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 後半は雨が降りしきる中、佐久平駅から何とか歩ききり、民宿みやに到着。この日はここで1泊します。この民宿みやは、中山道を歩く人にとってはとても有名かつ大事な宿なのですが、これについて解説します。

 

 

 

1.民宿みやの位置関係

 江戸から伸びる中山道は、碓氷峠を越えて軽井沢、御代田、佐久市を経て、概ね国道142号線沿いに下諏訪、塩尻、木曽方面へ続いています。

 このうち、佐久平駅(岩村田宿付近)~下諏訪間の56kmは、巨大な鉄道空白地帯になっており、路線バスが通っているところも本数がわずかしかありません。

 そのため、この区間を踏破しようとすると、1泊2日行程で56kmを一気に歩くしかないのですが、民宿みやは佐久平と下諏訪のほぼ中間に位置しており、宿泊するにはちょうどいい場所にあります。

 また、民宿みや~下諏訪間は、中山道最大の難所・和田峠がそびえたちます。峠から一番近い宿はこの民宿みやなので、必然的に宿泊する流れになります。

 

2.民宿みやについて

 民宿みやは、長久保宿と和田宿の間にある落合橋から、国道152号線を南へ800m行ったところにあります。ツーリングや渓流釣り、スキーや合宿、長期ビジネスなど幅広い宿泊ニーズに対応していますが、宿泊者の大半は中山道を歩く街道歩きのお客さんのようで、年間1,000人宿泊されているとか(!)。

 各地に街道の風情を残す中山道、それだけ人を引き付けているということだと思います。

 

3.民宿みやのここがすごい!

 そんな民宿みやは、中山道歩き御用達の宿といっても過言ではなく、街道歩きの客にとっては至れり尽くせりの宿です。どこが強みなのか、紹介します。

 

(1)巨大交通空白地域 佐久平~下諏訪のほぼ中間に位置している

 これは1で挙げた通りですが、56kmを1泊2日で歩ききらなくてはならない中、ちょうど中間に宿泊施設があるのはありがたいです。

 

(2)食事が素晴らしい

 食事は地元の野菜や山菜、そしてお肉やご飯もたっぷりで、栄養満点でとてもおいしいです照れ長い距離とアップダウンを歩ききる力をつけることができます☆

 なお、夕食は18:30~19:30、朝食は6:30~7:30と決まっています。食事の時間は早いですが、その分朝早くから歩き始めることができます。佐久平へ行くにせよ下諏訪に行くにせよ、30km近い距離を歩ききらなくてはならないので、朝早く出立させてくれるのは本当に助かりました。

 さらに、1,200円追加で支払えば、昼食の「おにぎりセット」を注文することも可能です。特に民宿みや~和田峠~下諏訪間は飲食店がほとんどないため、「おにぎりセット」を注文することをおすすめします。

 中身は、大きなおにぎり2個、ゆで卵、魚肉ソーセージでした。糖分・塩分をチャージできるので、タフな道を歩き続ける上ではとても力になりました。

 

(3)送迎サービスをしてくれる

 事前に宿の人にお願いしておけば、迎えにきてくれます。そのため、我々のように宿へ直接徒歩でアクセスするだけでなく、例えば佐久平から和田宿まで歩き、和田宿から宿の送迎で民宿へ向かうということも可能です。

 そのため、その日の体調や天候次第で、民宿よりも先の地点まで歩いたり、あるいは民宿の手前で打ち切りになったりすることもあるでしょう。そうした場合に送迎を仰ぐことができるので、自分のペースで中山道踏破を進められます。翌日は前日に中断した地点まで送迎してくれるので、とてもありがたいです。

 

(4)中山道や和田峠に関する情報を得られる

 宿主夫婦は、中山道や和田峠を熟知されているので、歩く上でのアドバイスを聴くこともできます。また、宿泊者も中山道歩きの方が多く、客同士で情報交換したり、ウォーク談議が盛り上がることもよくあるそうです。

 

 ということで、中山道歩きの方が和田峠越えに挑む際は、ほとんどの人がこの民宿みやに宿泊されているようです。我々が宿泊した際も、我々のほかにもう一組いらっしゃいましたが、その方々も中山道歩きの方で、下諏訪から和田峠を越えられたとのことでした。

 皆様も、中山道を歩かれる際は、ぜひ民宿みやに宿泊されてはいかがでしょうか?