今日は、
アルフレッド・アドラー
われわれの文化が失敗したという証明
について書きました。

目次
・アドラーの指摘
・愛と結婚の課題が最重要ではない
・愛と結婚の課題が最重要視されやすい理由
・愛と結婚の課題についての訓練



■アドラーの指摘

アドラー
次のように言っています。

「女性が劣っていると
感じているという事実が、
われわれの文化がこの点において
失敗したということを証明している。」


すでに各地で
女性の人権活動があることから
アドラーは100年前に
すでに予言していたともいえます。

すなわち、
われわれのこの社会を
男尊女卑の社会としたのは
われわれの文化が失敗したことを
示してくれている、と
アドラーは指摘しているのです。

社会の構造として
男性優位にしたのは
われわれの文化の失敗である、
というわけです。

これが
女性優位なら良いかといえば
そうではありません。

なぜなら、
結婚と愛の課題において、
この課題が解決されるのは
関係を持つ男女が
完全な平等に基づくときだけ
円満に解決されるから
です。

男性が
社会的な男性優位を振りかざして
女性を支配するのも、
女性が
社会的な女性不利を盾にして
男性を支配するのも、
どちらも平等ではありません。

お互いに課題に対して
積極的な協力関係にあるときだけ
平等になるのです。

対等な関係を持つことが
どれほど尊いことかを
実感します。

■愛と結婚の課題が最重要ではない

アドラー
人が必ず直面する課題
人生の(3つの)課題」として
教えてくれています。

それはこの3つです。
・交友の課題
・仕事の課題
・愛と結婚の課題


これらの課題を持つ目的は
すべて共同体感覚を高めることです。

共同体感覚を高めると
感じるしあわせが増えます。

共同体感覚とは、端的にいえば
自分の居場所がある感覚」です。

一人だと、この世界の中で
自分がそこに居ても良いのかどうかが
よくわかりません。

でも、誰かに
君はそこに居て良いよ」と
言われたら、間違いなく
自分はそこに居ても良いのです。

そこに居ても良いと
明確にわかると、うれしいです。

この「うれしい」がしあわせです。


交友の課題は
友人を持ちましょう
という課題です。

友人との関係を、
相手に貢献して
良好なものにすることで
共同体感覚は高まります。

仕事の課題は
仕事を持ちましょう
という課題です。

経済的自立により
誰かに経済的に依存する必要が
なくなります。

また、
仕事は社会貢献することなので
その貢献によって共同体感覚を
高めることができます。

愛と結婚の課題は
好きな人と性的な関係も含めた関係を
持ちましょう
、という課題です。

通常の貢献に加えて、
性的に相手に貢献することで
共同体感覚は高まります。

また、
性的な関係を持つと
結婚しますから、
家族となります。

その家族との関係を
家族に貢献して良好なものに
することで共同体感覚は
高まります。


これら3つの課題のうち
最も重要視されやすいのが
愛と結婚の課題です。

でも、アドラーは、
愛と結婚の課題が
特に重要ということはない
と指摘しています。

ぞれぞれに
共同体感覚を高める方法が
異なりますから、
それぞれどれも重要なわけです。

■愛と結婚の課題が最重要視されやすい理由

愛と結婚の課題が
最も重要視されやすいのは
体系的に教える仕組みが
交友や仕事ほどないから
、と
アドラーは指摘しています。

また、
自分の愛と結婚についての活動を
積極的に話すことはしない傾向

手伝っているから、でしょう。

なぜなら、
批判や評価を簡単にできるため、
優越感を得たい人が知れば
優越感の搾取に簡単に
利用されてしまうから
です。

友達づきあいや
仕事のことをいくら話しても
優越感の搾取をしようとしても
あまり成果はあがらない一方で、
恋愛やセックスの話なら
優越感の搾取をすれば
たくさんの成果を
簡単に得られてしますから。

さらには、
友人のつくり方や
仕事を得る方法なら
相談しやすいですが、
恋愛やセックスになると
相談しにくい
のも関係していると
考えられます。

■愛と結婚の課題についての訓練

アドラー
少年と少女の訓練について、
罪に対して準備させるのではない

と言っています。

こうしちゃダメだよ、
あれしちゃダメだよ、と
ダメ出しばかりするのよくないよ、
と言っている感じです。

そしてアドラーは、
少女はよりよく女性の役割を、
少年はよりよく男性の役割を、
果たすように訓練するのが賢明だ

と続けています。

現代風に読み取れば、
本人たちが納得する役割を
それぞれに持ち、
それぞれにそれを確認し、
それぞれに果たしていくように
日々協力しながら努力を重ねることで、
互いの関係はよりよくなっていきますよ、
という感じです。

当然といえば、
当然かもしれません。

でも、
常に対等な関係を維持しようとすると
日々、適度に対話をすることになります。

対話は、心の姿勢が
互いに「自分より相手優先」と
なっているとやりやすくなりますが、
つい疲れたりして
相手より自分優先」となると
対話ではなく口論になったりします。

そうなると、
目的が合意の形成ではなく
論破すること(勝利すること)
なってしまったりします。

訓練する立場にある人は
このあたりの認識を
常に確認しながら訓練すると
共同体感覚を高める
という目的に向いやすくなります。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ10年目、常楽でした。



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