20日(土)に放送されたテレビ東京系の人気特番「ローカル路線バスの旅W 第3弾 伊良湖岬→善光寺」、私も先ほどオンエアを見ました。例によって、感想メインでポイントを書いていきたいと思います。

 なお、ルート検証につきましては、タビリスの鎌倉先生の記事をぜひご覧ください☆

 

 

 

 あと、この記事はネタバレですので、必ず本編をご覧の上でお読みください。

 

 

 

 

 

 では、まいります。

 

1.髙木菜那さんがとにかく凄かった!

 今回は髙木菜那さんの奮闘に尽きると思います。本当に素晴らしかったです爆  笑 いいな、と感じたところをいくつか挙げたいと思います。

 

(1)地図が読めるだけでなく、地図を読んで先々のルートまで検討していた

 髙木さんは常に地図を読み、先々のルートを見通していました。「このバス停の名前はさっき地図で見た」という発言もありましたが、あらゆるルートを検討していたことが窺えました。

 圧巻だったのは、飯田駅で「伊那路は木曽路と違って中央自動車道が通っているから、バス路線はあまり通っていないのではないか」と発言したことです。これは完全に髙木さんの読み通りで、あのまま伊那路を進んでいたら恐らくもっと手前でリタイアになっていたでしょう。飯田から木曽路に転じて、長野市まで行きついた粘りは見事でした。

 

(2)聞き込みが初めてとは思えないほどうまい

 聞き込みも本当に的確でした。それはやはり、地図を読み、自身でルート候補を検討し、絞り込めていたことも要因だったと思います。

 

(3)メリハリのある判断

 羽田さんや軍曹のように無理に歩くことはせず、それでも歩いたほうが先へ進めるときは歩く、その判断にはメリハリがきいていて、良かったと思います。体力があるからとむやみに突き進まなかった点は見事だったと思います。

 

(4)コミュニケーションや仲間を鼓舞するのもうまい

 加えて、地元の方との交流も積極的にされていて、いい雰囲気を作っておられたので、その点はなおさらすごいと思いました。三船さん、たけうちさんとも上手に盛り上がり、時に鼓舞する姿も本当に素晴らしかったです。

 長い距離を歩く場面は今回のバス旅でもありましたが、きつい場面でただ頑張れというのではなく、「1km11~12分で来ている、いいペース」「1km10分ちょいで来ていた、かなり頑張って歩いていた」と、具体的に二人の頑張りを褒めたり、鼓舞していたのが印象的でした。三船さん、たけうちさんも、髙木さんの言葉でモチベーションが上向いたことと思います。

 

 ざっと考えただけでも出てきました。最初はゲスト的な立ち位置でしたが、気づいたら自然と誰もが認めるリーダーになっていました。髙木さんの奮闘が素晴らしかっただけに、今回は今までで一番強く「成功してほしかった…」と思いました。次回もぜひ出演してほしいです!!

 

2.豊橋駅でのルート選択について

 豊橋駅がルート選択のポイントの一つだったということです。私はローカル路線バスの旅Z13弾のルート検討で、新城~田口~稲武~押山~恵那に至るルートを知っていたので、「このルートを使わせる気なんだな」と決めてかかっていました。

 しかし、地図だけ見れば、岡崎や豊田を経由しながら岐阜県を目指す方法や、静岡から回り込むという可能性も浮かび上がるので、確かに迷うポイントだよなと感じました。

 それでも、岡崎方面へはバス路線が繋がっていないので、諦めて田口を目指すかと思ったものの、バス旅ファンのお兄さんの言葉に押され、そのまま岡崎方面へ向かいました。お兄さんは全く悪くはありませんが、お兄さんの後押しがなければ、恐々でも田口へ向かっていたかもなぁとは感じました。

 

3.奥三河行きを躊躇したことについて

 一行は岡崎へ転じ、足助行きのバスを見つけますが、宿泊施設の不安から足助行きのバスに乗ることをためらい、岡崎で宿泊となりました。「先に進められるうちは先に進む」のがバス旅のセオリーですし、岡崎の時点でまだ18時台だったので、あそこはもったいないなと思いました。足助は、紅葉の名所・香嵐渓を擁していることもあってか、宿泊施設も数軒はあるようです。

 ただ、前回がラブホテル→スナックの一室で一夜をしのぐという壮絶な回だったので、きちんとした宿泊施設に泊まりたいと思うのは当然のことでしょう。それを踏まえれば、仕方なかったのかなと思います。

 傾向として、どんなところで一泊するかという点は、女性のほうが男性以上に気になるポイントだとも思うので…

 

4.稲武での選択

 当初の私の見立てでは、「豊橋では迷わずに奥三河へ進み、稲武でルートに悩む」展開を予想していました。木曽路に行くにせよ伊那路に行くにせよ決め手がなく、一行は相当悩むこととなりました。この稲武での選択はそのあとの結果に大きな影響を与えるので、プレッシャーのかかる場面だったと思います。

 あえて言えば、中津川方面へ行けば、木曽路に行くか下呂方面へ北上するかを選択できるので、中津川方面のほうがいい、というところでしょうか。

 

5.高山~松本 長距離バス

 今回事前に調べていて驚いたのは、高山~松本間を結ぶ特急バスが予約制になっていたことです。今まで複数回バス旅に登場したこのバスですが、ロケ後の7月からは完全予約制になってしまったため、今後は使うことができません。外国人にも人気の観光地が多いので、予約制へ移行したのでしょうか…??

 

6.まとめ

 今回のお題の難易度についてですが、初日に稲武まで到達していれば、高山経由でも木曽路でも伊那路でもゴールは可能だったので、第2弾ほどは難しくなかったように思います。

 それでも、稲武での選択のように、どちらも決め手に欠ける中でルート選択をしなければならない場面もあり、決して易しいお題ではないなと感じました。そうした意味では、徒歩距離や難易度は標準かやや難しいといったところでしょうか。

 何よりも、髙木さんのプレーは随所で光っていました。体力はあるけど体力任せにしない、地図が読めてルートを見通す力がある、地元の人との交流や仲間を鼓舞するのがうまい、バス旅にはうってつけの方だと思います。バス旅のプロ、ルイルイの後継者になるかも?…そんな気さえしました。

 次回はどのメンバーがどこでバス旅に挑むのか、今から楽しみです。

 明日20日(土)に放送される、ローカル路線バス乗り継ぎの旅W 第3弾。今回はこの第3弾の見どころについて触れたいと思います☆

 

 今回は第1弾、第2弾でリーダー格だった赤江さんが欠場で、三船さんは第1弾から、たけうちほのかさんは第2弾から引き続き出場となりました。そして高木菜那さんが初参加します。

 高木さんは五輪金メダリストとあって、体力はあるので、少し歩きが長くなっても安心できそうです。

 

 今回のお題は、「伊良湖岬(愛知県)→善光寺(長野県)」です。伊良湖岬は渥美半島の先端なので、渥美半島を抜け出すまでは一本道です。しかし、そのあとは山あいの地をバスと徒歩で繋いでいかなくてはなりません。

 ルートを検討する時間は十分用意されているだけに、渥美半島を出た後のルートについてどこまで想定し、判断できるかが、中盤までの見どころとなるでしょう。

 今回のお題でいくと、ルートは大きく分けて3つ想定できます。県境は1~2回越えないといけないので、どこから長野県に入るのかも悩むところですが、それと同じかそれ以上に、広い長野県をどう北上していくかというところが中盤以降の見どころとなるでしょう。どのルートをとるにせよ、今までバス旅(Classic,Z含む)で出てこなかった場所が登場しそうなので、その点も楽しみです爆  笑

 横浜から東京まで行く高速バスといえば、思い浮かぶのは横浜と羽田空港を結ぶバスになるかと思いますが、今回登場するのは空港連絡バスではありません。そして行先は東京駅です。

 横浜から東京駅へ高速バスで行けるのか?とお思いの方もおられるかもしれませんが、実はある場所からは行けるのです!!

 

1.現地取材記録

 まずは、東急田園都市線と横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れている、あざみ野駅(横浜市青葉区)にやってきました。横浜市の中心部からは20km弱離れた横浜北部に位置しています。

 

 あざみ野駅は西口と東口の2つがありますが、東口へ進み、突き当りの大通りを右に向かいます。

 すぐに信号のある交差点があるので、信号で大通りを渡り、そのまま直進します。横浜市営地下鉄であざみ野駅に来た方は、1番出口を出て右後方へ進みます。

 緩い坂を上り、公園の角のT字路を左折します。

 少し坂を下ったところで交差する道(県道横浜生田線)を右折し、坂を上り下りすると到着です。

 ここは東名江田という高速バスの停留所です。あざみ野駅から12~13分、東急田園都市線の江田駅からも徒歩15分ほどでアクセスできます。

 

 

 この階段を上ると、左側に東京方面のバス乗り場の入口があります。

 

 名古屋方面のりばへの入口はこんな感じです

 

 さて、バス停でバスを待ちます。さすが日本の大動脈、ひっきりなしに車が通過しています。

 

 

 

 この東名江田バス停は、東京と東海・近畿地方を結ぶ多くの高速バスが停車する、東名のバス停の中でも主要なバス停になっています。大半の高速バスは、静岡・名古屋方面は乗車専用、東京方面は降車専用となっていますが、東京~静岡・名古屋を結ぶ東名ハイウェイバスと、新宿~御殿場・箱根を結ぶ小田急高速バスについては、東京(新宿)~東名高速上の各バス停との往来が可能になっています。つまり、東名江田から東京駅や新宿駅へ向かう高速バスに乗り込むことができるというわけです。

 

 上の写真は新宿行きのバスの時刻表です。新宿行きの高速バスは日中は毎時2本出ており、ICカードで乗車することもできるため、大変便利です。

 13:21に、新宿行きの高速バスが6分遅れでやってきました。続いて、東京行きの東名ハイウェイバス急行便が10分遅れでやってきました。

 新宿行きのバスから1名下車した人がいたほかは乗り降りはなく、発車していきました。私は13:12発の超特急東京行きを予約していたのですが、名古屋地区での渋滞の影響で30分近く遅れてやってきました。

 

東名江田13:39(13:12)→東京駅日本橋口14:20(13:54)超特急スーパーライナー54号

 東名江田を出発し、東名高速をひた走ります。が、10kmほどで東名高速は終了し、あれよあれよという間に東京都へ入ります。

 東京インターを過ぎると、首都高速をそのまま走り、用賀料金所を通過します。

 用賀料金所は、小さなPAが併設されています。もし希望する人がいた場合は、この用賀料金所でバスを降り、徒歩5分ほどの位置にある東急田園都市線の用賀駅から電車に乗り換えることができます。ただし、渋滞や車線規制等でPAに入れない場合や、希望者がいなかった場合は用賀は通過となります。この日は希望者なしのため、通過となりました。

 幸い渋滞もなく、首都高速をひた走ります。座席はWi-Fiや充電用コンセントが完備されており、全席リクライニングシートとなっています。走る速度も安定していて、揺れが心地いい…

 渋谷のあたりまでは覚えているのですが、そのあとはウトウトしていて、気づいたら高速を降りるところでした。いやー、快適でした照れ

 東京駅行きのバスは、霞が関に停車します。ここは降車のみです。あとは東京の街を見ながら、東京駅へたどり着きました。名古屋地区で30分遅れになったようで、それ以降はその遅れのまま東京へ到着したということだったようです。

 

2.だから使える!横浜ー東京 高速バス移動

 以上が乗車記録でした。確かに東名江田(横浜市青葉区)から東京駅まで高速バスで行くことができました。しかし、「これって制度上可能なだけで、実用的ではないんじゃないか?」と思った方もいるかもしれません。これについて検証してみましょう。

 東名江田バス停の最寄り駅は、東急田園都市線のあざみ野駅です。あざみ野駅から東京駅、新宿駅へ鉄道で行く場合、高速バスで行く場合を比較すると、次のようになります。

 

 

 所要時間や運賃については、鉄道・高速バスともほぼ互角です。高速バスの強みは、鉄道と同程度の所要時間や運賃でありながら、(1)「必ず座れる」(2)「Wi-Fiや充電用コンセント、リクライニングシートなど車内設備が充実している」(3)「乗換が不要」 という点です。

 高速バスは渋滞等により遅延するという点が弱みですが、時間にシビアでない場合は、東名江田~東京駅や新宿間を高速バスで利用する価値は十分にあるでしょう。横浜北部にお住まいの方であれば、都心から帰宅する際に、有料特急列車を使う感覚で東京から東名江田まで高速バスで座って快適に移動する、なんてのもアリです爆  笑

 

3.まとめ

 いかがでしたでしょうか。高速バスと聞くと、長距離を移動するイメージがありますが、今回紹介した東名ハイウェイバスや小田急高速バスは、20km程度の短距離利用も対応しており、手軽に利用できます。皆様も、特に横浜市北部にお住まいの方は、ぜひ高速バスを積極的に使ってみてはいかがでしょうか?

 

 なお、バスは渋滞等で遅延する可能性があるため、余裕をもってご乗車ください。なお、高速バスの位置情報は下記サイトで確認できます。直前に乗車することを決める際は、予め状況を確認しておくと安全です。

 

 

 

中山道歩き 和田峠越えシリーズはこちらから↓

 

 

 というわけで、中山道最大の難所・和田峠越えに挑んだウォークについて、3回に分けてお送りしました。実際に歩いてみて、和田峠攻略のポイントや和田峠ウォークの魅力について感じたことをまとめたいと思います。なおここでは、岩村田宿~和田宿についてもあわせて触れます。

 

1.和田峠越えが中山道歩き最大の難所である理由

 和田峠越えは中山道歩きで、いえ五街道を総じてみても最大の難所であると思います。最大の難所である理由をいくつか挙げたいと思います。

 

(1)標高差が大きい

 和田峠の西側に位置する下諏訪宿は標高750mほど、和田宿は800mほどですが、和田峠は標高約1,600mほどあります。標高差800mと大きく、もはや登山です。

(2)峠へのアプローチが長い

 下諏訪宿~和田峠~和田宿~落合橋間の約28kmは、ほぼ上り坂か下り坂になっています。峠付近の急坂だけでなく、坂道自体が延々と続きます。

 また、落合橋~長久保宿~岩村田宿(佐久平駅)についても、高低差200mを上って下る笠取峠を筆頭に、アップダウンが随所にあるため、油断は禁物です。

(3)巨大公共交通空白地帯になっている

 岩村田宿付近にある佐久平駅から、下諏訪宿付近にある下諏訪宿まで、56kmにわたって鉄道が通っていない地域になります。また、路線バスも通っていない場所もあり、路線が通っているところも本数は極めて少ないのが実情です。

(4)休憩施設・宿泊施設も少ない

 飲食店も宿場町以外にはなく、宿場町だったところでも飲食店がないところもあります。また、和田峠を擁する和田宿~下諏訪宿間については、休憩施設はないという認識でいたほうがよいです。

 

2.和田峠の攻略法

 これらを踏まえ、和田峠を攻略するために必要なことを書いておきたいと思います。

 

(1)十分にゆとりある計画を!!

 和田峠越えは正直言って登山です。それも1日30km近く歩いてかつ登山もするという、なかなか過酷な道のりです。登山のときによく言われることですが、「早立ち」ー朝早く出立して、余裕のある計画作りが望ましいです。

 後述しますが、和田峠一帯は交通空白地域なので、途中で立ち往生すると大変なことになります。安全は心と時間のゆとりから、なのです。

 

(2)装備は万全に!!

 和田峠越えの際は、登山グッズを装備していると安心です。下がぬかるんでなければ運動靴でも歩けますが、登山靴をお持ちの方は登山靴着用がおすすめです。クマよけの鈴もあるとよいです。

 

(3)巨大な交通空白地域

 佐久平駅~下諏訪駅間の56kmは、鉄道が通っておらず、バスも少ないです。そのため、佐久平~下諏訪間は1泊2日行程で一気に歩き切ることになります。1日30kmの歩きを2日連続でこなさなければならないというのも、和田峠越えのしんどい点の一つです。

 その中でも、下諏訪町側は下諏訪駅から6kmほど行った「樋橋」というところまでコミュニティバスが来ています。このコミュニティバス「あざみ号」は毎日運行されており、1日6本程度設定されているため、比較的利用しやすいです。

 

 

 

 2日連続で30kmを歩くのは厳しいという場合は、この樋橋バス停で終了(もしくは開始)するというのも一手です。

 

(4)休憩施設があれば早めの休憩を!!

 中山道沿いには飲食店がとても少ないです。見た限り、望月宿に3~4軒あるほかは、各宿場に0~2店舗ほどでした。そのため、休憩できるところで早めの食事や休憩をとること、飲み物の買い出しも自販機があるところで早めに済ませましょう。

 また、和田宿~下諏訪宿は、休憩や食事ができるところがありません。そのため、昼食は持参することをお勧めします。以前紹介した民宿みやでは、おにぎりセットを注文することができるので、江戸から京へ向かう方は民宿みやに宿泊して、おにぎりセットを持って峠に挑むのがよいです。

 

3.和田峠区間の魅力を語る

 ここまで書くと、ただただ歩いてしんどいだけの区間に思えてきますが、苦労する分、歩きがいはひとしおです。

 鉄道や高速道路が別の地域に通ったことで、この区間は150年位前まで日本の幹線道路だったとは思えないくらいひっそりとしています。また、交通の便もお世辞にもよいとはいえません。

 でも、だからこそ、昔の街道の風景や雰囲気が、自然に残されているのも確かです。旧街道沿いも町の変化により、かつての本陣跡など当時を偲ぶものは多くの場所は壊されてしまっていますが、中山道の塩名田や望月、長久保宿などは本陣が現存しています。また土道も多く、江戸時代当時の旅の雰囲気を存分に味わうことができます。

 

〇おわりに

 いかがでしたでしょうか。今回は岩村田宿~下諏訪宿の和田峠越えを含む区間について語らせていただきました。歩ききるのは本当にしんどいですが、「街道歩き旅をやっていてよかった!」と何度も心から思いました。皆様もぜひ、中山道ウォークに挑戦してみてはいかがでしょうか??

 

前回はこちら↓↓

 

 後半は雨が降りしきる中、佐久平駅から何とか歩ききり、民宿みやに到着。この日はここで1泊します。この民宿みやは、中山道を歩く人にとってはとても有名かつ大事な宿なのですが、これについて解説します。

 

 

 

1.民宿みやの位置関係

 江戸から伸びる中山道は、碓氷峠を越えて軽井沢、御代田、佐久市を経て、概ね国道142号線沿いに下諏訪、塩尻、木曽方面へ続いています。

 このうち、佐久平駅(岩村田宿付近)~下諏訪間の56kmは、巨大な鉄道空白地帯になっており、路線バスが通っているところも本数がわずかしかありません。

 そのため、この区間を踏破しようとすると、1泊2日行程で56kmを一気に歩くしかないのですが、民宿みやは佐久平と下諏訪のほぼ中間に位置しており、宿泊するにはちょうどいい場所にあります。

 また、民宿みや~下諏訪間は、中山道最大の難所・和田峠がそびえたちます。峠から一番近い宿はこの民宿みやなので、必然的に宿泊する流れになります。

 

2.民宿みやについて

 民宿みやは、長久保宿と和田宿の間にある落合橋から、国道152号線を南へ800m行ったところにあります。ツーリングや渓流釣り、スキーや合宿、長期ビジネスなど幅広い宿泊ニーズに対応していますが、宿泊者の大半は中山道を歩く街道歩きのお客さんのようで、年間1,000人宿泊されているとか(!)。

 各地に街道の風情を残す中山道、それだけ人を引き付けているということだと思います。

 

3.民宿みやのここがすごい!

 そんな民宿みやは、中山道歩き御用達の宿といっても過言ではなく、街道歩きの客にとっては至れり尽くせりの宿です。どこが強みなのか、紹介します。

 

(1)巨大交通空白地域 佐久平~下諏訪のほぼ中間に位置している

 これは1で挙げた通りですが、56kmを1泊2日で歩ききらなくてはならない中、ちょうど中間に宿泊施設があるのはありがたいです。

 

(2)食事が素晴らしい

 食事は地元の野菜や山菜、そしてお肉やご飯もたっぷりで、栄養満点でとてもおいしいです照れ長い距離とアップダウンを歩ききる力をつけることができます☆

 なお、夕食は18:30~19:30、朝食は6:30~7:30と決まっています。食事の時間は早いですが、その分朝早くから歩き始めることができます。佐久平へ行くにせよ下諏訪に行くにせよ、30km近い距離を歩ききらなくてはならないので、朝早く出立させてくれるのは本当に助かりました。

 さらに、1,200円追加で支払えば、昼食の「おにぎりセット」を注文することも可能です。特に民宿みや~和田峠~下諏訪間は飲食店がほとんどないため、「おにぎりセット」を注文することをおすすめします。

 中身は、大きなおにぎり2個、ゆで卵、魚肉ソーセージでした。糖分・塩分をチャージできるので、タフな道を歩き続ける上ではとても力になりました。

 

(3)送迎サービスをしてくれる

 事前に宿の人にお願いしておけば、迎えにきてくれます。そのため、我々のように宿へ直接徒歩でアクセスするだけでなく、例えば佐久平から和田宿まで歩き、和田宿から宿の送迎で民宿へ向かうということも可能です。

 そのため、その日の体調や天候次第で、民宿よりも先の地点まで歩いたり、あるいは民宿の手前で打ち切りになったりすることもあるでしょう。そうした場合に送迎を仰ぐことができるので、自分のペースで中山道踏破を進められます。翌日は前日に中断した地点まで送迎してくれるので、とてもありがたいです。

 

(4)中山道や和田峠に関する情報を得られる

 宿主夫婦は、中山道や和田峠を熟知されているので、歩く上でのアドバイスを聴くこともできます。また、宿泊者も中山道歩きの方が多く、客同士で情報交換したり、ウォーク談議が盛り上がることもよくあるそうです。

 

 ということで、中山道歩きの方が和田峠越えに挑む際は、ほとんどの人がこの民宿みやに宿泊されているようです。我々が宿泊した際も、我々のほかにもう一組いらっしゃいましたが、その方々も中山道歩きの方で、下諏訪から和田峠を越えられたとのことでした。

 皆様も、中山道を歩かれる際は、ぜひ民宿みやに宿泊されてはいかがでしょうか?