(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
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リロイ・アンド・スティッチ
(原題:Leroy & Stitch)
2006年
監督
トニー・クレイグ
ボブズ・ガナウェイ
データ
2002年の映画「リロ・アンド・スティッチ」から始まったハワイ編及び3年以上に渡り展開されてきたテレビシリーズのイトコ編の完結作となるシリーズ4作目の長編作品。
2024年現在、リロとスティッチの物語は今作が最終作となっています。
2006年にアメリカのディズニー・チャンネルにて初放送されました。
監督は様々なディズニーの続編シリーズに携わってきたトニー・クレイグとロバーツ・ガナウェイ。「ザ・ムービー」「ザ・シリーズ」も含め、イトコ編の全てを手掛けている二人です。
脚本はリロ・アンド・スティッチの全テレビシリーズの制作を指揮し、その後の日本や中国でのシリーズ展開にも携わる言わばスティッチの育ての親ジェス・ウィンフィールド。
音楽は「オリバー ニューヨーク子猫ものがたり」等のディズニー作品も手掛けたJAC レッドフォード。
又、劇中にはオリジナル同様エルヴィス・プレスリーの楽曲が多数使用されています。
3年をかけて全ての試作品達に新しいおうちを見つける任務を果たしたリロとスティッチ、そしてその家族達が挑むハムスター・ヴィールとの最終決戦を描いたSFコメディアドベンチャー。
スティッチの声は引き続き一作目の監督でありスティッチの生みの親クリス・サンダース。
日本語版は山寺宏一さん。
リロ役も引き続きデイヴィ・チェイスが務めます。日本語版はアナやラプンツェルの幼少期、さらにトイ・ストーリーシリーズのボニーやシュガー・ラッシュのヴァネロペ等実に様々なディズニーボイスを演じている諸星すみれさん。
当時は7歳。日本のリロの声は初代から一貫して7〜10歳程度の子役声優が起用されており諸星さんは3代目となります。
リロの姉・ナニを演じたのはハワイ出身の女優ティア・カレル。日本語版に著名女優の田畑智子さん。こちらもオリジナルから続投です。
又、今回最主要ヴィランであるリロイ役はスティッチと同様クリス・サンダースと日本語版を山寺宏一さんが務めました。
正にスティッチブーム全盛期の只中で公開となったこの最終作。
テレビで初放送された僅か4日後にソフトリリースされた今作ですが、その売上と収益は非常に高い数字を記録しており、大きな成功を収めています。
評価面ではオリジナルの映画からの劣化に対する批判は依然としてあるものの、ファンの多かった長期テレビシリーズの流れを踏襲したプロットや小ネタ、伏線の回収等が盛り込まれたそのサービス精神旺盛な内容はシリーズのフィナーレを飾る作品として各方面から好評価を集めました。
日本でも今作の新キャラクター・リロイ、そして今作ではじめて名前が付けられた試作品ルーベンが密かな人気を集めグッズ化が積極的に行われた他、地上波放送も実施される等数あるスティッチの長編作品の流れでも比較的高い知名度を維持している作品です。
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あらすじ
ハワイ中に散らばった違法な遺伝子実験の試作品達。その回収と全ての試作品達に新しい「おうち」を与えるという任務を達成したリロとスティッチ達は、銀河連邦からその功績を表彰される。
そしてスティッチ、ジャンバ、プリークリーはそれぞれ報酬として宇宙での名誉ある居場所が与えられた。
寂しがるリロを気にかけ1度は銀河連邦の申し出を断るものの、それを悟ったリロの計らいにより結局3人は宇宙へ帰ることとなる。
ごちゃまぜ家族はバラバラになってしまった。
スティッチの代わりに人形のスクランプを相棒としてイトコ達の見回りをはじめるリロ。
しかし寂しさを拭いきれない。
宇宙での生活をはじめたスティッチ達もまた、地球での生活を忘れられずにいた。
そんなとき、全ての試作品を奪われた失態を挽回したいガントゥによりハムスター・ヴィール博士が刑務所からの脱獄に成功する。
かつての悪の研究仲間ジャンバの前に現れたハムスターヴィールは彼を脅し、スティッチを凌ぐ新たな試作品を無理矢理作らせてしまった。
最強の敵リロイの誕生により窮地に追い込まれるリロやスティッチ、そしてイトコ達。
オハナ達の最終決戦が今始まろうとしていた…
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感想
ファン心を擽る小ネタや展開
これまでのテレビシリーズで登場した沢山の試作品達が多数再登場するのは勿論のこと、それ以外の細かい部分も含めて、本当に小ネタの多い映画なんですよね。
例えば…
・「〜ザ・シリーズ」で登場したリロの友達ヴィクトリアがカメオ出演。クリップに髪を切ってもらいショートカットになり、スヌーティーと散歩している。
・シリーズを通して登場するリロの好きな映画「スズメバチ・ミイラ」シリーズの、ナンバリングが少しずつちゃんと進んでいる。今作中で公開されてるのはパート6。
・リロイがハムスターヴィールの動作を真似るシーンは「〜ザ・ムービー」のリロとスティッチのパロディ。
・プリークリーがライトを自分に向けて「明るい、凄く明るい」と言うシーンは「〜ザ・ムービー」で閉じ込められた時の「暗い、凄く暗い」のパロディ。
・マートルが流れ星だと思ってお願い事をしたらリロイだったというシーンは「リロ・アンド・スティッチ」のリロとスティッチのパロディ。
・ハムスターヴィールがブラックホールの座標を言うシーンの座標の数字は1979年の映画「ブラックホール」の公開日。
・スタジアムでの決戦のシーンで「ライオン・キング」のティモンとプンバァがカメオ出演。
などなど…他にも沢山あります。
ストーリー上でも、唯一名前がついてなかった625号に待望の名前がついたり、ずーっと憎めないヴィランだったガントゥがついに光堕ちしたり、プレスリーの音楽がやっぱり鍵を握ってたり、イトコ達の団体本気バトルが展開されたり…
ファン達が見たかったであろう熱い展開が目白押しで、まさに3年分の集大成といった印象がとても強いです。
流石ずっと同シリーズを手掛けてきたスタッフが制作しているだけのことはあります。
ファンの為の作品、という趣向がかなり強いので、これまでのシリーズを観ていない人にとってはまったく面白くないでしょう。。
間違っても「タイトルが気になるから…」とかの理由でこの作品から観ちゃったりしないようにご注意下さい。
もう素直に「〜ザ・シリーズ ファイナル」とかそういうタイトルにすれば良かったのに、スティッチ系はどうしてこう、いつもややこしいタイトルにするのか…w
わかりやすくも芯の通ったテーマ
ただのお祭り映画にせず、ちゃんとこのリロ・アンド・スティッチの精神をある程度引き継いでるのは素晴らしいと思いました。
ただ、もっとわかりやすくするならやはり【アロハには人を思いやる心という意味がある】というのをもう一回台詞としてどっかで言っといた方が良かったかなぁてのは感じましたかね。