動力車化したKATO製のキハ85(非貫通先頭車)の前面ライトは、小さなチップLEDにより点灯の目処がつきましたので、前部床板を接合した動力ユニットに組み込むことにしました。

 

T車用床板で検証した際のチップLEDの配置です(再掲)。ヘッドライト用LED(左側)は中段/上段を照射するので床面から2mmほど浮かせ、テールライト用LED(右側)は下段になるテールライトを重点的に照射するため床面に両面テープで貼り付けています。

 

この小さなチップLEDでもヘッドライト/テールライトには適度の明るさが得られました(→こちら)ので、動力ユニットの前面床上に移植する方法を検討します。

配線には、手元にあった美軌模型店(現在は臨時休業中)のポリウレタン銅線0.16mm径と集電補助板・燐青銅0.1mm厚・2mm×40mmを使用します。ポリウレタン電線は透明な被覆で絶縁されていますので、使用する長さに切った両端の被覆を次の手順で剥がしておきます。ハンダ鏝の先端でハンダを熔かして玉状にして、この中に電線の先を挿し込んで煙が出ると被覆が剥がれると同時にハンダメッキが出来上がります。煙が出なくなれば新しいハンダ玉に作り替えます。リン青銅板は集電用です。

 

 

動力ユニットに接合した前部床板の後部に、チップLEDの保持(貼り付け)と後方への遮光を兼ねた2枚の壁(背面に遮光用銀テープを貼り付けた3.5mm×4mmの0.5mm厚のプラ板)を立てました。

 

燐青銅板は上記の集電補助板を半分(長さ20mm)に切断し、片端3mmを直角に折り曲げて半田付けの代(シロ)としました。片側には1/4W 560Ωのカーボン抵抗を半田付けしてからポリウレタン電線でチップLEDまで配線してあります。正常に点灯することを確認してから動力ユニットに組み込みました。

 

 

動力ユニットからチップLEDへの配線ルートは、最も確実で断線の恐れがない座席パーツの床上を這わすことにしました。

 

集電は座席パーツの下を通る集電板が見える最前部の切り欠きに、燐青銅板を挿し込む構成です。この集電板は、2番目の切り欠き(モーターの集電板を 固定する箇所)までの長さを確保してあり、モーターの集電板と共に抑え板(白色プラ製)で固定するようにしました。短くても集電は可能ですが、走行中に先端側が横ブレするとアルミダイキャストに接触してしまい最悪の場合は電気的にショートするので、このような固定処置にした次第です。

 

チップLEDは取付板に貼った両面テープで仮固定してあります。向かって左側がヘッドライト用、右側がテールライト用です。ヘッドライトは中段/種別表示が上段に受光部があるので中段に固定、テールライトは下段/種別表示が上段に受光部があり離れているので敢えて中間に配置してみました。

 

配線の浮き上り防止と、ボディ着脱時に引っかけて破損するのを防止するため、マスキングテープで固定しておきました。

 

集電板が立ち上がる位置は、客室窓の2番目と3番目の間にある窓柱付近なので、外からはカーボン抵抗も殆ど見えません。

 

前面窓から覘き込むとマスキングテープが見えますが、走行時には殆ど気になりません。それよりも運転台周りの黒色塗装が加工作業中に剥げてしまっている方が目立ちますので、追って再塗装することにします。

 

問題のライト類の明るさですが、走行させて確認した(写真はなし)ところ、前進時のヘッドライト/種別表示窓は十分な明るさで合格です。一方、後進時のテールライト/種別表示窓は、受光部が離れた位置にあるため明るさが半減されてしまいました。やはりサイズの大きな(発光面積が広い)チップLEDに交換するしかありません。取り敢えずは前面照明の装備が出来ました。

 

種別表示窓は蛍光灯照明を再現するため、白色のチップLEDを使用しています。このため、本来は電球色のヘッドライトが白色に点灯してしまいますので、電球色に見えるようにレンズパーツにクリアオレンジを塗布しておく必要があります。来週半ばに大阪市内に出掛ける予定があり、日本橋でサイズの大きなチップLEDとクリアオレンジの塗料を購入してから、仕上げを行いたいと思います。

 

明日、11月26日(日)にはKTR8500形のお披露目が予定されており、実車に合わせて車番標記等を追加整備すれば、いよいよ完成です。(続く)

 

【関連記事】

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(9/完)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(8)

・KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(7)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(6)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(5)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(4)

KATO 丹鉄KTR8500形の加工に悩ましい刻印614

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(3)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(補稿)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(2)

KATO キハ85を丹鉄KTR8500形に加工する(1)

 

 

【加工に使用した旧製品(第2世代製品)】

 

 

 

【2024年2月頃に発売予定の新製品(第4世代製品)】