(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ
(原題:Lilo & Stitch: The Series)
2003〜2006年
製作総指揮
ジェス・ウィンフィールド
トニー・クレイグ
ボブズ・ガナウェイ
データ
2002年に公開されヒットを記録したディズニー映画「リロ・アンド・スティッチ」の続編テレビシリーズ。
「リロ・アンド・スティッチ」のシリーズは実に現在まで多数の続編映画やテレビシリーズが作られていますが今作は2003年のOVA作品「スティッチ!ザ・ムービー」から直結するシリーズ3作目であり初のテレビシリーズとなります。
シリーズの詳細に関してはこちらを参照して下さい。
スティッチシリーズは大きく分けてハワイ編と沖縄編がありますが、このハワイ編は特に順番がわかりにくいんですよね。
作品内の時系列順でいくと…
スティッチ! ザ・ムービー
リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ
リロイ・アンド・スティッチ
の3作は物語が完全に繫がっているのでご注意下さい。
製作総指揮は「プレーンズ2」の監督や「ティンカー・ベル」シリーズの脚本も務めたジェス・ウィンフィールド。
さらに「ハウス・オブ・マウス」等の人気ディズニーテレビ作品をいくつも手掛けているトニー・クレイグとボブズ・ガナウェイ。
総監督はビクター・クック。
「ターザン」のテレビシリーズや「ミッキーマウス クラブハウス」そして「スペクタキュラー・スパイダーマン」を代表作としています。
音楽は「トムとジェリー」シリーズ等様々なアニメ音楽を手掛けるマイケル・タベラ。
前作「スティッチ! ザ・ムービー」でハワイ中に散らばってしまった悪の遺伝子実験による試作品達(スティッチのイトコ達)を回収するためリロとスティッチが奮闘する様子を描いた全65話によるテレビシリーズ。
主人公は1作目同様リロとスティッチ。
映画「リロ・アンド・スティッチ」に登場した全ての主要キャラが再登場する他、ほぼ毎エピソードに試作品として新キャラクターが登場するという特殊な構成の作品になっています。
それ以外にもリロの片思いする少年ケオニや新たな友人ヴィクトリア等複数話に登場する新キャラクターも多数登場します。
リロ役を演じたのはデイビー・チェイス。
前作からの続投です。日本語版も同様に山下夏生さんが続投していましたが、声質の維持が難しくなったとの理由でシーズン中に宮本侑芽さんへ交替となっています。
スティッチ役は彼の生みの親とも言える「リロ・アンド・スティッチ」の監督、クリス・サンダースがオリジナルに引き続き全話を演じています。
日本語版も山寺宏一さんの続投。
リロの姉・ナニを演じたのはハワイ出身の女優ティア・カレル。日本語版に著名女優の田畑智子さん。こちらもオリジナルから続投です。
その他のキャラクター達も基本的にはオリジナルキャストが再集結する形となっています。
興行成績に関しては中程度だった映画「リロ・アンド・スティッチ」が世界を席巻する程の一大ブーム化に発展するきっかけを作った、ディズニーテレビシリーズ史上に残る成功作。
オリジナルの映画と同等もしくはそれ以上の知名度と人気を獲得したおそらくディズニーでは唯一のテレビアニメーションシリーズです。
リロやスティッチとその家族達の生活を深掘りした内容や【モンスター集め】という子供やマニア受けするその題材が多くの人に受け入れられ、高まり始めていたスティッチのキャラクターブームを加速度的に後押しします。
ネットではファンサイトが乱立し当シリーズを題材としたゲームやコミック、さらにオリジナルの映画を差し置いた【このテレビシリーズにしか登場しないキャラクターたち】を扱ったグッズ展開も広く行われました。
特に日本でのブーム化は凄まじく、パークではアトラクション化だけではなく2006.2007年にはスティッチを主役としたイベントが二年連続で開催。
しかもこのイベント、特筆すべきなのは映画ではなくこのテレビシリーズがコンセプトになっていたという点。
パレードやグッズにはリロやスティッチ、ジャンバやプリークリーだけではなくなんとテレビシリーズのみにしかも1話登場しただけの試作品達まで多数登場し、ファンを驚かせました。
日本のディズニーランドでテレビアニメを題材としたイベントが開催されたのは長い歴史の中でもこのスティッチのみ。まさに異例の事態でした。
あらすじ
キャラクターコメディとして
スティッチの人気というのは「作品」そのもののヒットではなく、完全なキャラクター先行型ブレイクでした。
プーさんやマリーちゃんと同様ですね。
ただそれをある意味逆手にも取りながら、敢えてスティッチだけに頼らず、あらゆる登場キャラクターをいじくり回す事でしっかり物語を展開させ笑いを取る構成はキャラクターコメディとして本当に素晴らしかったですね。
リロの変人ぶり、プリークリーのフール度合いと女装癖、ナニの融通の効かなさ、ジャンバの悪への執着、マートルの陰湿さ…
などなどそれぞれの元来の個性を絶妙にこねくり回して良い塩梅のカオスな世界観を作り出し、そこに新キャラクターである試作品が入り込みよりカオス味が増していくという構図は毎回定番ながらホントにクセになります。
中でもやはりぶっちぎりのNo.1は…
1作目から皆勤賞の愛すべきヴィラン・ガントゥです。
オリジナルでは大した特長もない普通の兵士ヴィランだったガントゥですが…
前作の「スティッチ! ザ・ムービー」からその様子がおかしくなりはじめ…
盛り込まれた小ネタ
ただそれ以上にオリジナルの良さやテーマをしっかり引き継いでるのが何より素晴らしい。
まず、この作品メインはあくまでリロなんですよね。
スティッチはあくまでもリロのサポートで、実は彼が話のメインになることはほとんどありません。
いっつもうしろでガチャガチャなんか無意味にやってるだけのキャラクター…それがスティッチ。
これだけスティッチがブームになっている中でこの鉄則を守ったのは本当に凄いと思います。
それとリロの変人具合がしっかり増してるのと、オリジナルでもそうでしたが相変わらず全然良い子じゃないw
むしろスティッチの方がまともで、リロを抑える係に回ってることもしばしばでしたからねw
これもよく踏襲してると思います。
あとはやっぱりシリーズを通してこの「リロ・アンド・スティッチ」の最大のテーマである【愛を失った少女と愛を知らないエイリアンが家族を作る物語】をしっかりと描いていること。
ここまで好きにやりまくりながらここはちゃーんとぶれてないんですよね。
一見オリジナルを無視したハッチャケ作品に見えるんですが、ここをしっかり抑えているからこそ、ファンも安心して笑って楽しめる。
独創的なアイデアを積極的に盛り込みながらも、原作へのリスペクトと愛をしっかりと内包した素晴らしいテレビシリーズだったと思います。
今後の「ラプンツェル」や「ベイマックス」等良質なディズニーテレビシリーズの見事な先駆者となった、そんな作品だと思いますね。
何よりも何も考えず笑って明るく見れるのがやっぱカートゥーンは良いですねー。
この作品は前作の「スティッチ! ザ・ムービー」からはじまり次作の「リロイ&スティッチ」で完結するロングシリーズとなっています。
ぜひこの冬のイッキ見に、スティッチとハワイの世界にどっぷりと浸かってみるのはいかがでしょうか?
「リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ」は現在ディズニープラスで配信中です♪
にほんブログ村