカル路線バスの旅が二夜連続で放送されることになりました。今回のお題は「松山城(愛媛)→東尋坊(福井)」で、4区に分けて7泊8日かけて挑みます。

 

1.出演者について

 今回も4つの区に分かれ、それぞれ出演者が異なります。順にみていきます。

(1)1区

 1区はバス旅のプロ、ルイルイこと太川陽介さんが率いるチームです。1日目と2日目で出演者が若干異なり、1日目はクロちゃん、2日目は稲田さんが参戦します。また、大友花恋さんが2日通して参戦します。

 私の注目はクロちゃんです。クロちゃんはバス対鉄道対決旅第10弾で、鉄道チームとして参戦した経験があります。その際は、冷静さを欠いてしまった軍曹に対して、勇気を出して「これではダメだと思う」と一喝し、チームを再び結束させたのが印象的でした。今回もチームを盛り立てられるでしょうか。

 

(2)2区

 2区はテレビ東京でレギュラー番組を抱える方が出演者として登場します。リーダーはオードリーの春日さんです。本当なら2区と4区を髙木さんにするつもりだったと思いますが、髙木さんはミラノオリンピックを控え、本業でも忙しく、2回もロケには出られなかったとみられます。

 春日さんは「2区で終わっちゃってもいいんですよね?ゴールさせていただきます。それしか考えていません、乞うご期待!」と力強いコメントを残しています。春日さんがどのようにチームを引っ張るのか、どのような乗り継ぎを見せるのか、新鮮で楽しみです照れ

 2区の初日はゆめっちさん、2日目は山添さんが参戦します。春日さんと佐々木久美さんは2日通して参戦します。全員初のバス旅挑戦ですが、どのように春日さんをサポートしていくのか、どのような雰囲気のチームとなるのか、予測不可能なだけに面白そうです。

 

(3)3区

 3区は再びルイルイがチームを率います。1日目はトラウデン直美さんとすがちゃん最高No.1さんが参戦し、2日目は宮澤佐江さんとバッテリィズのエースさんが参戦します。

 1日目はバス旅初参戦の2人ですが、トラウデンさんは馬術で体力を培っているとのことで、ルイルイにはついていけそうです。昨年は相方の信子さんが参戦し、明るくチームを盛り上げましたが、すがちゃんさんがどのようにチームを盛り立てるのでしょうか。

 そして2日目に参戦する宮沢さんは、バス旅Z特別編と路線バスで鬼ごっこに出演した経験があるので、経験を生かしての活躍が期待されます。そして3区の注目は、バッテリィズのエースさんです。野球経験者で、「歩きには自信がある」とのこと、体力は申し分ないでしょう。何より、人柄の良さも相まって、チームに明るく楽しい、温かい雰囲気をもたらす気がするので、楽しみです照れ

 

(4)4区

 アンカーの4区では、髙木菜那さんがリーダーを務めます。ミラノオリンピック開催を控え、年末にバス旅に出演されるのは難しいのではないかと思いましたが、出演されるということで嬉しいです照れ 昨年も大学院での論文執筆のかたわら、バス旅に参戦されていました。本当にお疲れ様です。

 4区はメンバーの入れ替わりはなく、2日通じて”鬼軍曹”こと村井美樹さん、そしてAマッソの加納さんが参戦します。4区がダントツに一番厳しい区間になるので、満を持しての軍曹の登場という事になりました。

 注目はAマッソの加納さんです。どんどん前へ前へ進む2人の中に、どのように溶け込んでいくのでしょうか。加納さんのXでの投稿では「がっつり喧嘩もしています!」と書かれていたので、1人取り残されたり、ただただリーダーについていくだけ、ということではなかったようです。3人がどのように結束してゴールへ向かうのか、注目です。

 

2.特例について

 ローカル路線バスの旅のルールの中で、「移動手段は路線バスと徒歩のみ」「高速道路を走るバスは使用できない」というものがあります。

 しかし、今回は四国から北陸へ向かうので、瀬戸内海を渡らなければなりません。もし移動手段が路線バスと徒歩のみの場合、1ルートしかとることができず、しかも相当な距離の徒歩が発生してしまいます。

 そのため、バス旅W第4弾(姫路城→松山城)のときと同様に、「瀬戸内海の海峡部に限り、高速道路を走るバスを利用できる」という特例が適用されるとみられます。

 

3.ルート概況

 もしその特例が適用された場合、四国から本州へ渡るルートは3つあります。しまなみ海道を通って愛媛県の今治から広島県の尾道へ抜けるのか、瀬戸大橋を通って香川県の坂出から岡山県の児島(倉敷市)へ抜けるのか、はたまた徳島県の鳴門から淡路島を経由して兵庫県の神戸に渡るのかー どこで四国から本州へ渡るのか?というのが、1区の大きなポイントになるでしょう。

 いずれのルートをとった場合も、関西を通過していくことになります。大都市はバスの本数や路線が多い一方、長距離路線が少ないため、細かな乗り継ぎを求められます。また情報量も非常に多く、その中で適切にルートを選ぶことは意外と難しいです。その中をゆくのが2区ということになりそうです。リカバリーはしやすいので、聞き込みは丁寧に、でも失敗を恐れずに大胆に行けば、大崩れすることはないでしょう。

 3区は滋賀県を進むことになるでしょう。滋賀県はバス路線自体がないエリアも多く、ルイルイも過去何度も苦労しています。福井に向かって進む場合、琵琶湖の西側をいくのか、東側をいくのかという選択も迫られます。バス旅のプロがどのような決断を下すのでしょうか。

 そしてラストの4区は、山越えや冬の日本海沿いを行く過酷なルートです。雪も降ったとのことですが、その中でいかに徒歩を少なく乗り切ることができるのかがカギになります。

 私もロケ日が全て平日と仮定して、このお題に机上で取り組みましたが、あと一歩でゴール失敗に終わりました。最後まで一筋縄ではいかないようになっていて、特に3区の後半からの難易度が高いと感じました。

 

 テレ東系旅の日 ローカル路線バス乗り継ぎの旅9時間SPは、12月27日(土)・28日(日)両日とも17:45~22:10の放送です。リアルタイム配信、見逃し配信はTverで視聴可能です。

 今回も例によって、放送終了数日後に今回の出題ポイントと感想を書いた記事をアップ予定です。そちらもぜひご覧くださいねニコニコ

 

 JR東海は12日、2026年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。今回はこれについて考察します。なお、記事内の図はJR東海プレスリリースから引用しています。

 

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1.東海道新幹線

(1)臨時「のぞみ」増発

 現在、1時間あたり最大12本運行されている「のぞみ」号について、特に利用の多い下り東京発7~10時台及び上り新大阪発14~17時台については、最大13本の運行となります。また、同時間帯の東京駅45分発の下り臨時「のぞみ」と、新大阪駅33分発の上り臨時「のぞみ」の所要時間が、2時間30分から2時間27分に短縮されます。

 

 

 多客期は東京~新大阪間の利用が非常に多く、その需要にこたえる形の臨時列車の設定となりました。

 

(2)臨時列車の新規設定

 京都6:03発の臨時「のぞみ548号」・岐阜羽島6:30発の臨時「こだま800号」が新規設定されます。「こだま800号」は名古屋発東京行きの定期列車ですが、多客期は岐阜羽島発に延長されます。また、名古屋発東京行き始発列車の時刻が9分早まります。改正前後の時刻を比較してみましょう。(時刻表はJTB時刻表とプレスリリースをもとに当局作成)

 

 

 臨時列車運行日は、京都駅から東京駅まで現行より11分、岐阜羽島駅から東京駅まで現行より34分早く到着できるようになります。新幹線の運行時間は6:00~24:00の間なので、その時間の枠を最大限に活用した列車といえます。

 

(2-1)京都発東京行き臨時「のぞみ548号」

 京都6:03発の臨時のぞみ548号は、京都市内からだけでなく、JR山陰本線(嵯峨野線)の園部駅以東、JR東海道本線(京都線・琵琶湖線)の大阪駅~野洲駅間、JR奈良線(京都~奈良間)、近鉄京都線の新田辺以北からも乗車することができます。大阪や奈良からもこの臨時「のぞみ548号」に乗車できるというのは一つ大きなポイントといえるでしょう。

 そのためか、この「のぞみ548号」だけは「月曜日や土曜日を中心に運転する」と、運行頻度が明言されているうえに、その頻度も多くなっています。うまくすれば、2023年3月ダイヤ改正で設定された新横浜始発の臨時「のぞみ497号」のように、多くの利用者を捌く列車になりうる存在です。

 

(2-2)名古屋発「のぞみ」定期列車と臨時列車の入れ替え

 また、名古屋からののぞみ号については、現行ダイヤでは6:28発が臨時列車、6:37発が定期列車となっていますが、改正後はこれが逆になり、6:28発が定期列車、6:37発が臨時列車となります。これにより、名古屋駅から東京駅へ、現行より9分早く到着できるようになります。

 

(2-3)臨時こだま800号 

 「こだま800号」は名古屋始発の定期列車ですが、多客期は岐阜羽島~名古屋間が延長運転となります。岐阜羽島駅には名鉄羽島線が乗り入れており、平日であれば名鉄岐阜発新羽島行き初電に乗り、岐阜羽島で臨時「こだま800号」に乗ることができます。

 しかし、岐阜駅などから東京方面へ行くには、JR東海道本線や名鉄名古屋本線を使って名古屋に出て、名古屋から新幹線に乗り換えるほうが断然速いです。在来線からの乗り継ぎ客はほとんど見込めなさそうですが、どうして岐阜羽島始発の臨時列車が設定されるのでしょうか。考えられることとしては次の2つです。

 1つ目は、この臨時列車が回送列車を活用したものである可能性があるということです。深夜に岐阜羽島駅へ回送されてきた列車が一夜を明かし、翌朝岐阜羽島から名古屋へ回送列車で送り込み、名古屋から「こだま800号」として東京へ向かう、という車両運用になっているとみられます。それであれば、普段回送列車として走らせている岐阜羽島~名古屋間を、営業列車として走らせるということで合点がいきます。

 2つ目は、マイカー利用者の存在です。岐阜羽島駅がある羽島市をはじめ、近隣の市町は、鉄道の駅から遠い地域もあります。岐阜羽島駅前には広い駐車場も整備されており、1日1,000円で利用することができます。この臨時「こだま800号」のターゲットは、マイカーで自宅~岐阜羽島駅間を移動する人であるとみられます。

 

 

 運転日は明言されていませんが、恐らくGW初日などの利用が一番多くなる日に1~2日設定し、利用状況をみて継続設定するかを判断するのではないかとみられます。

 

(3)上り「こだま」速達化及び品川行き臨時「のぞみ」新設

 上り静岡行き最終「こだま」が速達化され、名古屋~静岡間が7分短縮されます。また、博多発品川行き臨時「のぞみ」が新設されます。改正前後の時刻を比較してみましょう。

 

 

 速達化されるのは、現行の「こだま764号」(改正後は「こだま864号」)で、名古屋発が22:14から22:21に7分繰り下げます。現行の「こだま764号」は、名古屋駅で東京行き最終列車「のぞみ64号」に追い抜かれたのち、三河安城駅で臨時「のぞみ488号」の通過待ちを行い、静岡まで各駅に停車していきます。

 改正後は、名古屋駅で「のぞみ64号」と臨時「のぞみ516号」(現行の臨時「のぞみ488号」)の追い抜きを完了させてから発車します。これにより、三河安城駅での通過待ちがなくなること、所要時間の見直しにより速達化が図られるというわけです。これにより、臨時「のぞみ516号」に乗車しても静岡へ到達することができるようになり、大阪や京都・名古屋での滞在時間が6~7分拡大します。

 また、博多19:18発の臨時「のぞみ」品川行きが新設されます。こちらは品川着23:59と、運行可能時間ギリギリの設定になっています。博多や広島、岡山だけでなく、新大阪・京都・名古屋から東京への最終列車となります。定期列車の最終(のぞみ64号)の後に2本も臨時列車が設定されているのが驚きです。

 ちなみに、この臨時「のぞみ206号」に乗ると…

 

新横浜23:57→町田0:18→橋本0:32(横浜線)

新横浜0:02→東神奈川0:10,0:13→横浜0:16,0:24→平塚0:58(横浜線・京浜東北線・東海道本線)

品川0:08→渋谷0:21→新宿0:29,0:35→三鷹0:57(山手線・中央線各駅停車)

品川0:09→赤羽0:47→南浦和0:59(京浜東北線)

品川0:09→秋葉原0:26,0:28→錦糸町0:34→市川0:47→船橋0:58→津田沼1:03(京浜東北線・総武線各駅停車)

品川0:09→上野0:30,0:33→松戸0:52(山手線、常磐線)

 

 という具合に乗り継げます。なお、乗り換え時間が短いものもあるので、乗り継げなかった場合も責任を負いかねますので、あくまでも一例としてご覧ください。

 博多を19時過ぎに、岡山を21時前に、京都を22時前に出発しても千葉県や埼玉県まで到達できるというのはすごいですねびっくり 鹿児島中央からの「みずほ610号」からも乗り継ぐことができるというのもポイントです。

 恐らく、GW最終日など年間数日しか設定されないと思いますが、利用が多い場合は運転日が増えると思われます。

 

 このほか、広島発着の臨時「のぞみ」の設定、九州新幹線臨時「さくら」に接続する「のぞみ」の運転などが行われます。

 

2.在来線

(1)武豊線・関西本線 増車・ワンマン化

 武豊線(大府~武豊)と関西本線(名古屋~亀山間、特急と快速みえは除く)を走る列車は、全て315系4両編成に統一されます。これにより、一部列車は2両から4両に増車となるほか、上記区間は全てワンマン列車となります。

 

(2)関西本線 一部区間減便と種別変更

 名古屋17:14発の快速亀山行きが、区間快速に変更となります。また、名古屋17:23発の普通亀山行きは、四日市行きに短縮となります。

 

 

 名古屋~桑名間は利用者が比較的多いですが、快速通過駅は25分ほど運転間隔が空いているため、区間快速に格下げして混雑分散を図る狙いがあるとみられます。また、18時台において普通亀山行きの運行間隔が短くなっているため、運転区間を短縮するとみられます。

 

(3)紀勢線 時刻変更

 現行ダイヤで亀山18:53発の普通鳥羽行きの発車時刻が10分繰り上がります。これにより、多気で普通新宮行きへの乗り継ぎが可能となります。

 

 

 改正後の普通鳥羽行きは、亀山18:40発となり、前述した区間快速亀山行き(亀山18:30発)から乗り継ぐことができます。また、伊賀上野方面からの加茂発亀山行きも亀山18:32着なので、こちらも乗り換え時間が短くなります。多気駅だけでなく、亀山駅での列車の乗り継ぎも改善されているので、いい改正といえます。

 

(4)武豊線・中央本線 時刻変更

 名古屋発東京行き「のぞみ」の一番列車の発車時刻繰り上げに伴い、武豊線・中央本線で一部列車の発車時刻が繰り上がります。改正後のダイヤを以下の通り予想してみました。なお、当局の予想ですので、改正後にご利用の方は必ず時刻をお確かめください。

 

 

 武豊線では始発列車の時刻を繰り上げ、中央線では瑞浪発や多治見発の列車と高蔵寺発の列車の発車順序を入れ替えることで時刻の繰り上げが実施されるとみています。現行ダイヤでは武豊、瑞浪から名古屋発の東京行き一番列車(「のぞみ268号」)に乗り継ぐことができるので、改正後においても乗り継ぎを維持するための措置というわけです。ただ、予想だと運転間隔が不均等になっている箇所もあり、そのあたりをどう調整するのかも注目です。

 

(5)サンライズ出雲・瀬戸 発車時刻繰り上げ

 保守工事の時間確保のため、東京~浜松間において、下りサンライズ出雲・瀬戸の発車時刻が繰り上がります。浜松以降の発車時刻に変更はありません。

 

 

 発車時刻が24分早まりますが、飛行機や新幹線の最終よりもずっと後に出発しており、優位性は変わりません。保守工事の時間確保は安全上必要な措置といえますし、サンライズ出雲・瀬戸の乗客は乗ること自体を楽しむ人も多いので、影響は小さいとみられます。

 

3.終わりに

 いかがでしたでしょうか。京都始発や岐阜羽島始発、品川行きの列車が設定されるなど、なかなか面白い臨時列車が多く設定された印象を受けます。

 マニア的には珍しい行先や始発駅が面白くてつい目が行ってしまいますが、あくまでも大事なことは「なぜそんな臨時列車を設定することにしたのか?」「その臨時列車が設定されることで、移動の可能性がどのように広がるのか?」ということです。この記事ではその部分に重点を置いて解説したつもりですが、鉄道好きでない方にも今回の臨時列車が設定された背景や意義について興味を持ってもらえれば幸いです。

 果たして臨時列車がどのくらいの頻度で設定されるのか、今後設定が増えていくのか、注目です。

 2010年9月4日にテレビ東京で放送された「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第7弾 青森→新潟」が、Tverで期間限定で視聴できるようになっています。せっかくなので、この第7弾の内容を振り返り、感想を書いておこうと思います。

 

https://tver.jp/episodes/eptt88izak

 

 当時のバス旅のレギュラーは、ルイルイこと太川陽介さん、そして蛭子能収さんでした。この回のゲストは中山エミリさん。3人で3泊4日で青森から新潟を目指しました。

 この記事はネタバレを含んでおりますので、どんな旅だったか知らないという方はTverからご覧のうえ、当記事をお読みください。

 

 

1.結果は…

 結論からいくと、この旅はゴール失敗に終わってしまいました。15年前においても、既にバス路線自体がない地域も多く、難易度が高いお題でした。加えて、気象条件も非常に悪かったことが一行を苦しめました。

 失敗に終わった要因として考えられたことの一つに、パチンコ屋へ立ち寄ったことが挙げられています。3日目に新潟県内を徒歩で南下していた際に、蛭子さんが「パチンコ屋に入りたい」と言い、パチンコ屋へ入ったところ、その先で乗れそうだったバスに乗り継ぐことができないという事件が起こりました。

 ギャンブル好きの蛭子さんらしい(?)エピソード、旅番組の途中にパチンコ屋へ入ったこと、それが失敗に繋がったかもしれないというところで、今なお語り草になっているエピソードです。

 

2.あの”事件”について ー改めて見返してみるとー

 これだけ聞くと、「バス旅の最中にパチンコ屋に寄るって、何してんねん」と言いたくなるところですが、改めて見返してみると、パチンコ屋立ち寄り事件が起こったのは致し方なかったと私は思います。というのも、ロケ中に台風4号が日本海側を通過し、接近しているという過酷な状況だったからです。

 

https://tydb.bosai.go.jp/TYDB/HTML/1004.html

 

 一行は2日目に山形県の象潟に到達し、3日目は山形県の日本海沿いを南下していました。新潟との県境に近い鼠ヶ関でバスが途絶えてしまい、5km先の府屋まで日本海沿いを歩くことになりました。

 そのときまさに台風が日本海沿いを北上しており、強風が吹き荒れ、波も高く大きな水しぶきをあげていたことが映像から分かります。

 5kmを歩くとなると、ただでさえ1時間はかかります。ロケは8月中旬と暑い中に行われていたこと、しかも3日目の後半ということもあり、ただでさえ歩くのが大変な状況でした。その中で、歩いている一行にまで海水のしぶきが飛んでくるほどの暴風が吹く中を歩かなければならず、一行は体力を消耗していたとみられます。

 鼠ヶ関~府屋の中間あたりまできたころ、一行の目に飛び込んできたのがパチンコ屋でした。

 

蛭子さん「ちょっと休憩しながらいこうよ。あ、パチンコだ、入ろうか」

(一同笑い)

ルイルイ「本当に休みたい?」

蛭子さん「休みたい」

ルイルイ「1,000円だけよ」

中山さん「(蛭子さんを)見張ってます」

 

 こうして、蛭子さんと中山さんはパチンコ屋さんへ入っていきました。ルイルイは外で二人を待ちながら、台風中継のまねごとをしていました。

 ここでポイントとなるのが、「誰もパチンコ屋へ入ることを止めていない」という点です。恐らく、それまでの道で飲食店や喫茶店などもなく、休憩する場所がなかったのでしょう。

 ナレーションでも、「ということで、二人はラスベカス(パチンコ屋)へ緊急避難」と評していました。疲れと暴風で疲弊しきっていたところにパチンコ屋を見つけ、雨風がしのげる場所へたまらず入ったということではないでしょうか。

 

3.とんでもない事件だけど…

 結果的には、パチンコ代の1,000円はスッてしまい、府屋でバスを逃し、ゴール失敗という散々な展開になってしまいましたが、パチンコ屋に立ち寄った後、一行は気力を少し取り戻すことができました。

 もしその前に飲食店があれば、恐らく立ち寄っていたでしょう。また、どこへも立ち寄らなかったとしても、バスに間に合ったかどうかも分かりませんし、最悪過労でリタイア…という事態にもなっていたと思います。

 結局、3日目は府屋から先へ進むことができませんでした。蛭子さんは「パチンコ屋で休んだのが仇になったか」と言いましたが、ルイルイは「しょうがないよ、疲れてたんだから」と責めることはありませんでした。

 3日目は府屋での宿泊を試みるも、台風接近で粟島へ渡れなくなった人が府屋で急遽宿泊することになったため満室で宿泊できず、送迎であつみ温泉まで引き返す羽目になりました。正直、ロケを中断してもよいレベルだったと思います。

 「パチンコ屋へ寄り道したためにゴール失敗」という点だけが独り歩きしているので、蛭子さんが少し気の毒に思いますが、逆にバス旅が仕込みや台本なしでガチンコロケをしていることを裏付け、斬新な展開とあって注目度がさらに高まるきっかけになったという点では、よかったのかもしれません。

 JR東日本は12日、2026年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。今回は八王子支社管内について分析します。なお、記事中の図は両社プレスリリースから引用しています。

 

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1.中央線特急「あずさ」増車

 土休日の特急「あずさ」1往復が、9両から12両に増車となります。対象列車は以下の通りです。

 

・あずさ8号 松本7:10発→甲府8:17発→新宿9:46着→東京10:01着

・あずさ17号  新宿11:00発→甲府12:25着→松本13:36着

 

 午前中に甲府・諏訪・松本エリアから東京へお出かけする需要を見込んでの増車とみられます。

 

2.中央線快速電車・青梅線 

(1)ホームドア整備に向けて、停車時間の見直し(増大)が行われるため、列車の行先や時刻が変更となります。 

(2)平日の中央線ー青梅線直通列車1本の設定が見直しとなります。

 

 

 見直しの対象は、東京17:17発の快速青梅行きで、改正後は快速豊田行きに変更となります。また、立川始発の青梅行きが新たに設定されます。これは立川駅のホーム上混雑緩和のために行われます。

 立川始発の青梅線の列車は1・2番線から発車しますが、東京・新宿方面からの中央線ー青梅線直通列車は、中央線下り(八王子・高尾方面)と同じ5・6番線から発車します。そのため、5・6番線のホームに「八王子・高尾方面へ向かう客」と「拝島・青梅方面へ向かう客」がどちらも流入し、混雑してしまいます。これを解消するため、青梅行きの列車を立川始発として1or2番線から発車させることで、混雑を分散させようというわけです。

 東京や新宿から青梅方面へ向かう乗客は、東京17:20発(新宿17:35発)の通勤快速青梅行きを利用するほうがメインとなっているため、直通廃止による支障は小さいとみられます。

 

3.中央本線(普通列車)

 立川発着・豊田発・八王子発で運行されている中央本線の普通列車が、全て高尾発着に統一されます。

 

 

 中央本線の東京~高尾間(一部は東京~大月間)は、E233系というオレンジ帯の車両が使われており、高尾~甲府・松本方面の普通列車は、211系という水色・若緑色の帯を巻いた車両が使われています。

 

 

 

(上の写真がE233系、下の写真が211系。車両の写真は筆者撮影)

 

 211系で運行されている普通列車は、基本的には高尾駅発着なのですが、下り列車は八王子発と豊田発が3本ずつ、立川駅始発が2本運行されています。また、上り列車2本は立川行きとなっています。これらが全て高尾発着に短縮されるというわけです。

 その理由は、前述したホームドア整備にあります。東京~高尾間の各駅(一部駅除く)でホームドアの整備が行われますが、ホームドアはE233系電車の仕様にあわせて製造されます。

 

東京都内駅ホームドア整備について

 

 E233系と211系では、1車両ごとのドア数が違うなど、仕様が異なるため、ホームドアが設置されると211系が入線することができません。わずか数本の列車のためにホームドアを両者とも適合したものにするのも現実的ではないことから、211系の高尾以東の乗り入れをやめるに至ったとみられます。

 また、この211系の車庫は長野にあり、乗り入れ範囲が非常に広いという特徴もあります。ホームドアの設置を口実に、211系の乗り入れ範囲を少しでも狭めることで、車両運用をやりやすくしたいという狙いもあるとみられます。

 「中央本線」と「中央線快速電車」の違いについては、以下の記事で説明していますので、あわせてご覧ください。

 

 

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。項目自体はさほど多くないものの、中央本線については211系の立川乗り入れがなくなるなど、さりげなく変化もある内容となりました。ホームドアの整備をするというところから、いろいろ動き出した感があります。

 中央・総武線各駅停車も含め、中央本線ではいろいろと動きが出てきましたが、今後の行方に注目です。

 

 

 横浜線・南武線については、下記記事をご覧ください。

 

 

 中央・総武線各駅停車については、下記記事をご覧ください。

 

 

 

 JR東日本は12日、2026年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。今回は千葉支社および中央・総武線各駅停車での改正について考察します。なお、記事中の図は、JR東日本千葉支社・八王子支社プレスリリースから引用しています。

 

※12/16 21:48 チャプター4・5を加筆修正しました。

 

千葉支社_2026年3月ダイヤ改正について

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1.特急「しおさい」編成両数変更

 平日朝に運行されている特急「しおさい」4号・6号の編成両数が変更となります。

 

 

 E257系のほうがE259系より両数が少ないですが、座席数が多いので定員は多いです。より輸送力のあるE257系をしおさい4号から6号へと配置転換させるということです。6号は東京着8時頃とあって、4号より通勤利用に適しているとみられること、実際の利用状況を踏まえての変更とみられます。

 

2.武蔵野線 土休日増発

 土休日の朝時間帯に、南船橋行き1本が東京行きに変更となります。また、西船橋発海浜幕張行きが1本増発されます。

 

 

 新たに東京行きとなる列車は、改正後の西船橋7:21発の列車です。改正前は7:04~7:30まで、30分近く東京行きが設定されていませんでしたが、改正後は7:04,7:21,7:31と運行間隔が是正されます。

 西船橋から舞浜までは所要約15分なので、舞浜には7時35分ごろに到着します。ディズニーランドの開園時間は9時ですが、早めに行って予約など行う方も多いという利用状況を踏まえ、東京行きを設定したとみられます。

 また、増発される海浜幕張行きは西船橋9:02発となります。現行ダイヤでは8:50~9:17と、30分近く海浜幕張方面の列車が設定されていませんが、こちらも改正により運行間隔が是正されます。各種イベントへ向かう利用者の需要も踏まえての増発とみられます。

 

3.中央・総武線各駅停車~東京メトロ東西線 直通列車削減

 中央・総武線(各駅停車)と東京メトロ東西線を直通する列車が減便となります。これにより、中野~三鷹間は日中時間帯に毎時1往復減便となります。また、西船橋~津田沼間の東京メトロ東西線直通列車も減便となります。

 

 東京メトロ東西線は、中野駅と西船橋駅を結ぶ路線です。路線の両端はいずれも中央・総武線(各駅停車)が通っており、西側は中野駅からさらに西にある三鷹駅まで直通しています。また、平日朝夕は、東側の西船橋駅からさらに東にある津田沼駅まで直通列車が設定されています。

 今回減便されるのは、この直通列車です。現在、日中時間帯に東京メトロ東西線直通列車は毎時4本設定されていますが、これが毎時2本に半減します。1本は中央・総武線各駅停車(黄色い電車)に置き換えられますが、1本は減便となります。

津田沼発着の直通列車がどのくらい減便されるかは不明です。

 

 ここにきてなぜ、東西線への直通列車が減便されることになったのか。一つは、東西線開業時との状況が変化したことが挙げられます。

 東京メトロ東西線は、当時混雑が著しかった中央・総武線のバイパス路線として建設され、1969(昭和44)年に全線開業しました。これにより、中野・三鷹方面、船橋・津田沼方面から都心を目指す場合、総武線だけでなく東西線を利用することができるようになり、混雑の分散が図られました。中央・総武線から東西線への直通列車が設定されたのも、総武線に集中している乗客を東西線へ逃がすためであり、その名残が今も残っているといえます。

 

 

 当時中央・総武線を運行していたのはJRの前身である国鉄で、東西線を運行していたのは東京メトロの前身である帝都高速度交通営団(いわゆる「営団地下鉄」)でした。帝都高速度交通営団は、国と東京都が出資する法人でした。

 しかし国鉄も帝都高速度交通営団もいまや民営化されてJR東日本と東京メトロに変わり、それぞれ別々の民間企業となりました。また、中央・総武線の混雑も1960年代と比べて緩和されたこと、東西線の沿線も宅地化されて沿線人口が増えたことで、中央・総武線のバイパスとしての機能は薄れつつあるという見方もできます。それが直通列車減便の背景の一つにあると考えられます。

 ではなぜ、このタイミングでの減便なのか。それは今回のダイヤ改正とともにJR東日本で運賃改定が行われることが関係していると考えます。直通列車が出ている三鷹や津田沼から東京都心(JR:東京 メトロ:大手町)の運賃を比較してみましょう。

 

 

 実は、区間によってはJRで乗り通すよりも、中野や西船橋から東京メトロ東西線へ乗り換えたほうが安くなるケースがあります。3月ダイヤ改正でJR側の運賃が値上げとなるため、東京メトロ東西線を使うほうが安い、もしくは変わらないというケースが増える見込みです。東西線直通列車があることで、JRの利用者が東京メトロへ逸走するのを防ぎたいー直通列車減便の背景には、そうした事情もあるのではないかと考えています。

 

4.京葉線 海浜幕張発新習志野行き 減便

 京葉線の海浜幕張発新習志野行きが4本減便となることが、乗りものニュースの記事から明らかになりました。

 

 
 この列車は、海浜幕張から2駅先の新習志野までしか行かない列車です。海浜幕張行きとして運行した後、折り返し新習志野行きとなって新習志野へ向かい、新習志野到着後は回送列車となって京葉車両センターに入庫しています。いわば、車庫へ帰るついでに人を乗せているというわけです。
 ダイヤ改正後は、この新習志野行き4本が減便となります。恐らく営業列車から回送列車へと変更するものとみられ、より効率的に車庫へ列車を戻す狙いがあるとみられます。
 プレスリリースの最後で、「運転本数の見直し」という表現がありましたが、どの線区で減便が行われるかは不明でした。乗りものニュースの記事によると、減便されるのはこの海浜幕張発新習志野行きのみで、他の千葉支社管内の路線での減便はないとのこと。ごく短距離の列車であり、減便の影響は小さいとみられることから、わざわざ明記しなかったのかもしれません。
 

5.終わりに

 いかがでしたでしょうか。全体的には小幅な改正にとどまりましたが、東京メトロ東西線直通列車の減便は少し規模が大きいように感じます。東西線開業当初から50年以上経過し、沿線環境も大きく変わる中で、慣習的に続いてきた直通運転も見直しを図るということだと思います。今後も東西線直通運転は縮小していくのか気になるところです。