2022年の東京ヤクルトスワローズは29年ぶり2度目のリーグ連覇を達成したが、日本シリーズはバファローズに敗退し、球団初の2年連続日本一という目標には届かなかった。


スワローズの戦いぶりを観ていて、いちスワローズファンとして色々思うことがあった。そこで当ブログではシーズンを終えたタイミングで、個人的な印象などを記してみたい。


ここでは、2022年の日本シリーズについて。


今年の日本シリーズは、結果的にはスワローズの完敗である。個人的には日本シリーズが決着した時に、スワローズが出場したシリーズでは初めての感情を抱いた。


1978年の日本シリーズは厳しいと覚悟していたにも関わらず、シリーズを制して本当に嬉しかった。


1992年の日本シリーズは厳しいと覚悟していたにも関わらず、第7戦まで縺れる善戦だった為、敗れた後も良く戦ったと感じた。


1993年の日本シリーズは前年よりは戦えるのではないかと期待して、15年ぶりの日本一を成し遂げた。


1995、1997、2001年の日本シリーズは、スワローズが敗れるとは全く思わなかったので、予想通りの結果だと感じていた。


2015年の日本シリーズはオーソドックスに戦ったら厳しいと思っていたが、文字通りの完敗だった。


2021年の日本シリーズは下馬評こそ不利だと見られていたが、スワローズに十分チャンスはあると思っていた。


2022年の日本シリーズは前年に続き下馬評こそ不利だと見られていたが、スワローズが制すると思っていた。言い方は悪いかもしれないが、個人的には勝てると思っていながら敗退した初めてのシリーズとなった。


敗因として様々な見方があると思うが、個人的には今年のスワローズのペナントレースは色々上手く行き過ぎたことが、短期決戦の落とし穴となったように感じられた。今年のスワローズの戦いは、皮肉にもスワローズが初の日本一となった日本シリーズの対戦相手だった1978年のブレーブスと印象が被る(前期・後期とも制覇し、勝率は7割に迫る危なげないリーグ制覇)。


かたや、バファローズは前半戦は厳しい戦いで、リーグ連覇は厳しい感じだった。だが、バファローズの中嶋監督は戦いながら選手の適性に沿った配置転換を行い続け、チームを再編して優勝争いに浮上。ホークスが残り2試合でマジック1という追い込まれた状況だったが、ホークスの連敗でリーグ連覇を成し遂げた。


残り2試合でマジック1となりながらリーグ優勝を逸したチームとして、個人的には1973年のタイガースを思い出す。この年もタイガースがあと1勝できず、最終戦に勝ったジャイアンツがリーグ9連覇を達成して日本シリーズも制している。


自分は今年のバファローズの戦いぶりをそれなりに観ていたが、日本シリーズ前の印象は昨年の方が手強いというものだった。シリーズを終えても、チーム力自体は昨年のバファローズの方が上回っていたと思っている。


スワローズはオーソドックスな戦い方でリーグ連覇を果たしたが、バファローズは手を変え品を変えながらリーグ連覇に辿り着いた。バファローズの選手起用は投打とも調子が良い選手を起用していたと言われるが、個人的には苦し紛れの起用ではないかと感じる部分もあった。


だが、短期決戦では苦し紛れの起用が奇襲となる場合がある。バファローズはそれが上手くいき、スワローズは中継ぎ・抑えから逆算する昨年から今年の戦い方が上手くいかなかった。


ペナントレース全般の印象の中で、スワローズの開幕3連勝は「前年の開幕カードでタイガースに3連敗を喫していたことにより、受け身に回るのではなく、何とか悔しさを晴らそうという姿勢を感じられた。スワローズは結果的にタイガースに開幕3連勝して、前年の借りを返すことに成功した。やられた方が覚えているものである」と記した。


今年の日本シリーズはその真逆で、前年の日本シリーズでスワローズに敗れたバファローズが前年の借りを返すことに成功した。やはり、やられた方は覚えているものである。