東京五輪の開催決定により、メインスタジアムの国立競技場建て替えなどの具体化が年明けから本格化しそうだ。


自分が応援する東京ヤクルトスワローズの本拠地である神宮球場も建て替え構想が報じられて久しい。


東京五輪決定後の一部報道では、神宮球場の建て替えは五輪後に行うとの内容が見られた。一斉に周辺エリアの再開発を行うと混乱が生じる懸念などがあるからだろうか。


神宮球場建て替えに際して、一部で噂になっているのが、神宮球場のドーム化構想である。仮に「神宮ドーム」と銘打ってみよう。


自分がスワローズファンになった頃は、日本にはドーム球場は勿論のこと、人工芝の球場もなかった。東京ドームの前身とも言える後楽園球場も屋外天然芝球場だった。


神宮球場も屋外天然芝球場だったが、当時は外野も一面芝生席で斜面があったため、閑散な芝生席にダンボールを持って行き、お尻に敷いて高いところから滑り降りることもできた。振り返ればおおらかな時代だった。


「神宮ドーム」構想には、スワローズファンには反対の向きが多いだろう。開放感ある屋外球場は減っており、花火などの名物が見られなくなるからだ。


だが、スワローズファン以外には「神宮ドーム」構想に賛同する向きは多いのかもしれない。


例えば自分の妻(ホークスファン)などは、現在の神宮球場が好きではない。ホークスが本拠地とするヤフオクドームと異なり、夏は暑い、春と秋は寒い、雨天中止があり払い戻しも面倒、雨天決行時の観戦といった耐天候性不足は、妻が神宮球場を好まない大きな理由である。


また、ホークスファンの応援スタイルであるラッキーセブンのジェット風船禁止、(今は流すようになったが)ラッキーセブンに応援歌さえ流さない対応などのビジターファン対応も不満となっている。


個人的に予想される「神宮ドーム」のメリット、デメリットを以下に記してみる。


メリット

⚫︎(特殊な事情がない限り)試合開催の中止がない

⚫︎通年で気温、湿度の観点で快適性を保てる

⚫︎雨天を勘案する必要がなくなるため、球場内イベントのバリエーション拡大。

⚫︎屋根にカメラを設置するなど、新たな映像の創出

⚫︎野球以外のイベント開催増加

⚫︎ドーム観戦特需(オープン時)



デメリット

⚫︎球場賃貸料の値上がり

⚫︎チケット料金の値上がり

⚫︎球場内飲食類の値上がり

⚫︎様々な値上がりによる客離れ

⚫︎選手とファンの距離が拡大

⚫︎花火などの屋外球場ならではの演出困難


ドームといってもヤフオクドームのような開閉式、西武ドームのようなスタンド部を中心にドーム化するといった複数の方式がある。


だが、ヤフオクドームのような開閉式の場合、ホークスファンの妻曰く、屋根を開けるだけで千万円単位の費用が発生するらしい(その為、屋根を開けるのは極めて限定的)。


また、西武ドームのような部分的なドーム球場の場合、暑さや寒さといった問題が残る。


「神宮ドーム」となった場合、スワローズファンの多くは不満かもしれないが、少なくないビジターファンの支持は得よう。


また、立地環境を勘案すれば大型ライブなどには最適だ。交通アクセス、渋谷という繁華街へのアクセスなどは東京ドームを上回る魅力を有するだろう。


現在の神宮球場は個人的には大好きな球場であり、観戦アクセスも気に入っている。自分がスワローズファンになった頃から、周辺エリアも含めた大枠に変化がないのは、ある意味稀有な環境だろう。


だが、「神宮ドーム」となれば、周辺エリアの変貌は様変わりする筈だ。天然芝だった神宮球場の人工芝化でさえ、個人的には違和感があったが、その比ではない違和感を感じそうだ。


また、ヤクルト球団が「神宮ドーム」を本拠地とするのであれば、球団資産価値が高まる可能性もある。万一、ヤクルト本社が保有を続けていたら、このタイミングで身売りする可能性も浮上するかもしれない。


「神宮ドーム」問題は、今後も逐次記してみたいと思う。