今日は、

アドラーの示してくれた

人生の課題を避ける人々の例示

について書きました。

 

目次

・人生の課題と勇気

・一人きりになりたくない子ども

・床が揺れるから外出できない人

・有用な仕事に就かない泥棒

・自殺すると言う人

・薬物中毒の人

・仮想の同性愛の男性

・大切なのは”勇気”

 

■人生の課題と勇気

人生の課題は

誰もが直面するものであり、

直面しない人は、いません。

 

その課題を解決できると、

感じるしあわせが増えます。

 

しかし、

解決のためには、

そこにある困難を

克服する必要があります。

 

その困難を克服するには

勇気を使うのですが、

勇気を使わない選択をする人は

その困難を克服できません。

 

その困難を克服できなければ

その課題は解決できません。

 

解決できない課題に

ずっと直面し続けるわけにもいかないので、

その場を避けてやり過ごしたくなります。

 

アルフレッド・アドラーは、

そうして避ける人々の例を

いくつかあげてくれています。

 

今回はそれを例示として見て

学んでいきたいと思います。

 

■一人きりになりたくない子ども

甘やかされて育った子供

母親と離れたくない、

という状況です。

 

母親が用事を済ませる間、

一人きりで待つことに勇気を使わず、

「母親を近くに居させる」を目的に

思考、行動する子ども。

 

つまり、

自分の面倒を自分で看ずに、

母親に看させよう、というわけです。

 

その口実として

「泥棒が入ってくるかもしれない」

という恐怖を母親に伝えます。

 

その恐怖を克服できるのは

唯一「母親と一緒にいる」だけだと

説明するのです。

 

母親にとっては、

泥棒が本当に入ってくるかどうかは

わかりません。

 

そうなると

子どもに安心してもらうためには

一緒に居るほかない、と

思えてきてしまいます。

 

甘やかされた子どもは、

この方法でうまくいかなければ

創造的に他の方法を示し続けるでしょう。

 

■床が揺れるから外出できない人

外出することに勇気を使わずに、

外出せずに生きていこうとする人です。

 

外出しないので、

外出が関係することのすべてを

他者に依存することになります。

 

そのための口実として

床が揺れるから歩けない。

歩けないから外出できない。

という心の不健康を示すのです。

 

身体的に健康であっても、

”床が揺れるから歩けない状況”

とする必要があるため、

歩き方はそれを表現するものになります。

 

目的が「外出しないこと」なので、

もし普通に歩けることが

周知の事実となった場合でも、

「外出できないもっともな理由」を

創造的に示し続けるでしょう。

 

アドラーはこのような人を

広場恐怖症と説明しています。

 

■有用な仕事に就かない泥棒

アドラーの時代には、

職業として「泥棒(空き巣)」が

あったようです。

 

泥棒とは、

他者と協力関係を築くことに

勇気を使わない人です。

 

有用な仕事とは

他者貢献により賃金を得る活動です。

 

その活動には

他者との協力関係が必要です。

 

それをしないで

生きていきたいので、

空き巣に入ることで

金銭やそれに代わるものを盗んで

生計を立てるのです。

 

泥棒は

「他者と協力関係を築く活動をしない」

が目的であるため、

有用な仕事に就くよりも

空き巣をする方が簡単だと説明します。

 

空き巣以外にも

泥棒活動について

「いかに有用な仕事に就くより簡単か」を

創造的に示してくれるでしょう。

 

■自殺すると言う人

自殺すると言う人は、

人生には希望がある、と考えることに、

勇気を使わない人です。

 

逆から見ると、

人生には希望がないと信じたいので、

死の方が理想的だとしているのです。

 

目的が

「人生には希望がないと信じる」なので、

希望を感じるようなことがあっても

ないように振舞います。

 

客観的に人生の希望について説明されても

「いかに死の方が理想的か」を

創造的に示し続けるでしょう。

 

■薬物中毒の人

薬物中毒の人は、

人生の課題の解決に

勇気を使わない人です。

 

人生の課題を解決するよりも

薬を使って楽になる方が

価値があると信じているのです。

 

薬を使って

それが実際に役に立っていなくても、

役に立っていると振る舞います。

 

目的が「薬を使うこと」なので、

薬を使う必要が無い場合でも

薬を使う必要があると

創造的に示し続けるでしょう。

 

■仮想の同性愛の男性

仮想の同性愛に入る男性は

女性と関係を持つことに

勇気を使わない人です。

 

女性と関係を持つことが

できない理由として、

女性に対して恐怖心があることを

創造的に示してくれるでしょう。

 

その一方で、

他者を征服できると勝利となる、

と信じている男性が

自分を魅惑すると信じます。

 

それは自分が同性愛に入っていることを

示す一つの方法と考えられます。

 

そうして自分は同性愛に入っていると

創造的に示し続けるでしょう。

 

なお、

これは男女を反対にしても

同じです。

 

■大切なのは”勇気”

以上6つの例を見てきました。

 

どれもが

”勇気を使わずに済ませたい”

していることがわかります。


これは勇気を使う選択ができれば

人生の課題の解決に取り組める、

ということでもあります。

 

いかに勇気が鍵となっているかを

感じます。

 

自分がそのような状況であれば、

自分が自分に勇気づけをすることで

状況に違いを生み出していけます。

 

相手がそのような状況であれば、

相手に勇気づけをすることで

状況に違いを生み出せます。

 

そこでは

「勇気を使えない」と見るのではなく

勇気を使わない選択をしている」と見る方が

勇気づけが簡単になります。

 

また、アドラーは、

このような人々は、

他者に自分の行動は正しいものと

見えるように行動している、

と指摘しています。

 

つまり、

他者によく見られたい」が

行動の目的となっているのです。

 

勇気を使わないことを

「もっともなことだ」と

他者に見えるように努力している

というわけです。

 

ということは、

勇気を使わない選択をしたくなる何か

が過去にあった、

ということなので、

そのあたりを整理することで

勇気づけはより効果を発揮し、

本人も勇気を使う選択を

しやすくなると期待できます。

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ10年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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