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彼らの視線の先には…?
昨日のオオクニヌシさんとの話があった後の話。
オオクニヌシ「スセリは残っていきなよ。
せっかくのお義父さんとの時間を大切にすればいい」
その言葉を残し、
オオクニヌシさんは颯爽と去っていってしまった。
そんな中、
残ったスセリ姫の美貌に、
Teamスサノオ一同は、
メロメロのメロンメロン。
スセリ姫「はい?」
ス「ドアホどもが。
こうしてすぐに見た目でやられる。
これやから『いつまでも男はアホや』と言われんねん」
…。
……。
………。
…………。
確かに美しくはある…」
道「でしょっ!?でしょっ!?!?」
塩「この父親から産まれてきたとは思えない!!」
因幡「有り得ないでやんす!!」
ス「しばくぞ、お前ら」
あ「(笑)
でも今更で、本当に恐縮なんですけど、
スセリ姫さんは、
どういったご利益をお持ちなんですか?」
ス「そんなんスセリに直接聞けや」
スセリ「私…ですか?
主にはオオクニヌシ様と夫婦で『縁結び』を司り、
私単独としましては、
恋愛全般、
出世開運でございます」
ス「お前、スセリの古事記での物語は、
ちゃんと知ってるんやろうな?
ご利益というものは、
神話の中の物語に由来しているものがほとんどやからな」
あ「そもそもスセリ姫がご登場されたのは、
オオクニヌシさんが、
意地悪な兄神さんたちに何度も殺されかけ、
木の神オオヤビコの助けを受けながら、
必死に黄泉の国(根の堅洲国)に逃げ込んだ。
その時に最初に出会ったのがスサノオさんの娘さんである、
スセリ姫。
お互いに一目惚れをして、
すぐに結婚。
そこからある意味結婚を認めるための、
オオクニヌシさんへの、
スサノオさんからの理不尽な試練が始まった」
ス「理不尽とか言うな。
あんな軟弱な奴に、
大切な娘をやれるか」
あ「そう考えたら、この話ってあれじゃないっすか(笑)
今この現代でもある、
『娘さんをください!!』、
『いかん!!100年早い!!』みたいなやつじゃないっすか(笑)
神さまの時代から、
同じことがあったんだ(笑)
でもこの話でスセリ姫が『恋愛のご利益』に
結び付けられるのは分かるんですが、
何で『出世開運』?」
ス「その後の古事記の物語をちゃんと読み解いてみぃ。
その後俺がオオクニヌシを鍛えるために、
ヘビやハチが無数に飛びかう部屋で寝ろと指示した時、
ヘビや魔物が寄ってこない呪力を込めた布を、
オオクニヌシに授けて助けたのはこのスセリや。
それをきっかけに、
オオクニヌシは試練を乗り越え、
そこから『日本史上初の王』としての成長の階段を駆け上がっていった。
スセリは今の言葉で言うなら、
『超あげ女(じょ)』ってやつよ」
あ「なるほどーーー。
確かにスセリ姫がいなかったら、
オオクニヌシさんも試練を乗り越えられなかった。
そうやって考えたら、
オオクニヌシさんにとっても最高のパートナーであり、
『出世開運の女神』ということになるんですね」
スセリ姫「ありがとうございます」
これまでこのスサノオシリーズで、
主に登場してきたクシナダ姫やイザナミさんとは違い、
その見た目や言葉の端々から、
気の強さを感じさせるスセリ姫。
その強さは、
恐らく『この父親』から来るものなのだろう。
スセリ姫「どうぞ…」
あ「その…ある意味『出世開運の女神さま』である、
スセリ姫さんの助けを頂くには、
どうすればいいのでしょうか?
いやもちろん神さまの助けとは、
常に届けられているということは前提の上で。
何て言えばいいんでしょうか?
僕やスサノオさんみたいに、
スセリ姫さんと特別仲良くなるには?と言えばいいのでしょうか」
スセリ姫「私と人の相性というものですね。
まず男性で言うならば、
オオクニヌシさんと同じように、
私に未来の可能性を感じさせる男性でいてほしいと思っています。
これは私に限らず、女性全般に言えることだと思いますが」
あ「未来の可能性…ですか…」
スセリ姫「この人に付いていけば、
素晴らしい未来を見せてくれる。
そういった目には見えなくとも、
言葉や背中で感じるその人の可能性に、
いつの時代も、女神も人も、
女性は心を奪われるものです。
いつだって応援をする男性には、
未来をいつでも語ってくれる、
そのような男性でいてほしいと思います。
オオクニヌシさんは、
そのような方でした」
あ「大好きなんですね」
スセリ姫「超大好き」
ス「(一応父親、ここにおるねんけどな…。
ちょっとお父ちゃん寂しい…)」
あ「(笑)
逆にスセリ姫さんと相性の良い女性は?」
スセリ姫「恥ずかしい話ですが…(笑)
私もオオクニヌシ様に、
燃え上がるような恋をした経験がございます。
それは今でもですが…。
他の女神に嫉妬もしましたし、
私の気持ちを理解して下さらずに、
他の女神に愛を与えるオオクニヌシさんに、
胸が張り裂けそうなほどの思いをしたこともあります。
もしかしたら男性に対する、
女の心をまっすぐ素直にそのまま、
形にしたのが『私』という存在なのかもしれません」
あ「な、なるほど…。
男の僕には中々想像しにくい話ですが…(笑)」
ス「お前モテへんもんなぁ」
あ「やかましい」
スセリ姫「そのようなことから、
女心をそのままに生きている女性や、
またそうなりたいと思われる方、
私と同じような経験をされてきた方とは、
ある意味、
相性が合うのかもしれません。
何よりそんな風に、
感情に素直と言えばいいんでしょうか、
そんな女性がかつての自分を見ているようで、
私は大好きですしね」
あ「はーーー。
何だか初めて女神さまのこういう話を聞いたかも、
いつも男臭いのばっかりだから(笑)」
スセリ姫「何よりもたくさん、
たくさん皆さんと話がしたいですね。
だからもし私が祀られている神社に来られることがあるなら、
たくさん心の内を聞かせてほしいですし、
これからの未来のことや近況報告、
女性同士がお喋りするように、
たくさんお話ししながら、
共に歩いていけたら嬉しい」
そう言って笑った、
スセリ姫さんの美しさは、
どこまでも留まることを知らず、
男一同は変わらずメロンメロンにされるばかりだった。
こうして聞く八百万の神さまたちの話はいつだって新鮮で、
でも同時に共通している、
一つのことを感じさせてくれる。
それはやはり、
『人生の主人公は自分である』ということ。
どの神さまも必ず言う言葉としてあるのが、
『共に歩いていく』ということ。
僕ら人間と神さまは、
いつだって共にある。
依存でもなく、
極端な崇拝でもなく、
共に歩み、
その中で神さまたちが、
必要な縁を繋いでくれて、
共に成長し、
共に素晴らしい未来を築いていく。
いつまでもお互いがお互いへの、
愛と感謝の気持ちを忘れずに。
『神様と人間の距離を縮めたい』。
僕らの未来はこれからもずっと、
明るく、楽しく、元気いっぱい、
続いていく☆
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