『スサノオと瀬織津姫を巡る旅』。
1話目，『歴史の闇に葬られた女神』
2話目，『新たなる伝説の始まり』
3話目，『瀬織津姫が封印された時』
4話目，『瀬織津姫が愛した神』
5話目，『ニギハヤヒとは何者か？』
6話目，『瀬織津姫…が…現れた…？』
7話目，『瀬織津姫信仰の始まり』
8話目，『イワナガ姫の登場と新たなる謎』
9話目，『神話の裏側を見るということ』
10話目，『再開の音色が響く時』
11話目，『なぜ瀬織津姫を巡るのか？』
12話目，『バカなりに頑張るの巻』
13話目，『封印されし強すぎた神、再び』
14話目，『吉野の地に吹く風』
15話目, 『史上最悪の女帝』
16話目, 『天照という名のニギハヤヒ』
17話目, 『女神アマテラスと男神アマテル』
18話目, 『アメノウズメさん？が登場！』
19話目, 『感じる力を養う』
20話目, 『この世の始まりを告げる神』
21話目, 『君の名は』と瀬織津姫
22話目, 『辿り着けたニギハヤヒの正体』
23話目, 『オオクニヌシとニギハヤヒ』
24話目, 『ニギハヤヒ、現る』
25話目, 『旅の終わりに向かって』
※イラスト from 瑠璃の星☆ミさん
『役行者（えんのぎょうじゃ）に会いに行け』。
ニギハヤヒさんのその言葉に従い、
その部下であり、
強力な援軍アメノシタハルさんと共に、
役行者に会いに、
再び奈良の地へと向かった。
まずはスサノオさんが今年の初め、
この瀬織津姫の物語を再開する時に僕に言った、
『この天川の地が、瀬織津姫を巡る上で重要な地となる』。
その言葉通りに、
再び天河神社を訪れた。
その『役行者』を祀っている小さなお社がある。
ただ今の段階の僕では、
役行者のことを深く知っているわけもなく、
『これからどうぞよろしくお願い致します』と、
心を込めて参拝だけをして、
次なる地へと向かう。
天河神社から約7キロ。車で15分弱。
天河神社と同じく役行者が開いたとされる、
『龍泉寺』にやってきた。
シタハル「………。
その前に話を通しておかないといけない奴らがいます…」
あ「話を通しておかないといけない奴ら？」
シタハル「…えぇ…、かなりややこしい…。
…まぁまずはそもそも、
その前に役行者というものについて、
知っておかなければいけない。
荒川さんは役行者について、
どの程度知っていますか？」
あ「全然」
ス「堂々と言うな、このドアホ」
シタハル「…まぁいいでしょう…。
役行者とは飛鳥時代を生きた、
伝説的な呪術者のことです。
今も盛んな、
山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、
悟りを得ることを目的とする、
修験者や山伏を始めとした日本古来の山岳信仰。
『修験道』の開祖とも言われていますね」
ということは、
役行者さんは元々は人…なんですか？」
シタハル「…えぇ。
思う所があれば、
天の神にも物を申していたほどの人物です」
ス「お前もたまに、俺に平気で物申すけどな」
あ「それはあんたが、いつもいらんことばっかりするからや。
すいませんシタハルさん、続けてください」
シタハル「役行者は、
五色の雲にのって自由自在に空を飛び、
伊豆大島から毎晩海上を歩いて富士山を登り、
その土地の神すらも使役し、
鬼神をしたがえて家来のように使っていたという…」
でもその役行者さんと、
瀬織津姫さんにどういう関係が…？」
シタハル「まぁそれは役行者に会えば、
わかることでしょう。
それよりも、その…家来としていた鬼神なのです」
あ「あ、それは聞いたことあります。
前ブログでも節分の時に書きました。
確か、『前鬼(ぜんき)、後鬼(ごき)』…でしたっけ？
あの、夫婦で悪さばかりしていた所を、
役行者さんに不動明王の秘法で捕えられて、
以降は反省して式神として、
役行者さんに付き従うことになったという…。
…って、こちらですよね…？」
役行者に会いに行くには、
まずは、こいつらに許しを得ないといけない…。
それが結構大変で…」
あ「で、でも、ニギハヤヒさんから、
役行者さんにすでに話を通してくれているのでは！？」
シタハル「…今の世の中でもそうでしょう。
会社の社長同士で話が出来ていたとしても、
下の人間をきちんと通さないとへそを曲げるし、
後々ややこしいことになる」
あ「確かに…」
シタハル「とにもかくにも、
前鬼、後鬼です。
ここで奴らに認められないことには、
役行者への道は拓かれない」
…そんな話をしていると…？
？「グゲゲゲゲゲ…」
？「ゴゲゲゲゲゲ…」
動物のような？それとも妖怪のような、
謎の声とともに、
僕らの前に『前鬼、後鬼』が現れた。
ア、アメノシタハル。
何の用だ？」
後鬼「ゴゲゲゲゲ…。
珍しい、珍しい」
シタハル「前鬼、後鬼。
客人だ。役行者へと繋いでやってほしい」
前鬼「グゲゲゲゲ…。
お、俺たちは何も聞いていない…」
後鬼「ゴゲゲゲゲ…。
聞いていない人間を、
そう簡単に役行者様のもとへ通す訳にはいかない…」
シタハル「…ふぅ…。
やはり手間のかかる。
すみません、ここからは荒川さんが、
奴らにどう判断されるかになるのですが…」
あ「い、いえ…。
認めてもらえるように頑張ります…」
…そう言って、
ご挨拶をしようと一歩前に出た所…？
前鬼＆後鬼「な、なんでアメリカ…？」
前鬼「グゲゲゲゲ！！ふざけた奴だ！！
役行者さまに会いに行くのに、
礼儀も何もあったもんじゃねぇ！！」
後鬼「ゴゲゲゲゲ！！
認めない！！認めない！！」
あ「ちょっ！！マジかっ！！
嫁画伯が出してくれたやつを、
そのまま着ただけなんですって！！
それにこんな胸のワンポイント、普通気づくかよ！
しかもアメリカじゃなくて、ニューヨークです！」
ス「そういう問題ちゃうわ！ドアホッ！！」
前鬼＆後鬼「役行者さまの元へは通さない！！」
すいません！本当にすいません！！すいません！！」
ス「フゥー…このドアホだけはホンマに…。
おい、前鬼、後鬼。
俺のことは分かるか？」
前鬼「…グゲ？
ス、スサノオ様！？」
後鬼「も、もちろん存じあげております！！
ゴゲゲゲゲゲ！！」
ス「こいつ(荒川祐二)は、俺の連れでな。
何とか通してやってくれんか？」
前鬼「グゲゲゲゲ…。
ス、スサノオ様の頼みと言えど…！」
後鬼「ゴゲゲゲゲ…。
それとこれとは別のこと！！
失礼な人間を通す訳にはいかぬ！！」
ス「（フゥー…本当めんどくさい…）
…まぁ立派な忠誠心と言えば、そうやけども…」
シタハル「前鬼と後鬼は、
役行者の死の間際に託された、
『私亡き後は、お前たちが大峯山に来る修験者たちをお守りしろ』という約束を、
1300年以上経った今でも、
守り続けているほどですからね…」
前鬼「グゲゲゲゲ…。
そ、その人間を認める、ひ、必要がある！」
後鬼「ゴゲゲゲゲ…。
何より役行者様はここにはいない！！
今は大峯山山頂にいる！！」
ス「大峯山？
あぁ、修験道の修行の聖地か」
前鬼「グゲゲゲゲ…。
そ、その人間に根性があるのなら…！！」
後鬼「ゴゲゲゲゲ…。
大峯山の山頂で待つ！！」
あ「え！？え！？！？」
…そう言うと、
前鬼、後鬼はスッと姿を消した。
ス「お前がドアホなことをするからや」
シタハル「………」
…去年の夏の、
ニニギさんを訪ねた高千穂峰登山に続く、
再びの登山(登拝)。
今度は冬山。
荒川祐二は一体どうなるのか！？
そしてその山頂で待つ、
瀬織津姫に繋がる鍵を握る、
役行者とは！？！？
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(担当:山本時嗣)