
AGAは「脳」から止める?精神神経免疫学が解き明かす薄毛の深層
AGAは「脳」から止める?精神神経免疫学が解き明かす薄毛の深層
タイトル:AGA治療の盲点「脳-皮膚軸」とは?ストレスが髪を奪うサイレント・メカニズム
ストレスは髪の「成長期」を強制終了させる
AGAの主因はジヒドロテストステロン(DHT)ですが、その進行をブーストさせるのがストレスです。ストレスを感じると、脳の視床下部から指令が出て、HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)が活性化。過剰に分泌されたコルチゾールは、毛包の成長期を短縮させ、髪を「休止期」へと追い込んでしまいます。
鍼灸が「脳のブレーキ」になる
ここで注目されているのが頭皮鍼です。鍼刺激は、乱れた自律神経や内分泌系を整え、ストレスによる免疫系の暴走(炎症)を抑制します。単に髪を生やすのではなく、「髪が抜けやすい脳の状態」を「生えやすい状態」へと書き換える。これこそが、精神神経免疫学から見た鍼灸治療の真髄です。
AGA(男性型脱毛症)の治療といえば、フィナステリドなどのホルモンケアが一般的です。しかし、なぜ同じ遺伝的背景を持つのに、進行速度に個人差が出るのでしょうか?その答えの一つが、最新医学「精神神経免疫学(PNI)」が提唱する「脳-皮膚軸(Brain-Skin Axis)」にあります。
1. ストレスは「神経原生炎症」を引き起こす
私たちはストレスを感じると、脳の視床下部から指令が出て「HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)」が活性化します。これにより分泌されるコルチゾールは、毛包周囲に「神経原生炎症(Neurogenic Inflammation)」を引き起こします。 これは、毛包周囲の神経末端から炎症物質が放出され、髪の成長を強制終了させてしまう現象です。いわば、脳のパニックが頭皮の火災を引き起こしている状態です。
2. コルチゾールがヘアサイクルを「休止期」へ追い込む
過剰なストレスホルモンは、毛母細胞の増殖を抑制し、本来数年続くはずの「成長期」を短縮させます。結果として、髪が十分に育つ前に抜けてしまう「休止期脱毛」の要素がAGAに加わり、進行を劇的に加速させてしまうのです。
3. 鍼灸による「脳のデトックス」
頭皮鍼は、この暴走したHPA軸を鎮静化させるスイッチとなります。
-
自律神経の再調整: 交感神経の過緊張を解き、頭皮の血管を「戦いモード(収縮)」から「回復モード(拡張)」へと切り替えます。
-
免疫系の正常化: 脳を介して全身の炎症プロファイルを整え、毛包を攻撃する微細な炎症を鎮めます。
結論: AGA治療の成功には、外側からのケア(育毛剤)やホルモン操作だけでなく、脳内の「ストレス回路」をリセットする内側からのアプローチが不可欠なのです。
うつ病の「ぐるぐる思考」は脳のネットワーク異常?DMNとの関係
うつ病の「ぐるぐる思考」は脳のネットワーク異常?DMNとの関係 ☆頭をさわれば病気にならないトミタ院長のブログ☆
うつ病にお悩みの方からよく聞かれるのが、「過去の失敗やネガティブな考えが頭の中をぐるぐると巡って止まらない」という症状です。この「ぐるぐる思考(反芻思考)」には、脳の「デフォルトモードネットワーク(DMN)」と呼ばれるシステムが深く関わっています。
DMNとは、私たちが特定の作業をしていない「ぼんやりしている時(安静時)」に活発になる脳のネットワークです。健康な状態では、自分自身を振り返ったり、過去の記憶を整理したり、他者の気持ちを推し量るなど、心のアイドリング状態を維持する重要な役割を担っています。
しかし、うつ病や強いストレス状態に陥ると、このDMN内の神経同士の結びつき(機能的結合)が過剰に強くなり、活動が暴走した状態になってしまいます。その結果、脳が常に「過去の後悔」や「ネガティブな自己評価」に過剰に焦点を当ててしまい、意識を別のことに切り替えることができなくなり、辛い「ぐるぐる思考」から抜け出せなくなってしまうのです。
最新のfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた研究では、百会(GV20)や印堂(EX-HN3)といった頭部のツボに鍼刺激を行うと、この暴走したDMNの活動が沈静化し、異常なネットワークの繋がりが正常化することが確認されています。つまり、鍼灸治療は脳のネットワークの「バグ」を物理的にリセットし、ぐるぐる思考のループを断ち切る効果が期待できるのです。
「ぐるぐる思考」「疲労感」や「やる気が出ない」「不眠」など、症状に合わせて治療点(ツボ)を変える重要性
うつ病と一口に言っても、前述のぐるぐる思考以外に「極端な疲労感」「やる気が出ない(意欲低下)」「不安感」「不眠」など、人によって強く現れる症状は異なります。そのため、患者様一人ひとりの「現在の症状」に合わせて、治療点(ツボ)を的確に検討・選択することが極めて重要です。
最新の神経科学では、症状ごとに原因となっている「脳内ネットワークの機能不全」や「神経伝達物質の乱れ」の場所が異なることが分かっています。
. ぐるぐる思考(反芻思考)が強い場合 前述の通り、DMNの過活動が原因であるため、DMNのハブに直接介入できる頭部のツボであるYNSAの脳幹点や12脳神経点を中心とした頭皮鍼アプローチYNSAが最も適しています。もちろん印堂‐百会などの経穴も有効です。
・円形脱毛症や脱毛症、AGA、アトピーの方でうつ傾向のある方、同じこと考え続けてしまう方はDMNの活動のエラーが起きている可能性があります。特に円形脱毛症や脱毛の方はアトピーなど炎症性疾患を併発することが多く、炎症に対する治療を考えた上でいくもの治療を組み立てていくというのがとても重要になります。合わせてメンタル的な治療を頭皮鍼において行うとさらに治療効果を高めることができます。
トミタのフサフサ鍼灸セミナー基本編では臨床上遭遇することの多い、うつ病に伴う集中力の低下や考えがまとまらないといった認知機能障害を回復させる、メンタル疾患の患者さんに対する治療法も合わせてお伝えする予定です。
まとめ
うつ病は「単一の病気」ではなく、DMN(ぐるぐる思考)、報酬系ネットワーク(意欲低下)、情動系ネットワーク(不安・不眠)など、脳の複数のシステムのエラーが複雑に絡み合った状態です。すべての患者様に同じ決まったツボを使うのではなく、「今、どの脳内ネットワークでエラーが起きているのか(=どの症状が一番辛いのか)」を的確に見極め、それに対応する最適なツボを選択するマルチターゲットな治療を行うことが、鍼灸治療の改善効果を最大化するための鍵となります。
康祐堂鍼灸院 院長 冨田 祥史
「うつ・パニック障害・不眠症に対する統合医療的アプローチ」セミナー終了しました
康祐堂鍼灸院の冨田祥史です。
先日開催いたしました「うつ・パニック障害・不眠症に対する統合医療的アプローチ」セミナー。北は北海道、南は沖縄まで、全国から志の高い先生方にお集まりいただき、満席の中、熱気あふれる時間となりました。
今回は現役の医師4名にもご参加いただき、質疑応答では現代精神医学のパラダイムシフトに触れる、非常に鋭く、かつ本質的な議論が交わされました。
「セロトニン仮説」の終焉と、うつの本当の正体
多くの患者様、そして専門家さえもが「うつ病=セロトニン不足」と信じてきました。しかし、2022年に発表されたモンクリフ博士のレビューにより、その「化学物質不均衡説」は科学的に否定されました。
では、うつやパニック障害の「本当の理由」とは何でしょうか?
統合医療の観点から最新の理論と我々臨床家が取るべきアプローチや治療点、経穴の使い方について詳しく説明させていただきました。
8割が「最高評価」— 臨床現場が求めているもの
セミナー後のアンケートでは、8割を近い先生方から「最高評価」をいただきました。
「長年の疑問が氷解した」「明日からの臨床で、自信を持って患者様に説明できる」といったお声をいただき、改めてこの統合医療的アプローチの重要性を痛感しております。
また、特に多かったのが「実技セミナーをぜひ開催してほしい」という熱いリクエストもいただきました。
北は北海道から南は沖縄まで、これほど多くの熱心な先生方、そして4名の現役医師と「これからの心のケア」について語り合えたことは、私にとってとても嬉しい時間となりました。
「化学物質を足す(代償)」医療から、「脳のネットワークを治す(修復)」医療へ。
康祐堂鍼灸院は、これからも最先端の脳科学と東洋医学の叡智を融合させ、悩める方々の「脳の健康」を全力でサポートしてまいります。
ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました。また皆様と笑顔で再会し、お会いできる日を心より楽しみにしております!
今回のセミナー内容について、さらに深掘りしたい先生や、最新の情報をいち早く受け取りたい方は、ぜひ公式LINEにご注目ください。共に、日本の統合医療を盛り上げていきましょう!次回はセミナーでご質問いただいた大変審査に挑んだうつの、セロトニンのお話について解説させていただければと思います!
【号外】フサフサ鍼灸入門編セミナーを低価格で開催いたします!
本年の4月17日には育毛の基礎知識を学ぶフサフサ鍼灸入門編オンラインセミナーを、
5月17日には、今回の鬱やパニック障害に対する統合医療的アプローチセミナーの内容を一部盛り込んだフサフサ鍼灸セミナー基本編(AGA、メンタル編)
9月6日には円形脱毛症やアトピー、白髪染め、眉毛脱毛症などフサフサ鍼灸セミナー応用編セミナーを行います!
ご興味のある方は急ぎご参加ください。


