ディズニー映画語り リロイ&スティッチ | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。


はいどうもぉ。

明けましておめでとうございます!

今年もまたなんとな〜くディズニー作品をポロポロ語っていきますので、何卒よろしくお願い致します!



さて。



いきなりですが思いっきり通常営業でいきますよ〜。


今日は2000年代中盤〜爆発的なブームを巻き起こしたディズニーのヒット作「リロ&スティッチ」シリーズから一本語っていきます猫。

2002年の映画「リロ&スティッチ」のヒット、そしてその後の社会現象とも言える大キャラクターブームで当時のディズニーの低迷期を大いに支えることになったスティッチ。


「スティッチ!ザ・ムービー」




からはじまり…

ブレイクを巻き起こしたテレビシリーズ

「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ 」





と続いてきたリロとスティッチの物語も、いよいよこの作品でひとまずのフィナーレを迎える事となります。



(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)




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  リロイ・アンド・スティッチ

(原題:Leroy & Stitch)

2006年

監督

トニー・クレイグ

ボブズ・ガナウェイ



データ


2002年の映画「リロ・アンド・スティッチ」から始まったハワイ編及び3年以上に渡り展開されてきたテレビシリーズのイトコ編完結作となるシリーズ4作目長編作品


2024年現在、リロとスティッチの物語は今作が最終作となっています。


2006年にアメリカのディズニー・チャンネルにて初放送されました。




監督は様々なディズニーの続編シリーズに携わってきたトニー・クレイグロバーツ・ガナウェイ「ザ・ムービー」「ザ・シリーズ」も含め、イトコ編の全てを手掛けている二人です。


脚本はリロ・アンド・スティッチ全テレビシリーズの制作を指揮し、その後の日本や中国でのシリーズ展開にも携わる言わばスティッチの育ての親ジェス・ウィンフィールド



音楽は「オリバー ニューヨーク子猫ものがたり」等のディズニー作品も手掛けたJAC レッドフォード


又、劇中にはオリジナル同様エルヴィス・プレスリーの楽曲が多数使用されています。



3年をかけて全ての試作品達に新しいおうちを見つける任務を果たしたリロとスティッチ、そしてその家族達が挑むハムスター・ヴィールとの最終決戦を描いたSFコメディアドベンチャー



スティッチの声は引き続き一作目の監督でありスティッチの生みの親クリス・サンダース

日本語版は山寺宏一さん。


リロ役も引き続きデイヴィ・チェイスが務めます。日本語版はアナラプンツェルの幼少期、さらにトイ・ストーリーシリーズのボニーやシュガー・ラッシュのヴァネロペ等実に様々なディズニーボイスを演じている諸星すみれさん。

当時は7歳。日本のリロの声は初代から一貫して7〜10歳程度の子役声優が起用されており諸星さんは3代目となります。


リロの姉・ナニを演じたのはハワイ出身の女優ティア・カレル。日本語版に著名女優の田畑智子さん。こちらもオリジナルから続投です。



又、今回最主要ヴィランであるリロイ役はスティッチと同様クリス・サンダースと日本語版を山寺宏一さんが務めました。



正にスティッチブーム全盛期の只中で公開となったこの最終作


テレビで初放送された僅か4日後ソフトリリースされた今作ですが、その売上と収益は非常に高い数字を記録しており、大きな成功を収めています。


評価面ではオリジナルの映画からの劣化に対する批判は依然としてあるものの、ファンの多かった長期テレビシリーズの流れを踏襲したプロットや小ネタ伏線の回収等が盛り込まれたそのサービス精神旺盛な内容シリーズのフィナーレを飾る作品として各方面から好評価を集めました。


日本でも今作の新キャラクター・リロイ、そして今作ではじめて名前が付けられた試作品ルーベンが密かな人気を集めグッズ化が積極的に行われた他、地上波放送も実施される等数あるスティッチの長編作品の流れでも比較的高い知名度を維持している作品です。



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あらすじ



ハワイ中に散らばった違法な遺伝子実験の試作品達。その回収と全ての試作品達に新しい「おうち」を与えるという任務を達成したリロとスティッチ達は、銀河連邦からその功績を表彰される。


そしてスティッチ、ジャンバ、プリークリーはそれぞれ報酬として宇宙での名誉ある居場所が与えられた。


寂しがるリロを気にかけ1度は銀河連邦の申し出を断るものの、それを悟ったリロの計らいにより結局3人は宇宙へ帰ることとなる。


ごちゃまぜ家族はバラバラになってしまった。


スティッチの代わりに人形のスクランプを相棒としてイトコ達の見回りをはじめるリロ。

しかし寂しさを拭いきれない。


宇宙での生活をはじめたスティッチ達もまた、地球での生活を忘れられずにいた。


そんなとき、全ての試作品を奪われた失態を挽回したいガントゥによりハムスター・ヴィール博士が刑務所からの脱獄に成功する。


かつての悪の研究仲間ジャンバの前に現れたハムスターヴィールは彼を脅し、スティッチを凌ぐ新たな試作品を無理矢理作らせてしまった。


最強の敵リロイの誕生により窮地に追い込まれるリロやスティッチ、そしてイトコ達。


オハナ達の最終決戦が今始まろうとしていた…


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感想



1つの映画として観ると作画構成ストーリープロット等色々雑で粗削りな部分が目立ち、決して傑作とは言えないでしょう。

ただ長期シリーズとなったイトコ編の最後を飾るファンの為のフィナーレ作品としては100点満点の作品じゃないでしょうか。

オリジナルの監督であるクリス・サンダースディーン・デュボアがはじめて制作関連に全く携わっていない作品ではあるのですが、リロ・アンド・スティッチの…というより何よりもイトコ編の集大成として、ファンが見たかった物をしっかりと見せてくれた一本だったと思いますね。

ただ完結作として色々詰め込んだ結果、その分端々でだったり粗削りになってしまった部分が散見されるのは否めないところです。


これまでの試作品達が総登場するドタバタ劇わかりやすいストーリー等子供にも楽しめる優しい作りになっている他、海外カートゥーンにしては珍しく日本のアニメにありそうな直球ド定番の胸熱展開も用意されてるので、これまでのシリーズのファンには堪らない作品であることは間違いありませんが、一本の作品としてその1段階上には行けてない感じですね。


総じて言うと「お子様&ファン向けの作品」という評価にはなると思います。



ファン心を擽る小ネタや展開





そのストーリーも然ることながら、イトコ編の最終作と言うだけあって、これまでずっとシリーズを追ってきたファンだけがわかるような細かな小ネタ・セルフパロディが非常に多いのもこの作品の大きな特徴です。


これまでのテレビシリーズで登場した沢山の試作品達多数再登場するのは勿論のこと、それ以外の細かい部分も含めて、本当に小ネタの多い映画なんですよね。


例えば…





・「〜ザ・シリーズ」で登場したリロの友達ヴィクトリアがカメオ出演。クリップに髪を切ってもらいショートカットになり、スヌーティーと散歩している。


・シリーズを通して登場するリロの好きな映画「スズメバチ・ミイラ」シリーズの、ナンバリングが少しずつちゃんと進んでいる。今作中で公開されてるのはパート6。


・リロイがハムスターヴィールの動作を真似るシーンは「〜ザ・ムービー」のリロとスティッチのパロディ。


・プリークリーがライトを自分に向けて「明るい、凄く明るい」と言うシーンは「〜ザ・ムービー」で閉じ込められた時の「暗い、凄く暗い」のパロディ。


・マートルが流れ星だと思ってお願い事をしたらリロイだったというシーンは「リロ・アンド・スティッチ」のリロとスティッチのパロディ。


・ハムスターヴィールがブラックホールの座標を言うシーンの座標の数字は1979年の映画「ブラックホール」の公開日。


・スタジアムでの決戦のシーンで「ライオン・キング」のティモンとプンバァがカメオ出演。


などなど…他にも沢山あります。


ストーリー上でも、唯一名前がついてなかった625号に待望の名前がついたりずーっと憎めないヴィランだったガントゥがついに光堕ちしたりプレスリーの音楽がやっぱり鍵を握ってたりイトコ達の団体本気バトルが展開されたり


ファン達が見たかったであろう熱い展開目白押しで、まさに3年分の集大成といった印象がとても強いです。


流石ずっと同シリーズを手掛けてきたスタッフ制作しているだけのことはあります。


ファンの為の作品、という趣向がかなり強いので、これまでのシリーズを観ていない人にとってはまったく面白くないでしょう。。


間違っても「タイトルが気になるから…」とかの理由でこの作品から観ちゃったりしないように注意下さい。


もう素直に「〜ザ・シリーズ ファイナル」とかそういうタイトルにすれば良かったのに、スティッチ系はどうしてこう、いつもややこしいタイトルにするのか…w





わかりやすくも芯の通ったテーマ



小ネタ大人のファン向けなマニアックな物が多い一方で、ストーリー自体は非常に単純でわかりやすい子供向けなテーマと内容になっています。

複雑な捻り深いドラマ性はほとんど無いので気軽な娯楽作品として楽に見ることができるのも良いですね。

ただその中でもオリジナルから続くテーマの一つ「アロハ」の概念について今作でもしっかりと引き継いでいて、しっかり表現できていたのは良かったと思います。

今回はアロハ「こんにちは」「さようなら」両方の意味がある、という切り口からうまく物語を展開させていて、紆余曲折ありながらもカウアイ島で過ごした皆が知らず知らず【アロハの本当の心=他人を愛する気持ち】を学んでいたという流れに持っていく構図はとても好きでした。

今回の件がうまくいったのは全てリロアロハの心でスティッチ達に渡した贈り物(プリークリーの石、ジャンバのレコード、スティッチのお守り)が要因になっていたり、敵だったガントゥルーベンもまた知らないうちにアロハの心を学んでいたという事を示唆する台詞が入っていたり、単純で雑なように見えて実は結構ちゃんと考えられた脚本になってるんですよね。


ただのお祭り映画にせず、ちゃんとこのリロ・アンド・スティッチ精神をある程度引き継いでるのは素晴らしいと思いました。


ただ、もっとわかりやすくするならやはり【アロハには人を思いやる心という意味がある】というのをもう一回台詞としてどっかで言っといた方が良かったかなぁてのは感じましたかね。




所々に見られる細部の雑さ




まぁとは言えそこはテレビクオリティなので雑なところはかなり雑です。

作画やアニメーションなどは当然のこと、この作品は特にストーリープロット細かい部分演出の雑さが結構目立ちました。

特に気になったのは序盤でスティッチ達がリロと離れて宇宙に行く事を選択するくだり。

ちょっとすぎましたね〜。

折角他の部分はこれまでの流れやキャラクター性大事にしているのに、ここの展開や演出が雑すぎてスティッチ達とリロの絆をあまり感じないのが本当に残念。
やはりそもそもスティッチが戦艦とか大尉とかくらいでリロと離れること選択するとはどうしても思えないんで、同じ展開にするにしてもここの設定と演出はやっぱりちゃんと練って欲しかったですね。

それと、この物語の重要人物の筈のリロの姉・ナニが今回ほとんど絡んでこなかったこと。

ラストを飾る作品として、これは残念でしたね。

タラレバの話しは嫌ですが、もしクリス・サンダースらが製作に関わっていたらここは忘れなかったでしょうね。

あとはやっぱり終盤のスタジアムでの決戦

これも折角大クライマックスの良いシーンなのでもう少し丁寧に演出して欲しかったですね…。
ラストアロハ・オエのとこもなんか唐突だし演出が微妙で折角の大団円なのにあそこでちょっとだけ冷めてしまって…。



折角素材は良いのに肝心の料理がちょっとイマイチで、もったいなかったですね…!


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まとめ



重ねてにはなりますが、この作品がリロスティッチ現行最後の物語です。

映画の時には思いもしなかった方向に走り出したこの2人の物語は、多くの人を巻き込んで広く長く展開し、ここで幕を閉じました。

「リロ・アンド・スティッチ」の記事でも語りましたが、このシリーズは最初から家族愛の物語です。

愛を知らないエイリアン愛を失った少女が寄り添って、小さな家族自分達で作る物語

その始まりを思うとこの最後の【家族写真】だけで泣けてきます。

2人は自分達で家族を作り、育て、2人の努力が沢山のイトコ達まで引き寄せ、最後はこんなにも幸せな大家族となりました。

孤独だった2人の変わり者が作った変わり者の大家族

ここまでシリーズが続いたからこそ描けた事だと思います。

色々と問題もあったシリーズだったとは思いますが個人的には本当にここまでしっかり最後まで深く描けた事は、やっぱりこのテレビでの続編というフォーマットがあったからこそだと思うんですよね。

勿論キャラクター人気便乗したのもあるとは思いますがその上でしっかりと芯を通して最後に見たかったものをファン達に見せてくれたことには本当に感謝ですね。


そしてこの作品があったからこそベイマックスラプンツェル等の名作続編シリーズが生まれていった事はやっぱり間違いないと思いますし、改めてこのイトコ編がディズニーに残した功績はホントに大きいと思いました。



そしてこのイトコ編が終わってもスティッチの人気はまだまだ衰えず、彼の冒険はこの後舞台を日本に移しさらに続いていく事になります。




そのお話は、またいつか!






はーい。


というわけで!


今回はこの辺で〜。


いつもこんな駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!



では、また次回!




しーゆーねくすとたぁーいむ。