■8つの態度

アルフレッド・アドラーは、

相手の本質を知るには、

人生の問題にどんな態度をとっていて、

そのときその人の中で

何が起きているのかを知ることだ

と指摘しています。

 

アドラーによれば、

その”態度”は8つあります。

 

①課題に向かって進んでいる

②ためらっている

③立ち止まっている

④課題の周辺で忍び足している

⑤言い訳を探している

⑥部分的にしか解決しようとしない

⑦課題を乗り越えて成長していく

⑧生きるのに役立たない道で、

自分が優れていると見せるだけで

課題を放置している

 

今回はこれらを

それぞれどんな態度なのかを

見ていきます。

 

 

■①課題に向かって進んでいる

課題に向かって進んでいる、とは、

課題に立ち向かっている

ということです。

 

それは困難に対して

勇気を使っている、ということです。

 

例えば、仕事の課題なら、

仕事の対人関係上の問題を

どうすれば改善できるかに

着手しようとしている感じです。

 

例えば、愛の課題なら、

好きな人と恋人関係になるには

何をすればよいのかを探していたり、

家族間の問題を、

自分の責任として

何をしたら改善できるのかの案を

行動に移そうとしている感じです。

 

■②ためらっている

ためらっている、とは、

課題に着手するかどうかを

迷っている状況です。

 

大抵の場合は、

「着手して失敗したら嫌だな」

のように否定的な未来を見て

自分の身を守ろうと

不安を使っている状態です。

 

例えば、仕事の課題なら、

仕事の対人関係上の問題を

改善するかどうかを

迷っている感じです。

 

例えば、愛の課題であれば、

好きな人と恋人関係になれるような

行動をするかどうかを迷っており、

家族であれば、

家族間の問題を改善するかどうかを

迷っている感じです。

 

「迷う」とありますが、

アドラー的にいえば、

課題に着手しない方法として

積極的に「迷う」という態度を

選んでいる状況です。

 

■③立ち止まっている

課題に直面している自分は

何もできないと信じて、

課題に対して何もしない態度

選んでいる状況です。

 

■④課題の周辺で忍び足している

課題に直面していると理解しながらも

課題に対して知らん顔している状況です。

 

周囲には、

自分は今、すべき課題などありません

というように振る舞う感じです。

 

例えば、仕事の課題であれば、

仕事の対人関係上の問題があると

理解しながらも、

それに触れずに過ごす感じです。

 

例えば、愛の課題であれば、

恋人がいないことに

触れずにすごしていたり、

家族であれば、

家族間の問題を理解しながらも

それに触れずに過ごす感じです。

 

■⑤言い訳を探している

課題に直面しながらも、

その課題に着手せずとも

他者に「それならしかたないね」と

納得してもらえるような言い訳を

探している状況です。

 

■⑥部分的にしか解決しようとしない

課題を部分的にだけ

解決して終わらせようと

している状況です。

 

例えば、仕事の課題であれば、

仕事の対人関係上の問題を

小分けにしてその一つの解決を

目指すことや、

実際にその一つを解決したことで

その課題は解決されたと

見なそうとしている感じです。

 

それは、

自分の仕事で

目立つ成果をあげることで

直接その問題に取り組まずとも

その問題は解決したものと

しようとすることだったりします。

 

例えば、愛の課題であれば、

形式上の恋人関係を持つことで

愛の課題は解決されたものと

みなすことや、

家族であれば、

家族間の問題について

「今はこれしかできない」などとして

一部の解決で全部の解決に

しようとする感じです。

 

■⑦課題を乗り越えて成長していく

おそらくこれが、

アドラー的に最も優れた

態度となるでしょう。

 

課題を解決したら終わり、ではなく、

課題を解決するたびに

自分は成長していけると信じて

困難に勇気を使って立ち向かうことが

「普通」となっている状況です。

 

自分の成長が、課題の解決の恩恵と

理解している感じです。

 

言葉の上では簡単そうですが、

実際に共同体感覚を高める方法

解決を実現するのは、

簡単ではないでしょう。

 

しかし、それを承知で、

課題に立ち向かうのですから、

やっぱり最も優れた態度と

なるでしょう。

 

仕事の課題でも、愛の課題でも、

協力の態度で臨み、

共同体感覚を高めるべく

他者貢献によって解決していく感じです。

 

もちろん交友の課題も同様です。

 

■⑧生きるのに役立たない道で、自分が優れていると見せるだけで課題を放置している

そして、この態度が、

アドラー的に最も避けたい態度

となるでしょう。

 

”劣等コンプレックス”や

”優越コンプレックス”を

使う態度です。

 

神経症、ともいえます。

 

例えば、仕事の課題であれば、

仕事の対人関係上の問題を

自分が当事者なのに、

他者に責任を負わせることで

それは解決されたとするようなことです。

 

例えば、愛の課題であれば、

支配した相手を恋人として

他者に示すようなことであったり、

家族であれば、

家族間の問題を

暴力するぞと威嚇して

解決されたこととして

しまうような感じです。

 

つまり、

課題の解決が目的ではなく、

他者に、

自分は課題を解決できる力がある、

と見せることであったり、

課題は解決されたと扱わせることが

目的なのです。

 

この態度では

共同体感覚は高まらないので

課題は解決されず、

感じるしあわせが

増えることもありません。

 

生きるのに役立たない道で

得られる快楽や満足は一時的なので

またその快楽や満足を得るなら

再び生きるのに役立たない道を

使うことになります。

 

生きるのに役立たない道とは、

端的に言えば、

相手の犠牲を払わせることで

自分の個人的利益を実現しようと

することです。

 

そんな方法を使えば使うほど

周囲から他者は離れていきますから、

孤立へ進みます。

 

アドラーいわく、

孤立とは社会的な死」ですから、

この態度は8つの中で

最も避けたい態度となるでしょう。

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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