■「2人」という1人の利益を実現させる

アルフレッド・アドラーは、

献身とは相手の男性または女性に

隷属することであると

しばしば大きく誤解される

また、

自己中心的な優越性の原理と

献身が結びついたとき、

それは人を愛から遠ざけるか、

愛の課題の解決に役に立たない道へと

向かわせる、と指摘しています。

 

 

愛と結婚の課題、すなわち、

恋愛や結婚における困難を

克服していくことに、

相互献身の感覚が役に立ちます。

 

恋愛や結婚の相手同士とは、

それぞれが力を出し合う、

という感覚をもっと進めて、

2人で1人と感じられるくらいに

互いに献身することが

課題の解決に効果的なのです。

 

相手に隷属して、

相手のご機嫌をとったりすることは、

課題の解決の役には立たないのです。

 

 

2人で1人とは、

主従関係ではありません。

 

互いに自立しているが、

「自分」をすっかり忘れて

「2人」という1人の利益の

実現を目指す関係です。

 

それは例えばセックスにおいて、

互いの性器は違えども、

互いをひとつに合わせることで

互いの幸福を満たすことが、

結果としてそれぞれの幸福と

なっている状況です。

 

それが、主従関係すなわち、

どちらかが支配者で

もう一人が隷属する関係でのセックスなら、

そうはなりません。

 

主従関係となると、

自分の個人的利益を

相手を利用して実現する、

という形式となるため、

常にどちらかが犠牲を払うことになります。

 

そのような状況では

愛と結婚の課題は解決できません。

 

解決できるのは、

互いに課題への準備ができており、

互いに対等な関係を持つことができ、

相互献身を十分に理解できている状況です。

 

アドラーは、

これら3つのことが不足していることは、

共同体感覚が欠けている人の特徴である

と指摘しています。

 

ここでも鍵はやはり、

共同体感覚です。

 

■3つのことに取り組むことで負担軽減となる

愛と結婚の課題への準備ができている、とは、

愛と結婚の課題に取り組む認識があり、

そこにある困難に立ち向かう勇気

使う用意ができていることです。

 

取り組む認識とは、例えば、

自分の個人的利益と

2人の利益とを見分けられることです。

 

自分の個人的利益も

2人の間で共有することで

2人の利益となることもあります。

 

また、

共有しても2人の利益に

どうにもなじまなければ、

その利益の形を柔軟に変化させることも

できることもあります。

 

例えば、互いの趣味が違えば、

一人が趣味をしている間、

もう一人はそれを応援したり、

自分の趣味について

取り組む優先順位を変えて

2人の利益を広げるようなことです。

 

 

対等な関係を持つことができる、とは、

互いに過度な犠牲を払うようなことに

ならないような関係を築けることです。

 

「男だから」「女だから」

「せっかちだから」「頭が悪いから」

などの差別を、互いの間から

一切排除することです。

 

互いの最優先の目的が、

「2人」の利益の実現になっている状況、

ともいえます。

 

 

相互献身を十分理解していること、とは、

前述した通り、

「自分」をすっかり忘れて

「2人」という1人の利益の実現が

最も大切にすべきこと

とわかっていることです。

 

「自分より相手優先」をさらに進めて

自分より”2人”優先」という感じです。

 

 

これら3つがどれだけ充実しているかは、

共同体感覚がどれだけ発達しているかに

関係しています。

 

つまり、

共同体感覚を高めていくことで

愛と結婚の課題の解決に効果的な

これら3つのことが充実していくのです。

 

アドラーは、

これら3つについて取り組むことが、

愛と結婚の課題にかかわるときに

その負担を軽減し続けてくれる

と指摘しています。

 

また、

結婚において一夫一婦制の形が

人類の進化において最も適応している

とも指摘しています。

 

なお、

共同体感覚とは、端的にいえば、

自分の居場所がある感覚です。

 

他者への関心を養い、

他者貢献活動をして

客観的貢献感を得られると、

共同体感覚は発達します。

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「男性優位社会を知る」シリーズ

 

 

結婚は”女性の役割”との和解ではない

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