2022年の東京ヤクルトスワローズは29年ぶり2度目のリーグ連覇を達成したが、日本シリーズはバファローズに敗退し、球団初の2年連続日本一という目標には届かなかった。


スワローズの戦いぶりを観ていて、いちスワローズファンとして色々思うことがあった。そこで当ブログではシーズンを終えたタイミングで、個人的な印象などを記してみたい。


ここでは、2022年のペナントレース全般に関する印象について。


今季のスワローズは昨年の日本一チームだったにも関わらず、下馬評は余り高くなかった。もっとも過去を振り返っても、日本一翌年の下馬評が高い年は少ない。初優勝翌年のような下馬評が高い時には、期待を裏切る印象もある。最下位から日本一に駆け上がったことで、フロックと見る向きも多かったのかもしれない。


ペナントレースを振り返ると、開幕カードのタイガース戦に3連勝したことが大きかった。開幕前の下馬評が高かったタイガースが、開幕カードで3連敗した後もなかなか勝てず、初優勝翌年のスワローズが記録した開幕8連敗を上回る9連敗を喫したことは、今季のペナントレースの趨勢を大きく左右したと思う。


スワローズにとっては、開幕カードがタイガース戦というのは結果的には吉と出た。2021年の開幕シリーズでは神宮球場で3連敗を喫していた為、スワローズの高津監督は開幕前から昨年の開幕カードの悔しさは忘れたことがないと公に語っていたが、選手も同様の思いを抱えて戦っていたように感じられた。


前年の結果だけを見れば、日本一のスワローズが0ゲーム差の2位でシーズンを終えたタイガースを迎え撃つ格好である。だが、スワローズは前年の開幕カードでタイガースに3連敗を喫していたことにより、受け身に回るのではなく、何とか悔しさを晴らそうという姿勢を感じられた。スワローズは結果的にタイガースに開幕3連勝して、前年の借りを返すことに成功した。やられた方が覚えているものである。


だが、スワローズは神宮球場の開幕カードでジャイアンツに3連敗した。もっとも開幕後はジャイアンツが飛び出したが、最終盤かのような投手起用などを見て、個人的には安堵した。こうした戦い方は長くは続かない気がしたからである。


スワローズが首位に立った後は、個人的には比較的穏やかな気持ちで戦いを観ていた。7月2日にNPB最速でマジック53が点滅したのは、些か出来過ぎだとは思ったが、コロナ禍で連敗した時期やベイスターズに4ゲーム差に迫られた時期でも危ういとまでは感じていなかった。もっともそうした感覚は、自分はスワローズがリーグ優勝した年の戦いを全て観ているからなのかもしれない。


リーグ優勝するのは大変だが、リーグ連覇を成し遂げるのはより大変だと言われる。こうした例えは正しいと思うが、今年のスワローズに関しては比較的順調にリーグ連覇を成し遂げたように感じられた。


ペナントレースを戦うには、投手力が重要と言われる。だが、今季のスワローズは先発投手の平均投球イニングや防御率はリーグ最下位で、昨年に続き二桁勝利を挙げた投手が不在だった。この2年間のスワローズの戦い方を通じて、優勝するチーム像の固定概念が覆されたように感じられた。


中継ぎ・抑え投手の地位が向上している気がするが、スワローズのリーグ連覇は中継ぎ・抑え投手の役割と結果が、先発投手よりも重要となっている時代を反映しているようにも感じられる。