■男性優位の”仕組み”への戦い
アルフレッド・アドラーは、
男性優位社会における
女性の役割に対する戦いでは、
特徴的な女性が３種類ある、
と指摘しています。
男性優位社会の男性は、
他者に勝利することで
自分の力を感じたり、
安心したりすることができます。
それは、
自分が勝利するためには
”負けてくれる相手”が必要、
ということです。
男性と女性で、
男性が勝利するなら、
女性に負けてもらうほか
ありません。
負けたくない女性もいるでしょうから
簡単に負けてくれるような状況が
男性優位社会の男性の好ましい状況です。
そこで、
簡単に負けてくれるような状況を
社会の基礎的な”仕組み”としてしまえば
男性は簡単に勝利を手にできます。
そんな”仕組み”のある社会が
男性優位社会、というわけです。
そんなことはおかしいと思う女性は、
その”仕組み”を肯定する社会と
戦うこととなります。
その戦う方法が３つあり、
今回は最後の１つである、
男性優位を進んで支持する女性
についてです。
■男性優位を進んで支持する女性
この種類の女性は、
当然ですが男性優位を
肯定はしていません。
方法として「肯定を使う」
という感じです。
男性優位の肯定を示すことで
男性優位社会の男性からの支援を
取りつけようとするのです。
「女性の自分は劣っており弱いけど、
求められる女性の役割を引き受け、
男性であるあなたの優位を支持し、
あなたの勝利を手伝います。」
このように男性に
貢献しようとしてくれる女性は、
男性にとって有益ですから、
男性は大切に扱うようにも
なるわけです。
それは、
男性の勝利を支持する見返りとして、
自分に特別な地位を
要求しているかのようです。
恋愛や結婚においても、
相手の男性には、
自分は”劣った存在”だからできない、と、
その女性にできることであっても
仕事（やること）の多くを
男性に押し付けようとします。
男性優位社会の基礎にある
”女性は劣った存在”という偏見を
逆手にとった戦法なのです。
もちろん、
恋愛の相手の男性や夫を
心から支持する女性もいますが、
そう示す動機が
男性優位社会への反抗であるかどうかが
違います。
恋愛の相手の男性や夫を
心から支持して、
何も問題を感じないなら、
２人の関係は男性優位社会とは
あまり関係しない状況なのだと
考えられますから、
これとは区別して扱うことです。
また、
アドラーは、このような女性は、
自分は劣った存在で、
従属的な役割を演じることが
求められているという
男性優位社会の意識に
苦しんでいるように見える、
と指摘しています。
この種類の女性からは、
「好きで肯定しているわけじゃない」
と聞こえきそうです。
■関係に男性優位を持ち込むかどうか
親密になる相手に対しては
「あなたは男性優位を支持するのか」を
確認することです。
これは、簡単にいえば、
あなたは性別で
善悪や優劣を決める人なのか？
を確認する感じです。
直接質問しても
反射的に「いいえ」と答えそうですから、
やりとりの中で
「それは男のやること」とか
「女だからダメなんだ」などと
性別によって決定することがあると
しているかどうかを観察することです。
身体の構造的なものは別ですが、
精神的な捉え方、価値観を
確認する感じです。
私の父親は
「家事は妻の仕事」
「夫は家事をしなくて良い」
と信じている人ですので、
男性優位社会の支持者です。
ただ、私の母親が
同じことを信じているので
この２人の間には
特に問題が生じません。
２人ともが、
男性優位社会の支持者であれば
何も問題なくすごせてしまうのです。
反対に、
２人ともが
男性優位社会を不支持であれば
同じように何も問題にならないでしょう。
問題となるのは、
男性優位社会の支持／不支持が
それぞれに違う場合です。
だからアドラーは、
恋愛が深まる前、
または結婚の前に
「あなたは男性優位を
自分たち２人の関係に持ち込むのか」を
確認することが大切だ、と指摘しています。
お読みいただき、
ありがとうございます。
プロコーチ１０年目、常楽でした。
