突然ですが、
わたしは絵を描くうえで
光と影を大切にしています。
とくに、影。
この作品でも、
雲や波に影をつけています。
影を描くことで、
雲や波の立体感を表現しています。
(こちらの作品は動画レッスンで描いていただけます)
影ができるということは、光があたっているということですよね。
この作品中には太陽が描かれていませんが、
見る人によっては、
夏の明るい日差しをイメージするかもしれない。
例え描いていなくとも、
影が想起させてくれます。
ちょっと話は変わりますが、
藤本さきこさんのこの記事がとても好きです。
テーマは感謝についてですが、わたしは普段の作画でも
とっても大切な考え方だと思っています。
一部抜粋させていただきますね。
(ここから)
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「おかげ」って「お陰」と書きますが、もとは仏教からきている言葉です。
「おかげ」って謙遜したペコペコしたものじゃないんです。
どんなものにも、必ずその陰があります。
見える何かが在る時、その陰に何が在るでしょうか?
「陰」の意味は色々ありますが、ここでいうと
①光が遮られて当たらない所
②物などにより視線が遮られ見えない所
③人の目の届かない所
④表面に現れない所。物事の裏面。
⑤恩恵を与えること
二極、勝ち負けで考えると
「陰、暗い=悪いこと」
「見えるもの、明るい=良いこと」
と感じがち。
しかし、「見えるもの」と「その陰」どちらも対等な「在るものの側面」です。
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(ここまで)
全文はこちら
わたしにとって「陰」とは、
風景や作品の中にある光と影(陰)のことだけをさしているのではなく、
例えば作品を描くためにモチーフについて調べたり、道具の準備に費やした手間。
描いては消してを繰り返した時間。
そもそも、なぜその作品を描こうと思ったのか?
きっかけや大切にしている思い。
作品には現れない、いわば陰の部分。
1枚の作品が仕上がるまでに、
描き手が感じたたくさんの思いがあって、
その思いこそが尊い。
見えないからといってないわけではなく、
見えない部分こそが尊い。
見えるものだけでなく、
見えないものも見ようとするかどうか。
見えないものを見て、
いかにして作品に反映させるか。
ここに、描き手の個性や感性が詰まっている。
そんな風に思います