ディズニー映画語り リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。


はーいどうも。

今回は久々にディズニー制作のテレビ用アニメーションについて語っていきたいと思います。

ディズニーと言えば劇場用アニメーションがやはり代表的な主流事業であるイメージがもちろん強いと思いますが、実は1980年代頃からディズニーはテレビカートゥーンにもかなりの力を入れていて、現在でもディズニーチャンネルを中心に沢山のテレビアニメーションの名作を生み出した続けているんです。

「フィニアスとファーブ」「キム・ポッシブル」最近では「悪魔バスター スター・バタフライ」「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」等高いい人気と評価を得る作品が多数生まれています。


今回はそんなディズニーテレビアニメーションの中から、あらゆる意味で【異例の成功作の一つと言えるこちらの作品について語っていきたいと思います。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)




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  リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ

(原題:Lilo & Stitch: The Series)

2003〜2006年

製作総指揮

ジェス・ウィンフィールド

トニー・クレイグ

ボブズ・ガナウェイ


データ


2002年に公開されヒットを記録したディズニー映画「リロ・アンド・スティッチ」続編テレビシリーズ


「リロ・アンド・スティッチ」のシリーズは実に現在まで多数の続編映画やテレビシリーズが作られていますが今作は2003年のOVA作品「スティッチ!ザ・ムービー」から直結するシリーズ3作目であり初のテレビシリーズとなります。



シリーズの詳細に関してはこちらを参照して下さい。 


スティッチシリーズは大きく分けてハワイ編沖縄編がありますが、このハワイ編特に順番がわかりにくいんですよね。



作品内の時系列順でいくと…



スティッチ! ザ・ムービー

リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ

リロイ・アンド・スティッチ


3作物語が完全に繫がっているのでご注意下さい。




製作総指揮は「プレーンズ2」の監督や「ティンカー・ベル」シリーズの脚本も務めたジェス・ウィンフィールド

さらに「ハウス・オブ・マウス」等の人気ディズニーテレビ作品をいくつも手掛けているトニー・クレイグボブズ・ガナウェイ


総監督はビクター・クック

「ターザン」のテレビシリーズや「ミッキーマウス クラブハウス」そして「スペクタキュラー・スパイダーマン」を代表作としています。


音楽は「トムとジェリー」シリーズ等様々なアニメ音楽を手掛けるマイケル・タベラ。



前作「スティッチ! ザ・ムービー」でハワイ中に散らばってしまった悪の遺伝子実験による試作品達(スティッチのイトコ達)を回収するためリロとスティッチが奮闘する様子を描いた全65話によるテレビシリーズ


主人公は1作目同様リロスティッチ

映画「リロ・アンド・スティッチ」に登場した全ての主要キャラが再登場する他、ほぼ毎エピソードに試作品として新キャラクターが登場するという特殊な構成の作品になっています。






それ以外にもリロの片思いする少年ケオニや新たな友人ヴィクトリア等複数話に登場する新キャラクターも多数登場します。



リロ役を演じたのはデイビー・チェイス

前作からの続投です。日本語版も同様に山下夏生さんが続投していましたが、声質の維持が難しくなったとの理由でシーズン中に宮本侑芽さんへ交替となっています。


スティッチ役は彼の生みの親とも言える「リロ・アンド・スティッチ」の監督、クリス・サンダースがオリジナルに引き続き全話を演じています。

日本語版も山寺宏一さんの続投。


リロの姉・ナニを演じたのはハワイ出身の女優ティア・カレル。日本語版に著名女優の田畑智子さん。こちらもオリジナルから続投です。


その他のキャラクター達も基本的にはオリジナルキャストが再集結する形となっています。



興行成績に関しては中程度だった映画「リロ・アンド・スティッチ」世界を席巻する程の一大ブーム化に発展するきっかけを作った、ディズニーテレビシリーズ史上に残る成功作


オリジナルの映画と同等もしくはそれ以上知名度と人気を獲得したおそらくディズニーでは唯一のテレビアニメーションシリーズです。


リロやスティッチとその家族達の生活を深掘りした内容や【モンスター集め】という子供やマニア受けするその題材が多くの人に受け入れられ、高まり始めていたスティッチのキャラクターブーム加速度的に後押しします。


ネットではファンサイト乱立し当シリーズを題材としたゲームコミック、さらにオリジナルの映画を差し置いた【このテレビシリーズにしか登場しないキャラクターたち】を扱ったグッズ展開も広く行われました。


特に日本でのブーム化は凄まじく、パークではアトラクション化だけではなく2006.2007年にはスティッチを主役としたイベント二年連続で開催


しかもこのイベント、特筆すべきなのは映画ではなくこのテレビシリーズがコンセプトになっていたという点。


パレードグッズにはリロやスティッチ、ジャンバやプリークリーだけではなくなんとテレビシリーズのみにしかも1話登場しただけ試作品達まで多数登場し、ファンを驚かせました。


日本のディズニーランドテレビアニメを題材としたイベントが開催されたのは長い歴史の中でもこのスティッチのみ。まさに異例の事態でした。



果にはなんと日本(ウォルト・ディズニー・ジャパン)独自に沖縄を舞台にしたスティッチのオリジナルシリーズを制作地上波放送がスタートする等正に社会現象化する程に人気は高騰。

スティッチは全世界でグッズの総売上ミッキー・マウスくまのプーさんに次ぐ第三位に浮上し、町中にはスティッチのグッズを身につけた女子高生達が溢れました。


ブームが終息化した現在でもスティッチはディズニーの看板キャラクターとしてその立ち位置を確立し、このテレビシリーズもスティッチを語る上で欠かせないマスト作品として根強い人気を維持し続けています。

批判家陣からも、何より【625体のスティッチのイトコ達を回収し更正させる】という明確な全体構成は当時惰性や蛇足のような内容が多かったディズニーの続編テレビシリーズの中において、画期的なシステムであったと高い評価を獲得しました。

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あらすじ



前作「スティッチ! ザ・ムービー」でハワイ中に散らばった試作品達の回収係を銀河連邦に任命されたリロとスティッチ。

科学者ジャンバがスティッチより前に生み出した625体の試作品達は言わばスティッチのイトコである。

リロとスティッチはそんなイトコ達の新しい【おうち】を見つけるべく、日々試作品回収に精を出す。

毎回驚くような機能で2人を翻弄するイトコ達。
悪の科学者ハムスター・ヴィールの命を受けて試作品回収のライバルとなったガントゥと625号。
相変わらずイジワルなマートル達。
密かに想いを寄せる男の子、ケオニの存在。
なかなかうまく行かないナニの仕事事情。
トラブルメーカーのプリークリーと、悪の科学者精神を抜ききれないジャンバ。
問題ばかりのごちゃまぜ家族。


日々巻き起こる様々な出来事に一喜一憂しながらも、カウアイ島の日々を謳歌しつつ2人の【イトコ探し】は今日も続いていくのであった…。

小さな島の小さな2人の変わり者による、ドタバタ不思議な3年間の物語。

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感想



「リロ・アンド・スティッチ」という作品の家族愛の形変わり者同士の友情という根っこのテーマを引き継ぎながら、全く新しい題材と展開を加えることで大きな発展を果たした傑作テレビシリーズです。

親しみやすい【モンスター集め】という展開と基本一話完結のエピソード、1話に1つ必ず盛り込まれた分かりやすい教訓とメッセージは、沢山の子供達を魅了しました。

それだけじゃなく、毎回登場する新たな試作品達やリロやスティッチ等既存キャラクターの思い切った掘り下げ、1話完結ながら複数エピソードを跨いだ小ネタ満載の縦軸の繋がりシュールなギャグコメディ要素は大人達からも好評を獲得しています。


もちろんテレビシリーズなので作画アニメーションは映画と比べても大きく劣化しています。

全体的にオリジナルよりも少々子供寄りに対象年齢を下げているので無理矢理な展開ご都合主義も多く、ストーリーに深みはないし、メッセージや教訓にもちょっとあからさま過ぎて無理があるものが多かったりと難点も多いです。

が、全体のバランスが非常にちょうど良く大人でも子供でも、ライト層もコア層も、満遍なく誰でもいつでも楽しめるキャラクターコメディカートゥーンとしてのクオリティの高さは流石ですし、捻りのないお決まりの展開なのに毎回登場する試作品の予想外の能力がおもしろくて、ついつい見ちゃうんですよ。

幅広い種類の人達に広く受け入れられたのも頷けますね。

それと、オリジナルと違うテイスト違う題材ながらも様々な面でしっかりと「リロ・アンド・スティッチ」の精神を継承してるのも見事です。

個人的に最も好きなのは作品全体に何処となく流れるそのニッチでシニカルな雰囲気

これがなんかクセになるんですよね〜。


詳しくは↓以下↓で〜。


キャラクターコメディとして



スティッチの人気というのは「作品」そのもののヒットではなく、完全なキャラクター先行型ブレイクでした。


プーさんマリーちゃん同様ですね。


ただそれをある意味逆手にも取りながら、敢えてスティッチだけに頼らずあらゆる登場キャラクターをいじくり回す事でしっかり物語を展開させ笑いを取る構成はキャラクターコメディとして本当に素晴らしかったですね。


リロの変人ぶり、プリークリーのフール度合いと女装癖、ナニの融通の効かなさ、ジャンバの悪への執着、マートルの陰湿さ…


などなどそれぞれの元来の個性絶妙にこねくり回して良い塩梅のカオスな世界観を作り出し、そこに新キャラクターである試作品が入り込みよりカオス味が増していくという構図は毎回定番ながらホントにクセになります。

 




登場する試作品達の能力がなんか普通のパワー系能力よりも、嘘をばらす、盗み聞きする、ジョークで人を傷つける、悪夢を見せる、病気にする、、、

といった陰湿系のモノが多かったのも個人的にツボでしたね。


中でもやはりぶっちぎりのNo.1は…



1作目から皆勤賞のすべきヴィラン・ガントゥです。


オリジナルでは大した特長もない普通の兵士ヴィランだったガントゥですが…


前作の「スティッチ! ザ・ムービー」からその様子がおかしくなりはじめ…





みるみるうちに…


愛すべき…


ヘボキャラへ…


見事な…


変貌を…


遂げていきますw


あのガントゥここまで美味しくするかと!

これはねぇ……


もう本当に最高です。
カートゥーンスタッフの底力を見せつけれましたねw


マレフィセントフック船長ジャファーアースラetc…

これまで数々の名ヴィランを生み出してきたディズニーなのに…
お陰で今やすっかりガントゥは個人的ぶっちぎり最強ヴィランの座をほしいままにしてますよw


625号とのコンビ芸は最早他の追随を許さない伝説の組み合わせですね。

盛り込まれた小ネタ



基本1話完結の単純コメディなんですが、何気に細いところは縦軸でしっかり繋がっていて、思わず順番にしっかり見たくなるんですよね。

ナニの仕事やガントゥやマートルとの関係性、リロの恋の行方や新しい友達、ジャンバとプリークリーの副業などなど…

結構細いとこまでちゃんと繋げてます。

それともう一つ、他のディズニーチャンネルスター達とのコラボレーションが頻繁に行われていたのもとても面白かったですね。

「キム・ポッシブル」「リセス〜ぼくらの休み時間〜」などなど。

単なるカメオとかのレベルじゃなくて1話まるまる使ってガッツリ絡みます

テレビシリーズならではの持ち味をうまく活かしてましたね。


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まとめ



いちカートゥーンコメディとしてもう既に本当に面白いです。


ただそれ以上にオリジナルの良さテーマをしっかり引き継いでるのが何より素晴らしい。


まず、この作品メインはあくまでリロなんですよね。

スティッチはあくまでもリロのサポートで、実は彼が話のメインになることはほとんどありません。


いっつもうしろでガチャガチャなんか無意味にやってるだけのキャラクター…それがスティッチ。


これだけスティッチがブームになっている中でこの鉄則を守ったのは本当に凄いと思います。


それとリロの変人具合がしっかり増してるのと、オリジナルでもそうでしたが相変わらず全然良い子じゃないw


むしろスティッチの方がまともで、リロを抑える係に回ってることもしばしばでしたからねw


これもよく踏襲してると思います。


あとはやっぱりシリーズを通してこの「リロ・アンド・スティッチ」最大のテーマである【愛を失った少女と愛を知らないエイリアンが家族を作る物語】をしっかりと描いていること。


ここまで好きにやりまくりながらここはちゃーんとぶれてないんですよね。


一見オリジナルを無視したハッチャケ作品に見えるんですが、ここをしっかり抑えているからこそ、ファンも安心して笑って楽しめる。



独創的なアイデアを積極的に盛り込みながらも、原作へのリスペクトと愛をしっかりと内包した素晴らしいテレビシリーズだったと思います。



今後の「ラプンツェル」「ベイマックス」等良質なディズニーテレビシリーズの見事な先駆者となった、そんな作品だと思いますね。


何よりも何も考えず笑って明るく見れるのがやっぱカートゥーンは良いですねー。



この作品は前作の「スティッチ! ザ・ムービー」からはじまり次作の「リロイ&スティッチ」で完結するロングシリーズとなっています。



ぜひこの冬のイッキ見に、スティッチとハワイの世界にどっぷりと浸かってみるのはいかがでしょうか?



「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」は現在ディズニープラスで配信中です♪



はい。


というわけで今回はこの辺で!

今回も長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました♪



また次回。


しーゆーねくすとたぁいむー。




 

 

 

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