そして今日は、
『スサノオと死後の世界を巡る旅』。
死者が初めて、
降り立つ場所はここらしい。
この800里(32万メートル)あると、
言われている、
この山道を、
歩いていかないといけない。
…そんな時…?
ス「ウェールカーーーーーム!!!!」
ス「だからホッとすんなや。
つまらんから帰るぞ」
あ「嫌だ嫌だ嫌だ。
帰らないで、神さま、仏さま、スサノオさま」
ス「どうせ、
小便ちびってんちゃうかな思って、
様子見に来たけど。
この様子やと、
星が行き先を照らしてくれてるみたいで、
良かったやないか」
ス「まぁそうは言うても、
お前はまだ本当に、
死んだわけちゃうからな。
油断したらあかんで。
これからの生き方次第で、
良くもなれば、
悪くもなる。
ってことで、
めんどくさいから。
お~い!大白牛車(だいびゃくごしゃ)~!!」
ス「そらそうや。
俺、俺、俺クラスになるとな、
わざわざ死出の山なんて、
越えてられるかい。
ってことで、
ほれ、
お前も乗れ」
スサノオさんにそう促され、
大白牛車に乗り込むと同時に、
動き出し、
その乗り心地はすごく良かった。
ス「見てみ」
そうして再び、
スサノオさんに促されて、
夜空を見ると、
先ほどまであれだけ恐怖に映った、
死出の山が、
星空に照らされて、
どこか風情のある、
美しい山に見えてきた。
先ほどまでの、
ドロッとしたような雰囲気は、
どこにもなかった。
あ「…なんなんでしょう、
この違いは…」
ス「結局な、
死後の世界ってのは、
自分の心がそのまま、
映し出される。
お前は最初、
不安に駆られていたから、
この死出の山が、
恐怖の対象に映り、
俺が来たことによって、
不安から解放された分、
この山が美しく見えた。
同じようにな、
死ぬ間際に、
『いつか罰が当たる』というような、
やましい生き方をしていれば、
そのやましさが、
この死後の世界では、
恐怖として、
そのまま映し出される。
その逆に、
『えぇ人生やったな』と、
心底思えて、
たくさんの人に惜しまれながら、
死んでいくような人生を、
送ることが出来た時、
見てのように、
この死出の山も、
それほど恐怖の山ではなく、
美しく、
光り輝く山にも映るさ。
それは世界中、
肌の色が違おうと、
信じる宗教が違おうと、
天使や悪魔など、
見え方が違うだけで、
必ず同じように、な」
何となくわかるような、
気がした…。
大白牛車のスピードは、
猛烈なほど早く、
しかしその道中、
生前にどんな人生を送られたかは、
分からないけど、
鬼の襲撃に怯えながら、
死出の山を登っている人が見えたのも、
また事実だった。
鬼に「登れ!!」と言われて、
泣く泣く、
登りにかかるものの、
岩の角は、
剣のように鋭く、
もたもたしていると、
鬼に鉄棒で打ち砕かれ、
たまらず息絶え倒れても、
しばらくすると、
先程と変わらぬ様子で、
再び甦る。
鋭い岩場に足の踏み場もなく、
険しい坂に杖もなく、
道の岩に足が裂けて、
履き物がほしくても、
履かせてくれる人などいない。
山はまるで壁のようで、
峯から吹き下ろす風は、
肌を凍らせ、
骨を刺す。
決して、
上から物を言うわけではないけれど、
悪行を重ねた人生の死後に、
こんなような世界が、
待っているのなら、
せめて生きているうちに、
少しでも、
良い人生を送ろうと思ったのも、
また1つの真実だった。
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