■カウンセリング成功の要

アルフレッド・アドラーは
治療の成功、すなわち
「カウンセリングが
相手の状況改善に役立つ場合」
についてこんなことを言っています。

”真に相手に関心があるときだけ
治療は成功する。
私たち(カウンセラー)は
相手の目で見て
相手の耳で聞くことが
できなければいけない。”


つまり、
カウンセラーが自分の目で見て
自分の耳で聞いているうちは
カウンセリングは成功しない、
というわけです。

それは
自分の立場から相手を見るのは
評価を下すことになり、
相手の立場から相手を見るのは
共感することになるからです。

■私の成功でない体験

私自身、苦しんでいたので
状況改善したくて
あれこれやった中に
カウンセリングもありました。

しかし、
今振り返ってみても
カウンセリングというもので
成功した体験はなかったと
感じています。

逆に傷口に塩を
すりこむような体験に
よくなってました。

例えば
当時の配偶者のDV・児童虐待に
苦しんでいるときに、
カウンセラーはその道の専門家だから
きっと支えになってくれると信じて
カウンセリングセンターへ行きました。

担当です、と出てきたのは私より
ひとまわりくらい年齢が上に見える
女性でした。

2回ほどカウンセリングしましたが
肌があわ立つような違和感を
ずっと感じていました。

その理由は
3回目にわかりました。

「あなた、加害者プログラムを
受けてみませんか?」

その女性カウンセラーが
私に向かってこう言いました。

言われても
まるで状況が理解できません。

その女性カウンセラーいわく
「家庭内で暴力をするのは男性です。
あなたがした暴力が配偶者から
返ってきて、今苦しいのです。
だから加害者プログラムを受けて
あなたが変われば配偶者の方も
変わりますよ。」

は?なにそれ?

一回一万円以上のカウンセリングを
今まで2回もやってきて
私はずっと加害者と見られていた、
ということです。

クライアントの言っていることを
信じないカウンセラーも
いるのだと、このとき初めて知りました。

ひどい扱いを受けたと感じ
そこの所長に手紙を出したら
すごい失礼なことになった旨の
お詫びの返事をいただきました。

でもいくら失礼だからといっても
お金は返してくれないそうです。

さらに
「次からは所長の私が
カウンセリングしますよ。
一般カウンセラーでないので
料金は違いますけど(ちょっと高額)」
ともご丁寧に書き添えられてました。

また、
行政機関にひとり親のあなたに
カウンセリングお勧めします、と言われ
プロのカウンセラーの
カウンセリングに興味があったので
受けてみたときのことです。

月2回で数か月ほど経った頃、
私の父親がアスペルガーっぽいと気づき、
それが私の中で
革命的な気づきだと明確になったので、
その旨をカウンセラーに伝えました。

するとそのカウンセラーは
「そんなことより、
最近お子さんどうですか?」
と一蹴されました。

え?
いえいえ、その子の親の私が
革命的な気づきを得た、と
今話したんですけど...

私にとって重大なことを
「そんなこと」と軽視するとは
びっくり仰天です。

クライアント本人が
「重大です」と言っているのに
カウンセラーがそれは重大ではない、と
一方的評価をしている異常事態です。

それまでも私の言ったことを
否定することがあるので
「ちょっとそれは...」と思いながら
観察していたのですが
さすがにこれでもうダメだと思いました。

行政機関も
カウンセラーを見る目がないなぁと
ひどくがっかりしました。

■私の成功した体験

一方で
むちゃくちゃ勇気づけられたことも
あります。

子供関係の行政機関に
電話をしたときのこと。

たまたま出たその女性は
「相手の目で見て」
「相手の耳で聞いて」を
お手本のようにやってくれたのです。

そこには「評価」はなく
「共感」「感謝」がたっぷりありました。

今まで会ったことも話したこともなく
私のことなんて知らないのに
「お子さんいると、何かと大変ですよね」
「なかなか思い通りに
ならなかったりしますよね」
「こうしてお電話くださって感謝です」
「〇〇には確かに伝えておきます」
なんて感じです。

これこそ”親身になる”という
ことなのだと教えられた気がしました。

言うこと言うことすべてを
肯定してくれて、
話していて本当に心地よかったです。

心地よかったので
ずっと話していたかったけど
用件も伝え終わったので
電話を切りました。

切ったあとの
胸の奥がほんわりあったかい感じ、
ほんと、ありがとうございます。
(これがアドラーの言う”治療の成功”です)
(ありがたくて泣きそうでした笑)

なんだ、行政機関には
ちゃんとした人もいるじゃないか、と
見直しました。

有料サービスじゃなくて
”ただの電話”ですが。

でもこんな「本物」に
出会える機会が本当に少ない私。

より役立つプロコーチになるために
試練をいただいているような気がして
なりません。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。



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