京阪電鉄は6月26日のプレスリリースで、8月22日(土)から京阪線のダイヤを変更することを明かしました。今回はこれについて考察します。
0.京阪本線について
京阪本線は、大阪市の淀屋橋駅と京都市の三条駅を結ぶ路線です。三条駅~出町柳駅間は鴨東線(おうとうせん)がそのまま伸び、本線と一体的なダイヤが組まれています。
淀屋橋駅・北浜駅・天満橋駅・京橋駅が大阪市内のメイン駅で、七条駅・祇園四条駅・三条駅・出町柳駅が京都市内のメインとなっています。種別・停車駅については下図をご覧ください(京阪電鉄ホームページから引用)。左側が大阪側、右側が京都側です。また、萱島駅~寝屋川市駅間に寝屋川車庫が、淀駅付近に淀車庫があります。
では、本題に入ります。
1.4両編成の運行拡大
(1)4両編成の運行区間拡大
現在、淀屋橋・中之島~萱島間を中心に運行されている4両編成の普通列車ですが、ダイヤ改正後は中之島・淀屋橋~出町柳間の全線で運行されます。これにより、日中のダイヤパターンも変更となります(後述)。
2.始発列車繰り下げ
三条発普通出町柳行き一番列車の発車時刻が繰り下がります。
変更前(現行):三条5:07→神宮丸太町5:08→出町柳5:11
変更後 :三条5:12→神宮丸太町5:13→出町柳5:16
ダイヤ変更前は、折り返し5:21発の準急淀屋橋行きとなっています。ダイヤ変更後の折り返し列車は5:20発の普通淀行きとなり、出町柳での折り返し時間が10分から4分に短縮されます。
早朝で利用者も比較的少なく、折り返し時間が短くても支障が少ないこと、叡山電車の出町柳発の始発列車が5:34発で叡山電車への乗り継ぎにも影響がないことから、始発時間を繰り下げるとみられます。
3.朝時間帯
(1)寝屋川市7:01発快速急行出町柳行きが、淀屋橋始発(淀屋橋6:43発)に延長となります。なお、現行の淀屋橋6:44発準急出町柳行きは、寝屋川市7:04発普通出町柳行きに短縮され、4両編成での運行となります。
現行の寝屋川市発快速急行と淀屋橋発準急を入れ替える形となります。これにより、大阪→京都への優等列車(特急・快速急行)の運転間隔が12分から5~7分に短縮されるため、利便性が向上するといえます。ラッシュとは逆方向ながら、日中時間帯と同じくらい運転間隔が空いてしまっているので、ここはうまい是正だと思います。
(2)7時台に樟葉発出町柳行き、淀発出町柳行き普通列車が1本ずつ、8時台に出町柳発淀行き普通列車が2本増発されます。出町柳~淀間は朝時間帯に2往復増発となります。
4.日中ダイヤ
現行ダイヤでは、特急・準急・普通が毎時5本ずつ、12分サイクルで運行されていますが、改正後は24分サイクルのパターンダイヤとなります。
毎時5本ある準急のうち半分は、淀屋橋~枚方市間の「快速急行」に変更されます。また、毎時5本ある普通のうち半分は、中之島~萱島間から中之島~出町柳間に運行区間が延長されます。
これだけ書いてもイメージがつきにくい、という方も多くいらっしゃるかと思います。次の本数の増減及び変更前後の時刻表をご覧ください。
準急の半数が快速急行に変更され、運転区間が延長となる普通列車については、香里園で快速急行と乗り継げるようになります(時刻表の中の同じ色同士が接続)。
増発となる快速急行には、一般車8両編成が充当されます。現行ダイヤでは朝夕時間帯にしか営業運転に入っていませんが、このダイヤ変更により日中も8両編成の運用が生まれることとなります。
大阪側は増発となりますが、ダイヤは分かりづらくなってしまうので、どこまで定着するかが今後の懸念点といえます。
5.夕ラッシュ時間帯
(1)大阪方では淀屋橋発樟葉行き準急1本、淀屋橋~萱島間で区間急行が1.5往復増発されます。
プレスリリースには、「淀屋橋発樟葉行き1本、淀屋橋~萱島間区間急行1往復増発」とありましたが、実際には区間急行淀屋橋行きは15時台と16時台に1本ずつ増発されています。また、中之島16:40発普通萱島行きは、樟葉行きに延長されていることも分かります。
増発される樟葉行き準急は8両編成が充当されます。16時台は通学客の利用も多い時間帯なので、混雑緩和を図る狙いがあるとみています。
(2)三条発樟葉行き普通が1本、出町柳発樟葉行き急行が1本、出町柳発枚方市行き急行が1本増発となります。快速特急「洛楽」の運行時刻が変更となるほか、出町柳17:38発淀屋橋行き快速急行は、17:46発淀屋橋行き急行に変更となります。変更前後の時刻表をみてみましょう。
三条発樟葉行き普通列車は、4両編成で運行されます。夕方時間帯で利用者が多いため、淀止まりではなく樟葉まで運行し、樟葉到着後に淀へ回送するダイヤにしたとみられます。樟葉で準急淀屋橋行きに乗り継げるのもグッドです。
樟葉行き急行、枚方市行き急行は、終着駅でそれぞれ準急、区間急行に種別変更し、淀屋橋まで運行されます。それぞれ樟葉、枚方市までは後続の特急に追い抜かされることなく走ります。樟葉や枚方市へ向かう利用者を急行へ誘導し、特急の混雑緩和を図る狙いがあるとみられます。
また、出町柳17:34発快速急行淀屋橋行きは、17:41発急行淀屋橋行きに変更となります。この快速急行は、「洛楽」通過駅を補填するための列車ですが、「洛楽」の時刻変更とあわせ、種別と時刻が変更されます。伏見稲荷駅など、快速急行通過駅でも観光利用が多い駅などもあるので、その点を踏まえた変更とみられます。
(3)淀発三条行き普通列車2本、淀発出町柳行き急行1本が増発となります。
大阪方面への列車を増発するため、淀駅近くにある車庫から三条や出町柳へ車両を送り込む必要があり、その分の増発とみられます。なお、上下3本の普通・準急は、出町柳発着から三条発着へ短縮されるため、三条~出町柳間の運行本数に変更はありません。
(4)有料列車「ライナー」増発
淀屋橋19:25発、20:47発の「ライナー」出町柳行きが増発となります。「ライナー」に特急車両を充当する関係で、特急2本が特急車両から一般車両へ変更となります。
増発される2本のライナーに近しい時間帯で、特急列車も引き続き設定されますが、使用車両は特急型車両(8000系・プレミアムカーあり)から一般型車両8両(プレミアムカーなし)へ変更となります。また、淀屋橋20:50発特急出町柳行きは、三条行きに短縮され、出町柳へ行くには三条で乗換となります。
6.最終列車繰り上げ
出町柳23:15発淀屋橋行き快速急行(淀屋橋行き最終列車)の運行時刻が5分繰り上がり、23:10発となります。併せて、出町柳23:19発急行寝屋川市行きが新設されます。この急行寝屋川市行きは、枚方市で交野線の私市行き最終列車(枚方市0:01発)へ乗り継ぐことが可能となり、京都方面から交野線沿線への最終時刻が繰り下がります。下図は平日の変更前後の時刻表の比較です。
快速急行淀屋橋行き最終列車の発車時刻が、出町柳23:15発から23:10発に5分繰り上がります。現行ダイヤでは、香里園で普通守口市行き最終列車、京橋で普通中之島行き最終列車に乗り継ぐことができるダイヤとなっています。変更後のダイヤでは、守口市行き最終列車には香里園で、中之島行き最終列車へは守口市で乗り継ぎ可能なダイヤとなります。そのため、京都方面から土居~野江間の各駅へ向かう場合は、逆に最終時刻が繰り下がることとなります。
また、出町柳23:19発急行寝屋川市行きが増発となります。これにより、京都方面から枚方市乗換で交野方面へ向かう場合、最終時刻が繰り下がります。
このほか、出町柳発淀行き普通列車が2本増発となり、普通列車の運行間隔が最大20分程度から最大15分程度へと是正されます。
7.深夜帯 増発
淀屋橋23:06発区間急行萱島行きが、区間急行枚方市行きに延長されます。また、淀屋橋23:37発準急枚方市行きが、樟葉行きに延長されます。
枚方市行きに延長される区間急行は、後続の準急や急行に追い抜かされずに走ります。そのため、門真市などの区間急行停車駅だけでなく、寝屋川市や香里園などへ向かう場合にも有効です。深夜帯の区間急行・準急・急行の運転間隔を是正し、混雑緩和を図る狙いがあるとみられます。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回のダイヤ変更は、京都側での増発と深夜帯の増発が多くみられます。京都市内は沿線に学校も多く、通学利用も一定数あることや、コロナ禍を経て利用が回復しつつあることが背景にあると考えられます。もしくは、7両から4両に減車となる列車が多いため、輸送力維持のために増発しているという見方もできます。
日中のダイヤについては、またしてもダイヤパターンが変更されることとなりました。特急や快速急行と、その他の列車(準急や普通など)で利用の度合いに差が大きく、なかなかしっくりくるダイヤパターンがないという悩ましい状況にあることがうかがえます。本来であれば、コロナ禍前のように、10分ヘッドでのパターンダイヤが良いように思いますが、普通列車が供給過剰となることや、乗務員などに余裕がなく、難しいのだと推察します。
4両編成の列車は、ついに出町柳まで営業運転で乗り入れることとなりました。萱島~出町柳間の特急通過駅では、2本のうち1本は4両編成、という状況となりますが、果たしてそれで混雑が激化しないかは気がかりです。
長くなってしまったので、土休日のダイヤ変更については次の記事でさらっと見ていきたいと思います。こちらもぜひご覧くださいね![]()
























