こんにちはこのブログを見に来ていただきありがとうございます
CLSのお仕事シリーズのなかで、グリーフケアやターミナル期の子どもとの関わりについて、書こうかどうか迷い書かなかったのですが、今回の記事はグリーフケアにも関係する、私がチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)をしていくうえで常に心掛けていることについて書きたいと思います
●CLS=子どもたちの目線
これは以前にもブログで何度か書いているかもしれませんが、CLSは「子ども」の目線に立っている唯一?の医療ケアチームのメンバーです医師や看護師も当然子どもたちのことを考えて医療やケアを行っています。しかし、そこが病院である以上、「治療」が一番に来ます。CLSも当然治療を優先しなくてはいけないことは理解したうえで、子どもの目線で考えるようにしています。「子どもがストレスを感じていることは何か」「子どもたちがやりたいことは何か」「どうしたら子どもたちが向き合えるのか」といったように、病気・治療・入院といったものの中で子ども達のことを彼らの目線から考えていますそして、それを子どもたちのサポートにももちろん生かしつつ、子ども達の「代弁者」としてチームに伝える役割もしています
この「子どもの目線」というものが、意外と難しく、少し油断をすると「スタッフ目線」「家族目線」になってしまうこともあります。例えば、プリパレーションを行うときに、「こうするとスムーズにいくかな?」「こうしたら看護師は助かるかな?」と考えることもあります。これは決して悪いことではないですし、子ども達のサポートとして十分成り立ったうえで追加で行えるといいと思いますですが、CLSとしては「どうやったら少しでもストレスなく向き合えるかな?」と考えるべきところなのかなと思いますなので、何か子どもたちのサポートをするときは、ちゃんと子ども目線に立ち、子ども達のためのサポートになっているかを考えています。ちなみに、時々スタッフや保護者の方のための企画も例外として考えたりもします
●誰のために?
先程のお話と似ているのですが、「誰のために」サポートをしているのかも見失ってしまうことが多いですCLSは子どもたちのために出来ることは何かを日々考えて過ごしているのですが、「何が出来るのか」ということに一生懸命になってしまって、「誰のために」というところが無意識のうちに変わってしまっていることがありますこれは、特に子どもが辛い状況にいる時が多いように感じています。例えば、ターミナル期(終末期)の子どものサポートをするときに、「その子は何がしたいかな?」からというところから始まり、「その子のために何が出来るかな?」「その子のために何かしてあげたい」と主語が「子どもが」から「私が」に変わっていってしまいます。
私は大学院で先生から「for whom?」という話を聞いてそのことに気づきました私は看護師時代は仕事命といった感じで、毎日患者さんのことを考えていたりしたのですが、その中で、「どうしたらよかったのかわからない」と思うこともあったし、「何もできなかった」と感じることもありました先輩看護師から、「何もできないんじゃなくて、今は待つときなんだよ」と教えてもらったこともあります。なので、当時の私は自分の「何かしてあげたい」という気持ちに対して「今は待つとき」という風に考えて対処していましたその話をCLSの先生にしたときに、「あなた何かをしてあげたいから何かをするのか、その子が必要だから何かをするのか、どっち?」と聞かれました。その時に、子どものためにと思っていたことが、いつのまにか私自身のためにしていることになっていることに気付きましたそれ以降、何かをするときは「誰のために」するのかを考えてからケアをするようにしています
この、主語のすり替わりは、一生懸命に考えているからこそ起こるのかなと思っています。実際、ターミナル期の子がいるときには、看護師や医師から「何か出来ることはないですか?」とよく聞かれます。そういう状況だからこそ、「何か(特別なこと)をしてあげたい」と思うのは普通のことだと思います。でも、実際にその子が望んでいるのは、平穏な日常を過ごすことや「何もしない」ことだったりしますなので、スタッフと一緒に「その子はどうしたいのか」を一緒に考えるようにしていますこういったターミナル期の場合、難しいなぁと思うことが、「家族」がしたいことと「子ども」がしたいことが違う場合があることです。家族は当然その子のために「何かしたい!」と思っていますし、家族がその子とやりたいこともたくさんあったりしますその子が亡くなった後にも生きていかなくてはいけない家族にとっての良い時間を過ごすことも必要だと思います。そういう場合は、CLSとしてどうしたらいいのか難しいなと思っています。
色々と私の思いを書いてしまったのですが、CLSとしての考え方は医師や看護師とは違うけれど、子どものサポートをする職種には知っていてほしい考え方だと思っています
最後まで読んでいただきありがとうございましたご意見やご質問がある方は気軽にコメントをお願いします!
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