「得手に帆を上げて」  -15ページ目

NBAファイナル

今年もファイナルの季節がやって来ました。

レイカーズ対マジックです。


まあ順当に考えれば圧倒的にレイカーズ有利だと思います。

今年レイカーズが勝てば、コービーはどう評価されるのでしょうか?

ジョーダンと肩を並べるところまで上がってくるのでしょうか?

確かに優勝回数からすれば、ジョーダンの6回に比して、

コービーは今年勝っても4回目。まだまだです。


しかし今回優勝すればその内容は大きく異なります。

どういう意味か?これは去年も書きましたが、ジョーダンの時代には

ピッペンやパクソン、グラント、そしてロッドマンなどのオールスター級の

選手たちが居たのも事実。一方でレイカーズはコービーのワンマンチーム。

オドムはまだまだ、ガソルに居たってはまだジョーク。

レイカーズが勝てばMBAで初の、恐らくスポーツの歴史上としても初の

ワンマンチームの優勝です。これは歴史的なこと。


一方で、マジックも個人的に応援してます。

なぜか?僕の母校のスーパースターが居るからです。

JJ Redick。カレッジ史上最高のシューターと言われた彼の

圧倒的なパフォーマンスは今も脳裏に焼きついてます。

彼がDuke時代、ACCのポイント記録を破ったとき、僕はその場に居ました。

最高の思い出の1つです。


でもプロになってから今1つパッとしません。

色々チーム事情などあると思うのですが。

僕はJJがファイナルで大活躍する事を痛切に祈ってます。

彼が活躍するんだったら、コービーの優勝が無くても良いかも、と思ってます。


いずれにせよ、今から楽しみです。



すずかんとの議論

今週末は民主党大学の合宿でした。

民主党大学の詳細に関しては下記リンクで。

http://www.tokyo.dpj.or.jp/seinen/

民主党議員の講義を聞いたり、分科会にて与えられたテーマに関して議論しました。


で、今回のエントリーのテーマは同大学の学長でもある鈴木寛参議院議員との議論。

鈴木寛さんと言えば、通産省の官僚から慶応大学助教授を経て政治の世界に入った方。

詳しくはこちらのリンクで。

http://www.suzukan.net/


元官僚だけあって、理路整然とした講義には常に刺激があるのですが、

その鈴木寛さんが講義のほかにも合宿の懇親会に参加してもらい、

色々とお話をさせて頂きました。


もう2~3時間も1on1に近い形で話をしたので、一杯書く事はあるのですが、

今回話を伺うと言うよりも、鈴木寛さんにむしろチャレンジするという感じで議論しました。


で、僕が一番食いついたのは『政権交代後の民主党の姿が見えない』でした。

民主党は官僚政治の打破を謳ってますが、良くも悪くも日本の中枢に座している

官僚たちはなかなか代えが効かない存在。つまり官僚政治を打破しても、

戦後政治は政策をほぼ丸投げしてきた事実があるので、一言で政治主導といっても

なかなか国体としての安定感は期待出来そうにありません。

アメリカの場合、各党寄りのシンクタンク・学者などがあり彼らが政策立案を

支えていますが、日本の場合こういう民間の力は未だなく、官僚に頼りっきりです。


この問に関する彼の答えは開示は控えます。

ただ僕は彼の『真摯に議論する』という姿勢に非常に好感を持ちました。

彼は国会議員。しかも若くして民主党の政策は彼抜きでは出てこないと

言われるほどの民主党の頭脳です。


そんな地位にいる人が、僕みたいな一般人と真摯に議論する。

これは想像以上に難しいはず。彼だって色々な政治活動で大変な苦労を

してきたでしょうか。官僚~政治家と国家の意思決定の中枢で20年以上

磨いてきた彼から見れば、僕の背伸び丸出しの議論は青二才に

感じられて部分も多かったでしょう。

でも、彼はちゃんと真摯に議論してくれた。

こうした政治家が1人でも多く生まれて欲しいと思います。






マルディーニの引退

ACミランのマルディーニがサンシーロの最後のゲームを終えたようです。


http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20090525-00000009-spnavi-socc.html


と言っても最後ではなく、もう1試合アウェーであるようですが、長年慣れ親しんだ

ホームへの別れはやはり格別だったと思います。


僕は小学生の頃、サッカーをやっていて当時のアイドルは当然のように

マラドーナだったんですが、若かりし頃のマルディーニは今も覚えています。

マルディーニの尊敬できるところはACミラン一筋を貫いたこと。

これはバレージとかもそうですが、これだけ移り変わりの激しいスポーツで、

1つのクラブに20年以上居続けると言うことの凄さ。


オランダトリオと共に戦い、ジョージウェアやサビチェビッチなど多くの

スター選手が次々と出入りする中で背番号3番は常にミランのユニフォームを

来てピッチに立ち続けていた。本当に凄いと思います。


25年間お疲れ様でした。


『人づて』か『公募』

今日ちらっとクライアントの社長と立ち話したので。

今のクライアントは5人程度のシード段階です。

で、通常この段階のベンチャーの人材採用は『人づて』が王道です。

でも、今のクライアントは1人を除いて、基本的には公募で採ってます。

ここが興味ある。


何故シード~アーリーで採用の王道が『人づて』かと言うと、

結論から言うと『人でミスる余裕が無いから』に尽きます。

僕が読んでいる某ブログでは、次のように『悪い部下』を定義してます。


1.指示に従わない
2.社内の風紀を乱す。上司や会社の悪口を言う。よく不満を漏らす。
3.長く続かない
4.報告をしない
5.動かない、やる気がない
6.自分に甘い
7.言い訳が多い
8.権限をわきまえない
9.いない
10.考える力がない
11.コスト意識がない
12.報告をし過ぎる。
13.休みがち

大企業であれば、かなりの項目に当てはまる人が多いと思いますが、

ベンチャーだと体力が無いので、こういう人を採ると疲弊してしまうわけです。

『公募』の場合、面接でこうした点を全て見抜くのは非常に難しいです。

『人づて』経由の人材採用の最大のメリットはこうした点を知人のレファランスによって

軽減できる、という点に尽きると思います。


今のクライアントはなかなかSPEC面でも、人格面でも所謂『悪い部下』に

該当する人が少ないと思うのですが、通説の逆を行っているので、これは結構面白いです。


で、クライアントの採用基準は『同じような技術的な興味分野を持っているか?』や

『こういう技術課題にどういう風に立ち向かうのか?』という技術面での行動パターンを

見ているとのこと。人格は多様だが、技術的な思考とか行動パターンはかなり

これらの観点から分かるという仮設を持っているようです。

今のクライアントはかなりニッチな分野というか、超イノベーター層のことをやっているので、

恐らくこうした事が可能なのかと思います。


まあ今後の課題は会社の規模が大きくなるに連れて、カバーする技術側面が

広がり、結果として上記のような採用パターンが通じなくなる事、更に事務系の

人員採用の際に新たな基準設定が必要な事、の2点でしょうか。

ビジネス面しかりですが、この会社は結構色々な意味で面白いです。

指揮官たちの特攻 by 城山三郎

言うまでも無く、特攻隊の本です。

未だ少年の面影を残した若者たちが桜のごとく散っていく悲劇です。


この本の中で僕が強烈にショックを受けた行があります。

ある指揮官が生まれたばかりの我が子を抱いて散歩に出かけ、

折悪しく子供が急性肺炎に掛かってしまいました。


で、以下の行。


『かかりつけの医師から「去るぞーるという新しい特効薬ができ、

 特攻隊にあるはず。一本だけでも分けて持ってきてくださらんか」

 と頼まれたが、指揮官は「あれば陛下の将兵のための物。

 一本たりとも渡すわけには」と、かぶりを振った。強い口調に

 医師はそれ以上繰り返す事をあきらめ、「それでは、お父さんの健康な

 血を50ccだけ輸血していただきたい」。指揮官はしばらく目を閉じて

 考え込んでいたが、「私の体は全て陛下に捧げたもの。

 地を抜く事で次の人働きに差支えが出来ては申し訳ありません』


その子供はその後、直ぐに亡くなってしまいます。


こんな馬鹿なことがあって良いんでしょうか?

僕は「国家に対する貢献」の気概は常に持つべきだと思いますが、

人間の命、ましてや自分の子供の命より重いとはどうしても思えない。

返す返すも悲しい時代だったな、と思います。

国民の生命・財産を守るべき国家が、その為の犠牲の大義名分になるとは。


そんな暗い時代に最後まで生き残ったのが、母親たちの愛です。

戦場に散った特攻隊員の母親たちの一途なまでの我が子への想いは、

筆舌しがたく悲しいけれど、それは何か、狂った時代に残った最後の

人間の尊厳に思いました。


何かやるせない気持ちになった一冊でした。

マキャベリ語録 by 塩野七生

君主のあるべき姿勢を『ライオン』と『キツネ』で例えた『君主論』で有名な

イタリアのマキャベリの語録です。僕が君主論を読んだのは大学のときなので、

実に十年ぶりにマキャベリの世界を再訪してみました。


う~ん。やっぱり徹底した現実主義ですな。


『善人として評判を得ていた人物が、目的達成のために悪を為さざるを得なかったときは、

 普通ならば少しずつ人の注意を引かないようにしながら変えていくほうが良い。

 だがもし好機が訪れれば、一朝にして変わるほうが有効だ』


『権力を持つ人々の間でも、最近に与えた恩恵によって以前の怨念が消えるなどと

 思う人がいたならば、その人は取り返しのつかない誤りを犯す事になる』


『君主にとっては、愛されるのと恐れられるのと、どちらがの望ましいだろうか?

 (後者が望ましいと言って)人間というものは恩義の絆で結ばれている愛情などは

 利害が絡むと平然と断ち切ってしまう。一方、恐怖でつながれている場合は、

 復習が恐ろしく容易には断ち切れないものだ』


『結果さえ良ければ、手段は常に正当化される』


『人は心中に巣くう嫉妬心によって、誉めるよりもけなす方を好むものである』


などなど、かなりのハードコアなセリフのオンパレード。

マキャベリは好き嫌いは分かれる思想家ですが、その言い分を完璧に

否定するのは難しい思想家です。それだけ深い洞察だと思います。


で、僕が今回印象に残った一文を引きます。


『時代性について。ある君主が今日は隆盛を誇っているのに、明日は失脚する

 という例である。その理由は運命に全面的に依存していたからだと。

 なにしろ運命というものは変わりやすい。それゆえ、この変わりやすい運命の

 波に飲み込まれない道はただ1つしかない。時の流れと時代の流れを合致させる事である。

 これに成功した者だけが生き残る事ができる。反対にその人個人の力量が

 以下に優れていようとも、そのやり方が時勢とかみ合わなくなった者は失脚するしかない。


 慎重にやる者もいれば、大胆果敢にやる者もいる。しかも同じように慎重なやり方をしたのに

 一人は成功し、他の一人は不成功に終わる場合がある。また一人は慎重主義で、

 他の一人は下段にやるのが好きという具合で、気質ならば全く逆なのに、両者とも

 成功する場合がある。この理由は彼らのやり方が時勢と合致していたからだ。

 とは言うものの、時代の変化に対応して自らの生き方を変えていけるほどの賢明な

 人間はそれほど多くない。なぜなら人間は持って生まれた性向からなかなか離れ

 られないものだからだ。


 運命は変化するものである。それゆえ人間は自分流のやり方を続けても時勢に合っている間は

 うまくいくが、時代の流れに沿わなくなれば失敗するしかない。』


これはビジネスでもそのまま当てはまるような気がします。特にベンチャーの成否は

当然スキルも重要ですが、時流に乗っている、つまり伸びている市場でシェアを取れるか?

という点が非常に大きいと思います。この市場の成長性は個人には決してコントロール出来ないので

やはり時流に乗る(時流を正確に見極める)ということとマキャベリの言っている事は

合致しているように思えます。その上で、マキャベリは次のような事を言ってます。


 『私ははっきり言う。慎重であるよりは果敢である方が良いと、断言する。

 なぜなら運命の神は女神なのだから、彼女に対して主導権を得ようと思うなら、

 乱暴に扱う事が必要なのだ。運命は冷たいほど冷静に対してくる者よりも

 征服したいという欲望を露わにしてくる者の方になびくようである。

 要するに運命は女に似て若者の友である。若者は、思慮に富んでいないがゆえに

 後先を考えずに、より激しく、より大胆に、女を支配するからである。』


何故、運命の神が女神なのは良く分かりませんが、僕も同じくどうせやるなら、

慎重にことを進めるより、リスクを取って積極的にやりたいです。

要するに失敗したとしても、自分のやり方で失敗したいわけで、変にチキンになって

慎重になり、更に失敗すると後悔が倍増するように思います。


とは言え、まあ常に『ライオン』でいると運命の罠に引っかかってしまうので、

『キツネ』の狡賢さも持ち合わせたいですがね。




日本の民主主義のおそまつさ

今は辞めたようですが、昔プロレスラーの大仁田厚が国会議員をやっていました。
所謂、小泉チルドレンの一人だったのですが、郵政法案の時のインタビューが
Youtubeに載っていたので、ご覧下さい。



このインタビューを見てて、何とも情けなくなりました。
大仁田曰く、

『僕らは小泉さんに選ばれた小泉さんの子供です』

『親を裏切れるんですか?』

こうしたセリフを聞いて、皆さんはどう思いますか?
国会議員を選ぶのは国民、正確には選挙区民であり、個人ではありません。
大仁田なりに昔気質の情に訴えたかったのだと思いますが、
これは完全な勘違い。国民主権を完全に否定するセリフです。

一方のハマコー曰く、

『議決権の行使をしない人間は議員の資格は無い』

『自分の意思表示をすることが長崎県代表としての貴方の務めでしょう』

正論です。もっともスポーツマン云々は余計ですが。。。
ハマコーはよくパフォーマンスするし、時折へんてこりんな事も言いますが、
やはり議員経験が長いだけに、民主主義の本質について正確に理解していると
感じました。まあだからこそ、あれだけの大立ち回りをしても選ばれ続けたのでしょうけど。

僕は国会議員としてのハマコーの資質には疑問も持ちますが、
それでも大仁田よりは大分マシ。大仁田だけではないですが、日本の政治家には
あまりにタレント出身者や2世・3世と言った政治家としての資質以外の
面で選挙に受かった人が多過ぎるような気がします。
『その国の民主主義のレベルは国民の知性に比例する。』
やっぱり正しい人を選んでいきたいです。

創造の息吹

今のクライアントはかなりやりそうな気がしてます。

ベンチャー、特にシード段階での最重要項目はユーザーの

ニーズをしっかり捉えられるか?そしてフェアな価格でそのニーズを

満たせるか?の2点に絞られると思います。

つまり0を1にするにはやはり4Pの中でも特にプロダクトが重要だと

思うわけです。で、今のクライアントはそれが結構出来ていると思います。


と、まあ堅苦しいビジネスの話は抜きにしては、

今のクライアントから創造の息吹を感じるのは、『健全な明るさ』が

メンバーの1人1人から感じられることです。

皆仲がよく、職場は笑いが絶えません。でも、遊んでいるわけではなく、

今、開発の真っ只中であり、非常に忙しく、しかもトラブル続発です。

でも、悲壮感が全く感じられず、むしろこの状況を楽しんでいるような雰囲気です。


個人のスキルが高いこと、その個人が結構頑張っていること。

更に根っこの部分で前述のような明るさが満ちているため、

トラブルも災い転じて福となす、というような結果が結構多いような気がします。


で、先日飲んだとき、エンジニアの人が言った言葉。

『エンジニアはチャレンジングな事が無いとモチベーションが下がるんです。』

困難にぶつかるから、成長が出来る。そして困難を一緒に楽しめる仲間がいる。

そんな明るさが今のクライアントには感じられます。

『技術』を語るときの、エンジニアたちの純粋な目。

見ていて、本当に気持ちが良いし、この事こそ成長の源泉ではないでしょうか。

僕もインキュベータとしての責任を痛感し、身が引き締まる思いです。


日本で一番大切にしたい会社

知り合いのVCの方に勧められて読んでみました。

著者は企業の使命と責任として次の5つを挙げています。

優先順位順だそうです。


① 社員とその家族を幸せにする


→多くの企業は「お客様」が一番と謳っているケースが多い中で、

  著者は社員とその家族を上位に置いています。これは働いている

  会社に対する満足度が高く、帰属意識が強い社員でなければ

  「お客様」が満足するようなサービスを提供できるはずが無い、

  という前提から立ってます。「お客様」の潜在ニーズを引き出し、

  良い製品・サービスを提供する、つまり新しい価値を創造するのは

  社員だからその社員を幸せにしましょう、ということ。

  面白いのは社員の家族にまで言及していること。社員にも家族があり、

  その家族の幸せが未達のままで、社員の幸せは有り得ない、というわけです。

 

  この項は僕も結構納得です。まずは中を幸せにすることは雇用を提供している

  企業としては最優先だと思ってます。面白いことにソニー創業者の盛田さんも

  全く同じ事を言ってます。彼の経営哲学は「ソニーに関わる全ての人たちを幸せにする」

  だそうで、その中でも人生の大部分を捧げてくれる社員は一番大切にしたい、とのこと。

  僕も全く同感です。

 

② 外注先・下請け先の社員を幸せにする。


→外注先・下請けの社員を「社外社員」と定義して大切にすべし、とのこと。

  意外でしたが、サプライチェーンという大きな枠で見ると、そうした外注先なくして

  困るのは自分でしょう、ということ。実例としてはトヨタとかは系列以外の部品メーカーと

  がっつり組んで一緒にやってます。彼らの基本姿勢はWin-Winだそうです。 


  しかし個人的にはこれはちょっと厳しいのでは、と思ってます。企業間のしがらみの

  遠因になるからです。しかも自社内の甘えは手綱を引き締めることで改善は可能ですが、

  外注先・下請けはあくまで他社。要するにガバナンスの権限に限界があります。

  もちろん回避する策はたくさんあるでしょうが、現実の企業社会では、

  昔からの付き合いが重きを置かれ過ぎ、結果として非効率なままになっていることは

  よくあるケース。なので、「自社にとって大切なパートナー企業を慎重に選び、

  Win-Winの関係を構築する」と自分なりに置き換えて理解したいと思います。


③ 顧客を幸せにする。


→当たり前のことなので、割愛します。ちなみに僕であれば顧客を2番目におきます。


④ 地域社会を幸せにし、活性化させる。


→CSRの代名詞的なフレーズに聞こえるかもしれませんが、この重要性を示す

  実例はたくさんあります。豊田町のトヨタ、門真のパナソニックなど、オラが村の

  企業はあるし、地元の忠誠心は企業が苦境に陥ったときこそ、真価を発揮します。

 

  一例として、宇部興産という会社の例を挙げます。100年以上も山口県宇部市に

  根を張っている企業ですが、当然その歴史の中で苦境に陥ったときもあるわけですが、

  いつだったか具体的な時期は分からないのですが、一大苦境に陥ったとき、

  なんと地元住民がお金を出し合い、株を購入して、宇部興産の窮地を救ったとの事。


  ただ僕は少なくともベンチャー企業にとっては優先度が低いように思いました。

  なぜか、地元に根付くのは、地域への貢献が本当に感じてもらえるようになるには

  時間がかかるからです。例に挙げた企業すべからず何10年も続いている老舗企業です。

企業には規模や歴史に応じた社会的使命がある。そしてベンチャーの使命は

  新しい価値を作り出すこと。地域社会への貢献はそれがある程度実を結んでからでも

  遅くは無いと思います。地域への貢献って最近ファッションのように言われているフシがありますよね。


⑤ 自然に生まれる株主の幸せ。


→著者は株主の幸せは上の4つを高めれば自然に発生すると言ってます。

  つまり⑤は企業にとっての目的ではなく、結果だと。これは結構賛成です。

  株主の満足は利益を上げること、社会の公器として恥ずかしくない経営を行うこと、

  だと思うのですが、これは正しい戦略を正しく実行してのみ得られる結果であって、

  目的ではないはず。


これら5つの企業使命は示唆に富んでおり、考えさせられました。

ただ総論としての書評としては、あまりに企業の道徳的側面に偏りしすぎているような

印象を持ちました。利益を上げ、税金を払うことや、国際的競争力を上げることだって、

日本の産業の底上げになるわけです。まあついこの前までの行き過ぎた資本主義というか、

拝金主義的な傾向に対する著者なりのアンチテーゼというか、企業って経済的側面だけの

社会的使命を背負っているんじゃないんだよ、という警鐘を鳴らしたかったんだと思いますが。


まあ、僕もそういう風に理解したいと思います。最新の経営戦略論も大切。でもこうした

人間本来の尊厳とか、社会的弱者へのいたわりとか、そうした部分も大切にしていきたいな、

と思った本です。そういう意味では、若干、経営とか実務知識系の本ばかり読んでいた

僕にとっては一種の清涼剤になったかも、とか思ってます。

T字型の人材の重要性

今お手伝いをしているクライアントは、かなりSPECの高い人がいます。

普通大企業だったら百人規模のプロジェクトを数人で回しているので

SPECが要求されるのは必然のこと。


例えばエンジニアって世間一般では専門職と見做されがちです。

事実大企業ではこの傾向が強いそうです。

でも、技術の裾野は膨大であり、ベンチャーで求められるのは

こうした広大な技術の中にあるセグメントを深く掘るのもそうなのですが、

それだけでは十分でなくて、そのセグメントを横断して理解している

人材が重宝されてます。


これは少人数で全てを回さなければならないベンチャーでは

当たり前なのですが、こうした人材は非常に少ないのです。

なのでベンチャー企業の人材ニーズと供給のアンマッチが

なかなか解消されない。なので、起業の際には少なくとも

コアのメンバーは人格だけでなく、SPECも分かっていると言うことで、

知人友人が多いのは致し方なしか。少なくとも日本では。


ちなみにシリコンバレーが何故ベンチャーのメッカかと言うと、

人材のSPECに合致した供給力の豊富さが、実は最大のメリットだと言われてます。

企業はヒト・モノ・カネが三種の神器ですが、モノは日本は結構技術力高いので、

それほどハンデは感じません。カネですが、よくVCの厚みが日米で違うとかは

言われますが、これも事実なのですが、このヒトの供給力の差が

彼我の差に一番効いてきていると思ってます。


と、だいぶ話は反れましたが、僕がこのことを見てて一番感じたこと。

それは果たして自分には専門性があるのか?ということ。

MBAなのだからある程度マルチには出来ますが、コアとなる

強みってどこなのかな?と自問します。

これって将来の起業を目指すには一番大事な要素ですよね。

自分の強み・弱みを分析して、弱い部分を補完する人材と

一緒にやることは成功の大前提だと思ってます。


そしてそのコアの部分は起業に不可欠な部分でなければならないと思ってます。

例えば今のクライアントの社長は商品企画のバックグラウンド。

自分は営業育ちなので、やっぱ営業力が売りなのかな?

でもマーケティングも好きだし。

などと自分の好きなことと、本当の強みをまだ正確に把握できてません。

まあ、そうは言いつつ自分の好きなことをやるのが一番なのでは?

と思ってます。このブログのタイトルもそうだし。