美容外科医 セオリークリニック筒井のブログ -14ページ目

美容外科医が選ぶ、妻の5月の美肌治療|自然に若返る3つの施術とは

美容外科医として、日々たくさんの患者さんの診察・施術を行っていますが、自分の家族、とくに妻が実際にどんな治療を選んでいるかは、ある意味“もっとも信頼できる美容医療のリアル”かもしれません。



今回は、美容意識の高い私の妻が5月に受けた美肌治療をご紹介します。

肌の状態や年齢に応じて必要な治療を見極め、無理なく自然な若返りを目指す――。私自身が医師として提案し、妻自身が納得して選んだ施術です。



image

今月受けたのは以下の3つ:




  • タイタン(Titan)

  • エレクトロポレーション

  • ピコトーニング



それぞれ単独でも効果がありますが、目的の異なる治療を“重ねて行う”ことで相乗効果が得られることを、改めて実感しました。






1. タイタン(Titan)
赤外線で真皮を加温し、肌の内側から引き締める“切らないリフト”



タイタンは赤外線を用いて、真皮層のコラーゲンをじんわり加熱・刺激し、自然なハリと引き締めを引き出す治療です。

フェイスラインの緩みや首元のたるみが気になる方に適しています。




  • ✔ ダウンタイムや痛みはほとんどなし

  • ✔ 心地よい温熱感でリラックス効果も

  • ✔ 数週間後にじわじわと肌の弾力とシャープさを実感



妻はフェイスラインと首に施術。施術から数日後、「なんだか顔が引き締まってきたかも」と話し、鏡を見るたびにシャープな印象になっているのを自分でも実感しているようでした。

私から見ても、フェイスラインに自然な変化が現れていました。






2. エレクトロポレーション
電気の力で美容成分を“針なし”で肌深部に届ける導入治療



エレクトロポレーションは、微弱な電気パルスで肌に一時的な隙間を作り、美容成分を効率よく真皮層まで浸透させる方法。

痛みがなく、ダウンタイムもゼロ。針を使わずにしっかり効果が出せるのが特徴です。




  • ✔ 乾燥・くすみが気になる方におすすめ

  • ✔ 施術直後から肌のしっとり感・ツヤ感を実感

  • ✔ 成分は肌悩みに応じてカスタマイズ可能



今回は、美白・保湿を重視したカクテルを選びました。

施術直後から肌にツヤが出て、数日経っても透明感が続いていました。

目の下や頬の細かいちりめんジワにも、良い変化が出ていたように思います。






3. ピコトーニング
ピコ秒レーザーでくすみ・肝斑をやさしく改善



ピコ秒(1兆分の1秒)という超短時間照射のレーザーを使い、メラニンを極細かく分解する施術。

シミ・くすみ・肝斑といった色素トラブルに対して、肌にダメージを与えずに効果を出すことができます。




  • ✔ 肝斑治療としても安全性が高く人気

  • ✔ 回数を重ねるごとに肌の明るさと滑らかさが向上

  • ✔ 他の施術と併用しやすく、月1ペースで取り入れやすい



妻は数年前から定期的にピコトーニングを受けていますが、今月も1回施術。

肌全体のトーンが上がり、薄く広がっていた肝斑がさらに目立たなくなってきています。

「すっぴんでも明るく見える肌になってきた」と喜んでいました。







美容医療は、自然体の美しさを支える選択肢



美容医療というと「特別なこと」と思われる方もいるかもしれませんが、実際は年齢や肌状態に応じた“必要なケア”を積み重ねていくものだと私は考えています。



特に年齢を重ねた肌は、「何もしない」ことが一番のリスクになる場合もあります。

無理なく、でも確実に肌を整えていく――それが、自然な若返りの鍵です。



今回ご紹介したような施術にご興味がある方は、肌状態に合った治療法のご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

目の下のクマは手術じゃないと無理?ヒアルロン酸注入でここまで改善できる!

目の下のクマやたるみの改善には手術(脱脂+脂肪注入)を行うことが多いですが、ヒアルロン酸注入による治療も数多く行っています。



ヒアルロン酸注入は、脱脂+脂肪注入と比較して手軽に受けられることから、以前から多くの症例があります。



ただし、目の下の注入は他の部位と比べて注意点がいくつかあります。




  • チンダル現象と呼ばれる「青く透けて見える」ことがある

  • ヒアルロン酸の膨張性により正確な形の形成が難しい

  • 効果の持続期間が約1年程度と限定的



そのため、最近では手術による治療の方が優位とされ、実際の治療件数も増えています。



とはいえ、手術を避けたい方手術では改善が難しいケースでは、ヒアルロン酸注入が非常に有効です。そういった患者様には、ヒアルロン酸による改善をご提案しています。






実際に必要なヒアルロン酸の量は?



注入量は、その方のクマの「タイプ」によって大きく異なります。




  • 目の下のみが凹んでいる純粋なタイプ:両側で1cc程度

  • 頬上部から目の下まで広範囲に凹んでいる場合:ボリューマ1cc+目の下用ヒアルロン酸1ccの併用が一般的

  • ゴルゴじわが連続しているようなタイプ:ボリューマ3本+目の下用ヒアルロン酸など、1〜4ccが目安



このように、正確な注入量の判断には診察と触診が不可欠です。



少ない量で治療する場合、効果の鍵となる部位に注入する戦略を取りますが、全体のバランスを考慮した注入が難しくなります。逆に、必要以上に多く入れると不自然な印象になるため注意が必要です。






ヒアルロン酸注入は「腫れない」ことがカギ



ヒアルロン酸注入は、腫れていない状態でバランスを判断することが大切です。注入中に出血が起こると腫れにつながり、形の確認が難しくなってしまいます。



そのため、出血を抑える繊細な注入技術が極めて重要です。






ヒアルロン酸注入が向いているのはどんなタイプ?



ヒアルロン酸注入は、凹みを補う治療です。つまり、膨らみを減らすことはできません。



したがって、適応になるのは以下のようなタイプです:




  1. 目の下が凹んでいるだけのタイプ

  2. 凹みと膨らみが混在しているが、膨らみが涙袋より前に出ていないタイプ



また、ゴルゴじわに関しては、脂肪注入よりもヒアルロン酸注入の方が効果的で経過も安定しています。



そのため、目の下は脱脂+脂肪注入で、ゴルゴじわにはヒアルロン酸を使用するケースも多くあります。






モニター症例のご紹介



今回は、モニターとしてご協力いただいた30代男性の症例をご紹介します。



この方は目の下のクマが気になりご来院されました。3年前に他院にて脱脂+脂肪注入を受け、ある程度の改善が見られたものの、「もっと改善できる方法を探したい」とのことで当院にご相談いただきました。





この方の場合、中顔面の凹みによりクマが目立っているというタイプでした。眼窩脂肪は3年前の脱脂で十分に減量されており、目の下のエリアに限定してみると凹凸はほとんど目立たないという状態です。
しかしゴルゴジワと言われる部位が凹んでおり、これにより目の内側から斜めに線が入って見えてしまい、「クマ」と認識されてしまうのが問題でした。



ゴルゴジワ部分を中心に目の下にかけてボリューマ3本を用いたヒアルリフトを行なっています。頬がリフトアップした印象になり斜めに入る線が消えたのが分かります。

ヒアルリフト
264,000(税込)


麻酔:麻酔含有ヒアルロン酸を使用
ダウンタイム:痛み・腫れ(2-3日程度)、内出血(1-2週間で消失)

【リスク・副作用】
術後の浮腫、内出血、痛み、左右差や仕上がりのムラ、チンダル現象、ごく稀に血管塞栓などの重篤な合併症




別の方ですが30代の女性です。
この方は目の下の凹みタイプのクマの方です。
凹みタイプで頬の下垂もないため、目の下のヒアルロン酸注入のみを行なっています。使用したのはリデンシティーⅡを1本です。




目の下 ヒアルロン酸注入
88,000(税込)


麻酔:麻酔含有ヒアルロン酸を使用
ダウンタイム:痛み・腫れ(2-3日程度)、内出血(1-2週間で消失)

【リスク・副作用】
術後の浮腫、内出血、痛み、左右差や仕上がりのムラ、チンダル現象、ごく稀に血管塞栓などの重篤な合併症



ヒアルロン酸注入を検討している方へ


ヒアルロン酸注入は手軽でダウンタイムが少ない治療として人気がありますが、すべてのケースに適しているわけではありません。特に膨らみが強い場合には注入だけでは十分な改善が得られないこともあります。


一方で、凹みが中心のタイプや、手術に抵抗がある方にとっては、非常に有効な選択肢になります。


治療法の選択には、目元の状態を的確に見極めることが重要です。カウンセリングでは実際に触診しながら、最適な治療法をご提案しています。ご自身に合った方法を一緒に見つけていきましょう。

裏ハムラに脂肪注入を組み合わせるってどうなの?

それ、本当に“裏ハムラ”がベストですか?



「脂肪注入も一緒にやりましょう」

そう言われたあなた、ちょっと待ってください。



裏ハムラは「脂肪注入が不要な手術」だと聞いていたのに、なぜ併用が必要なのでしょうか?

実はこの疑問、目の下のクマ治療においてとても大切な視点です。



最近では、裏ハムラに脂肪注入を組み合わせるクリニックが増加しています。

一見、より効果的に見えるかもしれませんが、そこには適応の見極め不足や、治療戦略としての矛盾が隠れている場合もあります。



今回は、「裏ハムラ×脂肪注入」の是非について、美容外科医の立場からしっかりお話ししていきます。



クマ・たるみ治療の原則とは?



目の下のクマやたるみ治療の基本原則は、

「膨らんでいる部分を減らし、凹んでいる部分を膨らませる」ことです。



その中で、裏ハムラ法の最大の利点は、眼窩脂肪を下方に移動させることで、ボリュームバランスを自然に整えるという点にあります。

このため、本来であれば脂肪注入(腹部や大腿からの採取)を必要としないのが特徴です。



目の下のクマの3タイプ



まず、目の下のクマには大きく分けて3つのタイプがあります。



① 凹みタイプ

目の下にくぼみがあり、影がクマとして目立つタイプ。

注入が必須のタイプです。



② 膨らみタイプ

眼窩脂肪が突出していることでクマに見えるタイプ。

裏ハムラが最も効果を発揮する適応です。



③ 混合タイプ(凹み+膨らみ)

中顔面の低さや加齢による脂肪下垂が原因で、膨らみと凹みが混在。

凹みが軽度なら裏ハムラのみでも可

 凹みの方が強ければ脂肪注入が必要になります。



このように、裏ハムラの適応は“膨らみが大きく、凹みが少ない”ことが前提です。

つまり、適応を誤ると十分な効果が出ず、脂肪注入を追加する必要が出てくるのです。



なぜ「裏ハムラ+脂肪注入」が増えているのか?



裏ハムラを積極的に勧めるクリニックの中には、

凹みタイプや凹みの強い混合タイプの患者にも適応範囲を広げようとする動きがあります。



その結果、裏ハムラだけでは対応できないケースに対して、

脂肪注入を併用することで無理に適応を広げようとする傾向が出てきたのです。



裏ハムラに脂肪注入を組み合わせるリスクとは?



私は、脂肪注入を重視する立場として、

「脂肪注入と組み合わせるべきは裏ハムラではなく、脱脂術」と考えています。



脱脂術+脂肪注入が優れている理由:



  • 剥離範囲が最小限(横幅5mm程度)で、皮下構造が温存される

  • 眼窩隔膜後方からのアプローチにより、注入エリア(前方)を無傷で確保できる

  • 出血や腫れが少ないため、注入のコントロールが非常にしやすい



これらの条件が揃うことで、脂肪注入の生着率と仕上がりの精度が高まります



一方、裏ハムラでは…



  • 眼窩隔膜前方を大きく剥離し、脂肪注入のエリアそのものが損傷される

  • 広範囲の剥離により出血が増え、腫れや皮下への空気の侵入も必発

  • 注入した脂肪が固定されず、正確な注入が困難



つまり、裏ハムラは脂肪注入との相性が非常に悪い術式なのです。



まとめ:その治療、本当に“最適”ですか?



脂肪注入というのは、単なるボリュームアップではなく、

正確さと繊細さが求められる治療です。



そこに剥離範囲が大きく、腫れのリスクも高い裏ハムラを組み合わせることは、

注入の精度を落とし、不要な合併症につながる危険性があります。



裏ハムラの本来のメリットは「脂肪注入が不要であること」

それなのに脂肪注入を勧められたなら、それは裏ハムラの適応がないというサインかもしれません。



その場合は、一度立ち止まって、治療の原点に立ち返って選択を見直すことが大切です。



あなたに本当に合った治療は何か?

その問いに対して、私たちは常に真摯に向き合っています。



ご相談はいつでも承っていますので、迷ったらまずはご相談ください。