今日はアドラーの指摘する

幼い娘の世界についての見方

について書きました。

 

目次

・先入観は世界観になりがち

・ライフスタイルからの変革

 

■先入観は世界観になりがち

アルフレッド・アドラーは、

日常的に暴力をする父親のいる家庭の少女は

すべての男性は父親のようだと

簡単に信じるようになるだろう

と指摘しています。

 

その暴力は

物理的・精神的の両方を意味します。

 

つまり、

世の中の男性は暴力的である

という先入観を持つわけです。

 

この先入観をちょっとでも持てば、

暴力的でない男性に会ったりしても

それがその先入観に影響することは

ほとんどありません。

 

一度、先入観を信じてしまうと、

それを支持することで

自分の身を守れると感じるために、

その先入観とは違う事実に触れても

一部の例外」として扱うことで

先入観自体を変えようとはしないのです。

 

逆から見ると、

この先入観を信じるための根拠探し

をいつもするようになるのです。

 

そうして先入観は強化され、

世界観へとなっていくのです。

 

そのため父親はもちろん、

他の男性についても、

暴力の兆候を捉えると、

それが本当に暴力的なものかの

確認をすることなく

「暴力的なもの」と判断します。

 

ほらね、やっぱりね」みたいに。

 

兄弟や親せきの男性、隣人や、

生活の中で会う男性すべてに

そのような見方をするのです。

 

それは、

本や映画などの情報媒体に

暴力的な男性があれば、

「すべての男性は父親と同じ」を

強化する材料として

利用することにまで及びます。

 

また、アドラーは、

高等教育」についても言及しています。

 

アドラーの当時は、

まだ男性優位が色濃い時代でしたので、

”日本でいう高校や大学”に進学する女性は

少なかったのでしょう。

 

そのため、

その”日本でいう高校や大学”が

「高等教育」だと思われます。

 

また女性は就職せずに

結婚して家庭に入るもの

というのが一般的であったと思われます。

 

兄や弟が高等教育を受けたり、

就職したりすることに触れると、

女性の自分は劣っているから」との信念を

深めてしまいがちだったと考えられます。

 

または、

教育自体から女性の自分は

排除されているという

誤った考えを持つようになる、

ともアドラーは指摘しています。

 

アドラーの当時は、

教育を受けて自分を磨くことを

諦めてしまうような女性は

少なくなかったのだと思われます。

 

■ライフスタイルによる変革

アドラーは、

ライフスタイル(性格)は

3つの要素で構成されている

と指摘しています。

 

①自己概念

②世界像

③自己理想

 

上の少女の例でいえば、

①自己概念

「自分は暴力的な父親の子どもだ」

②世界像

「すべての男性は父親と同じだ」

③自己理想

「相手が男性であれば中身がどうであれ

暴力的であると見た方が、自分を守れる」

のような感じです。

 

現代であれば、

娘ばかりではなく息子も、

そして、

父親だけではなく

母親が暴力的である場合も、

このようなライフスタイルへと

なりやすくなると考えられます。

 

つまり、

「男性が怖い」とか

「女性が怖い」とかを

日常的に感じるようならば、

自分のライフスタイルを確認することが

効果的である、といえます。

 

自分のライフスタイルを

正しく知ることができれば、

再定義できるからです。

 

正しく知る、とは、

「そうだ、その通りだ」との体感が

伴うような状況を指します。

 

その感覚を大切にしながら、

過去に出会った男性・女性で

暴力的でない人もいたことや、

自分に貢献してくれた人もいたことなどの

事実を詳しく確認するのです。

 

そしてこれから会う男性・女性に

暴力的でない面を見つける活動をします。

 

もちろん、

自分が大丈夫と確実に信じられる範囲で。

 

そうしてライフスタイルを再定義し、

更新することで世界は今までとは

違って見えるようになるのです。

 

他の表現を使えば、

生きづらさが減って

生きやすさが増える、ということです。

 

まさに変革が起きるのです。

 

 

 

 

 

お読みいただき、

ありがとうございます。

 

プロコーチ11年目、常楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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