美徳の承認その50/52
【理想主義:Idealism】

■理想主義とは

理想主義とは
夢を可能にする力です。

今、自分の最も価値のあると
感じることに
忠実に生きる力です。

この世界の
生存可能性が最大になる方法を
選ぶ力です。

理想主義とは
最も叶えたい夢を持ち
その実現のために
行動を起こす力です。

そんな理想主義の力は
あなたも私も
誰もが生まれながらに
持っている力です。

食欲や睡眠欲や性欲などに
支配されてしまっていたり、
他人を犠牲にしてでも
自分だけは助かりたいと思う人は
理想主義を持っていないのではなく
ただ使っていないだけです。

理想主義は
あらゆる人が
いつでも
すぐに使える力です。


■夢想家ではない

理想主義を使うことは
夢想家になることでは
ありません。

夢想家は
高遠な夢を持ちますが
その夢の実現のために
行動はしません。

高遠な夢を持ち
その実現のために
行動を起こす人は
理想主義者です。

自分が最も価値のあると
感じる状況を実現するために
今できることを
行動に移します。

しかし理想主義者は
夢想家である側面を
持っています。


■ウォルト・ディズニー

理想主義を使うとき
ウォルト・ディズニーの
思考過程が参考になります。

それは自分の中に
次の3者を持つことです。

・夢想家
・現実化
・批評家

理想主義を使うと
まず理想を見つけます。

つまり最も叶えたい夢を
「これだ」と見つけるわけです。

そのために
「こうなったらすごい」とか
「こんなことできたらいいね」とか
実現可能性など無視して
あらゆる枠をはずして
自由に発想します。

これが夢想家です。

次に
今最も叶えたい夢が見つかったら
それをそのままでは
現実にすることができません。

現実社会の中で
実現可能な形に
ととのえる必要があります。

「空飛ぶ車」と夢見ても
どうやって飛ぶのか?
車の定義は?など
現実的な技術や仕組みによって
実現可能なものにしていきます。

さらに次に
実現可能になったそれを
客観的に見て「役に立つのか」を
検証する人が、批評家です。

役に立つなら
実現する価値もありますが
役に立たないなら
実現する価値がまだない状況です。

ウォルト・ディズニーは
この3者を討論させた末に
ディズニーランドを作りました。


■理想の種類

理想の種類は
3種類です。

・自分の理想
・自分と相手の理想
・自分の属する世界の理想

自分の理想は
どんな自分になりたいか、
何ができる自分になりたいか、です。

富士山に登ってみたい、とか
海底探検してみたい、とか
立派な政治家になりたい、とか
スパゲティのお風呂に入ってみたいとか、
自分個人の理想です。

自分と相手の理想は
どんな関係のふたりになりたいか、です。

お互いに高め合うふたり、とか
性を深め合う関係、とか
どこまでも信じあえる関係、とか。

自分の属する世界の理想は
実現したい状況のことです。

その世界とは
共同体と言い換えられます。

共同体とは人の集まりです。

その集まりは
特定の目的で集まるのか
互いに会いたいから集まるのか
家族だから集まるのか、の3つあります。

特定の集まりなら例えば
職場がこうなったらいいな、
学校がこうなったらいいな、
趣味の集まりの場がこうなったらいいな、
などと掲げる理想です。

会いたいから集まるのは
自分と相手の理想にも重なりますが
二人の場がこんな状況だったらいいな、
と掲げる理想です。

家族なら
こんな家族になりたいな、とか
こんな家庭にしていきたい、とか
掲げる理想です。


■力が湧く理想

理想の中でも
心や身体に力が湧いてくる、
力がみなぎってくる理想があります。

それは
「共同体の利益に貢献する理想」です。

共同体とは
最小では「自分と内なる自分」、
次に「自分と相手のふたり」
最大では「3人以上の集まり」です。

最大のさらに大きな
「社会」「地域」「世界」「宇宙」と
見る人もいます。

どれが正解かは決まっていませんので
柔軟に解釈してOKです。

その共同体の大きさが
大きくなればなるほど
それに貢献する理想を
感じれば感じるほど
力がみなぎってきます。

なぜなら
それに貢献すればするほど
自分の居場所がある感覚が
得られるからです。

相手に貢献する自分は
その相手に歓迎されます。

複数の人に貢献する自分は
その複数の人に歓迎されます。

不特定多数の人に貢献する自分は
不特定多数の人に歓迎されます。

宇宙に貢献する自分は
宇宙に歓迎されます(?)

貢献の対象が宇宙までいくと
その感覚がよくわからなくなりますが
他者貢献すると
自分の居場所がある感覚が
得られるとわかります。

対象のレベルは
今の自分にちょうど良いと
心から感じられるレベルに
すると最適です。

そうして
他者貢献の理想を持つことは
自分の真の力を覚醒させて
くれるかもしれません。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。


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