障がい児・者の「性」を学ぶ会 《ゆいの会》 -6ページ目

障がい児・者の「性」を学ぶ会 《ゆいの会》

障がいのある人たちの豊かな生活を支援していくために、「性」について学びましょう

8月の終わりに日本列島を脅かしつづけた台風10号も去り、

今日は久しぶりの真夏日。

しかし、吹く風の涼しさからは確実に秋の気配を感じます。

以下、8月ゆいの会、杉川さんのレポートで報告します。

 

 

今回は初めての方も含めて6名の参加者で話し合いました。

 

まず前川さんより7月31日から山形で開催された性教協全国夏期セミナーの参加報告がありました。前川さんが参加したのは、特別支援学校高等部でのふれあいサイコロゲームを使ったからだと心のふれあい体験学習の実践をまとめた大分サークルが担当する模擬授業。実践者はサイコロゲームが今までの性のモラルを教える学習とはちがった手応えを感じ、このような体験型学習こそが必要なのではないかと報告しています。

 

実はここで使われていたさいころゲームは、ゆいの会メンバーのひとりが20年も前から知的養護学校寄宿舎での性教育を実践してきた中で、仲間たちと作り上げてきたゲームのひとつなのです。2013年の季刊セクシュアリティ60号にこのさいころゲームを紹介したところ、これが全国の性教育教材のひとつとなり、それぞれの学校や場に合わせたものとなって使われているということですね。本当に嬉しい限りです。

 

次に東さんより、3年目にして性教育をしていかなければならないと腹をくくった成人施設の取り組みと覚悟が感じられるレポートの報告がありました。相談を受ける人は相談者から質問や悩みを相談されるとHowToで答えがちだが、それではいけない。職員の中で話し合いをしながら試行錯誤しながらレポートを書くということ、これが大事だと強調されました。

 

最後は参加者の悩み相談や近況報告。

幼少の頃からずっと通っている児童デイでの中学生に対する性への配慮や、お兄さんやお姉さんになったという自覚の持たせ方などへの助言をもらいました。

また、成人施設では女性に興味がありべたべたしたりする利用者に、仕事をする場所ではしないということを分からせたいという質問には、される側がハッキリと嫌だと言うことを伝える、周りもかっこ悪いということを伝えるなどのアドバイスがありました。

 

今回も猛暑の中を自転車で駆けつけてくれたA青年。好きな彼女からライン招待が届いて心揺れたことを新しい職員さんに相談できたとのこと。確実に一歩一歩成長していく彼に参加者からエールが送られました。

 

次回は10月15日(土)13:30~15:30

たくさんの方の参加をお待ちしています。

暑い夏もお盆を過ぎると、心なしか過ごしやすくなってきます。
足羽河原の散歩でも、涼しげな虫の声が聞こえるようになっています。
残暑も厳しいでしょうが、元気に乗り切りましょうヒマワリ

8月ゆいの会は、
8月20日(土)13:30~15:30
さくらハウスにて行います。

今回は8月7日の京都で行われた、全障研(全国障害者問題研究会)での報告をしたいと思います。

問題行動を抱えている青年に対する、職員の性に対する考え方、とらえ方、性だけではなく生活全体を通して、彼の行動を支援し、理解しようとする職員集団。腹をくくって取り組もうとするレポートを、皆さんで協議したいと思います。

たくさんの皆さんの参加をお待ちしています。

今回は放課後ディサービスを提供している二つの事業所から、2名の方が初参加。また、寄宿舎指導員2名も初参加。初めての参加者を含め11名で、皆さんと問題提起をしながら学び合いました。まずは、先日金沢で行われた石川セミナーの講演「障害児・者の豊かな性と生のために~障害者権利条約で何が変わるのか~」伊藤修毅さん(日本福祉大学准教授・障害児・者サークル代表)の内容を杉川さんが報告しました。

とても大事ですので、少し詳しく紹介します。
①2006年に国連で障害者権利条約が採択された。
②日本は2014年1月20日に世界で140番目の批准国となった。
批准を前提として、国内法の(障害者基本法の改訂、障害者自立支援法の名称変更、就学指導システムの変更等)整備が行われた。
③2016年4月1日には障害者差別解消法が施行された。
④日本国憲法第98条第2項には「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」とある。
⑤障害者権利条約第5条には「締結国(日本)は全ての者が、法律の前に又は法律に基づいて平等であり、並びにいかなる差別もなしに法律による平等の保護及び利益を受けることを認める。」とある。

障害者権利条約23条
1 締約国は、他の者との平等を基礎として、婚姻、家族、親子関係及び個人的な関係に係るすべての事項に関し、障害者に対する差別を撤廃するための効果的かつ適当な措置をとる。この措置は次のことを確保することを目的とする。
(a)婚姻をすることのできる年齢の全ての障害者が、両当事者の自由かつ完全な合意に基づいて婚姻をし、かつ、家族を形成する権利を認められること。
(b)障害者が子の数及び出産の間隔を自由にかつ責任をもって決定する権利を認められ、また、障害者が生殖及び家族計画について年齢に適した情報及び教育を享受する権利を認められること。さらに、障害者がこれらの権利を行使することを可能と
するために必要な手段を提供されること。
(c)障害者(児童を含む)が、他の者との平等を基礎として生殖能力を保持すること。

⑥障害者権利条約で「性教育を受ける権利」が確認された。
⑦現実はどうであろうか? 男女交際を禁止する特別支援学校が実に多い。殆どの学校でなにがしかの制約、ルールがある。これは第23条に違反している。
⑧世界性科学会議の「性の権利宣言」2014年の改訂版で「人は誰も、包括的な性教育を受ける権利を有する。包括的な性教育は、年齢に対して適切で、科学的に正しく、文化的能力に相応し、人権、ジェンダーの平等セクシュアリティや快楽に対して肯定的なアプローチをその基礎に置くものでなければならない」としている。
⑨「性の権利宣言」にセクシュアリティが充分に発達するためには、触れ合うことへの欲求、親密さ、情緒的表現、喜び、優しさ、愛など、人間にとって基本的なニーズが満たされる必要があると書かれている。
⑩大切な触れ合いを禁止したりしていませんか? スキンシップが社会的に容認される年齢の内にたっぷりとスキンシップを保障!思春期以降は「ふれあいの文化」を教育的に保障していきましょう!
⑪支援者が性教育を学ぶための本の紹介
・合同出版「イラスト版発達に遅れのある子どもと学ぶ性の話~子どもとマスターする性のしくみ・いのちのたいせつさ」・「暮らしの手帖」・「生活をゆたかにする性教育」これらを参考にして、「学習」のための集団を組織したら、「実践あるのみ!」です!!
⑫性教育のネグレクトの連鎖を断ち切りましょう! 十分な性教育を受けてこなかった「おとな」が次世代に性教育を保障しないことはネグレクトの世代間連鎖。障害者権利条約の時代、この連鎖を断ち切りましょう。まずは、おとなが、タブー視から脱却し、性と生をとことん学び直し、自らのセクシャアリティを確認し、子どもたちのセクシャアリティを正面から受け止めることからはじめませんか!
という理路整然とした分かりやすい講演内容でした。

 2ヶ月毎に行っている《ゆいの会》でも、学校で性教育を受けていない、また、施設でも実践していない、そのために様々なことが問題となり、頭を悩まされている支援者の方々が参加されます。
 今回の《ゆいの会》は初参加者の方々がおられたので、「支援を必要とする人たちの性と生」と題して、東さんが性教育の基本的な考え方、とらえ方、また、どのような力を育てたいのか?大切にしたいことは?などを話し、最後に一緒に学びましょうと強く訴えました。

 毎回参加してくれるA青年は、今回も元気な顔を見せてくれました。私たちも彼の姿を見るとほっとします。彼を見ていると、継続的に性教育を続けている施設に感謝の気持ちで一杯になります。性教育への第1歩がなかなか踏み出せない職場が多い、また、継続していくのが難しい所もある中で、彼の施設は「地域社会の中で生きる」ことをモットーの一つに掲げ、「性のはなし」という学習の時間を保障しています。

 障がいを持った人たちが、障がいがあるからと言って差別されずに、一人ひとりが大事にされて、自分らしく豊かに生きていけるために、伊藤修毅さんが言われていた、性を学び「性教育のネグレクトの連鎖を断ち切りましょう!」皆さん、一緒に頑張りましょうね。

今回は長くなりましたが、おつき合いただき、有り難うございました。

次回のゆいの会は8月20日(土)です。たくさんの方の参加をお待ちしています。

6月、各地で梅雨入り宣言がされています。

気候のうっとおしさもあり、体調を崩しがちですね。

十分な休養をとって、梅雨を乗り切りましょう。


6月ゆいの会は、

日時:6月18日(土)13:30~15:30

場所:さくらハウス


5月に行われた石川セミナーの報告会を行います。

また、参加者の皆さんの今抱えている悩みを出し合いながら、考え方の方向性を皆さんで討議していきたいと思います。


皆さんの参加をお待ちしています。



今年の足羽河原の桜は、とても人出が多く賑やかでした。

ハピリン効果で、福井駅前が賑やかになったためかもしれません。

人がたくさんいて、活気が出るのは良いことですね。


4月16日のゆいの会も、8名の参加で賑やかに開催されました。

まず東さんから、2月28日の「第21回障害児・者性教育セミナーin池袋」の報告がありました。

①児童ディサービスたんぽぽでの「はじめての性教育」

②「カレッジ早稲田」青年期の取り組み

③豊島通寮の性教育の取り組みについて(成人期の実践について)

3つの実践を通して、自分史(人生巻物)を作る中で過去を振り返り、今の自分と向き合っていくこと、そして将来の人生設計を考える上でも、何より障害者の人権やセクシュアリティが尊重されなくてはならないことを確認しあいました。


「自慰は排せつではない」

自慰を自分を慰める行為としてとらえ、自慰の獲得は子どもの成長のあかし、してもいい場所の環境を整えることも大切である。トイレではなく、部屋を提供する必要があるという意見に対して、自慰に否定的な考えも根強く、現実は、なかなか厳しい壁があるが取り組むべき課題であると話し合いました。


ここ一年あまり、ゆいの会皆勤賞のA青年の成長ぶりを見るにつけ、性教育の底力を実感します。


学校や施設で性教育をし始め、継続することは大変ですが、まずは指導者が自らの性について学び、自分自身が成長をすることで、性教育を実践するエネルギーを蓄え、そして仲間と共有しあうことで地道に歩みを進めていくこと。平坦な歩みではありませんが、がんばっていきましょう。


次回のゆいの会は6月18日(土)です。

たくさんの方の参加をお待ちしています。

桜吹雪の今日、初夏を思わせる陽気でしたチューリップ黄チューリップ赤チューリップピンク

いい土曜日になりました。


次回ゆいの会は

4月16日(土)13:30~15:30

さくらハウスにて開催します。


今回は去る2月28日に開催されました、第20回障害児・者サークルセミナーの報告をしたいと思います。

放課後ディ、高校卒業の学びの場、通勤寮から内容の充実した実践が報告されました。
それを皆さんに紹介し、各現場にどのように活かされるかを話し合っていきたいと思います。


皆さんの参加をお待ちしています。

早いもので、はや3月6日です。今日は、20度近かったとか。

急に暖かくなったり、まだ天気予報には雪マークが出てたりします。

気温の変化と、花粉症にみなさんお気をつけください。


2月20日(土曜日)のゆいの会の報告です。

今回は7人の参加でした。人数が多いとにぎやかで楽しいです。

まず性教育の歴史を、熟年の皆さんの経験をもとに語り合いました。

性教育を取り入れることで、自分らしく幸せに生きる生き方を大人も子どもも皆で学びあうことができることを確認しあいました。


さて、今回もA青年と語ろう会です。

3月といえば別れの季節です。A青年が気にかかっている女性が、施設を離れるかもしれない。

そこで、人との別れについて話し合いました。

・別れは悲しいもの

・別れは出会いの始り

・別れを想定して、心の準備をする

人は別れをどう乗り越えていくのでしょうか。

いくつもの別れを乗り越えて、人は別れを学び乗り越える力を身につけていくようです。

しかし、それにはぞれぞれ生きてきた物語があります。

自分の物語をきちんと言葉にしておきましょうと、A青年から宿題をもらったようです。


次回のゆいの会は、4月16日(土)です。

性についてのんびりと、語り合っています。

たくさんの皆さんの参加をお待ちしています。

220日(土)今年度初めてのゆいの会です。


昨年度は作業所の指導員、相談支援員、サービス管理責任者、学校関係者等、様々な職場からの参加者に加え、当事者の方もいつも参加いただき、毎回皆さんで学び合うことができました。

2014年2月に発効された障害者権利条約では、障がいを理由とする差別を禁止して合理的な配慮を行うことで、障がいのない人と同等の市民としての権利と地域生活を保障することを確認しています。

特に23条では障がいのある人の家庭を持つ権利、子どもを持つ権利、性教育を受ける権利を認め、そのために支援者は必要な支援、性教育を行う責任があると述べています。障がいを持った方々と関わる私たちは、この障害者権利条約をしっかりと受け止めながら、今後の活動を推し進められるように励んでいきたいと思います。

今年度も「性は人権そのもの」、「性を人間の権利」としてとらえ、参加者の皆さんと共に悩み、その手立てを考えながら、ゆいの会が「学び合う場」になるようにしていきたいと思っています。今年度もよろしくお願いします。


たくさんの方々のご参加をお待ちしています。


東みすゑ


雪の結晶2月ゆいの会雪の結晶

日時:2月20日(土)13:30~15:30

場所:さくらハウス







あけましておめでとうございます。鏡餅

今年もゆいの会をよろしくお願いいたします。


2016年のゆいの会の活動日程をお知らせします。

 2月20日(土)13:30~15:30

 4月16日(土)13:30~15:30

 6月18日(土)13:30~15:30

 8月20日(土)13:30~15:30

10月15日(土)13:30~15:30

12月17日(土)13:30~15:30


会  場:さくらハウス (福井市網戸瀬町18-36)

参加費:会員→無料 非会員→300円(資料代)


会員の募集も行っています。

詳しくは、090-7589-3637(東みすゑ)までお問い合わせください。


今年もたくさんの皆さんの参加をお待ちしています音譜





2015年度も残すところわずかになりました。

雪が降らない、穏やかな年末は本当にありがたいですね。


12月ゆいの会の報告です。5人の参加となりました。

まず、西澤哲さんの新書「子どものトラウマ」をもとに、虐待とトラウマについて東さんより報告をしていただきました。西澤さんは、障害児が被虐待児となる比率が高いことに注目し、そのトラウマが人格形成に大きな影響を及ぼしており、被虐待児は、自分に関わってくる大人に対して、挑発的な言動や態度を示し、その人から怒りや攻撃性を引き出してしまうことが多く、大人との関係を自ら虐待的にしてしまう傾向があると指摘をしています。

なんとなく、相性が悪く苦手な子どもに出会うことがあります。これは相性の問題ではなく、子どもから引き出されてしまった怒りや攻撃性なのかもしれないと考えさせられました。

被虐待児への対応は、とても繊細で難しいものです。対応する大人は子どもの言動には細心の注意を払い、専門機関との連携をしながら関わりを持つ必要があります。


後半は、お菓子をいただきながら近況報告をしあいました。

A青年の成長を共有しあいながら、ほのぼのとした時間を過ごしました。



今年度もゆいの会に来ていただきました皆さん、ありがとうございました。

2016年の活動計画は、近日中にアップさせていただきます。

皆さん、よいお年をお迎え下さい。