京都丹後鉄道が今春にJR東海から購入した4両のキハ85の活用法について、一昨日(6/15)のYahoo!ニュースに下記記事が掲載されていました。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/bc594361bc947d0a2641d29d84b0b8e48457a2bc

→ 【丹鉄】キハ85形の運用計画を発表…2両は部品取り車に - 鉄道プレス (207hd.com)

 

当該記事によると、京都丹後鉄道がこのほど纏めた「安全報告書2022」・・・2022.pdf (willer.co.jp) にキハ85改めのKTR8500形に関する記述(P12~P13/P28:脚注追記)があり、概要は以下とのことです。

 

全検等で北近畿タンゴ鉄道仕様に改修した後、「線内特急予備車」として運用開始する。

・KTR8501(←キハ85-12):営業車両

・KTR8502(←キハ85-3) :営業車両

・KTR8503(←キハ85-6) :部品取り車両

・KTR8504(←キハ85-7) :部品取り車両

 

丹鉄の西舞鶴運転所に留置中のキハ85形 (2023年4月4日撮影→こちら

手前(豊岡方)から、キハ85-7+キハ85-6キハ85-12+キハ85-3の2編成です。

 

 

一方、私はKATO製のキハ85系を16両所有(→こちら)していますが、中でも非貫通形先頭車のキハ85-0番台が4両もあります。

左側から、①キハ85-3,②キハ85-8(改番品),③キハ85-7,④キハ85-7(JRマーク付)です。発売時期により三世代に亘る製品があり、①が第一世代製品,②③が第二世代製品,④が第三世代製品で、その違い等は以前の記事(→こちら)で記述しています。

 

高山本線(岐阜~富山)を走行していたキハ85系の特急「ひだ」では、最短が3両編成、最長でも10両編成であり、キハ85非貫通形は主として岐阜方先頭に連結されていました。稀に両先頭車として充当されることもあったようですが、特急「ひだ」の再現にはせいぜい2両あれば事欠きません。4両もある理由は上記の京都丹後鉄道(以降、丹鉄と略記)に移籍後の営業車両に加工する心算があったからに他なりません。

 

丹鉄KTR8500形の2両編成のイメージです。走行させるには、どちらかの先頭車に動力ユニットを装着せねばなりませんので、使用できそうな動力ユニットの候補を手持ち品から挙げてみることにしました。

 

最も一般的な動力ユニットは、キハ85系セットの中間動力車(キハ84)から転用することです。

 

次に、KATO製の他車用の動力ユニットではキハ80(品番6063)用が、予備品としてあります。

 

最後は、鉄道コレクション用の動力ユニットで、車体長・台車間隔・軸間距離が一致するのは20.5m級AのTM-16で、小田急のキハ5000系に使用しています。

 

 

 

一方、非貫通先頭車のキハ85-0番台(第二世代製品を分解)の床板には、先端部にスカートが一体成型されており、前面ライト用の電球スペースが設けてあります。動力ユニットを装着した際にも必要になるので、共存できる様な工夫が必須です。3種類の動力ユニットの適合可否を確認してみます。

 

最初はキハ84の動力ユニットです。

側面から見てみると、動力ユニットは前端部分で切り継ぎが必要になりそうです。

 

動力ユニットを仮に装着するにしても、このままではボディ側にあるヘッドライト・テールライトの遮光ハウジングに当たり嵌りません。

 

奥側に第三世代製品(LED化)のボディを置いてみました。ヘッドライト・テールライトの遮光ハウジングの大きさに関しては、中程の第二世代製品(第一世代製品も同一品)と殆ど変わりませんので、第二世代製品を改造ベースとして、以降の検討を進めることにします。

 

ボディの先端部分に嵌めてある遮光ハウジングを一旦取り外した状態で、動力ユニットをボディに装着してみることにしました。

 

前側がボディの何処かに当たって上手く嵌めることが出来ません。

【追記】 当たる箇所が判明しました。(→こちら

 

仮に押し込めたにしても、座席パーツの先端箇所がボディ先端の下辺にある曲線部分に当たるので、完全に嵌めることは出来ません。

 

大事なことを忘れていました。

前面にあるスカートが床板と一体成型されているので、床板ごと切り離して動力ユニットと共存させる必要があります。

 

前面に嵌るライトの遮光ハウジングの上面には運転台の表現がされており、前面のガラス越しに良く見えるので、この部分の装着も必須です。

 

 

次にキハ80用の動力ユニットを確認します。

ライトの遮光ハウジングを外したボディに、キハ80用の動力ユニットは綺麗に嵌りました。

 

前端は、やはりボディ下部の曲線部分で当たっていますが、全体の見た目には違和感もなく非常に良好です。

 

最後は鉄コレの動力ユニットです。

ライトの遮光ハウジングを外したボディに、鉄コレ用の動力ユニットも綺麗に嵌りました。

 

前端側にも余裕があります。

 

鉄コレ動力の構造物がワイドビューの大窓から丸見えで、まるで電源車(カニ24)の車内の様相です。鉄コレ動力ユニットの宿命で、黒く塗れば多少は緩和されるかも知れませんが、非常に悩ましいところです。

 

何れの動力ユニットも一長一短あります。候補としては、2番目のキハ80用が最も良さそうですが、動力台車が付いていません。最初のキハ84用の動力台車を外して転用すれば良さそう(後日談:転用不能と判明)ですが、2両しかないキハ84(M車)の1両が動力車として機能しなくなると、特急「ひだ」の運用にとっては致命的で本末転倒です。そこで、キハ80用の動力ユニットに、取り敢えず手元にある動力台車で代用することにして、先に進めることにします。(続く)

 

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