上田ゆきこのブログ -23ページ目

10.区民と区全体のウェルビーイングの実現について(令和5年2月定例議会)

ウェルビーイング等の概念について
 

Q.私は大学時代、19世紀イギリスの政治哲学者J.S.ミルの「自由論」を研究していたが、中でも私が最も好きなのは第三章「幸福の諸要素としての個性について」で、そのタイトルの原文は「Of individuality , as one of the elements of well-being」である。

 ウェルビーイングはよく“幸せ”と訳されるが、HappinessやWelfareとはどう違うのか。

 ウェルビーイングを政策や事業として取り組んでいる人たちは、共通して、ウェルビーイングの実現のためには、agencyつまり主体性を発揮することが重要だと言う。

  特に、教育政策においては、OECDが「ラーニングコンパス2030」において、ウェルビーイングを究極の目的とし、agencyをウェルビーイングに向かうために「自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく力」と再定義している。
ウェルビーイングやagencyという概念を教育現場で共有するために用いることについて、お考えを伺う。
  また、合わせて、その他の政策の現場で用いることについてのお考えを伺う。

 

A(教育長).OECDでは、ウェルビーイングを、生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、認知的、社会的、身体的な働きと潜在能力と定義しており、ラーニング・コンパス2030において、その実現のためには、エージェンシーが重要とされている。

 エージェンシーとは、自ら目標を設定し、他者との関係性の中で、責任をもって行動する能力を中核とする概念であり、学習指導要領の主体的、対話的で深い学びに通じるものと捉えており、社会構造が急速に変化する不安定、不確実、複雑、曖昧なこれからの時代には、学校教育を含めた、教育の中で、これらの概念に基づく力を育むことが重要と認識している。

 教育委員会では、文京区教育ビジョン「個が輝き共に生きる文京の教育」を掲げている。また、その実現に向け、教育指針では、他者と協働しつつ創造的に生きていくための資質・能力を育むことを目標としております。各学校園では、これらのことを踏まえ、より良い個人・集団の実現を目指し、子どもたちの主体性を育む取り組みを進めている。今後も、こうした取り組みを通じて、児童・生徒の幸福で充実した人生につながるよう、文京区の教育を進めていく。

 

A(区長). 本区においては、これまでも総合戦略に掲げる主要課題の解決に向け、一層の創意工夫を凝らし、戦略的な事業展開を図りながら、各施策を推進している。

議員ご指摘のウェルビーイングは、国も推進しているところであり、本区の取り組みにも通じる概念であると考えており、今後とも、様々な行政課題の解決に向けて、時代に即した、区民にとってわかりやすい表現を活用しながら、着実に区政運営を進めていく。

9.利用しやすい便利な区役所づくりについて(令和5年2月定例議会)

DX推進プロジェクトについて

 

Q.忙しいミドルエイジからは、特に、行政手続きのオンライン化への要望が多い。

 令和5年度重点施策である文京区DX推進プロジェクトの詳細を伺うとともに、情報政策課が所管課をどのようにサポートしていくか、お聞かせいただきたい。

 

A.来年度の重点施策として、「行政手続きのオンライン化」、「業務改革の取り組み」、「働き方の改革」、「DX人材の育成」の4つの分野で12事業を掲げている。

 おくやみコーナーの開設や、窓口でのキャッシュレス決済の導入等の区民サービスのDXを進めるとともに、行政事務のDXとして、AIによる保育園の入園選考やオンライン会議等の環境整備などを実施し、また、DX推進サポーター制度を創設し、組織横断的な情報共有ネットワークを構築していく。

 プロジェクトの推進にあたっては、情報政策部門が、各部署を支援するとともに、全庁的な検討体制の構築において、ファシリテーターとしての役割を担うなど、伴走型の支援を実施していく。

 

8.誰もが暮らしやすいユニバーサルデザインの都市整備について(令和5年2月定例議会)

バリアフリーマップについて

 

Q.過去の区民の声を見ていると、バリアフリーや子育て関連を含めた施設の設備情報を事前に確認したいので、詳しくホームページ等に掲載してほしいという要望が複数あった。

 福祉部は令和5年度、電子バリアフリーマップの策定を予定しているが、そういった情報をしっかり載せていくことも含め、策定後も定期的な更新が必要である。

 例えば、障がいの当事者を含む市民によるマッピングパーティなどにより、市民の手で頻繁に更新するしくみづくりを考えてはどうか。

 シビックテックの推進にもつながると思われる。

 

A.本年度に実施した、バリアフリー整備状況の現況把握に関する調査を踏まえ、来年度に冊子の発行とデジタルブックでの公開を予定している。

 多くの区民に活用され、バリアフリーへの関心や理解の更なる向上に資するものになるよう、まずは、周知に努める。更新の時期等については、当事者の方の声を聞くとともに、今後検討していく。

 

 

巻石通りのバリアフリー整備について

 

Q.巻き石通りの無電柱化について、少なくとも文京総合福祉センター周辺に関しては、どこよりも早急にバリアフリー整備が必要。

 電柱が歩道の真ん中にあり、狭隘である上に、ビーグルのバス停もあるため、歩行者・自転車、自動車ともに危ない箇所になっている。

 

A.現在、目白通りから江戸川橋体育館までの区間において、無電柱化工事に取り組んでいる。

 当該区間のバリアフリー整備は、電線共同溝を設置し、引込管等の埋設やケーブルの入線後に、電柱等を撤去した上で着手する必要があることから、特定箇所を先行させることは困難。

 議員ご指摘の文京総合福祉センター前を含め、早期のバリアフリー整備に向け、随時、無電柱化工事の施工手順の見直しや、関係機関との協議等に努めていく。

 

 

一時利用制自転車駐車場の増設について

 

Q.感染症流行により、閉鎖空間を避けて、自転車を利用する方が増えている。

 昨年策定した自転車活用計画でも「安全で快適な自転車通行環境の形成」や「自転車を適切に停められる駐輪環境の構築」を掲げ、自転車ナビライン上の駐車対策などを計画しているが、特に公平で便利なコイン式駐輪場のニーズは高く、増設が必要。今後の取り組みへの意気込みを伺う。

 

A.一時利用制自転車駐車場については、茗荷谷駅付近の中央大学キャンパス内に110台分を新設し、本年4月から利用できるように準備を進めている。

 また、江戸川橋駅付近の定期利用制自転車駐車場は、その一部を一時利用制自転車駐車場に転用する予定である。

 引き続き、自転車の利用状況を踏まえ、関係機関とも連携しながら、自転車を適切に停められる駐輪環境の構築に努める。