■失敗したくない思い

結婚するということは
新たな課題へ挑戦する
ということです。

だからこそ
どんな課題でも
一緒なら乗り越えられると
思える人と関係を結びたく
なるのです。

そのため
本当に関係を結ぶ相手が
本物かどうかを確かめたく
なります。

その思いが強くなると
結果「理想の相手がみつからない」
となってしまいます。

「結婚したいけど、できない」と
言う人はそんな怖れに
注目している人です。




■アドラーの「人生の課題」

アルフレッド・アドラーは
結婚という関係を

「もっとも親密かつ
協力な対人関係である」

と言っています。

そして
アドラーの言う人生の課題で
最も難易度の高い課題でもあります。


課題はどれも対人関係のことで、

・仕事の課題
・交友の課題
・愛の課題

の3つです。

仕事の課題は
仕事や学校、趣味の集まりなど
何かを介して間接的に関係する
対人関係です。

交友の課題は
仕事の課題のように
間接的ではなく
お互いに直接関係する
対人関係です。

そして愛の課題は
結婚して家族を持つ関係です。

仕事の関係が
最も難易度が低いのは
関係する理由がすでにあることです。

お互いに一緒に居る理由がなくとも
仕事や学校など共通する何かがあれば
自然と関係しますから、
「関係を持ちたい/持ちたくない」は
関係なくなります。

次の交友の課題は
お互いに関係を持つ理由を
見つけないと成立しない関係です。

学校など仕事の関係で
ある程度接していると
仕事以外の場でも会いたくなる人は
交友の課題に進んだ関係です。

さらに愛の課題は
仕事や交友のように
「会いたくない」と思えば
関係を解消できるのに対して
家族となっていくため解消ができない分、
難易度が上がるわけです。

そして「家族」というだけで
関係を持ちたくなくても関係するため
最も人間が試される場面が多い関係です。

しかし一方で
その課題を克服したときの成果物は
難易度とは反比例します。

仕事の関係が最も小さく、
愛の課題が最も大きくなります。

それは難易度の低い課題を
一緒に乗り越えた相手より、
難易度の高い課題を
一緒に乗り越えた相手の方が
親密な関係になるからです。




■課題への態度

課題に向き合うときに
鍵となるのは次の2つです。

・共同体への貢献
・感謝

共同体とは
人の集まりです。

仕事の課題なら
仕事仲間だったり
学校のクラスメイトだったりします。

交友の課題なら
自分と友人です。

愛の課題なら
家族です。

その共同体への貢献する行為は
「自分より相手優先」な行為です。

そうしてお互いが
お互いの役に立とうとすることで
課題はやがて克服されていきます。

一方で、
自分だけ利益を得られて
他はどうでもいいや、という人は
課題を避けているため
孤立へと進みますから、
いつまでも課題は克服されません。

また、感謝は
「当たり前」になっていることでも
その「当たり前になっていること」の
有難さを感じたり
受けている恩恵を再認識することに
役立ちます。

例えば
上司が全体を見ていてくれるのが
当然になっているのであれば、
そのおかげで自分は自分の仕事に
専念できるんだ、
これはありがたいことだ、と
お互いの協力を感じられます。

友人が用もないのに
一緒にいてくれるのが
当然になっているのであれば、
いつも横にいてくれて有難い、と
お互いの協力を感じられます。

配偶者が日々食事の支度を
してくれるのが当然であれば、
そのおかげで自分は自分で
家族の利益に全力で貢献できて
いるんだ、と
お互いの協力を感じられます。

そしてその感謝を
言葉にして相手に伝えれば
相手は「自分も貢献できてるんだ」と
実感することができます。

共同体に属する人々が
それぞれに共同体の利益に貢献し
その貢献に感謝し合える状況となれば、

課題に直面してもやがて克服し
新たな課題、つまり
さらに感じるしあわせを増やす方法を
得ることができるわけです。

そうして
共同体の相手と
ともに課題を持ち
克服することを繰り返すことで
しあわせの次元がぐんぐん上がります。

結婚も
自分の利益に固執すると
結婚という関係が足かせに
なりがちですが、

共同体への貢献と
相手への感謝を重ねると
今までに感じたことのない
幸福感を得ていくことができます。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。



人生の課題は、たった3つ
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