アルフレッド・アドラーは
こんなことを言ってます。

「人は、ライフスタイルを0歳から
10歳くらいまでかけて完成させている」

「その後は、そのライフスタイルを
生活の中心に据えて生きていく」

↓ライフスタイルとは?
ライフスタイルを構成する、3つの信念



なので、
今の自分のライフスタイルが
つくられてきた経緯を知ることで

そのライフスタイルのために
選択肢が1つしか
見えないような時でも
他の選択肢を見いだせる自分に
なれます。

迷路の中で迷っている自分が
上から迷路を見て
出口までの経路を
簡単に見いだせるように。



私が幼い頃、
私の親は他人を
その本人不在の場で
悪く言うことが多い人でした。

お客さんが来て
愛想よく応対して
帰ったとたんに
「もう少し〇〇ならいいのに」
「あの人はダメなヤツだ」
「もっと考えてくれなくちゃ困るね」
「いつも自分のことばかり話す」
などと、言い出します。

あの人の評価を下せる自分って
すごいだろ、みたいに。

一人でやりゃいいのに、
なんで私に話すのでしょうね。

やっぱり
私に対して
「自分はすごいだろ」と
力を見せつけたかったのでしょうね。



出かけていた親が
帰ってきたときも
似たようなことがよくありました。

どこどこに出かけて
誰々に会った。
その人ったら、とても失礼な人だった。
不愉快な思いをしたので、
もう会いたくない。


そんなう〇ち投げるみたいなことは
他所でやってくれよ、と
今なら思いますが、

当時は親が示す力を見て
「そうするのが大人なんだ」と
学んでしまいました。



さっそく親を真似て
幼稚園でわざわざ失礼な態度を見つけて
それを親に報告します。

親を真似て
すごいことをしてる自分を見て
親は喜ぶに違いないと信じて。



すると親から、
「そんなふうに
人のこと悪く言っちゃいけないよ」と
言われました。

え、なんで?
親のあなたたちはやってるのに
僕はダメなの?

親のあなたたちの真似してるのに、
イイコトしてるのに、
どうして喜んでくれないの?


訊いてみると
「そんな失礼なこと、
自分たちはしてませんよ」
と返ってくる。

なんか、このやりとりのあたりで
心が壊れちゃったんだと思います。



小学生になると
親が聞かないから
クラスメイトに話します。

Aの悪く見えるところを
Bに話します。

Bの悪く見えるところを
Cに話します。

Cの悪く見えるところを
Aに話します。



そんな感じで
自分には

「相手の悪いところを
見つけて評価を下せる」
という力

が、あるんだと示せたので
そんな自分は優秀だと
信じていました。



そのうちに
BがAに、CがBに
私があなたを悪くいってたと
話します。

不快になったその人は
私に怒りを向けます。

すると
「そんなこと言ってないよ」
とか
「そんなこと思ってないよ」
などと言って
怒りの矛先から逃げてました。

当然、人は私から
離れていきました。



親の生き方を真似しただけなのに
なんで孤独になるんだろう?
なんで人が離れていくんだろう?

親はその方法を使って
その歳まで生きたのだから
成功した方法なんじゃないの?
だから今もしているんじゃないの??

すごい疑問でした。



そうして10歳の誕生日を迎えます。

成長した私は
「親がしている方法は
人が離れていく方法だ。
自分はイヤだから、
違う方法を選びたい」

そう思って
他の方法を試すのですが、
一時的に違う方法を選べても
結局は同じ方法に戻ってしまって
人が離れていく状況となる...

心の中で
親に従いたい自分と
親に従いたくない自分が
すさまじい力で
綱引きしている感じ。

アクセルとブレーキを
ベタ踏みしている感じ。

自分の欲を
社会的で理性的な自分が
力いっぱい抑え込みながら
生きていくしか
ありませんでした。



30歳の時に
心の勉強をした人に
話を聞いてもらえる機会がありました。

その人に言われた一言で
状況が一変します。

「君は何も悪くないよ。
悪いのは全部親だよ。
そう思っていいんだよ。」

この「そう思っていい」で
自分を縛り付けていた
重たい鎖が全部外れた感じがしました。

不思議なことに
それまでそう言ってくれる人には
会ったことがありませんでした。



3つの信念で整理すると

①自己概念
私は親を喜ばせられないダメなヤツだ

②世界像
親を喜ばせる人が尊敬される人だ

③自己理想
親の生き方は正解だと
自分は証明して親を喜ばせなければ
ならない

って感じです。
書いてて、ちょっと気持ち悪いです...(笑



「自分の生き方は親に関係なく決めて良い」
ということを
その心の勉強をした人に
気付かせてもらえたおかげで、

心の中で2人の自分同士が
していた綱引きを
やめることができました。


渦中にいると見えないものが
俯瞰することで見えた感じですね。



ライフスタイルは
性格のこと。

性格って、心のクセです。

クセは望めば
変えることができます。



そのクセは
10歳頃までの体験が
基礎となっているものが
ほとんどです。

その頃までの親との関係を
振り返ってみると、
今の自分のライフスタイルに
違いを生み出せる
チャンスを得られますね。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ7年目、常楽でした。



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