今日は、
「困った」とばかり言う人
について書きました。

適切に応じることで
そこでの対人関係が楽になります。

目次
・肩代わりさせたい人
・競争する人は罠にかかりやすい
・甘やかさない応じ方


■肩代わりさせたい人

顔を見ればいつでも
「困った」とばかり言う人は、
甘えたい人です。

「困った」と言い続けることで、
やがて相手が
自分の課題を肩代わりしてくれる
と期待しているのです。

困ったことがあって
解決したいと望むなら
その解決に忙しくて
「困った」と言ってるヒマなんて
ありませんから。

■競争する人は罠にかかりやすい

「困る」とは
自ら望んですることです。

不思議なのが
「困った」と言う人がいると
何かに困らせられた人
みたいに見えることです。

その人は、
困りたくて困っているのに
「困った」と言われると
被害者のように感じてしまいがち、
ということです。

そこには「罠」があります。

その「罠」とは
困った人を助けると
優越感を得られますよ

という誘惑です。

困った人は
それを助けた人より
劣っており、
困った人を助けた人は
困った人より
優れている、と感じてしまうのです。

日常的な対人関係が
対等な関係ではなく
上下関係の人であると
目の前に魅力的な食べ物を
ぶら下げられているようなものです。

普段から対人関係を
対等な関係として生きている人なら
困った人を見ると
「困っているんですね」と
見えるだけで、
そこにあまり魅力は感じません。

相手は自分のやりたいことを
やりたいようにしているだけなので
自分の出る幕はないと感じるだけです。

しかし、
普段から上下関係で生きている人は
相手との競争に勝利すると
優越感を得られる、
すなわち生存可能性が高まると
とても感じるため、
目の前にその好機があるので
すごく魅力的に見えるのです。

さらには、
上下関係の人は
困った人を助けないと
薄情だとかひどいとか
他者に悪く見られてしまうような
社会的に不利になる感覚も感じます。

助けると、優越感を得られる。
助けないと社会的に不利になる。


この2つの心理的な力がはたらいて
ついつい「困った」と言われると
何かしないといけないと
感じてしまうのです。


しかし、上下関係で生きる人は
自分が勝利できればよいので、
「困った」という人の課題は
その人のものではなく
自分のものとして扱います。

つまりは、
困ったと言ってる人が
「助けられた」と感じるかどうか、
ではなく、
その「助けられた」という状況を
自分が一方的に決める、
ということです。

その傾向が強い人になると
これくらいやったんだから
もう十分だろう?
ちゃんとお礼くらい言いなさい

みたいに自分が勝利したことを
相手に認めさせようと迫ることさえ
あります。

困ったと言ってる人は
甘えたいのであって、
相手の優越感を得ることに
協力したいわけではありません。

なので、こんな状況になると
モメることになります。

互いに
「相手より自分優先」なので
合意の形成や
気持ちの通い合いもできずに、
関係が悪くなって
やりとりが終わるのです。

■甘やかさない応じ方

困った人は甘えたい人なので
そのまま助けると
甘やかすことになります。

困った人は
自分の課題を
他者に肩代わりさせたいのですから
そのまま肩代わりしてしまうと
困った人は課題を避けることは
できるのですが、
その課題によって成長できる機会
失ってしまうのです。

これが”甘やかす”ということです。

なので、もし困った人がいたら
まずは
困りたいだけ困らせてあげることです

「なんで助けてくれないの!?」
みたいに怒ってきたら、
「怒っていたら話ができないから
怒らずに話してもらえませんか?」
みたいに応じることです。

それでも
「怒ってなんていないよ!」
って怒ってきたら、
怒ってる/怒ってない、の
押し問答になりがちなので、
「ごめん、今は無理です」と
その人から離れることです。

もしも、その押し問答で
相手が勝利したと感じたら
さらに甘やかすことにも
なってしまいますから。

自分が、
その困った人の成長を望むなら
時間をおいて
「あのときは何に困っていたの?」
と具体的に話してもらうことです。

そこでも
「助けもしないで今更なんだ!」
みたいに怒ってきたら
「冷静に話せないなら、
悪いけど力になれません。
協力したいと思っているので
冷静に話せるときにまた話しましょう」
と先送りすることです。

相手が冷静に話せるようになれば
「かわいそうな自分」と
「悪いあの人」の話

してくれるでしょうから、
それを聞いてあげます。

それらの話が出尽くした感を感じてから
これからどうしたいのか」を
訊いてみます。

そうすれば
困った人は
何をすれば状況を改善できるのかを
自ら感じて考える機会を得ます。

そうして自分の課題を
自分で扱うように援助することで
その人の成長を支援することができます。

逆にその人の成長を望まないなら
その人のことは
その人自身に任せること
です。

つまり、
自分はその人の課題ではなく
自分の課題に取り組む、
ということです。

もしその人が冷静に
「協力をお願いできませんか?」と
話してきたら、
自己犠牲にならない範囲で
協力してあげることです。

その協力が適切にできれば
その人に貢献できます。

他者貢献できることは
自分の感じるしあわせを増やす活動なので
自分のためにもなるからです。

そしてそのときの貢献も
相手が自分の課題を
自分のものとして扱うように
援助することです






お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



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