先般、動力車化を終えたKATO製のキハ85(非貫通先頭車)ですが、前面ライトの光源が未設置なことから、現状ではライトの点灯ができません。チップLEDを使用した前面ライトの点灯方法を検討することにしました。

 

前回の動力車化加工により、「スカート付きの前部床板,車内前部の遮光ハウジング,動力ユニット」の三者が隙間なくボディに嵌り込むことで、ピタリと固定できています。ライト光源は、前部床板の内側に少しだけ見える遮光ハウジングの僅かな隙間(縦3.5mm×横4mm×前後1.5mm)にチップLEDを仕込むしかなさそうです。

 

前部床板を外してみました。遮光ハウジングの手前中央にある遮光壁に対して、左側にヘッドライト用,右側にテールライト用のチップLEDを配置します。前面にある種別表示窓は両方のLEDが照らす役割を兼ねており、種別表示窓を蛍光灯色に点灯させるため、共に白色チップLEDを使用することになります。また、LEDに供給する電源は動力ユニット側から供給せざるを得ませんが、動力ユニットが分離した現状の分割構成では配線処理が難しそうです。

 

そこで、前部床板の床上にチップLEDを並べて置くことで配線処理を容易にすると共に、床下着脱時の操作性も考慮し、前部床板と動力ユニットを瞬間接着剤で接続して一体構造にしてみました。接着した部位は、接合面積が非常に少なく、更に前部床板がプラスチック、動力ユニットがアルミダイキャストと材質も異なり、ボディへの着脱時には接着部位に強度的に負担が掛かりますので慎重に取り扱う必要があります。

 

接合に際しては、前部床板の底面と、動力ユニットのダイキャスト底面の高さが揃うように接着しました。十分に固着してから、遮光ハウジングを装着したボディに嵌めてみたところ、前部床板の先端にある固定爪を遮光ハウジングの固定用穴に上手く勘合させることが出来ず、力を加えたところで接合部位が外れてしまいました。

 

 

前部床板にある固定爪の勘合が上手くいかなかった原因を究明します。

原因1:床板を装着する際にボディ底面を上向きにすることで、遮光ハウジングが自身の重みでハウジング後部側が天井方向に垂れ下ってしまうため、固定用穴の位置がズレてしまうこと。

 

原因2:前部床板の底面と、動力ユニットの底面とが一致する筈と思い込んで接着していましたが、接着前の勘合写真(1枚目を再掲)を良く見ると、前部床板の底面は、動力ユニットの底面よりも線路側の低い位置にあったこと。

 

 

原因が判明しましたので対策を行います。

対策1:遮光ハウジングの上面位置は、未加工のT車で確認すると乗務員扉の窓下辺から目測で約2mm下にありました。遮光ハウジングの垂れ下りを抑えるストッパーとして、側面窓ガラスの先端部を下方に張り出すことで対策します。

透明な縦1.5mm×横3mmの小片を乗務員扉の窓(左端)下部に接着しました。この小片は、動力ユニットを装着するために、側窓ガラスを加工した際に切り落とした破片を加工して、再利用しています。

 

側窓ガラスにストッパーを付けたことで、遮光ハウジングが水平に保持できるようになりました。

 

 

対策2:前部床板の底面を、動力ユニットの底面よりも線路側に下げて接着し直します。

前部床板を水平に保たれた遮光ハウジングの固定穴に勘合させた状態にしてから、動力ユニットをボディに装着しました。

 

前部床板の底面と、動力ユニットのダイキャスト底面(正方形に見える部分)とは、段差が0.8mm位あります。この状態のままで前部床板と正方形に見えるダイキャストの接触面に瞬間接着剤を流して仮固定します。

 

前面床板が仮付された動力ユニットを慎重にボディから取り外し、接合箇所の周囲に瞬間接着剤を追加塗布することで、接合箇所の補強を行いました。

 

動力ユニットに前部床板が接合出来ました。また、室内照明用の照明板が0.5mmほど前下がりになっていましたので、移植した前方保持柱の保持箇所に厚さ0.5mmのプラ板小片を貼り付けて嵩上げしておきました。

 

この状態の動力ユニットを、遮光ハウジングを装着したボディに装着してみましたが特に問題なく、着脱とも非常にスムーズに出来ました。

 

これでチップLEDを床置きする準備が出来ました。

 

この段階で既に深夜になっており、疲れもあって注意散漫から動力ユニットを机から床面に落下させてしまいました。折角上手く接着できていた前部床板や室内灯用の照明板の保持柱が見事に外れてしまいました。モチベーションが一気に低下してしまい、数日間放置したままになっています。(続く)

 

【追記】 後日になって、この日の状態では不具合があることが判明し、前部床板との段差寸法を再度変更(→こちら)しています。

 

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【加工に使用した旧製品】

 

 

 

【2024年2月頃に発売予定の新製品(第4世代製品)】