こんにちは。
前回の記事では老眼にまつわるウワサについてご紹介しましたが、
今回は実際に行われている老眼の改善方法とそのお薦めポイントや注意点をご紹介します。
お薦めポイントや注意点は検査員として患者様の反応などから感じる僕の主観ですので、あくまで参考程度にご覧下さい。(異論のコメントも大歓迎です)
このブログでは老眼の症状を改善する方法として以下の項目を紹介していきます。
① 老眼鏡・遠近両用眼メガネ
② 遠近両用コンタクトレンズ
② モノヴィジョンコンタクトレンズ
③ 遠近両用レーシック
④ モノヴィジョンレーシック
⑤ 老視用角膜インレイ
⑥ 遠近両用ICL
⑦ 多焦点眼内レンズ
今回の記事は①~③のメガネ・コンタクトレンズについてです。
① 老眼鏡・遠近両用眼メガネ
見え方 ★★★★☆
快適さ ★★★★☆
デメリット ★☆☆☆☆
お薦め度 ★★★★★
最もポピュラーな老視矯正方法は”眼鏡”です。
老眼鏡や遠近両用メガネを使うことは、老視矯正の中で最もデメリットの少ない方法であり、近年ではどんどんレンズの質が向上している物もあります。
老眼鏡のメリットは、手元の作業に集中する際に最もピントが合いやすく楽に見ることができます。
しかし、かけ外しが必要となるため、遠近両用を好む方も多いです。
遠近両用メガネの最大のメリットとしては、かけたまま遠く~近くまで見えることですが、デメリットとしては、手元のピントが合う部分が狭いことと、特有の歪みが発生することから慣れが必要なことがあります。
―ピントの合う部分が狭くなるのはなぜ?
手元のピントが合う範囲が狭い原因としては、沢山の度数を見えない繋ぎ目で貼り合わせているイメージなので、そのしわ寄せでレンズの周辺にピントが合いづらい範囲”歪み”が増えることが挙げられます。
この歪みは老眼の程度が進行すればするほど、貼り合わせる度数が多くなることから歪みも大きくなります。
歪んでいる部分が大きくなると、歩いた時やお顔を動かした時などの違和感を感じやすくなります。
専門店で扱っているハイグレードな遠近のレンズは、この歪みをどこまで少なく(もしくは感じにくく)して自然な見え方に出来るかを追求して作られています。
お薦めの使い方
遠く・中間・近くのそれぞれの見え方を追求すると使い分けが必要になる場合もありますが、使い分けをすることでより快適に過ごすことができます。
普段使いは遠近両用、手元の作業に集中したい時は老眼鏡や中近両用のような使い分けがお薦めです。
しかし、若い頃からメガネをかける習慣がなかった方は、使い分けどころか装用すること自体が煩わしい・慣れられないと感じる方も多いようです。
次はメガネ以外で老眼の症状を改善する方法をご紹介していきましょう。
② 遠近両用コンタクトレンズ
見え方 ★★★☆☆
快適さ ★★★☆☆
デメリット ★★☆☆☆
お薦め度 ★★★☆☆
眼鏡の次にデメリットが少ないのはこの方法です。
コンタクトレンズであれば、例えば角膜表面にキズがついてしまった場合や、花粉症でかゆくなってしまう時期など装用を中止することで症状改善を図れます。
見え方としては、遠くと近くを両方クッキリとはいかないものの、ハッキリさせたいポイント次第では快適に過ごせます。
遠近両用コンタクトレンズの場合、手元を見るための老眼の度数(加入度)は3段階(LOW,MID,HIGH)に分かれているものが殆どです。
それに対し、眼鏡での老視矯正の場合は+1.00D~+3.00Dまで0.25D刻みで9段階あるのが一般的です。
そのため、LOWとMID、MIDとHIGHの中間の老眼の方は、手元をハッキリ見たければ遠くを、遠くをハッキリ見たければ近くをある程度妥協する必要が生じることになります。
「それならとりあえずHIGH選べば見えそうじゃない?」と思った方もいると思いますが、HIGHになると装用感や遠くの見え方が落ちるので注意です。
また、乱視の強い方は全体的に視力が出づらいです。(乱視用遠近の物も昨年末に発売されましたが、乱視も老視もあまり強くない方向けです。)
見え方の質としてはパーフェクトとはいきませんが、それを理解して付き合っていくととても便利です。
③ モノヴィジョンコンタクトレンズ
見え方 ★★★☆☆
快適さ ★★☆☆☆
デメリット ★★★★☆
お薦め度 ★★☆☆☆
時々テレビで取り上げられる度にお問い合わせが急増しますが、これは誰でも向いている矯正法とは言いづらく、慣れられる方と慣れられない方がかなりハッキリ分かれます。
片方の眼を遠くに、片方を近くにピントを合わせることによって、遠くと近くの情報を脳で切り替える作戦です。
上手くいけば1~3ヶ月程慣らしていくと遠くも近くも見えるようになります。
デメリットとしては、左右で視力が大きく違うため、違和感を感じやすく慣れづらいことと”立体感”が得られない可能性があることです。
立体感と聞いてあまりピンと来ないかもしれませんが、元々人間の眼が2つ付いている理由として、2つの眼のそれぞれの情報が脳で合わさることで3Dな情報として距離感を認識していることが挙げられます。
つまり、モノヴィジョンにすることでその機能を手放す可能性があるのです。
脳の中には今までの経験が入っているため、突然距離感が掴めなくなるわけではありませんが、車を運転する機会の多い方には危険なのでお薦めしません。
また、パソコン作業や細かい作業が多い方には、片方の眼がずっとピント合っていないわけなので、疲れやすく感じることがあります。
遠近両用コンタクトレンズより優れている点としては乱視の方でもこの方法は使えます。
デメリット聞くと怖いと感じる方も多いとは思いますが、コンタクトなので合わなければ中止することは簡単です。
挑戦してみたい方はお問合せ下さいね。
今回はここまでです。ご質問等ございましたらコメントをご投稿下さい。
次回はレーシックによる老眼治療についてご紹介していきますね。
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