こんにちは。
今日はナースな記事。
こころの病気。
気分障害の一つである、
うつ病
がありますね。
一日中気分が落ち込んでいる
何をしても楽しめない
といった精神症状とともに、
眠れない
食欲がない
疲れやすい
などの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスなどを背景に、脳がうまく働かなくなっている状態です。
(厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイトより抜粋)
厚生労働省の患者調査。
15年前(平成14年→平成29年)に比べ、気分障害(躁うつを含む)が約1.8 倍と増加割合が顕著ということが分かっています。
ただ、平成29年は新型コロナウイルス流行前。
令和に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本国内でのうつ病・うつ状態の人の割合が2倍以上に増加した。
そう経済協力開発機構(OECD)のメンタルヘルス(心の健康)に関する国際調査でもわかっています。
そして全国での自殺者数は令和2年、3年と続けて2万人以上です。
診断を受けていなくても、抑うつ状態になることは誰しも経験があるのではないでしょうか。
抑うつ状態とは…
・気分が落ち込んで何にもする気になれない
・憂鬱な気分
等の不快感な心の症状が強くなり、うつ病のいくつかの症状が持続している状態
うつ病で自殺が最も起こりやすい時期
うつ病について詳しくはググっていただいた方がすぐ分かるとして。
皆さん、ご存知でしたか?
うつ病で最も自殺の起こりやすい時期が回復期だということを。
最も起こりやすい時期は、一番落ちている時期ではないのです。
看護大時代の私にとって驚きの事実でした。
知らない人がいたらと思い、記事にしました。
基本的にうつ病では、
“希死念慮”
つまり、死にたくなることがあります。
どの期でも自殺の危険性はあるのですが…回復期が最も起こりやすいと言われています。
以前実際に私の近しい人が、このうつ病から少し動けるようになった元気になってきたと聞いた時期に亡くなっています。
回復期に起こりやすいと知っていて、何かできなかったかと当時は悔やむ日々でした。
一番動けなくなるうつ状態の極期は、行動さえも抑制されています。
「死にたい」
ともらしても、実行に移す気力さえ失われています。
その時期は動く気力も体力もない、ということなんです。
しかし回復期は、気分はなお抑うつではあるけれども身体的な回復の方が早く見られるのです。
体は動くが、気分は抑うつ
↓
実行に移しやすい
そのため多いのだと言われています。
同時に回復期って本人が動けるようになってきて、周りもそろそろ大丈夫かと目を離してしまいやすい時期でもあるんですよね。
はた目には治ったように見えるため、不適切な声かけをしてしまいがちなので注意なんです。
例えば、
・「治って良かったね」
・「そろそろ~したら?」
・「昨日は出かけたのに、何で今日は寝てるの?(やっぱり怠け?)」
本人の回復を喜び、つい次への期待を口にしてしまう。
周りに悪気がなくても、本人にとっては治った実感はなく辛さは変わっていないのです。
気分体調には波があります。
晴れの日もあれば曇りの日もある。
雨の日もあれば嵐の日もある。
うつからの回復は、直線的ではないのです。
だから、うつ病で本人の体が動き始めた時。
回復期とはいえ、周囲は油断しないことです。
頭の片隅に、この時期が一番自殺が起こりやすいということを置いといていただけたらと思います。
うつ病だけに関わらず、“希死念慮”(死にたくなる)の背景には、
強い不信感や孤独感
虚無感や挫折感
無価値観や絶望感
を味わうことがあります。
このような救われようのない気持ちや、怒り・憎しみの感情、破壊的な感情を外に向けず、すべて自分に向けるとき、その行為に傾いていきます。
つまり、本人にとっては、
“死んだ方がまし”
と思えるほど苦しいことを理解してほしいという意思表示でもあるのです。
ここ、あえて赤で大太文字にしました。
周囲にとったら、
「“死んだ方がまし”だなんて!そんなことない!」
って思う・言う人もいるのではないでしょうか?
でもね。
本人にとっては耐えがたい苦しみや、不安感・危機感がつのった結果なんです。
特に注目してほしいのは、
“死んだ方がまし”
という言葉自体ではなく、
そう思えるほど苦しいんだ!ってことを分かってほしいことなのです。
私自身、うつ病までにはなっていなくとも…子育ての暗黒期。
何度良からぬことを考えたか…。
子育てをしていて、全て子どもに起こることが自分のせいで、誰も助けてくれないと思い込んでいました。
社会から取り残された気持ち、疎外感。
努力しているのにうまくいかない。
1人2人までならまだなんとかなった。
歳の近い3人を一人で何とか育てるとなると…
寝る時間もない。
自分のご飯を食べる暇もない。
麺がのびのびになったカップラーメンを横目に何度過ごしただろう。
冷めたご飯、味噌汁。
味わえずにかきこむ。
コーヒーさえも温かいのが飲めず、レンジでチンしたり、もう飲めないことが分かりきってるから諦めたり。
トイレもゆっくり行けない。
疲れが取れない。
常に気を張っている状態。
私は小児科の看護師でもあったのに、目の前の子どもも満足させられないのかと絶望の淵に何度も立たされたことが今でも思い出されます。
私が育てない方がこの子達はすくすく育つんじゃないか。
本気でそう思いました。
仕事とは全然違うのに
『できない自分』
に劣等感を大いに感じていました。
今思うと、そこまで思う必要ないし十分に頑張っていたと思えるんです。
でも当時は渦中で、客観的になんてなれなかったのよね。
あの時、私を助けてくれた存在は2つ。
近くで同じように大変な思いをしていたママ友に話を聞いてもらったこと。
本気でこのままじゃヤバイと思って、子どものこころのコーチング講座を受講しに行ったことでした。
不登校の子にも、うつ病からの回復の仕方と似ているなって思った部分があります。
波の上下があることです。
うつ病ではなくとも、不登校でも元気になってきた長男に
「これしたら?」
「あれしたら?」
そう言ってしまったり、言おうとして飲み込んだことを思い出しました…。
あぁ不適切な声かけ(^^;
不登校は病気ではないにしろ、お子さんは抑うつ状態には当てはまるのではないでしょうか。
何もする気になれない…。
お風呂に入らない、人と話したくない・外に出たくない(引きこもり)、食欲がない。
きっと不登校の子がいるご家庭は経験済みだと思います。
→ただ、逆に言うとね。
・家族と同じタイミングでなくても何かしら食べている様子が見られる
(食べたものの空ゴミを見つける、インスタント容器等)
・昼夜逆転になっていても、一日のどこかで眠れている
・自分の部屋でゲームで楽しんでいる様子が見られる
そういうのが見られている場合は、大きくうつ病の心配まではしなくてもいいのではないかと思います。
抑うつ状態ではあるかもしれないけどね。
(自己判断は危険ですので、日常生活に大きな支障をもたらしている場合は専門家の判断が必要です)
不登校の子が、全てうつ病になるということを言いたいのではありません。
子育て(産後うつ)と自殺、不登校と自殺も切っても切れない関係にあると思います。
実際に産後の自殺や不登校からの自殺もあるからね。
では、周りはどうしたらいいのかって思いますよね。
一つ。
先にもお話しましたが、うつ病の場合は回復期が最も自殺が起こりやすい時期で、その回復は直線的ではないことを理解しておくことが大事になってきます。
でも…ただ気をつけておく理解するだけじゃ心配。
普段から、何かできることはないの?
どうしたらいいの?
そう感じる人もいらっしゃいますよね。
うつ病を含む、悩んでいる人に対し家でできることは、
話を聞くこと
です。
命の安全が大前提はよく分かっていると思います。
物理的な安全ね。
精神的な安全・安心も大事ですよね。
安心して相談できること(言葉にできること)
安心する環境をつくること
つまり、
安心感
信頼関係
なんですね。
話は少し変わりますが、うつ病や自殺企図のある患者の看護で大切なこととして、精神看護の教科書を見返しておりましたら、こう書いてありました。
・死にたい気持ちを言葉で表現することを支え、苦しさを伝える相手として看護師の存在を示す。
・死にたくなるほどのつらさを一貫して認め、看護師が関心を向けつづけていることを患者に印象づける。
・ほのめかしの言動に対して、過剰に反応しない。また軽く受け流すような態度を示さない。そのつど表現される患者の表現を看護師が受けとめ、見守っていることを伝える。 他
教科書なので固い表現もあるかもしれませんね。
ただこれを読んで、私たち協会が講座で伝えている、子どものこころのコーチング講座での、
「きく」
の全てだと感じました。
これは看護師でなくともできます。
一番近くにいる家族がこの役割になってくれるってどれだけ心強いことか。
相手に対して肯定も否定もせず、
「聞く」
これは
「聞き出す」
ではありません。
「聞き出す」
はこちらの不安を解消する目的でやっていますよね。
相手が話したいことを話しだした時に
「聞く」
なんです。
信頼できていない人にいきなり最初から大事な話をしにいきませんよね。
この人は自分の話を受け止めてくれる人かどうか確認しませんか?
最初から否定されたり説得されたりする人には話したいとは思いません。
普段の雑談(好きなことの話)から
「聞く」
必要があります。
特に、子どもに
「死にたい」
って言われた時って、親としては肯定しづらいですよね。
でもね、
「死にたい」
ってなかなか人前で口に出しづらい言葉でもあります。
だからそれを言っても大丈夫な相手だと思っていたりすることがあります。
もしくは本人は無意識かもしれないけど、もう切羽詰まっていて助けてほしい、気にかけてほしい表われだったりします。
それを聞かせてくれるってことは、近しい人の中で一番信頼してる相手でもあると私は思えます。
肯定も否定もせず
「聞く」
ということは大事なんです。
ただね、そのそばにいる家族もずっと一人で悩んでいる相手を支えていくのは難しい。
家族の心だってずっと希死念慮の言葉を聞かされていればつらくなります。
周りからの家族のサポート、家族の話を聞いてもらうことも必要なんですね。
また同時に、家族は自分で自分のこころの声を
「聴く」
ことも大切です。
自分がどんな風に感じ、どう思っているのか。
客観的に見ることも家族自身を生きやすくしてくれます。
そして、人の心の栄養である関心。
あなたのこと見てるよ。
関心を持ってるよ。
それを伝える
「承認」
も講座でお伝えしています。
普段からできることは、聞くこと。
どう声をかけたかじゃない。
出てくる言葉の奥にある、相手の気持ちや欲求を
「聞く」
のです。
最初は難しいけどね。
実践すればするほど、身についていきますよ。
今日はちょっと内容が重たかったけど、看護と繋がったことで、嬉しく感じる自分がいます。
(いや、もっと学生時代本腰入れて勉強しろよと思うけど!笑)
薮内(やぶうち)ゆかり
●子育てワイワイサロン
次回6/21(火)11:30~ inハスネテラス
金沢近郊のママたち、ランチしておしゃべりしましょう
●聞き方レッスン タイプ別レッスン
聞き方:5/30、6/7、6/22、6/28
タイプ別:5/30、6/7、6/23〈残3〉、6/28
6/2・16・30(全て木曜)
10:00~13:00
in講師自宅
●子どものこころのコーチング講座@オンライン
①5/12・19・26(全て木曜) 締切りました
②6/1・15・29(全て水曜)【残3】 5/25締切
どちらも10:00~12:30
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